JPS6149965B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は座席のクツシヨンパツド及びその製造
方法に関し、更に詳細に説明すると、自動車等の
座席または家具等の座席のシートクツシヨンまた
はシートバツク等に用いられる座席のクツシヨン
パツド及びその製造方法に関する。

従来より、車両等の座席の乗り心地対策として
クツシヨンパツドの一部分に異硬度部分を形成し
たものが存在し、また第１図に示す如く、スラブ
ウレタン等の合成樹脂材からなる第１のクツシヨ
ン層２の裏面にホツトメルトシートの如き接着層
３を接着し、この接着層３の他面側よりウレタン
等の発泡合成樹脂材の原液を発泡成形して形成さ
れた第２のクツシヨン層４とからなるクツシヨン
パツド１が存在し、表面感触が良好でクツシヨン
性に優れたクツシヨンパツド１が得られるように
なされている。

然し乍ら、クツシヨンパツドの一部分に異硬度
部分を形成する場合には作業が煩雑となり作業能
率を向上させる事が出来ず、また第１図に示すク
ツシヨンパツド１においては、接着層３にピンホ
ール等が存在する場合に、発泡合成樹脂材の発泡
成形時における非常に大きな発泡圧によつてピン
ホール部から発泡合成樹脂材の原液が第１のクツ
シヨン層２に含侵し、表面感触を良好にするため
の第１のクツシヨン層２を硬化させる事となり、
製品の不良を発生させる結果となり、更に接着層
３が前記第１のクツシヨン層２を完全に被覆して
いる状態においては、通気性を有さず、発泡成形
時に発生する発泡ガスが発泡合成樹脂材内に留ま
り、発泡合成樹脂材に巣やわれ等を発生させる欠
点を有していた。

本発明の目的は表面感触が良好でクツシヨン性
に優れ乗り心地性能を著しく向上させる事が出来
且つ経済性に優れた座席のクツシヨンパツドを提
供するものである。

本発明の他の目的は、第１のクツシヨン層と第
２のクツシヨン層とを接着層を介さずに確実に接
着させる事が出来、第２のクツシヨン層を発泡合
成樹脂材により発泡成形する際に発生する発泡ガ
スを発泡成形機のベント孔より完全に排除する事
が出来、第２のクツシヨン層に巣やわれ等の不良
を発生させる虞れがなく、乗り心地性能の優れた
座席のクツシヨンパツドの製造方法を提供するも
のである。

第２図及び第３図には本発明に係る座席のクツ
シヨンパツドの１実施例の概略が夫々示されてお
り、このクツシヨンパツド１１は合成樹脂からな
る表面側パツド層１３と、この表面側パツド層１
３の下面側に一体成形されたフエルト層１４とか
らなる第１のクツシヨン層１２と、前記第１のク
ツシヨン層１２の下面側に発泡成形された発泡合
成樹脂材からなる第２のクツシヨン層１５とから
なる。

前記フエルト層１４は粗毛等の雑繊維にポリプ
ロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の熱可塑性繊
維の半毛品を混入して形成されており、このフエ
ルト層１４に混入された熱可塑性繊維が加熱溶融
されてフエルト層１４が強固に結束されると共
に、冷間プレス加工により所定の形状に成形され
て適宜の硬度及びクツシヨン性をフエルト層１４
に付与している。

前記表面側パツド層１３とフエルト層１４とは
相互に独立して形成した後に接合して第１のクツ
シヨン層１２を形成する事が出来、また前記フエ
ルト層１４を冷間プレス加工する際に前記表面側
パツド層１３とフエルト層１４とを積層して一体
的にプレス加工する事により第１のクツシヨン層
１２を形成する事も出来る。

第１のクツシヨン層１２の下面に発泡合成樹脂
材を発泡成形させて第２のクツシヨン層１５が形
成され、この発泡合成樹脂材の原液１５′が前記
第１のクツシヨン層１２を構成するフエルト層１
４の下面側に含侵して含侵層１４ａが形成されて
おり、この含侵層１４ａはフエルト層１４を更に
硬化させると共に、フエルト層１４の硬度、保形
性及びクツシヨン性を向上させている。

以上が本発明に係る座席のクツシヨンパツドの
１実施例の構成であるが、期る構成に依れば、ク
ツシヨンパツド１１に安価な粗毛等の雑繊維から
なるフエルト層１４を用いているので省資源、経
済性に優れ、またフエルト層１４に混入された熱
可塑性繊維によりフエルト層１４が強固結束され
ると共にフエルト層１４に適宜の硬度及びクツシ
ヨン性が付与されている。更に第２のクツシヨン
層１５を成形する際に第１のクツシヨン層１２の
表面側パツド層１３に発泡合成樹脂材の原液が含
侵する虞れがなく、表面感触の良好なクツシヨン
パツド１１を得る事が出来、また第１のクツシヨ
ン層１２のフエルト層１４の下面に形成された含
侵層１４ａが前記熱可塑性繊維と共にフエルト層
１４に適宜の硬度とクツシヨン性を付与してい
る。従つて前記表面側パツド層１３、フエルト層
１４及び第２のクツシヨン層１５の仕様を適度に
調整する事により種々の乗り心地を有する座席の
クツシヨンパツド１１を得る事が出来る。

第４図乃至第６図には本発明に係る座席のクツ
シヨンパツドの製造方法の概略的な工程が夫々示
されており、本発明の製造方法は、まず第４図に
示される如く、粗毛等の雑繊維約70％に、ポリプ
ロピレン繊維等の熱可塑性繊維の半毛品を30％混
入して、ニードル手段等によりフエルト層１４を
形成し、このフエルト層１４の上面に軟質の合成
樹脂材より成形された５〜50mm程度の厚さの表面
側パツド層１３を載置し、図示しない熱風循環炉
内を通過させて加熱し、フエルト層１４中の熱可
塑性繊維を加熱溶融し、フエルト層１４が加熱溶
融した熱可塑性繊維により強固に結束されると共
に表面側パツド層１３とフエルト層１４とを接合
させる。因みに前記フエルト層の目付重量は300
〜900ｇ／m²である。

