JPS6154167B2 - - Google Patents
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- JPS6154167B2 JPS6154167B2 JP54147259A JP14725979A JPS6154167B2 JP S6154167 B2 JPS6154167 B2 JP S6154167B2 JP 54147259 A JP54147259 A JP 54147259A JP 14725979 A JP14725979 A JP 14725979A JP S6154167 B2 JPS6154167 B2 JP S6154167B2
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Landscapes
- Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
Description
本発明は、ブロア、圧延機等々の回転機器の機
械的異常、例えば、ロータ等のアンバランス、回
転軸の芯狂い、曲り、偏平、軸受のきず等を検出
する回転機器の異常診断装置に関するものであ
る。 従来、この種の異常診断には回転機器の機械振
動を検出し、そのオーバーオール振幅（全振幅）
を振動計で読み取り、その大小より異常の有無を
推定する方法と、周波数スペクトル解析器を用い
振動信号を本格的にスペクトル分析し、その分析
結果に基いて異常の有無を判定する方法とが採用
されている。 しかしながら、前者の方法では、全振幅のみし
か検出できないので、例え全振幅が大幅に増加し
たとしても、それが当該回転機器の異常による振
動の増大によるものか否かの判別が困難べあるう
え、回転機器の異常による振動の増大であること
が判別できたとしても、いかなる種類の異常かは
全く判別できない原理的な難点があつた。 この点、後者の方法では、上記の如き難点はな
いが、汎用されている周波数スペクトル解析器
は、一般的に取扱いが複雑で、形状寸法も大き
く、回転機器が設置されている現場に持込むのが
困難である。これは、データレコーダ等を現場に
持込んで、振動データを一旦記録し、記録した振
動データを持ち帰つて再生し、これを上記周波数
スペクトル解析器でスペクトル解析するようにす
れば、一応解決できるが、結果を得るまでに長時
間を要するうえ、なまの周波数スペクトルから異
常の有無や、異常の原因を正確に診断することは
仲々に困難で、得られた周波数スペクトル２次加
工する等のデータ処理を熟練を要し、実用的でな
い問題があつた。 本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、現場での直接診断が可能であり、しかも
異常の原因を容易に知ることができるように、振
動の周波数スペクトルを２次加工したうえで出力
することができる実用的で便利な回転機器の異常
診断装置を提供することを基本的な目的としてい
る。 このため、本発明においては、回転機器の振動
信号を所定の帯域フイルタに通して、不要な低周
波信号、高周波信号を除去したうえで、デイジタ
ル変換し、このデイジタル信号をデイジタル演算
式周波数スペクトル分析計算器でスペクトル分析
する。このスペクトル分析結果は、診断対象たる
回転機器の正常時のスペクトル分析結果を予じめ
記憶させたメモリの基準周波数スペクトルと対照
して差スペクトルを作成し、この差スペクトルの
振幅が基準周波数スペクトルにより定まる一定の
基準値を越えた場合のみ、この差スペクトルのな
かから、例えば上位10組を選んでこれら10組の振
幅を大小順に並べて出力するようにする。なお、
この基準値は多くの回転機器の振動解析データか
ら経験的に判断し正常な回転機器の基準周波数ス
ペクトルにより定まる一定値に決め込まれる。こ
れら、10組の各振幅は、次回のスペクトル分析に
よつて得られる差スペクトルと、前回の差スペク
トルの各振幅の相加平均の結果として得られる平
均振幅と比較し、各平均振幅が前回の振幅に等し
いかそれ以上であれば、当該周波数に該当する異
常原因有として周波数スペクトル分析値及び基準
周波数スペクトルとの差スペクトルのなかから上
位10組をプリントアウトして当該診断対象回転機
器の異常を警告するようにしたものである。 以下、図示の実施例について、本発明をより具
体的に説明する。 図面において、１は異常の有無を診断する対象
