JPS6153621B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は室内の冷暖房を行うことができる冷暖
房壁に関し、外壁１と内壁２との間隙に流通空間
３を形成すると共に外壁１と内壁２との間に多数
のヒートパイプ４を配設し、ヒートパイプ４の一
端に取付けた外壁側フイン５を外壁１の裏面に当
接すると共にヒートパイプ４の他端に取付けた内
壁側フイン６を上記流通空間３内に形成して成る
ことを特徴とする冷暖房壁に係るものである。

自然エネルギーを利用して室内の冷房、暖房を
行い省エネルギー化を図るということが行われて
いる。省エネルギー化の手段としては、外壁、屋
根、床等に使用される断熱材の厚さを増したりあ
るいは窓等の開口部の数を少なくするいわゆるパ
ツシブ的な省エネルギーの考え方と、太陽熱、太
陽光を利用して冷暖房を行つたりあるいは電気を
起したりする機器使用のいわゆるアクテイブ的な
省エネルギーの考え方とがある。アクテイブ的な
方法にあつては、冷暖房の効率が良いという利点
を有しているが、(i)機械、設備等のメンテナンス
が難しい、(ii)設備が大きくなり広い設置面積を必
要とする、(iii)駆動コストが高くしかもコストの割
に効率が悪い、(iv)操作方法が難しい等の欠点を有
している。一方、パツシブ的な方法にあつては、
アクテイブ的な方法とは反対にメンテナンスが容
易でありしかもコストが安いという利点を有して
いるが、効率が悪いという欠点がある。

本発明は上記の点に鑑みて成されたものであつ
て、アクテイブ的な方法の冷暖房の効率の良さと
パツシブ的な方法のメンテナンスの容易さやコス
トの安さ等の両方の利点を兼ね備えた冷暖房壁を
提供することを目的とするものである。

以下本発明を実施例により詳述する。第１図は
本発明の一実施例を示したもので、外壁１は熱伝
導性の良いパネルで形成してあり、また内壁２は
断熱材７の屋内側に内壁下地用ボード８を貼着し
て形成してある。外壁１と内壁２との間隙には屋
内側にて流通空間３が形成してある。この流通空
間３内には空気、水、その他の伝熱媒体が充填し
てある。外壁１と内壁２との間には円柱状のヒー
トパイプ４が内壁２と外壁１とを連結するように
多数配設してある。ヒートパイプ４の屋外側端部
には熱伝導性に優れた外壁側フイン５が取付けて
あつて、外壁側フイン５は外壁１の裏面に直接固
着してある。ヒートパイプ４の屋内側端部にはス
パイラル形状の内壁側フイン６が取付けてあり、
この内壁側フイン６は流通空間３内に位置してあ
る。図中９はヒートパイプ４内の液体の毛管作用
を行わせしめるウイツクであり、１０はヒートパ
イプ４を固定すると共に壁を補強してある軽量気
泡コンクリートである。

しかして、冬期の昼間に室内を暖めたい場合に
は、日射を受けて温度が上昇した外壁１の熱はヒ
ートパイプ４を経て内壁側フイン６に伝わり内壁
側フイン６の回りの伝熱媒体を暖めることができ
るものであり、その暖められた伝熱媒体を室内へ
送つて熱を放出し、室内を暖めることができるも
のである。また夏期の夜間等に外気温が室温より
下がつて室内の温度を下げたい場合には、流通空
間３に室内の温度で暖められた伝熱媒体を流して
伝熱媒体の熱を内壁側フイン６に伝え、ヒートパ
イプ４を経て外壁側フイン５へ伝導し外壁１より
外気へ放熱するものである。ヒートパイプ４に取
付けられた内壁側フイン６はスパイラル形状にし
ているため、伝熱媒体との接触面積を増やして熱
交換を効率良く行うことができるものであり、ま
た伝熱媒体が流通空間３内を流通する際に第２図
に示すように伝熱媒体にうずを生じさせて伝熱媒
体を撹拌することができ、伝熱媒体の温度分布を
一様にすることができるものである。また、この
ようにヒートパイプ４を壁内に埋設した冷暖房壁
を適宜建物の壁の一部あるいは全部に使用するこ
とにより、室内の冷暖房能力を変えることができ
るものである。

尚、第３図は他の実施例を示したもので、図中
１１は床１２下に設置された蓄熱蓄冷タンクであ
り、１３は送風用フアンである。送風用フアン１
３を駆動せせると風を室内側へ送風できるように
してある。図中１４，１５，１６は夫々の通風口
１７，１８，１９を開閉するダンパである。しか
して、夏の昼間に室内の温度を下げたい場合には
ダンパ１４，１５を閉じてダンパ１６を開け、送
風用フアン１３を駆動させる。空気は→床下→
と循環し、夜間に冷却された蓄熱蓄冷タンク１
１により床１２下を通過する空気が冷され、冷気
となつて通風口２０より室内へ吹出することがで
きるものである。また夏の夜間にはダンパ１４，
１５を開けてダンパ１６を閉じ、送風用フアン１
３を駆動させて空気を→冷暖房壁内→床下→
と循環させる。冷暖房壁内を通過した空気はヒー
トパイプ４によつて熱を奪われ、冷却された空気
は床２下の蓄熱蓄冷タンク１１において蓄冷する
と共に通風口２０より室内に送られる。冬の昼間
は夏の夜間の場合と同様に、ダンパ１４，１５を
開き、ダンパ１６を閉じる。空気は→冷暖房壁
内→床下→と循環し、冷暖房壁内で暖められた
空気が蓄熱蓄冷タンク１１を暖めて蓄熱する。夜
間にはダンパ１４，１５を閉じてダンパ１６を開
け、空気を→床下→と循環させることによ
り、蓄熱蓄冷タンク１１で暖められた温風を室内
に送風することができるものである。

上記のように本発明は、外壁と内壁との間隙に
流通空間を形成すると共に外壁と内壁との間に多
数のヒートパイプを配設し、ヒートパイプの一端
に取付けた外壁側フインを外壁の裏面に当接する
と共にヒートパイプの他端に取付けた内壁側フイ
ンを上記流通空間内に形成したので、外壁の熱を
ヒートパイプを経て流通空間へ伝えることができ
又逆に流通空間内の熱をヒートパイプを経て外壁
へ伝えることができ、流通空間内に充満した伝熱
媒体を室内へ適宜循環することにより冬期の昼間
には外壁の高温を伝熱媒体へ伝えて室内を暖める
ことができるものでありまた夏期の夜間には室内
の高温を流通空間より外壁へ放熱して伝熱媒体を
冷却し室内の温度を下げることができるものであ
り、室内の冷暖房の省エネルギーを行うに際して
上記のようにメンテナンスが容易でありしかも建
物の壁を利用することで場所をとらず、また従来
の如く大型機械を使用する必要がなくてコストが
安くしかも操作が簡単であり、さらにヒートパイ
プを使用しているため効率的に熱交換を行うこと
ができるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の一部切欠断面図、第
２図は同上の一部切欠斜視図、第３図は同上の他
の実施例の空気の循環を示す一部切欠断面図であ
る。 １は外壁、２は内壁、３は流通空間、４はヒー
トパイプ、５は外壁側フイン、６は内壁側フイン
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外壁と内壁との間隙に流通空間を形成すると
   共に外壁と内壁との間に多数のヒートパイプを配
   設し、ヒートパイプの一端に取付けた外壁側フイ
   ンを外壁の裏面に当接すると共にヒートパイプの
   他端に取付けた内壁側フインを上記流通空間内に
   形成して成ることを特徴とする冷暖房壁。