次に表面側パツド層１３とフエルト層１４とか
らなる第１のクツシヨン層１２を、前記積層状態
で冷間プレス機（図示せず）により冷間プレス加
工を施こして所定の形状に形成する（第５図参
照）。

この第１のクツシヨン層１２を、第６図に示す
如く、発泡成形機２１の上型２２にセツトする。
上型２２にはベント孔２５が形成されており、こ
の上型２２に表面側パツド層１３が当接した状
態、、即ち前記フエルト層１４が下型２３と対向
するように配置し、発泡成形機２１の下型２３に
発泡合成樹脂材の原液１５′を注入し、上型２２
と下型２３とを閉じて発泡成形する事により、前
記第１のクツシヨン層１２の下面に第２のクツシ
ヨン層１５が接合された状態の第２図に示す如き
クツシヨンパツド１１を得る事が出来る。

この発泡合成樹脂材の原液１５′を発泡成形す
る際に発生する発泡ガスや成形型２１内の空気は
通気性を有するフエルト層１４及び表面側パツド
層１３を通過して上型２２に形成されたベント孔
２５より外部に排出されるので、第２のクツシヨ
ン層１５に巣やわれ等を発生させる虞れがない。
またフエルト層１４に発泡合成樹脂材の原液１
５′が含侵して含侵層１４ａが形成されるが、表
面側パツド層１３まで含侵しないので表面側パツ
ド層パツド層１３の表面感触を良好な状態に保持
する事が出来、前記表面側パツド層１３の表面感
触を良好な状態に保持する事が出来、前記表面側
パツド層１３の厚さ、フエルト層１４の厚さ及び
フエルト層１４に混入される熱可塑性繊維の量、
及び第２のクツシヨン層１５の厚さ等に応じて
種々の異なる感触、硬度及びクツシヨン性を有す
る座席のクツシヨンパツドを得る事が出来る。

以上が本発明に係る座席のクツシヨンパツド及
びその製造方法の１実施例の概略であるが、斯る
構成及び方法に依れば、表面感触が良好でクツシ
ヨン性に優れ乗り心地性能を著しく向上させる事
が出来、且つ安価なフエルト層を用いているので
経済性に優れ、また第１のクツシヨン層と第２の
クツシヨン層とをホツトメルトの如き接着層を介
さずに確実に接着させる事が出来、然も第１のク
ツシヨン層が通気性を有するフエルト層及び表面
側パツド層により形成されているので発泡成形が
容易となり、第２のクツシヨン層に巣やわれ等の
不良を発生させる事がない座席のクツシヨンパツ
ド及びその製造方法を得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクツシヨンパツドを示す断面説
明図、第２図及び第３図は本発明に係る座席のク
ツシヨンパツドの１実施例の概略を夫々示す断面
説明図及び一部拡大断面図、第４図乃至第６図は
本発明に係る座席のクツシヨンパツドの製造方法
の１実施例の各工程を夫々示す断面説明図であ
る。 図中、１１……クツシヨンパツド、１２……第
１のクツシヨン層、１３……表面側パツド層、１
４……フエルト層、１４ａ……含侵層、１５……
第２のクツシヨン層、１５′……発泡合成樹脂材
の原液、２１……発泡成形機、２２……上型、２
３……下型、２５……ベント孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定形状に成形された第１のクツシヨン層
   と、該第１のクツシヨン層の下面側に接合された
   発泡合成樹脂材からなる第２のクツシヨン層とを
   備え、前記第１のクツシヨン層は表面側パツド層
   と、該表面側パツド層の下面に接合されたフエル
   ト層とからなり、前記フエルト層は粗毛等の雑繊
   維に熱可塑性繊維の半毛品が混入されて形成さ
   れ、前記熱可塑性繊維がフエルト層に適宜の硬度
   及びクツシヨン性を付与している事を特徴とする
   座席のクツシヨンパツド。 ２ 前記フエルト層の前記第２のクツシヨン層が
   接合された側に、前記第２のクツシヨン層を形成
   する発泡合成樹脂の原液が含侵して含侵層が形成
   され、前記含侵層が前記フエルト層に適宜の硬度
   及びクツシヨン性を付与している事を特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の座席のクツシヨンパ
   ツド。 ３ 粗毛等の雑繊維に熱可塑性繊維を混入してフ
   エルト層を形成する段階と、該フエルト層の一面
   に表面側パツド層を積層させる段階と、前記フエ
   ルト層を加熱してフエルト層中の熱可塑性繊維を
   加熱溶融させる段階と、前記加熱されたフエルト
   層を冷間プレス加工する事により前記フエルト層
   に適宜の硬度とクツシヨン性とを付与する段階と
   により第１のクツシヨン層を形成し、前記第１の
   クツシヨン層を発泡成形機の成形型にセツトし、
   前記発泡成形機の成形型に発泡合成樹脂材の原液
   を注入して発泡合成樹脂材を発泡成形し、前記第
   １のクツシヨン層の前記フエルト層に接合された
   状態で第２のクツシヨン層を形成する事を特徴と
   する座席のクツシヨンパツドの製造方法。 ４ 前記第１のクツシヨン層を発泡成形機の上型
   にセツトし、前記発泡合成樹脂材の発泡成形の際
   に発生する発泡ガスを前記第１のクツシヨン層を
   介して排出するようになされている事を特徴とす
   る特許請求の範囲第３項記載の座席のクツシヨン
   パツドの製造方法。