JPS6153104B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6153104B2
JPS6153104B2 JP52009792A JP979277A JPS6153104B2 JP S6153104 B2 JPS6153104 B2 JP S6153104B2 JP 52009792 A JP52009792 A JP 52009792A JP 979277 A JP979277 A JP 979277A JP S6153104 B2 JPS6153104 B2 JP S6153104B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
adsorbent
adsorption
reaction
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP52009792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5395872A (en
Inventor
Shinpei Matsuda
Jinichi Imahashi
Akira Kato
Fumito Nakajima
Meiji Ito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP979277A priority Critical patent/JPS5395872A/ja
Publication of JPS5395872A publication Critical patent/JPS5395872A/ja
Publication of JPS6153104B2 publication Critical patent/JPS6153104B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は硫黄化合物を含有するガスの処理方法
に係るもので、さらに詳細には、クラウス反応に
基づく硫黄回収装置等から排出される、硫黄化合
物を含有するテイルガスの処理方法の改善に関す
るものである。 燃焼排ガスその他大量の硫化水素、硫黄化合物
を多量に含むガスから硫黄を回収するための方法
としては、クラウス反応に基づく硫黄回収装置が
従来から広く用いられている。クラウス反応は原
理的には硫化水素の部分酸化反応であり、一般的
には次の3式で表わされる反応である。 H2S+3/2O2=SO2+H2O (1) 2H2S+SO2=3/xSx+2H2O (2) (1)と(2)から、 H2S+1/2O2=1/xSx+H2O (3) 反応装置内におけるクラウス反応は、(2)式に示
されるように発熱反応であり、反応は低温度で行
なわれるほど化学平衡的には硫黄の回収率は高く
なることが知られている。 硫黄回収装置あるいは硫黄回収反応工程におい
ては、反応は2〜3段に分れて行なわれ、途中に
は冷却工程と硫黄の凝縮工程とが入る。しかしこ
のように反応が2〜3段に分れて行なわれ、低温
度で行なわれる場合においても、テイルガス中に
は0.2〜2%の硫化水素ガス(H2S)、0.1〜1%の
亜硫酸ガス(SO2)、少量の二硫化炭素(CS2)、
硫化カルボニル(COS)その他硫黄蒸気等が含
有されている場合が多い。従つてクラウス反応に
基づく処理方法ではこれらの硫黄化合物を取除く
ためにいろいろな改良、改善が為されている。そ
れらの幾つかについて以下で説明する。 (イ) 低温クラウス法 クラウス反応を硫黄の露点以下の低温度で実
施するもので、テイルガス中の硫黄の除去率を
高める上でもつとも広く行なわれている方法で
ある。このような低温クラウス法としては触媒
としてアルミナを用いる方法(特公昭48−
20999)、活性炭を用いる方法(特公昭46−
22728)等が知られている。これらの方法で
は、前出の反応(2)が化学平衡によつて支配され
ているため硫黄成分の除去率に限界がみられ
る。またCS2、COS等の硫黄化合物を除去でき
ないので全体として硫黄化合物の除去率は低く
なる。従つて高い硫黄化合物の除去率を望む場
合には、低温クラウス法は適当な方法であると
は言えない。 以上に説明した低温クラウス法とは別に、液
相で低温クラウス法(特開昭47−11361)も提
案されている。 (ロ) 酸化吸収法 テイルガス中に含まれる硫黄化合物を酸化
し、実質的には硫黄化合物をすべてSO2とな
し、当該SO2を従来から公知の各種の排煙脱硫
方法によつて処理する方法である。この方法の
中には、二酸化硫黄(SO2)ガスを石こう
(CaSO4・2H2O)として固定する方法、亜硫酸
ナトリウムで吸収を行なうウエルン−ロード法
(Wellman−Lord法)と呼ばれる方法等がある
が、いずれもその廃液処理に問題があり、また
