JPS6215476Y2

JPS6215476Y2 -

Info

Publication number: JPS6215476Y2
Application number: JP16931281U
Authority: JP
Priority date: 1981-11-12
Filing date: 1981-11-12
Publication date: 1987-04-20
Also published as: JPS57114152U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］この考案は、主として小型エンジンに用いら
れ、ゴムのような弾性体からなるエンジンカバー
に関するものである。

［従来技術およびその問題点］従来、エンジンカバーは金属製であるが、金属
製の場合には、エンジン本体の振動によりレベル
の高い騒音を発生するほか、この振動にもとづく
繰返し荷重の発生により耐久性を失いやすく、ま
た、エンジン重量の増加を招く欠点がある。

また、冷却フインの振動を防止できる構造では
ないから、冷却フインの振動音がエンジンカバー
を通り抜けて周囲へ伝達されるのは避けられな
い。そこで、冷却フインの振動を防止するため
に、金属製のエンジンカバーの内面にゴムのフイ
ンダンパを取り付け、このフインダンパを冷却フ
イン間に嵌合させた技術が知られているが（実公
昭48−39926）、この技術によつても、フインダン
パを介して伝達されるエンジンの振動により、金
属製のエンジンカバーが振動して騒音を発生する
のは避けられない。

この考案は、上記従来の欠点を解消するために
なされたもので、エンジンカバーおよび冷却フイ
ンからの騒音の発生を抑制するとともに、エンジ
ンカバーの耐久性の向上、コストダウンおよび軽
量化を実現し、さらに、エンジンカバーのエンジ
ンへの取付けを容易化することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］上記目的を達成するために、この考案は、シリ
ンダの冷却フインとシリンダヘツドの冷却フイン
とが互いにほぼ90度異なる２方向へ延びているエ
ンジンに装着されるエンジンカバーを、ゴムのよ
うな弾性体として、このエンジンカバーにフイン
ダンパを一体形成し、このフインダンパを、上記
冷却フイン間に嵌合させ、エンジンカバーの端部
を締結部材でエンジン本体に締結している。

［作用］この考案によれば、エンジンカバーは弾性体で
形成されているから、エンジンカバーが締結部材
によりエンジン本体に締結されているにもかかわ
らず、エンジン本体からエンジンカバーに伝わる
振動を減衰することができる。また、フインダン
パにより冷却フインの振動も防止される。

さらに、エンジンカバーを弾性体で構成するこ
とにより、金属製のものと比べて軽量化される。
しかも、フインダンパをエンジンカバーに一体形
成したから、部品点数が減少する。

また、フインダンパが、互いにほぼ90度異なる
方向へ延びる冷却フイン間に嵌合してエンジンカ
バーを係止させる機能を備えているから、エンジ
ンカバーに一方向の大きな外力が作用した場合で
も、この外力に抗してエンジンカバーをエンジン
本体に強固に係止させる。さらに、エンジンカバ
ーは、大きな一体物でありながら、その弾性体の
屈曲性を利用して、フインダンパを90度異なる冷
却フインに容易に係合、離脱させることができ
る。

［実施例］以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図において、１はクランクケース、２はシ
リンダ、３はシリンダヘツド、４は点火プラグ、
５はピストン、６はエンジンへの冷却風入口、７
は冷却風出口、８はエンジンカバーであり、その
端部が、エンジン本体９に締結部材の一種である
ボルト１０により締結されており、上記冷却風入
口６と冷却風出口７を除いて、上記シリンダ２お
よびシリンダヘツド３の露出部の全てを覆つてい
る。第２図に示すように、上記シリンダ２とシリ
ンダヘツド３には、互いにほぼ90度異なる２方
向、すなわち、水平方向と鉛直方向へ延びる冷却
フイン１１Ａ，１１Ｂがそれぞれ設けられてい
る。

上記エンジンカバー８はゴムのような弾性体か
ら形成されていて、継ぎ目のない一体物である。
また、エンジンカバー８の内面には、シリンダ２
の冷却フイン１１Ａ，１１Ａ間に着脱自在に嵌合
するフインダンパ１２Ａと、シリンダヘツド３の
冷却フイン１１Ｂ，１１Ｂ間に着脱自在に嵌合す
るフインダンパ１２Ｂとが一体成形にて設けられ
ている。

