JPS6214411Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は器具取付装置に係り、天井などにシヤ
ンデリアなどの器具を吊下げ支持するものに関す
る。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来天井などに重量のある器具を取付ける場合
木ねじの締付力での不充分なため、実公昭57−
5363号公報に記載されているような構造の器具取
付具が知られている。この器具取付具は細長引掛
け具に回動自在に取付けた回転支持具にボルトを
螺合し、引掛け具を垂直状にしてボルトに添接し
た状態で天井の穴に挿通し、引掛け具を穴の上方
で水平状に回動させて引掛け具を野縁の上面に係
止し、ボルトを吊り下げ保持し、このボルトに器
具を取付けるようになつている。

しかしながらこの構造ではボルトに添接して天
井穴に挿通したとき、引掛け具が野縁に係合する
以前に過回動し、引掛け具が180度回動すると、
再び引掛け具がボルトに添接した状態となり、野
縁に引掛け具が係合することなく、天井穴から抜
け外れ、また引掛け具が野縁に引掛つても不安定
な状態で引掛つたような場合は震動などで外で、
重量物のシヤンデリアなどが落下される危険性が
あつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、ボル
トに引掛け具を添接して造営面の穴に挿入したと
きに引掛け具は水平方向の回動範囲を規制され、
引掛け具が穴の上方において野縁などに確実に係
合し得る開き角度で回動を停止され、引掛け具が
確実に係合できるようにした器具取付装置を提供
するものである。

〔考案の概要〕

本考案は引掛け具をボルトに添接して造営面例
えば天井穴から挿通して引掛け具を野縁などの上
面に係止してボルトを支持できるようにした器具
取付装置において、ボルト挿通部を形成した細長
引掛け具に回動自在に取着され前記ボルトを螺合
するねじ孔を形成した回転支持具とを備え、前記
引掛け具を垂直状に回動し前記ボルトに添接し天
井などの造営面に設けた穴に挿入し引掛け具をボ
ルトと直交方向の水平方向に回動させて前記穴の
上方で係止するものにおいて、前記ボルトの上端
部に前記回転支持具より下方への移動を規制しか
つ前記引掛け具をボルトに添接して引掛け具を水
平方向に回動させる際に前記引掛け具のボルト挿
通部に係合して前記引掛け具の回動範囲を規制す
るストツパー部を形成してなり、このストツパー
部により引掛け具がボルトと添接する方向と反対
方向の回動を規制したものである。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例の構成を図面について説明す
る。

１は引掛け具で断面略Ｕ字形に形成され両側面
２，３の下縁両端は凹凸状の係止縁４に形成され
ている。またこの引掛け具１の上面には長孔状の
ボルト挿通部５がこの引掛け具１の長さ方向の中
央部より一端側に偏位して形成されている。

また前記引掛け具１の上面一端には下方に向つ
て切起した係合片６が形成され、この係合片６は
引掛け具１を垂直状に回動してボルト７に添接し
た際にボルト７の中間部に当接し、引掛け具１が
小さい衝撃力で水平方向に回動されるように引掛
け具１を傾斜状に保持し重心が不安定な位置にあ
るようにする。

また８は回転支持具で、略円環状に形成され内
周面はボルト７を螺合するねじ孔９に形成されて
いる。そして回転支持具８は前記引掛け具１の両
側面２，３間の引掛け具１の長手方向の中央部か
ら一端側に偏位した前記ボルト挿通部５の一端側
位置に軸支ピン１１にて回動自在に取付けられて
いる。

また前記ボルト７は回転支持具８のねじ孔９に
螺合され回動によつて上下移動されるように形成
されている。

また前記ボルト７の上端にはねじ溝１２を形成
しないストツパー部１３が形成され、このストツ
パー部１３は回転支持具８のねじ孔９に螺合され
ず下方に移動されないようになつている。そして
このストツパー部１３は、引掛け具１をボルト７
に添接した状態から引掛け具１を水平方向に回動
させる際に前記引掛け具１のボルト挿通部５の一
端に係合して引掛け具１の回動範囲を規制し引掛
け具１が略180度反転して逆向きにボルト７に添
接するとを阻止るようになつている。

次にこの実施例の作用について説明する。

第３図に示すように引掛け具１を垂直方向に倒
してボルト７に添接し、この状態で造営面例えば
天井１４に設けた穴１５に挿入し、引掛け具１の
下端側が天井穴１５から上方に抜けると、引掛け
具１は回転支持具８が中央部より一端側に偏位し
て軸支されているとともに係合片６がボルト７の
中間部に位置されているため、引掛け具１は少し
の震動でボルト７に対して直交方向の水平状に回
動され、ボルト７を下方に引くと、引掛け具１の
両端係止縁４が野縁１６の上面に係止される。