処理装置も複雑になる。 (ハ) 還元法 テイルガス中に含まれる硫黄化合物を還元
し、実質的にすべてを硫化水素となし、当該硫
化水素を部分酸化し、吸収法等によつて処理す
るものである。これらの方法には、硫化水素
(H2S)の処理にストレツトフオード法を適用
する、ビーボン・ストレツトフオード・プロセ
ス(特公昭49−11142)と、再生可能なアミン
類溶液で硫化水素を吸収するスコツト・プロセ
ス(特開昭49−114579、特開昭47−2908)とが
良く知られている。 しかし還元法においても、酸化吸収法の場合
におけると同様に廃液処理にいろいろと問題が
あり、また酸化あるいは吸収工程が低温の溶液
で行なわれるため、ガスの冷却、水分の除却が
必要となり処理装置の複雑化、費用の高騰は避
けられない。 本発明は以上に詳細に説明した従来技術にみら
れた問題点を解消することを目的として提案した
もので、脱硫効率が高く、また処理工程が簡便か
つ経済的であり、実施のための処理装置も簡単な
構造で済むような、改善された新規なガス処理方
法を提案したものである。 本発明になるガス処理方法は、チタンの酸化物
及び鉄または銅の酸化物を主成分とする、新規な
組成よりなる吸着剤を利用してテイルガスの処理
を行なうことを特徴とするものである。以下に添
付の図面、実施例等を参照し、本発明になるテイ
ルガスの処理方法及びその実施のための吸着剤に
ついてさらに詳細に説明する。 本発明になる改善された新規な工程を含んでな
る硫黄化合物含有ガスの処理方法は、基本的には
前出の(ハ)に記載した還元法に属するものである。
すなわち、前記ガス中に含まれる硫黄化合物を硫
化水素H2Sに転化する還元工程、硫化水素H2Sを
本発明になる新規な組成よりなる吸着剤、あるい
は触媒により除去する吸着工程、硫化された吸着
剤あるいは触媒を酸化し、再生する工程とを含む
ものであるが、ガス中に含まれる硫黄化合物を硫
化水素H2Sに還元し、転化するためには、ガスに
水素含有還元性ガスを添加して触媒と接触させる
ことが先ず必要である。この際使用する触媒とし
ては族−族の金属、あるいは硫化物を含有す
る触媒を使用することが好ましい。この代表的な
触媒としては、コバルト−モリブデン−アルミナ
触媒、ニツケル−モリブデン−アルミナ触媒等が
挙げられる。これらの触媒は通常酸化物として得
られるが、本発明になるガス処理方法において使
用するには、使用に先立つて350〜550℃の温度範
囲において還元し、活性成分を金属の状態にする
か、または硫化水素によつてさらに硫化し、硫化
物の状態にしておくことが好ましい。このように
硫化物の状態にすると主として二酸化硫黄SO2
らなる硫黄化合物の還元に高い活性を示すように
なる。 還元工程を進める温度は200〜400℃の温度範囲
であることが好ましい。還元反応を行なうための
反応温度が200℃以下であれば触媒の活性は十分
ではなく、一方400℃以上になると、熱的な損失
が大きく、経済性の面で問題がある。 200〜400℃の温度範囲で還元反応を進めると、
2酸化硫黄SO2、硫黄Sの還元反応(4)、(5)が進め
られると共に、硫化カルボニルCOS及び二硫化
炭素CS2の加水分解反応(6)、(7)が進行する。 SO2+3H2=H2S+2H2O (4) 1/xSx(gas)+H2=H2S (5) COS+H2O=CO2+H2S (6) CS2+2H2O=CO2+2H2S (7) テイルガス中には通常多量の水分が含まれてい
るので、上記反応(6)、(7)に必要な水分の供給は不
要である。なお反応(4)、(5)に必要な水素ガスH2
の供給は必要であるが、その必要供給量は化学量
論的に規定される値の1〜4倍程度である。 還元工程を行なう場合の空間速度(標準状態換
算)は200〜10000h-1、好ましくは200〜5000h-1
の程度に選ぶことが好ましい。空間速度を200h-1
以下にすると大量の触媒が必要となり、また
10000h-1以上である還元反応が十分に進まなくな
り、いずれも好ましくなく、したがつて200〜
10000h-1なる空間速度を選んだものである。 上記の還元工程により、テイルガス中に含まれ
る硫黄化合物は実質的にはすべて硫化水素H2Sに
転化される。 以上のように硫黄化合物を含むテイルガスは硫
化水素H2Sを含むテイルガスに転化されるが、硫
化水素含有テイルガスは鉄、および/または銅お
よびチタンの酸化物を主成分とする吸着剤(触
媒)と接触させることにより硫化水素H2Sを吸着
除去する。この吸着工程は、テイルガス中のH2S
と上記吸着剤とを反応させることにより硫化物と
水とを生成するものである。すなわち、上記吸着
剤あるいは触媒による吸着は物理的な吸着ではな
く、反応吸着である。 鉄(Fe)の硫化物としてはFeS、Fe2S3(FeS