である回転機器に装着し、回転機器の振動を電気
信号として取出す動電型、或いは圧電型の振動検
出装置、２は振動検出装置１の出力信号を増幅す
る前置増幅器、３は増幅された振動信号のうち異
常の診断に不要な高周波数成分をカツトする高周
波域遮断フイルタ、４は異常の診断に不要な低周
波成分をカツトし、前段の高周波域遮断フイルタ
３とともに、異常の診断に有用な周波数成分のみ
を通過させる帯域フイルタを形成する低周波域遮
断フイルタ、５は以後のデイジタル処理のためア
ナログ信号をデイジタル信号に変換するＡ／Ｄ変
換器、６はデイジタル信号に変換された振動信号
の周波数スペクトル分析を行なうデイジタル演算
式周波数スペクトル分析計算器、７は上記回転機
器の正常時における周波数スペクトル予じめ記憶
させた基準周波数スペクトル記憶メモリ、８は第
１回目、第２回目というように、デイジタル演算
式周波数スペクトル分析計算器６によつて計算さ
れる周波数スペクトルの相加平均を演算する相加
平均算出器（但し、第１回目の場合には入力値そ
のままである。）、９は上記デイジタル演算式周波
数スペクトル分析計算器６により算出され、相加
平均算出器８を介して入力される回転機器の振動
の周波数スペクトルと、上記基準周波数スペクト
ル記憶メモリ７に記憶された基準周波数スペクト
ルとに、周波数ごとにマツチングさせて両者の振
幅の大小を比較し、前者の振幅Ａ（k1），Ａ
（k2），…Ａ（ｋp）が後者の基準振幅As（k1），
As（k2），…，As（ｋp）より大きく、かつ基準
振幅に対し予め定めた限界値を越えている場合こ
れを差スペクトルとして出力する比較器、１０は
比較器９から入力される各周波数ｋごとの振幅の
差信号ΔＡ（k1），ΔＡ（k2），ΔＡ（k3），…，
ΔＡ（ｋp）の大小を比較し、これらの差信号の
うち上位ｎ組、例えば10組の差信号を大きい順に
順位判定して、判定に係る差信号を順次に出力す
る大小順位判定器、１１は大小順位判定器１０の
出力と比較器９の出力とから異常の有無を判定
し、その判定結果を信号表示する異常判定回路、
１２はＡ／Ｄ変換器５の以降の各回路６〜１１の
各動作タイミングを制御する装置の制御回路であ
る。 回転機器の異常は、第１表に示すように、多岐
に亘り、しかも各異常原因によつて発生する振動
数も広範囲に亘ることから、回転機器の回転振動
数foを50Hzとした場合、高周波域遮断フイルタ３
の遮断帯域は２〜5KHz、低周波域遮断フイルタ
４の遮断帯域は0.1〜10Hzとすることが好まし
い。なお、これらのフイルタ３，４は対象機種に
応じて、適宣、適当な帯域のフイルタにおき変え
ればよい。
械的異常、例えば、ロータ等のアンバランス、回
転軸の芯狂い、曲り、偏平、軸受のきず等を検出
する回転機器の異常診断装置に関するものであ
る。 従来、この種の異常診断には回転機器の機械振
動を検出し、そのオーバーオール振幅（全振幅）
を振動計で読み取り、その大小より異常の有無を
推定する方法と、周波数スペクトル解析器を用い
振動信号を本格的にスペクトル分析し、その分析
結果に基いて異常の有無を判定する方法とが採用
されている。 しかしながら、前者の方法では、全振幅のみし
か検出できないので、例え全振幅が大幅に増加し
たとしても、それが当該回転機器の異常による振
動の増大によるものか否かの判別が困難べあるう
え、回転機器の異常による振動の増大であること
が判別できたとしても、いかなる種類の異常かは
全く判別できない原理的な難点があつた。 この点、後者の方法では、上記の如き難点はな
いが、汎用されている周波数スペクトル解析器
は、一般的に取扱いが複雑で、形状寸法も大き
く、回転機器が設置されている現場に持込むのが
困難である。これは、データレコーダ等を現場に
持込んで、振動データを一旦記録し、記録した振
動データを持ち帰つて再生し、これを上記周波数
スペクトル解析器でスペクトル解析するようにす
れば、一応解決できるが、結果を得るまでに長時
間を要するうえ、なまの周波数スペクトルから異
常の有無や、異常の原因を正確に診断することは
仲々に困難で、得られた周波数スペクトル２次加
工する等のデータ処理を熟練を要し、実用的でな
い問題があつた。 本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、現場での直接診断が可能であり、しかも
異常の原因を容易に知ることができるように、振
動の周波数スペクトルを２次加工したうえで出力