この引掛け具１がボルト７に添接した状態から
水平状に回動によつてボルト７の上端ストツパー
部１３がボルト挿通部５に入り込み、引掛け具１
が水平状態を超えて回動すると、ストツパー部１
３が第４図に示すようにボルト挿通部５の一端側
に係合して引掛け具１はそれ以上の回動を規制さ
れ、引掛け具１は反転した状態でボルト７に添接
することがなく、引掛け具１が野縁１６の上面に
係止されるようにボルト７に対し或る開き角度の
状態に保持される。従つて引掛け具１が略180度
反転して再びボルト７に添接されボルト７ととも
に天井穴１５から抜けることがない。

そして引掛け具１が野縁１６の上面に係止した
状態でボルト７の上端は引掛け具１のボルト挿通
部５から突出されている。そして天井１４から下
方に突出するボルト７の長さを調整するためにボ
ルト７を回動させると、ボルト７は回転支持具８
との螺合によつて上方に移動される。次いで天井
１４に当接したサポート１７をボルト７に締付け
螺合したナツト１８にて止着する。

また取付装置を取付ける際にボルト７に対し引
掛け具１を第４図に示すように反対方向に添接し
ようとするとストツパー部１３がボルト挿通部５
の一端に係合して、ボルト７に引掛け具１を添着
できず、引掛け具１の添接方向が逆であることを
覚知できる。この引掛け具１の添接方向が逆方向
であると、引掛け具１は重心位置が安定し、穴１
５に挿通した状態で引掛け具１は水平状に回動さ
れず、野縁１６に係止することができない。

なお前記実施例ではボルト７の上端ストツパー
部１３をねじ溝１２を形成しない部分で形成した
がこの構造に限らず、ねじ溝１２を潰した部分で
形成してもよく、またボルト７の上端に環体など
のストツパー形成部材を取着してストツパー部１
３を形成することもできる。

〔考案の効果〕

本考案によればボルトの上端部に回転支持具か
ら下方への移動を規制しかつ引掛け具をボルトに
添接して引掛け具を水平方向に回動するとき引掛
け具のボルト挿通部に係合して引掛け具の回動範
囲を規制するストツパー部を形成したので、引掛
け具をボルトに添接して天井などの造営面に設け
た穴に挿通したとき、引掛け具が水平方向に回動
されたとき、ボルトのストツパー部が引掛け具の
ボルト挿通部に係合し、引掛け具の回動範囲を規
制され、引掛け具が略180度反転して再びボルト
に添接されることがなく、引掛け具はボルトに対
して或る程度開き角度を保持し、造営面の穴をボ
ルトに添接された引掛け具が抜け出たときにボル
トを下降させると引掛け具は野縁などの穴の上方
に確実に係止され、引掛け具が穴から落下される
ことがなく安全性が高められる。

また引掛け具を水平方向に回動され易い方向と
逆方向に回動させてボルトに添接させようとして
もボルトのストツパー部がボルト挿通部に係合
し、引掛け具はボルトに添接されず、穴に挿入で
きないため引掛け具の添接方向が逆であることを
直ちに覚知でき、誤使用を防止でき、しかもボル
トはストツパー部が回転支持具のねじ孔の螺合回
転時のストツパーとなり、ボルトの抜け外れを防
止できるとともにボルトがストツパー部により下
方への移動が停止された状態でストツパー部が引
掛け具の水平方向回動の範囲を規制する位置に設
定され、操作性も向上され、部品数を増加させる
ことなく安価に得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す器具取付装置
を取付けた状態の正面図、第２図は同上器具取付
装置の斜視図、第３図は同上引掛け具をボルトに
添接した状態の断面図、第４図は同上引掛け具が
回動を規制された状態の断面図である。 １……引掛け具、５……ボルト挿通部、７……
ボルト、８……回転支持具、９……ねじ孔、１３
……ストツパー部、１４……造営面の天井、１５
……穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボルト挿通部を形成した細長引掛け具と、ボル
   トと、前記引掛け具に回動自在に取着され前記ボ
   ルトを螺合するねじ孔を形成した回転支持具とを
   備え、前記引掛け具を垂直状に回動し前記ボルト
   に添接し造営面に設けた穴に挿入し引掛け具をボ
   ルトと直交方向の水平方向に回動させて前記穴の
   上方で係止するものにおいて、前記ボルトの上端
   部に前記回転支持具から下方への移動を規制しか
   つ前記引掛け具をボルトに添接して引掛け具を水
   平方向に回動するとき前記ボルト挿通部に係合し
   て前記引掛け具の回動範囲を規制するストツパー
   部を形成したことを特徴とする器具取付装置。