とFe2Sとの混合物と考えても良い)等の他、
FeS2が一般的に広く知られており、一方銅、Cu
の硫化物としてはCu2S、CuSが広く知られてい
る。反応吸着工程は(8)、(9)式によつて示される。 3H2S+Fe2O3=3H2O+Fe2S3 (8) H2S+CuO=H2O+CuS (9) 反応吸着工程を行なう温度は100〜300℃の温度
範囲が好ましく、特に120〜250℃の温度範囲で実
施することがより好ましい。反応吸着温度が100
℃以下であると硫化水素H2Sの吸着速度が小さ
く、また吸着容量も小さい。したがつて大量の吸
着剤を必要とし、経済性の面で問題がある。 一方温度が300℃を越えると、吸着剤の酸化活
性が高くなり、二酸化硫黄SO2を生成する反応が
併発し、結果的には脱硫率が低下するので好まし
くない。前記で説明したように還元工程は200〜
400℃で行なわれ、吸着工程は100〜300℃で行な
われるので、還元工定と吸着工程との間には実質
的に冷却工定は必要ないか、あるいは必要である
としても、テイルガス中の水分の露点以下にする
必要もない。従来から広く利用されている湿式法
によるH2Sの除去の場合、テイルガス中の水分を
除去することが必要であつたことよりすれば、大
きな改善であり、従来必要であつた大きな冷却塔
も不要となつた。 上記の反応吸着工程を行なうための被処理ガス
の空間速度(標準状態換算)は100〜10000h-1
ましくは100〜5000h-1である。空間速度が100h-1
以下である場合、大量の吸着剤を必要とし、経済
性の面で問題がある。一方空間速度の上限は、被
処理ガス中のH2Sの濃度にも依存するが、例えば
H2Sの濃度が1%の場合には1000h-1程度に選ぶ
ことが好ましいものである。H2Sの濃度がさらに
高い場合には、空間速度の上限はより低い値に選
ぶことが好ましい。実質的には、空間速度の上限
は、使用した吸着剤が飽和吸着の状態に達するま
での時間、あるいは吸着工程−再生工程の一サイ
クルに要する時間を基準にして選ぶことにより規
定すれば良い。 本発明の方法を実施するに際し、特に反応吸着
工程を実施するに際しては、固定床、移動床、流
動床等、各形式の吸着塔を適用することは可能で
ある。固定床式の吸着塔を使用した場合、例えば
吸着剤としてTiO2−Fe2O3、CuOを充填した形式
のものを利用した場合、少なくとも当該吸着塔を
2基使用し、連続的に反応吸着を行なうことが好
ましい。このように吸着塔を2基用いた場合に
は、そのうちの1基を吸着工程に、別の1基を再
生工程に適用するという利用方法をとるのが好ま
しいものである。H2Sの反応吸着により少なくと
も一部が硫化された吸着剤の再生は、酸素含有ガ
スを使用すれば簡単に実施可能である。二酸化窒
素NO2、オゾン等も用いることが出来るが、実際
的には空気あるいは酸素で行なうのが適当であ
る。硫化された吸着剤は、酸素含有ガスと接触さ
せることにより当該吸着剤中の硫化物は酸化物と
なり、硫黄は二酸化硫黄として脱着してくる。吸
着剤の硫化された形態は必らずしも明白ではない
が、前記に記載した反応式(8)、(9)を仮定すれば、
再生工程の反応式は以下の(10)、(11)式であろうと推
定できる。 Fe2S3+9/2O2=Fe2O3+3SO2 (10) CuS+3/2O2=CuO+SO2 (11) 再生工程における脱着ガスは二酸化硫黄を含有
するガスである。例えば再生ガスとして空気を用
いた場合、脱着ガスは二酸化硫黄を約15%含有
し、また純酸素を再生ガスとして用いれば、脱着
ガスはほぼ純粋な二酸化硫黄SO2となる。当該脱
着ガスには、未反応の酸素ガスが少量含まれるこ
とは当然であるが、再生工程における温度、空間
速度を適当に選択することにより脱着ガス中の酸
素濃度をきわめて低い値に維持することは可能で
ある。脱着ガスは上記に説明したように高濃度の
二酸化硫黄SO2を含有するが、この脱着ガスは硫
酸製造の原料としても良いし、あるいは従来公知
である排煙脱硫法(例えば石こうとして回収する
方法)を適用して処理しても良い。しかしもつと
も好ましい方法は、脱着ガスがクラウス炉へ循環
する方法である。脱着ガスを循環することにより
本発明になるガスの処理方法は完全に閉鎖系とす
ることができる。 再生工程を行なうための温度は100〜600℃の範
囲である。温度が100℃以下であると吸着剤の酸
化速度が小さく、実際的ではない。一方温度が
600℃以上であると、吸着剤の焼結が起り、吸着
性能が低下するため好ましくない。 再生工程における反応は前出の(10)、(11)式によつ
て表わされると考えられるが、これらの反応(10)、
(11)はいずれも生成する二酸化硫黄SO21モルにつ
き100Kcal程度の発熱を伴なう発熱反応であると
推定できる。したがつて再生ガスとして例えば空