することができる実用的で便利な回転機器の異常
診断装置を提供することを基本的な目的としてい
る。 このため、本発明においては、回転機器の振動
信号を所定の帯域フイルタに通して、不要な低周
波信号、高周波信号を除去したうえで、デイジタ
ル変換し、このデイジタル信号をデイジタル演算
式周波数スペクトル分析計算器でスペクトル分析
する。このスペクトル分析結果は、診断対象たる
回転機器の正常時のスペクトル分析結果を予じめ
記憶させたメモリの基準周波数スペクトルと対照
して差スペクトルを作成し、この差スペクトルの
振幅が基準周波数スペクトルにより定まる一定の
基準値を越えた場合のみ、この差スペクトルのな
かから、例えば上位10組を選んでこれら10組の振
幅を大小順に並べて出力するようにする。なお、
この基準値は多くの回転機器の振動解析データか
ら経験的に判断し正常な回転機器の基準周波数ス
ペクトルにより定まる一定値に決め込まれる。こ
れら、10組の各振幅は、次回のスペクトル分析に
よつて得られる差スペクトルと、前回の差スペク
トルの各振幅の相加平均の結果として得られる平
均振幅と比較し、各平均振幅が前回の振幅に等し
いかそれ以上であれば、当該周波数に該当する異
常原因有として周波数スペクトル分析値及び基準
周波数スペクトルとの差スペクトルのなかから上
位10組をプリントアウトして当該診断対象回転機
器の異常を警告するようにしたものである。 以下、図示の実施例について、本発明をより具
体的に説明する。 図面において、１は異常の有無を診断する対象
である回転機器に装着し、回転機器の振動を電気
信号として取出す動電型、或いは圧電型の振動検
出装置、２は振動検出装置１の出力信号を増幅す
る前置増幅器、３は増幅された振動信号のうち異
常の診断に不要な高周波数成分をカツトする高周
波域遮断フイルタ、４は異常の診断に不要な低周
波成分をカツトし、前段の高周波域遮断フイルタ
３とともに、異常の診断に有用な周波数成分のみ
を通過させる帯域フイルタを形成する低周波域遮
断フイルタ、５は以後のデイジタル処理のためア
ナログ信号をデイジタル信号に変換するＡ／Ｄ変
換器、６はデイジタル信号に変換された振動信号
の周波数スペクトル分析を行なうデイジタル演算
式周波数スペクトル分析計算器、７は上記回転機
器の正常時における周波数スペクトル予じめ記憶
させた基準周波数スペクトル記憶メモリ、８は第
１回目、第２回目というように、デイジタル演算
式周波数スペクトル分析計算器６によつて計算さ
れる周波数スペクトルの相加平均を演算する相加
平均算出器（但し、第１回目の場合には入力値そ
のままである。）、９は上記デイジタル演算式周波
数スペクトル分析計算器６により算出され、相加
平均算出器８を介して入力される回転機器の振動
の周波数スペクトルと、上記基準周波数スペクト
ル記憶メモリ７に記憶された基準周波数スペクト
ルとに、周波数ごとにマツチングさせて両者の振
幅の大小を比較し、前者の振幅Ａ（k1），Ａ
（k2），…Ａ（ｋp）が後者の基準振幅As（k1），
As（k2），…，As（ｋp）より大きく、かつ基準
振幅に対し予め定めた限界値を越えている場合こ
れを差スペクトルとして出力する比較器、１０は
比較器９から入力される各周波数ｋごとの振幅の
差信号ΔＡ（k1），ΔＡ（k2），ΔＡ（k3），…，
ΔＡ（ｋp）の大小を比較し、これらの差信号の
うち上位ｎ組、例えば10組の差信号を大きい順に
順位判定して、判定に係る差信号を順次に出力す
る大小順位判定器、１１は大小順位判定器１０の
出力と比較器９の出力とから異常の有無を判定
し、その判定結果を信号表示する異常判定回路、
１２はＡ／Ｄ変換器５の以降の各回路６〜１１の
各動作タイミングを制御する装置の制御回路であ
る。 回転機器の異常は、第１表に示すように、多岐
に亘り、しかも各異常原因によつて発生する振動
数も広範囲に亘ることから、回転機器の回転振動
数foを50Hzとした場合、高周波域遮断フイルタ３
の遮断帯域は２〜5KHz、低周波域遮断フイルタ
４の遮断帯域は0.1〜10Hzとすることが好まし
い。なお、これらのフイルタ３，４は対象機種に
応じて、適宣、適当な帯域のフイルタにおき変え
ればよい。
【表】
【表】
上記のように、高周波側、低周波側の不要振動
成分を除去するようにすれば、他の原因により発
生する振動ノイズの参入を防止することができる
うえ、デイジタル演算式周波数スペクトル分析計
算器６における周波数スペクトル分析時におい