上記構成において、エンジンカバー８は弾性体
で構成されているから、エンジンカバー８がボル
ト１０によりエンジン本体９に締結されているに
もかかわらず、エンジン本体９からエンジンカバ
ー８に伝わる振動を減衰することができる。した
がつて、エンジン本体９の振動に基づくエンジン
カバー８からの騒音が著しく低減されるととも
に、エンジンカバー８は繰返し荷重に対して充分
な耐久性をもつことになる。

また、フインダンパ１２Ａ，１２Ｂにより冷却
フイン１１Ａ，１１Ｂの振動も防止されるから、
冷却フイン１１Ａ，１１Ｂの振動音がエンジンカ
バー８を通り抜けて周囲へ伝達されるのを防止で
きる。

さらに、エンジンカバー８を弾性体で構成する
ことにより、金属製のものと比べて軽量化され
る。しかも、エンジンカバー８はシリンダ２およ
びシリンダヘツド３の露出部の全てを覆う継ぎ目
のない一体物であり、かつ、フインダンパ１２
Ａ，１２Ｂをエンジンカバー８に一体形成したか
ら、部品点数が減少する。したがつて、組立が容
易になり、製作コストも低下する。

また、フインダンパ１２Ａ，１２Ｂは、互いに
ほぼ90度異なる方向へ延びる冷却フイン１１Ａ，
１１Ｂ間に嵌合して、エンジンカバー８をエンジ
ン本体９に係止させる機能を備えているから、エ
ンジンカバー８に一方向の大きな外力が作用した
場合でも、この外力に抗してエンジンカバー８を
エンジン本体９に強固に係止させる。たとえば、
第２図のエンジンカバー８にエンジン冷却風の風
圧による上方への大きな押圧力が作用した場合、
シリンダ２の水平な冷却フイン１１Ａに嵌合され
たフインダンパ１２Ａにより、エンジンカバー８
がエンジン本体９に強固に係止され、上方へ脱落
するのが防止される。

したがつて、エンジンカバー８を固定するボル
ト１０の数を少なくすること、つまり組立作業を
より簡素にすることができる。しかも、エンジン
カバー８は、ボルト１０とフインダンパ１２Ａ，
１２Ｂの両方によつて、エンジン本体９に取り付
けられるから、この取付けがきわめて強固にな
る。

さらに、エンジンカバー８は、大きな一体物で
ありながら、その弾性体の屈曲性を利用して、フ
インダンパ１２Ａ，１２Ｂを90度異なる冷却フイ
ン１１Ａ，１１Ｂに容易に係合、離脱させること
ができ、これによつて、エンジンカバー８をエン
ジン本体９に容易に着脱できる。

［考案の効果］以上説明したように、この考案によれば、エン
ジンカバーの振動が防止されるので、騒音の低減
が実現されるとともに、エンジンカバーの耐久性
も向上する。また、エンジンカバーに形成された
フインダンパにより冷却フインの振動とそれに伴
なう騒音も抑制される。

さらに、エンジンカバーの軽量化と、部品点数
の減少による組立の容易化および製造コストの低
下とが実現される。

また、フインダンパは、互いにほぼ90度異なる
方向へ延びる冷却フイン間に嵌合しているから、
エンジンカバーがエンジン本体に強固に係止され
る。しかも、エンジンカバーは、締結部材により
エンジン本体に締結されているから、上記フイン
ダンパの係止力と相まつて、一層強固にエンジン
本体に取り付けられる。さらに、エンジンカバー
は、大きな一体物でありながら、その弾性体の屈
曲性を利用してエンジン本体に容易に着脱でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第
２図は第１図の一部を断面にて示す正面図であ
る。２……シリンダ、３……シリンダヘツド、６…
…冷却風入口、７……冷却風出口、８……エンジ
ンカバー、９……エンジン本体、１０……締結部
材、１１Ａ，１１Ｂ……冷却フイン、１２Ａ，１
２Ｂ……フインダンパ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

シリンダに複数設けられた冷却フインとシリン
ダヘツドに複数設けられた冷却フインとが互いに
ほぼ90度異なる２方向へ延びているエンジンに装
着されて、エンジンの冷却風入口と冷却風出口を
除き、シリンダおよびシリンダヘツドの露出部の
全てを覆うエンジンカバーであつて、ゴムのよう
な弾性体で継ぎ目のない一体物として構成される
とともに、上記シリンダの冷却フイン間およびシ
リンダヘツドの冷却フイン間にそれぞれ嵌合させ
るフインダンパが上記弾性体で一体形成されてお
り、端部が締結部材によりエンジン本体に締結さ
れていることを特徴とするエンジンカバー。