気を使用すると、反応熱によつて脱着ガスの温度
は1000℃をはるかに越える非常な高温になる(吸
着剤の温度上昇を考えないで、断熱的反応を仮定
した場合)。 本発明になるガス処理方法の実施のために用い
る吸着剤、TiO2−Fe2O3、CuO等は600℃以上の
高温にさらされるとその吸着性能が低下すること
が知られている。したがつて再生ガス中の酸素濃
度は、脱着ガスの温度が600℃以上に上昇しない
ように留意して選択しなければならない。酸素濃
度の低い脱着ガスを得るには、空気、純酸素等の
気体を不活性ガス等で希釈しても良いし、あるい
は二酸化硫黄を含む脱着ガスを再生ガスに循環、
混入することも一つの方法である。後者の方法に
よれば、高濃度の二酸化硫黄を含む脱着ガスが得
られ、このガスをクラウス炉へ循環させれば上記
にすでに説明したように本発明になる処理方は完
全に閉鎖系とすることが可能となる。 再生工程における再生ガスの供給速度、すなわ
ち空間速度は、吸着工程における空間速度と同程
度かまたは2〜3倍程度であれば良い。このよう
な条件下で吸着剤中の硫化物は大体完全に酸化物
に変換できる。本発明の処理方法において使用す
る吸着剤の酸化活性はきわめて高く、したがつて
硫黄成分はすでに二酸化硫黄SO2としてすみやか
に脱着される。 本発明になるガスの処理方法において使用する
吸着剤、あるいは触媒は、鉄、または銅の酸化物
と、チタンの酸化物を適当に組合せたものである
ことは前記で繰返し説明したとおりであるが、吸
着剤中における酸化鉄または酸化銅の含有率は1
〜70%(原子百分率、以下同じ)、好ましくは2
〜50%であり、残部が酸化チタンである。鉄ある
いは銅の酸化物の酸化物量、あるいは両者の混合
量が原子百分率で1%以下であると、硫化水素
H2Sの吸着量が小さくなり、したがつて実用的で
はなくなる。一方、70%以上の大量になると吸着
剤としての活性度が低下するという欠点がある。 以上に本発明になるガス処理方法について総括
的に説明したが、テイルガス中のH2Sの反応吸着
に関与するのは、直接的には酸化銅及び酸化鉄で
あると考えられている。これは前出の(8)、(9)式に
示したとおりであるが、残部のチタン酸化物は主
として担体としての作用が主であるが、単に担体
としての作用のみでなく、活性成分の働きも果し
ている。すなわち、上記吸着剤Fe2O3、CuOの担
体として通常広く使用されているアルミナAl2O3
を用い、吸着剤とした場合、硫化水素H2Sに対す
吸着性能はチタンの酸化物TiO2を担体として使
用した場合と比較して吸着能はいちじるしく劣る
ことが確かめられた。したがつて、チタンの酸化
物TiO2にも吸着作用に対する活性成分としての
作用があるものと判断しているものである。 酸化チタンTiO2は上述のように酸化鉄Fe2O3
化銅CuOの硫化水素に対する反応吸着の活性を
向上させるものであるが、一方では吸着剤の寿命
を長くするという効果も有する。これは、吸着剤
の再生工程において、SO2と酸素O2が共存するよ
うな雰囲気下においても、吸着剤の主成分である
酸化チタンTiO2が硫酸塩とはならないことから
も理解できることである。例えば、アルミナ
Al2O3に担持された鉄、銅の酸化物吸着剤をSO2
及びO2が共存する雰囲気のもとにおくとアルミ
ナの硫酸塩化が進行することと比較すれば対照的
なことである。硫酸塩化が進むことにより吸着剤
としての性能が低下する。 次に本発明になるガスの処理方法の実施の態様
について添付の図面を参照しながら説明する。第
1図において、硫黄回収装置10から排出される
テイルガスは管11を経て送られるが、この際別
の管12を経て水素ガスH2が供給添加され還元
反応塔20へ導入される。当該還元反応塔20の
中ではテイルガス中に含まれる硫黄化合物はすべ
て実質的には硫化水素H2Sに転化される。当該還
元反応塔20を出たガスは熱交換器25へ導入さ
れ、冷却され、さらに弁26を経て吸着塔30へ
送られる。当該吸着塔30内ではテイルガス中の
硫化水素H2SはTiO2を担体とする酸化物吸着剤
Fe2O3、CuOによつて吸着除去される。当該吸着
塔30を出たテイルガスは弁31、管32を経て
煙突40から大気中へ放散される。一方別の吸着
塔50にはポンプ51及びポンプ52を経て酸素
O2、二酸化硫黄SO2、窒素N2を含むガスが弁53
を通つて供給される。硫化された状態にある吸着
剤は、再生ガス中の酸素によつて酸化され、二酸
化硫黄SO2を放出する。上記吸着塔50から排出
されたガスは弁55を通り、別の熱交換器56へ
送られ、冷却される、脱着ガスの一部は管57を
経て別ポンプ58へ送られ、当該ポンプ58によ
つて加圧され、管59を経て再び上記硫黄回収装
置10へ循環される。 脱着ガスの他の部分は、管60を通り、上記ポ
ンプ52へ送られ、当該ポンプ52で加圧され、