て、デイジタル演算式フーリエ変換に際して被演
算データの標本化によるエリアシング現象の発生
を防止することができるので、分析値に大きな誤
差が混入しない。 なお、デイジタル演算式周波数スペクトル分析
計算器６としては、LSI素子により構成されたデ
イジタル演算回路によりFFT（Fast Fourier
Transform）演算を行なう公知のものを使用でき
る。 上記比較器９は、デイジタル演算式周波数スペ
クトル分析計算器６によつて算出された周波数
k1，k2…，ｋi…，ｋpごとの振幅Ａ（k1），…，
Ａ（ｋi），…，Ａ（ｋp）と、基準振幅Ａs
（k1），…，Ａs（ki），…，Ａs（ｋp）との差振幅
ΔＡ（k1）（＝Ａ（k1）−Ａs（k1）），…，ΔＡ
（ｋi）（＝Ａ（ｋi）−ＡS（ｋi）），…，ΔＡ（ｋ
p）（＝Ａ（ｋp）−Ａs（ｋp））を算出し、差振幅
ΔＡ（ｋi）と基準振幅Ａs（ｋi）の比ｒ（ｋi）
（＝ΔＡ（ｋi）／Ａs（ｋi）が、予じめ定めた限
界値α（ｋi）より大きいか否かを判定する。こ
の限界値α（ｋi）は、検出しようとする周波数
ｋiごとに設定することによつて、異常原因別に
正確な判断が行なえるようにしてもよいが、場合
によつては一律に設定することもできる。 この限界値α（ｋi）は、回転機器の機種、検
出精度、異常原因等によつて適当に設定すればよ
く、例えば、α（ｋi）を２〜10の範囲で設定す
ることができる。 また、上記異常判定回路１１は、以下の処理を
行なう。 (i) 大小順位判定器１０により大きい順番に並べ
られた、例えば、10組の差スペクトルの振幅を
プリントアウトする。この場合のプリント内容
は、当該周波数とその振幅値である。 なお、大小基準判定器１０は、基準の範囲を
越える差スペクトルの振幅が少なくとも１つあ
れば、異常判定回路１１はこれをプリントアウ
トする。 (ii) また、大小基準判定器１０によつて基準の範
囲を越える差スペクトルの振幅が全く検出され
なかつたときには、異常判定回路１１は異常
無、即ち正常である旨をプリントアウトする。 (iii) 上記(i)の場合には、異常判定回路１１は、制
御回路１２に指令信号を出力し、プリントアウ
トした差スペクトルの振幅に対応した周波数を
指定して、次回の読込み演算を指令する。この
指令信号に応じて、デイジタル演算式周波数ス
ペクトル分析計算器６は回転機器の振動を再び
続込んでスペクトル分析を行ない、相加平均算
出器８において、指定された周波数について、
前回の振幅と今回の振幅との相加平均を算出し
たうえで、相加平均した振動と、基準周波数ス
ペクトルの対応する振幅とを比較器９において
比較し、その振幅差を大小順位判定器１０にお
いて、前回の対応する振幅差と比較する。異常
判定回路１１は、今回の振幅差が前回の振幅差
に等しいかそれ以上のときは、当該振幅異常が
偶然のものでないと判定して、当該周波数に振
幅異常有をプリントアウトする。 一方、今回の振幅差が前回の振幅差より小さ
いときには、上記相加平均操作を少なくとも１
回以上さらに続けて、減少傾向が続けば第１回
目の振動検出時に偶発的に回転機器の異常に関
知しない突発的な振動分が検出されただけであ
るとみなして診断対象を異常なしと判定し、そ
の判定内容をプリントアウトする。 そして、異常判定回路１１により、異常有と判
定された場合には、算出した差スペクトル並びに
当該周波数スペクトルの絶対値もプリントアウト
するのでプリントアウトされた周波数から、例え
ば、第１表に従つて、いかなる原因による異常か
を素早く判断することができる。 以上の説明から明らかなように、本発明は、振
動検出装置によつて回転機器の振動を電気信号と
して取出し、帯域フイルタによつて、異常判定に
不要な低周波、高周波の振動成分を除去したうえ
でＡ／Ｄ変換し、Ａ／Ｄ変換した信号はデイジタ
ル演算式周波数スペクトル分析計算器でスペクト
ル分析し、その分析結果を、比較器により回転機
器の正常時の基準周波数スペクトルと比較し、異
常とみなしうる周波数スペクトルすなわち正常時
の基準周波数スペクトルを分析した周波数スペク
トルの差スペクトルが予め定められた限界値を越
えている場合は、その差振動を出力して、これを
大小基準判定器に入力して、上位ｎ組を選ぶとと
もに、異常判定回路に入力し、異常判定回路は異
常とみなしうる周波数についてて、次回以降の振
幅との相加平均を演算し、相加平均した振幅と基
準振幅との差振幅を前回の差振幅と比較して、上
