JPS6216148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車用ブレーキ操作装置、詳しくは
ハンドルバーに固定する固定部材にレバー軸を介
して操作部をもつブレーキレバーを枢着し、該レ
バーの揺動操作によりブレーキを作動させて、自
転車の制動を行なう自転車用ブレーキ操作装置に
関する。

一般にこの種のブレーキ操作装置は、大略Ｌ字
形に形成してなるブレーキレバーを、ブラケツト
を介してハンドルバーに枢着するとともに、前記
レバーの基端部にブレーキワイヤーを支持し、更
にこのワイヤーを案内するアウター筒を前記ブラ
ケツトに支持して、前記レバーの操作部を、指を
のぞく他の４本の指で握ることにより前記ブレー
キワイヤーを牽引して制動するごとく構成してい
る。

ところで、前記ブレーキ操作装置により自転車
を制動する場合、親指をのぞく他の４本の指はハ
ンドルバーの握り部から離して行なう必要がある
ため、ブレーキ操作が安定よく迅速に行なえない
し、また制動時、前記ハンドルバーを保持するの
は、掌と親指だけとなり、従つてブレーキの制動
時ハンドルバーの保持がそれだけ不安定となつ
て、特に子供や婦女では安全な自転車の操縦が行
ない難いという問題があつたのである。

本考案はこのような実情に鑑みて考案したもの
で、その目的とするところはブレーキの制動時ハ
ンドルバーを確実に握りながら、親指だけで安定
よく、かつ、迅速にブレーキレバーの操作が行な
え、しかも前記ブレーキレバーにおける操作部の
移動軌跡を、前記ハンドルバーの側方からハンド
ルバーの中心を通る垂直線方向に向かつて斜めに
移動する軌跡として前記ブレーキレバーの操作を
非常に行ない易くしたブレーキ操作装置を提供せ
んとするにある。

而して本考案は、前記ハンドルバーに固定する
固定部材と、操作部をもち、前記固定部材にレバ
ー軸を介して枢着するブレーキレバーとから成
り、前記ブレーキレバーを前記ハンドルバーの中
心より下側に支持して、前記ブレーキレバーの操
作部を、前記ハンドルバーの側面に位置させると
共に、前記レバー軸を、前記ハンドルバーの中心
を通る垂直線に対し、先端側が下方側に向かい、
かつ、前記ハンドルバーの後方に向かうように傾
斜させ、前記ブレーキレバーにおける前記操作部
の移動軌跡を、前記ハンドルバーの側方から前記
垂直線方向に向かつて斜めに移動する軌跡とした
ことを特徴とするものである。

以下本案の構成を図に示す実施例に従つて説明
する。

図において附号１で全体的に示す固定部材は、
受片２と締付片３とからなり、前記受片２及び締
付片３には、それぞれハンドルバーＡの外周面に
適合する半円弧部２ａ，３ａが形成されている。

そして、前記受片２の上縁部に係合孔２１を形
成すると共に、前記締付片３の上縁部に前記係合
孔２１に係合可能な係合片３１を形成し、この係
片３１を前記係合孔２１に係合させることによ
り、前記受片２と前記締付片３とを連結可能とな
す一方、前記受片２の下縁部にボルト孔２２を、
又前記締付片３の下縁部に透孔３２をそれぞれ形
成し、該透孔３２及び前記ボルト孔２２にボルト
４１を螺締することにより、前記受片２と前記締
付片３とを前記ハンドルバーＡの握部Ｂ近くに締
付固定すべくしている。

又前記受片２の下部、詳しくは前記半円弧部２
ａよりも下方位置で、且つ、該半円弧部２ａの開
口側面とは反対側側面２ｂに、螺子孔５１をもつ
レバー軸５を一体に形成するのであつて、このレ
バー軸５は前記固定部材１をハンドルバーＡに取
りつけた時、該レバー軸５の先端が斜め下方を指
向し、かつ前記ハンドルバーＡの後方に指向すべ
く前記ハンドルバーＡの中心を通る垂直線l₁に対
して、所定角度傾斜させている。

尚、前記傾斜角度は120゜とするのが望まし
く、又、前記レバー軸５を前述した如く斜め下方
に傾斜させるだけでなく、更に前記握り部Ｂ側
に、例えば10゜傾斜させるのが望ましい。

更に、前記受片２の前記側面２ｂにアウター筒
４２の受け部６を一体に形成するのであつて、こ
の受け部６には、前記アウター筒４２によつて案
内される操作ワイヤー４３の案内孔６１を設けて
いる。

７は枢支部７１と操作部７２とからなるブレー
キレバーであつて、前記枢支部７１には、前記レ
バー軸５への取付孔７３と、前記操作ワイヤー４
３のエンド金具４４を係止するための係止孔７４
とを形成している。