上記ポンプ51から圧送される空気と混合され、
再生ガスとなり、上記吸着塔50へ再び循環され
る。この場合、再生ガス中に含まれる酸素濃度は
上記ポンプ51,52の流量を調節することによ
つて調整することが可能である。 再生工程のために所要の時間は通常吸着工程で
必要な時間より短かい。二酸化硫黄SO2の脱着が
完了すると上記ポンプ51を止め、空気の送入を
休止して上記ポンプ52のみを運転すれば上記吸
着塔50のテイルガスの温度は短時間のうちに所
定の温度まで低下する。 上記吸着塔30が飽和吸着に達し、また吸着塔
50が再生されると、弁27、弁28、弁33、
弁35を開き、一方上記弁26、弁53、弁3
1、弁55を閉じると上記吸着塔30は再生工程
へ移り、一方別の吸着塔50は吸着工程へ移る。 以上に説明したような各弁の切換えによりテイ
ルガスを連続的に処理することが可能となる。 なお第1図の説明において、上記煙突40の前
にインシネレータあるいは触媒式酸化装置を設置
し、上記吸着塔30、吸着塔50の排出口のガス
に含まれる微量の硫黄化合物(例えば硫化水素
H2S、二硫化炭素CS2、硫化カルボニルCOS等)
を酸化し、二酸化硫黄SOBへ転化することは、
大気汚染の防止、悪臭発生の除去等、環境汚染の
防止上の観点からきわめて望ましいことである。 以下、本発明になるガスの処理方法について、
吸着剤の製造に係る実施例等も参照し、さらに具
体的に説明する。 実施例 1 吸着剤となる酸化チタンとしてメタチタン酸を
約55wt%を含有するスラリ500gをとり、一方酸
化鉄として四三酸化鉄Fe3O4を約51wt%含有する
スラリ230gを準備し、両者を十分に撹拌、混合
した。混合物を120〜140℃で乾燥した後、粉砕機
により20メツシユ以下の大きさに粉砕し、これに
グラフアイト15gを添加してさらに十分に撹拌、
混合した。このようにして得た混合物の粉末を打
錠機により高さ6mm、直径6mmの円柱状の形状の
ものに打錠成形した。得られた成形品を500℃に
おいて3h焼成し、吸着剤として使用して良好な
結果が得られた。なおこのようにして得た吸着剤
(触媒)中のTiとFeの原子比は70:30であり、後
述の実施例8に関して説明するように、テイルガ
スの処理方法に適用し、同じく後述の第1表に記
載するように吸着開始後20min以上H2S、SO2
CS2等の硫黄化合物は0.01%以下に保たれ、良好
な結果が得られた。 実施例 2 チタン(Ti)と鉄(Fe)の組成比を変化させ
た以外は前出の実施例1と同一の方法で吸着剤を
製造し、後述の実施例9に示すようにテイルガス
の処理に適用した。この場合、吸着剤中における
Ti、Feの原子比は9:1であつた。結果は前記
と同様、第1表に示すとおりでH2S、SO2、CS2
等の硫黄化合物量を20min以上0.01%以下の値に
抑制することができた。
【表】 実施例 3 実施例1、2と全く同様な方法でTi、Feの原
子比が8:2からなる吸着剤を得、後述の実施例
9に示すようにテイルガスの処理に適用し、第1
表に示すように良好な脱硫効率を得ることができ
た。 実施例 4 前出の実施例1、2、3と全く同様の方法で
Ti、Feの原子比が5:5からなる吸着剤を得、
同じく実施例9に示すようにテイルガスの処理方
法に適用し20min以上H2S、SO2、CS2含有量を
0.01%以下の値に抑制することができた。また脱
硫率の低下も遅く、脱硫率が95%以下になるまで
の時間が120minで寿命が比較的長いことが確認
された。 実施例 5 メタチタン酸を含むスラリと、硝酸銅とを原料
とし、前出の実施例1と同一の調整法によりTi
とCuの原子比がそれぞれ7:3、9:1、8:
2、5:5からなるTiO2−CuO系吸着剤を得、
本発明の一実施例になるテイルガスの処理方法に
適用し、後述の実施例10で説明するように、第2
表に示す良好な脱硫効率が得られた。
【表】 実施例 6 四塩化チタンTiCl41000gを2000c.c.の水に徐々
に溶解して水溶液となし、当該水溶液にアンモニ
ア水を滴下し、オルトチタン酸の沈澱を生成させ
た。この沈澱をデカンテーシヨン法により十分に
洗浄し、後過した。沈澱物はケーキ状である
が、当該沈澱物を120〜140℃の温度範囲で加熱乾
燥させて粉砕し、さらに500℃において1h焼成し
た。得られた焼姓成物を50メツシユ以下の微粉末
状に粉砕した。当該微粉末を原料とし、転動式造
粒機によつて3〜5mmの球状のペレツトを製造し
た。得られた成形品(ペレツト)を550℃で2h焼
成し、酸化チタンの担体を得た。このようにして
得られた酸化チタン担体にいろいろな濃度からな
る硝酸鉄溶液を含浸し、Fe2O3を約15wt%含有す
るTiO2−Fe2O3系吸着剤を製造し、後述する実施
例11にしたがつてテイルガスの処理を行ない、良