記推定した異常であるか否かを判定するようにし
た回転機器の異常診断装置を提供するものであ
る。 したがつて、本発明によれば、回転機器の異常
の診暖に必要な信号成分を取出すことができ、し
かも異常を生じている周波数を確実かつ正確に検
出することができるので、異常の有無のみならず
異常の原因をも把握することができるうえ、本装
置は現場に持込むことができるサイズとすること
ができるので、現場で即時に異常の有無を診断で
き、また、熟練技能者でなくとも診断作業に従事
することができる等、実用的な回転機器の異常診
断装置を提供することができる。 さらに、本発明によれば、１回の差スペクトル
の演算で限界値を越えた差振幅があつても、直ち
には異常とせず、次回以降の周波数スペクトルを
考慮して異常が次回以降に存在する場合にはじめ
て異常であることを判定することができるので、
単発的もしくは突発的な外乱データを確実に除外
することができ、異常判定の信頼性を大幅に向上
することができる。
成分を除去するようにすれば、他の原因により発
生する振動ノイズの参入を防止することができる
うえ、デイジタル演算式周波数スペクトル分析計
算器６における周波数スペクトル分析時におい
て、デイジタル演算式フーリエ変換に際して被演
算データの標本化によるエリアシング現象の発生
を防止することができるので、分析値に大きな誤
差が混入しない。 なお、デイジタル演算式周波数スペクトル分析
計算器６としては、LSI素子により構成されたデ
イジタル演算回路によりFFT（Fast Fourier
Transform）演算を行なう公知のものを使用でき
る。 上記比較器９は、デイジタル演算式周波数スペ
クトル分析計算器６によつて算出された周波数
k1，k2…，ｋi…，ｋpごとの振幅Ａ（k1），…，
Ａ（ｋi），…，Ａ（ｋp）と、基準振幅Ａs
（k1），…，Ａs（ki），…，Ａs（ｋp）との差振幅
ΔＡ（k1）（＝Ａ（k1）−Ａs（k1）），…，ΔＡ
（ｋi）（＝Ａ（ｋi）−ＡS（ｋi）），…，ΔＡ（ｋ
p）（＝Ａ（ｋp）−Ａs（ｋp））を算出し、差振幅
ΔＡ（ｋi）と基準振幅Ａs（ｋi）の比ｒ（ｋi）
（＝ΔＡ（ｋi）／Ａs（ｋi）が、予じめ定めた限
界値α（ｋi）より大きいか否かを判定する。こ
の限界値α（ｋi）は、検出しようとする周波数
ｋiごとに設定することによつて、異常原因別に
正確な判断が行なえるようにしてもよいが、場合
によつては一律に設定することもできる。 この限界値α（ｋi）は、回転機器の機種、検
出精度、異常原因等によつて適当に設定すればよ
く、例えば、α（ｋi）を２〜10の範囲で設定す
ることができる。 また、上記異常判定回路１１は、以下の処理を
行なう。 (i) 大小順位判定器１０により大きい順番に並べ
られた、例えば、10組の差スペクトルの振幅を
プリントアウトする。この場合のプリント内容
は、当該周波数とその振幅値である。 なお、大小基準判定器１０は、基準の範囲を
越える差スペクトルの振幅が少なくとも１つあ
れば、異常判定回路１１はこれをプリントアウ
トする。 (ii) また、大小基準判定器１０によつて基準の範
囲を越える差スペクトルの振幅が全く検出され
なかつたときには、異常判定回路１１は異常
無、即ち正常である旨をプリントアウトする。 (iii) 上記(i)の場合には、異常判定回路１１は、制
御回路１２に指令信号を出力し、プリントアウ
トした差スペクトルの振幅に対応した周波数を
指定して、次回の読込み演算を指令する。この
指令信号に応じて、デイジタル演算式周波数ス
ペクトル分析計算器６は回転機器の振動を再び
続込んでスペクトル分析を行ない、相加平均算
出器８において、指定された周波数について、
前回の振幅と今回の振幅との相加平均を算出し
たうえで、相加平均した振動と、基準周波数ス
ペクトルの対応する振幅とを比較器９において
比較し、その振幅差を大小順位判定器１０にお
いて、前回の対応する振幅差と比較する。異常
判定回路１１は、今回の振幅差が前回の振幅差
に等しいかそれ以上のときは、当該振幅異常が
偶然のものでないと判定して、当該周波数に振
幅異常有をプリントアウトする。 一方、今回の振幅差が前回の振幅差より小さ
いときには、上記相加平均操作を少なくとも１
回以上さらに続けて、減少傾向が続けば第１回
目の振動検出時に偶発的に回転機器の異常に関
知しない突発的な振動分が検出されただけであ
るとみなして診断対象を異常なしと判定し、そ