そして、前記ブレーキレバー７は、前記取付孔
７３を介して前記レバー軸５に揺動自由に枢支す
ることにより、前記ハンドルバーＡの側面側に
て、該ハンドルバーＡの中心を通る垂直線l₁に対
し傾斜状態で、且つ、該レバー７の枢支部７１を
前記ハンドルバーＡの軸芯線l₁より下方に位置せ
しめる如く前記固定部材１、換言すれば前記受片
２に支持しているのである。

尚、図中８は、前記固定部材１の受片２を覆う
カバーで、該カバー８に形成した透孔にボルト４
５を挿通するとともに、該ボルト４５を前記レバ
ー軸５の螺子孔５１に螺締することにより、前記
受片２に装着されているのである。

本考案は、以上の如く構成するもので、自転車
を制動するには、前記ハンドルバーＡの握り部Ｂ
を掌全体で握つた状態のまゝで、親指を伸ばして
前記ブレーキレバー７の操作部７２にかけ、該レ
バー７を下方に移動させることにより行なうので
あつて、このレバー７の移動により操作ワイヤー
４３を引つ張つてブレーキを制動させるのであ
る。

而して前記ブレーキレバー７の枢支部７１が前
記ハンドルバーＡの軸芯線l₂より下方位置にて支
持され、且つ、該レバー７が前記ハンドルバーＡ
の中心を通る垂直線l₁に対して傾斜しているの
で、前記ブレーキレバー７の操作部７２は、その
回動範囲における出発位置から制動完了位置に至
るに従つて、前記ハンドルバーＡの中心を通る垂
直線l₁と平行な垂直面に対して、傾斜する軌跡l₃
を描きながら移動して、前記ハンドルバーＡに近
づいて行くこととなり、しかも、この操作部７２
の前記移動軌跡l₃は前記ハンドルバーＡの握り部
Ｂを把持している手の親指の動きと合致するので
ある。

従つて前記ハンドルバーＡの握り部Ｂを掌で確
実に把持しつつ、前記親指だけで、前記ブレーキ
レバー７の操作を行なえ、又、前記レバー７の操
作部７２は、前記ハンドルバーＡの側方から前記
垂直線l₁方向に向かつて斜めに移動し、該ブレー
キレバー７の操作が極めて容易に行なえるのであ
る。

以上述べた如く、本案自転車用ブレーキ操作装
置は、ハンドルバーに固定する固定部材と、操作
部をもち、前記固定部材にレバー軸を介して枢着
するブレーキレバーとから成り、前記ブレーキレ
バーを前記ハンドルバーの中心より下側に支持し
て、前記ブレーキレバーの操作部を、前記ハンド
ルバーの側面に位置させると共に、前記レバー軸
を、前記ハンドルバーの中心を通る垂直線に対
し、先端側が下方側に向かい、かつ、前記ハンド
ルバーの後方に向かうように傾斜させ、前記ブレ
ーキレバーにおける前記操作部の移動軌跡を、前
記ハンドルバーの側方から前記垂直線方向に向か
つて斜めに移動する軌跡としたものであるから、
ブレーキの制動を行なう場合、ハンドルバーの握
り部を、親指を除く他の４本の指と掌で確実に把
持しながら、親指だけでブレーキレバーを操作す
ることが出来、因つて、ブレーキ操作が安定よく
迅速に、かつ容易に行なえるのである。

しかも、前記ブレーキレバーにおける前記操作
部の移動軌跡が前記ハンドルバーの側方から前記
ハンドルバーの中心を通る前記垂直線方向に向か
つて斜めに移動する軌跡であるため、前記ブレー
キレバーの操作部を操作する親指の動きに無理が
なくて、前記レバーの操作を非常にスムーズに行
うことができ、因つて、ブレーキ操作がより一層
迅速に、かつ容易に行えるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示し、第１図は平面
図、第２図はその一部切欠側面図、又、第３図は
カバーの一部を切欠して第２図の矢印Ｓ方向より
見た図である。 １……固定部材、２……受片、３……締付片、
５……レバー軸、７……ブレーキレバー、Ａ……
ハンドルバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルバーにおける握部近くに装着する自転
   車用ブレーキ操作装置であつて、前記ハンドルバ
   ーに固定する固定部材と、操作部をもち、前記固
   定部材にレバー軸を介して枢着するブレーキレバ
   ーとから成り、前記ブレーキレバーを前記ハンド
   ルバーの中心より下側に支持して、前記ブレーキ
   レバーの操作部を、前記ハンドルバーの側面に位
   置させると共に、前記レバー軸を、前記ハンドル
   バーの中心を通る垂直線に対し、先端側が下方側
   に向かい、かつ、前記ハンドルバーの後方に向か
   うように傾斜させ、前記ブレーキレバーにおける
   前記操作部の移動軌跡を、前記ハンドルバーの側
   方から前記垂直線方向に向かつて斜めに移動する
   軌跡としたことを特徴とする自転車用ブレーキ操
   作装置。