好な成績を得た。第3表はその結果を示したもの
で、SO2を除き、吸着開始後20min以上H2S、CS2
成分を0.01%以下の値に抑制することが可能とな
つた。
【表】
【表】 実施例 7 実施例6におけると同様、四塩化チタンTiCl4
と硝酸銅とを原料とし、また実施例6におけると
同一の調整法によりCuOを15wt%含有するTiO2
−CuO系吸着剤を得、後述の実施例12にしたが
【表】
【表】 て実験を行なつた結果、第4表に示すように空間
速度が500、1000、2000h-1いずれの場合にも吸着
開始後20min以上H2S、SO2、CS2のいずれもが
0.01%以下の値に抑制されることが確かめられ
た。 実施例 8 本実施例及び以下の実施例では本発明になる吸
着剤を実際に吸着工程、還元工程に適用した具体
例について主に記載する。 外部から電気炉によつて加熱される反応管を2
本直列状に連結し、それぞれ還元反応器、吸着反
応器とした。反応管はいずれも内径27mm、長さ
600mmでそれぞれ中央部に触媒または吸着剤を充
填した。反応管は反応ガスがが流通する際にその
上流側のものを還元反応器、下流側のものを吸着
反応器とした。 還元反応器を出た被処理ガスは吸着反応器に入
るが、または別に設けた流路を通り、例えばガス
クロマトグラフ等、分析計に導かれるようになつ
ている。また酸素含有ガス(再生ガス)は吸着反
応器の前から吸着反応器へ導入できるようになつ
ている。還元反応器には市販の水添脱硫用触媒コ
モツクス(Comox、商品名、Co−Mo−アルミナ
系)を10〜20メツシユの大きさに粉砕したものを
40c.c.充填した。 還元用触媒は使用に先立つて500℃の温度で水
素気流中において還元し、さらに硫化水素H2Sで
硫化した。吸着反応器には実施例1に関して説明
した吸着剤を10〜20メツシユの大きさに粉砕し、
80c.c.充填した。還元及び吸着反応器における反応
条件は次のとおりであつた。
【表】 一方反応ガスとして下記の組成のガスを用い、
吸着剤のH2S吸着能、あるいは脱硫効率が50%以
下にまで低下した時点において吸着反応器に3%
の酸素を含む窒素ガスを流通させ、吸着剤の再生
を行なつた。なお吸着剤の性能を安定させるため
に還元及び吸着の回収と、再生工程とを少なくと
も3回以上繰返して行なつた。得られた実験結果
は第1表に示したが、表からわかるように優れた
脱硫効率が得られ、その効果が確かめられた。な
お再生工程における脱着ガスは約2%の二酸化硫
黄SO2を含有していた。 実施例 9 還元反応器に充填した触媒としては市販の水添
脱硫用ニモツクス(Nimox、商品名、Ni−Mo−
アルミナ系)を使用し、一方吸着反応器には前出
の実施例2、実施例3、実施例4に挙げた吸着剤
を使用し、前出の実施例8に説明したと同一の実
験を行なつたところ、前出の第1表に示す結果が
得られ、良好な脱硫効率を示すことがわかつた。 実施例 10 実施例9と同様、還元反応器に水添脱硫用触媒
ニモツクス(Nimox、商品名、Ni−Mo−アルミ
ナ系)を使用し、一方吸着反応器には前出の実施
例5に挙げた吸着剤を使用し、実施例9に説明し
たと同一の実験を行なつたところ、第2表に示す
結果が得られ、良好な脱硫効率を示すことがわか
つた。特に、脱硫率が95%以下になるまでの時間
が長く、したがつて吸着剤の寿命の長いことが確
かめられた。 実施例 11 還元反応器の温度を300℃に保持し、一方吸着
反応器の温度を120℃、150℃、200℃、250℃、
300℃の各温度に保持し、吸着反応器に充填する
吸着剤として前出の実施例6に記載のものと同一
の吸着剤を使用した。一方還元反応器へ充填する
触媒としてはコモツクス(Comox、商品名、Co
−Mo−アルミナ系)を使用し、前記実施例8と
同一の実験を行なつたところ、第3表に示す結果
が得られた。吸着反応器の温度が高くなるとSO2
成分が高くなり、脱硫効率がやや悪くなる傾向が
みられるが、一般的に良好な脱硫効率の得られる
ことが確かめられた。 なお本実施例の場合、吸着剤の再生は反応吸着
と同一の温度で行なつたが、いずれの温度におい
ても二酸化硫黄SO2として脱着されることを確認
した。 実施例 12 還元反応器に前出の市販になるコモツクスを適
用し、吸着反応器には前出の実施例7に挙げたと
同一の吸着剤を適用し、その充填量を80c.c.、40
c.c.、20c.c.に変化させた以外は前出の実施例8と同
一の条件で実験を行ない、脱硫効率について確か
めた。第4表はその結果を示したもので、いずれ
も吸着開始後20min以上出口ガス成分中のH2S、
SO2、CS2は0.01%以下に保たれることが確認さ
れた。 以上に詳細に説明したように、本発明になるガ
スの処理方法及びその実施のための吸着剤は、(イ)
還元工程で生成する硫化水素H2Sを、再生可能な