の判定内容をプリントアウトする。 そして、異常判定回路１１により、異常有と判
定された場合には、算出した差スペクトル並びに
当該周波数スペクトルの絶対値もプリントアウト
するのでプリントアウトされた周波数から、例え
ば、第１表に従つて、いかなる原因による異常か
を素早く判断することができる。 以上の説明から明らかなように、本発明は、振
動検出装置によつて回転機器の振動を電気信号と
して取出し、帯域フイルタによつて、異常判定に
不要な低周波、高周波の振動成分を除去したうえ
でＡ／Ｄ変換し、Ａ／Ｄ変換した信号はデイジタ
ル演算式周波数スペクトル分析計算器でスペクト
ル分析し、その分析結果を、比較器により回転機
器の正常時の基準周波数スペクトルと比較し、異
常とみなしうる周波数スペクトルすなわち正常時
の基準周波数スペクトルを分析した周波数スペク
トルの差スペクトルが予め定められた限界値を越
えている場合は、その差振動を出力して、これを
大小基準判定器に入力して、上位ｎ組を選ぶとと
もに、異常判定回路に入力し、異常判定回路は異
常とみなしうる周波数についてて、次回以降の振
幅との相加平均を演算し、相加平均した振幅と基
準振幅との差振幅を前回の差振幅と比較して、上
記推定した異常であるか否かを判定するようにし
た回転機器の異常診断装置を提供するものであ
る。 したがつて、本発明によれば、回転機器の異常
の診暖に必要な信号成分を取出すことができ、し
かも異常を生じている周波数を確実かつ正確に検
出することができるので、異常の有無のみならず
異常の原因をも把握することができるうえ、本装
置は現場に持込むことができるサイズとすること
ができるので、現場で即時に異常の有無を診断で
き、また、熟練技能者でなくとも診断作業に従事
することができる等、実用的な回転機器の異常診
断装置を提供することができる。 さらに、本発明によれば、１回の差スペクトル
の演算で限界値を越えた差振幅があつても、直ち
には異常とせず、次回以降の周波数スペクトルを
考慮して異常が次回以降に存在する場合にはじめ
て異常であることを判定することができるので、
単発的もしくは突発的な外乱データを確実に除外
することができ、異常判定の信頼性を大幅に向上
することができる。
図面は本発明の実施例に係る異常診断装置のブ
ロツク回路図である。 １……振動検出装置、３……高周波域遮断フイ
ルタ、４……低周波域遮断フイルタ、５……Ａ／
Ｄ変換器、６……デイジタル演算式周波数スペク
トル分析計算器、７……基準周波数スペクトル記
憶メモリ８……相加平均算出器、９……比較器、
１０……大小順位判定器、１１……異常判定回
路。
ロツク回路図である。 １……振動検出装置、３……高周波域遮断フイ
ルタ、４……低周波域遮断フイルタ、５……Ａ／
Ｄ変換器、６……デイジタル演算式周波数スペク
トル分析計算器、７……基準周波数スペクトル記
憶メモリ８……相加平均算出器、９……比較器、
１０……大小順位判定器、１１……異常判定回
路。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ 回転機器の振動を電気信号として検出する振
動検出手段と、 振動検出手段から出力される電気信号中、回転
機器の基準振動に対応して設定した通過帯域の信
号のみを通過させる帯域フイルタと、 帯域フイルタを通過した電気信号をデイジタル
信号に変換するアナログ−デイジタル変換器と、 上記デイジタル信号から周波数スペクトルを演
算するデイジタル演算式周波数スペクトル分析計
算器と、 回転機器の正常状態での周波数スペクトルを予
め記憶させた基準周波数スペクトル記憶メモリ
と、 演算された周波数スペクトルと上記基準周波数
スペクトルとの差スペクトルを作成する手段と、 差スペクトルの振幅を基準周波数スペクトルの
振幅値に応じて予め設定された限界値と比較し、 限界値以上の振幅を順次に出力する比較手段
と、 上記比較手段により出力される振幅の大小を判
定し、上位ｎ組（但し、ｎは正の整数）の振幅を
大きい順に出力する大小順位判別手段と、 有意な差スペクトルが発生した場合にのみ大小
順位判別手段によつて出力されるｎ組の振幅に対
応した各周波数ごとに、次回以降の周波数スペク
トル分析結果を読込んで次回以降の周波数スペク
トルとの相加平均を算出する相加平均算出手段
と、 上記各周波数ごとに、第１回目の判定で得られ
た初回振幅値と、相加平均に基づいて得られる平
均振幅値とを比較して、平均振幅値が初回振幅値