吸着剤によつて吸着除去するものであるため工程
全体を完全に乾式工程とすることが可能であり、
したがつて廃液処理の問題がない。(ロ)H2Sの吸着
除去工程が100〜300℃の温度で行なわれるため、
還元回収から吸着除去工程に到るまでの間でテイ
ルガス中の水分を除去する必要がない。これは従
来ストレツトフオード法、あるいはアミン吸収法
によつて処理した場合、反応温度をテイルガス中
の水分の露点以下の温度で実施するため予め水分
を除去する必要があつたことからみれば非常に大
きな進歩である。(ハ)硫黄を吸着した本発明になる
吸着剤は、酸素を含むガス流によつて処理するこ
とにより簡単に再生し、繰返し使用することが可
能であり、比較的濃度の高い硫黄を含む脱着ガス
をクラウス炉へ循環することにより処理工程を完
全に閉鎖系とすることが可能となつた。(ニ)上記(ロ)
に記載した効果とも関連するが、還元工程と吸着
工程との間に実質的な冷却工程を設けることが必
要でないため、従来湿式法で必要であつた冷却塔
の設備を必要としないので設備費の面でも大きな
節減が可能となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例になるテイルガスの
処理方法を実施するための系の説明図である。 符号の説明、10……硫黄回収装置、20……
還元反応塔、30,50……吸着塔、40……煙
突。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 硫黄化合物を含有するガスを処理する方法に
    おいて、上記ガスを水素含有還元性ガスと共に触
    媒に接触させて、上記硫黄化合物を硫化水素に転
    化させる工程と、上記硫化水素を、チタンと鉄お
    よび、または銅の原子比が50:50〜98:2の組成
    範囲の、チタン酸化物を第1成分とし鉄および、
    または銅の酸化物を第2成分とする混合物よりな
    る吸着剤に接触させて反応吸着を行なわせる工程
    と、上記反応吸着を行なわせた吸着剤を、酸素含
    有ガスによつて脱着再生する工程とを含んでなる
    ことを特徴とするガスの処理方法。
JP979277A 1977-02-02 1977-02-02 Treating method for tail gas Granted JPS5395872A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP979277A JPS5395872A (en) 1977-02-02 1977-02-02 Treating method for tail gas

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP979277A JPS5395872A (en) 1977-02-02 1977-02-02 Treating method for tail gas

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5395872A JPS5395872A (en) 1978-08-22
JPS6153104B2 true JPS6153104B2 (ja) 1986-11-15

Family

ID=11730054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP979277A Granted JPS5395872A (en) 1977-02-02 1977-02-02 Treating method for tail gas

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5395872A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI229000B (en) * 2001-09-28 2005-03-11 Nat Inst Of Advanced Ind Scien Deodorizer, process for producing the same, and method of deodorization
CN109078603A (zh) * 2018-06-11 2018-12-25 白茹 一种新型脱硫剂的制备方法及其脱硫剂
CN109126847B (zh) * 2018-08-04 2021-10-15 山东迅达化工集团有限公司 氧化铁二氧化钛复合型硫磺回收催化剂的制备方法
CN109173634B (zh) * 2018-10-19 2022-05-20 常州大学 一种铁基常低温硫化氢精脱除剂、其制备方法及应用
CN109173630A (zh) * 2018-10-19 2019-01-11 常州大学 一种铁钛低温精脱硫剂、其制备方法及应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4922390A (ja) * 1972-06-21 1974-02-27
JPS5159768A (ja) * 1974-09-16 1976-05-25 Shell Int Research

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4922390A (ja) * 1972-06-21 1974-02-27
JPS5159768A (ja) * 1974-09-16 1976-05-25 Shell Int Research

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5395872A (en) 1978-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4187282A (en) Process for treating a waste gas containing sulfur oxides
CN102049257B (zh) Co同时还原so2和no的催化剂及其制备和应用
US4884396A (en) Desulfurizing agent and process for treating hydrogen sulfide containing gas, coal gasification system and power generation system based on coal gasification using the desulfurizing agent
JP3924322B2 (ja) 有害ガス除去剤
US4251495A (en) Process for purifying a hydrogen sulfide containing gas
SK122498A3 (en) Catalyst for the selective oxidation of sulfur compounds to elemental sulfur, method for the preparation of such a catalyst, and method for the selective oxidation of sulfur compounds to elemental sulfur
US5700440A (en) Selective oxidation of hydrogen sulfide in the presence of iron-based catalysts
JP3519740B2 (ja) ガス中に低濃度にて存在するh▲下2▼sを接触経路により硫黄に酸化するための方法および触媒
US5152970A (en) Process for the removal of hydrogen sulfide from gases
US5653953A (en) Process for recovering elemental sulfur by selective oxidation of hydrogen sulfide
JP4456760B2 (ja) ガス中に低濃度で含有されるh2sを、触媒手段によって、蒸気相において、硫黄に直接的に酸化する方法。
KR910009571B1 (ko) 황화수소를 원소유황 및/또는 이산화황으로 산화시키는 방법
US4350670A (en) Process for treating flue gas
EP1897614A2 (en) Sulfide catalysts for reducing SO2 to elemental sulfur
JPS6153104B2 (ja)
JPS60220123A (ja) 排ガスからの硫黄化合物の除去方法
JPS5929285B2 (ja) 硫黄回収装置テイルガスの浄化方法
JP2633886B2 (ja) 脱硫剤とそれを用いた硫化水素含有ガスの処理法
US5948382A (en) Selective oxidation of hydrogen sulfide in the presence of mixed-oxide catalyst containing iron, molybdenum and antimony
JPS6327282B2 (ja)
JP2020127935A (ja) 二酸化炭素を主成分とするガス中の硫黄酸化物の除去方法
CN1072605C (zh) 将气体中低浓度硫化氢催化氧化成硫的方法
JPS63291986A (ja) 高温還元性ガスの精製方法
CN112642397A (zh) 复合材料及其制备方法和应用
JPS6232970B2 (ja)