以上である場合に当該周波数について異常有と判
定する異常判定手段とを備えた回転機器の異常診
断装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14725979A JPS5670426A (en) | 1979-11-13 | 1979-11-13 | Diagnosing device for abnormality of rotary apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14725979A JPS5670426A (en) | 1979-11-13 | 1979-11-13 | Diagnosing device for abnormality of rotary apparatus |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5670426A JPS5670426A (en) | 1981-06-12 |
| JPS6154167B2 true JPS6154167B2 (ja) | 1986-11-21 |
Family
ID=15426178
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14725979A Granted JPS5670426A (en) | 1979-11-13 | 1979-11-13 | Diagnosing device for abnormality of rotary apparatus |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5670426A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0375194U (ja) * | 1989-11-25 | 1991-07-29 | ||
| JP2017142153A (ja) * | 2016-02-10 | 2017-08-17 | セイコーエプソン株式会社 | 寿命予測方法、寿命予測装置、および寿命予測システム |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58108419A (ja) * | 1981-12-23 | 1983-06-28 | Toshiba Corp | 異常検査装置 |
| US4608650A (en) * | 1983-08-09 | 1986-08-26 | Becton Dickinson And Company | Imbalance measuring system and method |
| JPS61164138A (ja) * | 1985-01-17 | 1986-07-24 | Yoneken:Kk | 機械作動部の異常検知方法 |
| JPS6293620A (ja) * | 1985-10-18 | 1987-04-30 | Kawasaki Steel Corp | 回転機診断器 |
| JPS63167222A (ja) * | 1986-12-27 | 1988-07-11 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 回転機械の異常診断装置 |
| JP4935165B2 (ja) * | 2006-04-17 | 2012-05-23 | 日本精工株式会社 | 異常診断装置及び異常診断方法 |
-
1979
- 1979-11-13 JP JP14725979A patent/JPS5670426A/ja active Granted
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0375194U (ja) * | 1989-11-25 | 1991-07-29 | ||
| JP2017142153A (ja) * | 2016-02-10 | 2017-08-17 | セイコーエプソン株式会社 | 寿命予測方法、寿命予測装置、および寿命予測システム |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5670426A (en) | 1981-06-12 |
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