JPS6144534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本件考案は建設機械や農業機械特の特殊な場所
で作業をする移動車輛の安全用緊急ブレーキ付き
トランスミツシヨンに関する考案である。

建設機械や農業機械は急な斜面や、坂道走行等
の作業が多く、又、ブレーキ装置としてエンジン
駆動のポンプの圧油を使う油圧ブレーキ装置を取
入れているものが多い。

このような特殊用途の移動車輛においてエンジ
ンが順調に回転している間はよいが、エンジンが
急に坂道や、傾斜面でエンストを起した場合にブ
レーキが効かず、斜面を転がり落ちてゆく場合が
ある。本件考案はこれらの坂道や傾斜面でのエン
スト時において、自動的に車軸にブレーキがかか
り、斜面での転倒や暴走事故を防ぎ、更に、自動
的に駐車ブレーキがかかり、エンジンキーを外し
エンジンの停止により移動車輛の動きをロツクす
るオートロツク装置をも提供しようとするもので
ある。

本件考案の目的は以上の通りであり、添付の図
面に示した実施例の構成に基づいて本件考案の構
成を説明すると。

第１図は本件考案の農用トラクターの全体側面
図である。

ボンネツト１の内部にエンジン２を配置し、該
エンジン２の下部側面よりフロントアクスルブラ
ケツト３を突出し、その先端にフロントウエイト
取付装置４を取着している。フロントアクスルブ
ラケツト３の下部に設けたセンターピン５にフロ
ントアクスルを枢着し、該フロントアクスルに前
輪６，６を取着している。エンジン２の後面にク
ラツチハウジング７を固設し、更にクラツチハウ
ジング７の後面にミツシヨンケース８を固設して
いる。

ミツシヨンケース８の両側面にブレーキシリン
ダー１０と兼用のリアアクスルハウジングを突出
し車軸１１を支架し、車軸１１に後輪１２を固定
している。ミツシヨンケース８の後面にリフトア
ーム２５によつて持ち上げられるリフトリンク２
２を設け、ロワーリンク２３に枢結している。２
４はトツプリンク、２０はステアリングハンドル
である。

クラツチハウジング９の左側面にクラツチペダ
ル９を、右側面に左右のブレーキペダル４５が設
けられている。そして左のブレーキペダル４５に
連結軸１３が固設され、クラツチハウジング７の
左側に突出し、アーム１４、ブレーキリンク１５
を介して通常のブレーキ用の油圧制御弁１６に連
設している。ブレーキ用油圧制御弁１６にて制御
される圧油がブレーキシリンダー１０の圧油口１
８に連設されている。又、ミツシヨンケース８の
側面に緊急用アキユムレーター１７が固設され、
該緊急アキユムレーター１７よりブレーキシリン
ダー１０の圧油口１９に圧油が送られている。２
１はPTO軸である。

第２図は本件考案の油圧回路図。

第３図はブレーキシリンダー兼リアアクスルハ
ウジング部の断面図である。

ミツシヨンケース８の側面よりブレーキシリン
ダー１０と兼用のリアアクスルハウジング１０が
突設され、車軸１１はデフ軸１１ａと遊星歯車式
減速装置１４を介して連結されており、デフ軸１
１ａのスプライン部に制動板１０ｂにピストン１
０ａが接当し、ミツシヨンケース８との間で制動
板１０ｂを挾んでブレーキをかける。リアアクス
ルハウジングを兼ねるブレーキシリンダー１０に
圧油口１８，１９と２口設けられ、圧油口１８に
通常のブレーキ用油圧制御弁１６で制御された圧
油が流入し、圧油口１９には緊急用アキユムレー
ター１７よりの圧油が流入する。緊急用アキユム
レーター１７内にはアキユムレーターピストン１
７ａがスプリング１７ｂで常時弾性支持され、該
スプリング１７ｂの弾性力解除をマスターシリン
ダー３７が行つている。

マスターシリンダー３７内のマスターシリンダ
ーピストン３７ａとアキユムレーターピストス１
７ａが連結杆１７ｃでで連結されており、該連結
杆１７ｃ外周にスプリング１７ｂが嵌装されてい
る。マスターシリンダー３７の圧送口３７ｂには
第２図に示す如くエンジン２によつて、駆動され
る油圧ポンプの圧油のうちどちらかが又は、複数
の圧油が圧送されている。例えば作業機昇降用の
油圧ポンプ２６より油路２６ａを介して、又、油
圧クラツチ３５高速用の油圧ポンプ２９を介して
油路２９ａより、油圧ブレーキ用の油圧ポンプ２
８を介して油路２８ａよりそれぞれ圧送口３７ｂ
に圧油が送られ、マスターシリンダー３７のピス
トン３７ａをスプリング１７ｂ解除の方向へ移動
させている。又、圧送口へは、エンジン２の排気
圧を送り込んで作動させてもよく、その場合は第
５図の如く、マスターシリンダー３７内にダイア
フラム３９をピストン３７ａの代わりに設けても
よい。

第２図の詳細を説明すれば、２７はステアリン
グ用の油圧ポンプであり、パワーステアリング用
の油圧制御弁３３をステアリングハンドル２０に
て操作し、作動シリンダー３４によりピツトマン
アームを回動させる。２６は作業機昇降用油圧ポ
ンプであり、外部取出用圧油制御弁３１、作業機
昇降用油圧制御弁３０を介してリフトアーム２５
を回動させる。

２９はPTO油圧クラツチ変速装置用の油圧ポ
ンプであり、PTO油圧クラツチ用の油圧制御弁
３２を介して油圧クラツチ装置３５を断接させ
る。３６は慣性空転防止ブレーキ装置である。２
８は通常の油圧ブレーキ装置用の油圧ポンプであ
り、ブレーキペダルによりブレーキ用油圧制御弁
１６を操作し、ブレーキシリンダー１０兼リアア
クスルハウジング１０に圧油を送り、車軸１１に
制動をかける。３８は逆止弁、３９は作動油タン
クである。

第４図は緊急用アキユムレーター１７とマスタ
ーシリンダー３７の図面、 第５図はマスターシリンダーをダイヤフラム３
９にした場合のマスターシリンダーの図面であ
る。

以上のように本件考案は、エンジン停止時に車
軸にブレーキをかける緊急ブレーキを設け、該緊
急ブレーキに圧油を送る緊急用アキユムレーター
のピストンを常時スプリングで弾性支持し、該ア
キユムレーターピントンを連結杆で結んだマスタ
ーシリンダーのピストンをエンジン排気圧又はエ
ンジン駆動の油圧ポンプにて常時押圧すべく構成
したので、坂道や斜面での建設機械等の作業時に
エンジンが停止しても、自動的に車軸にブレーキ
がかかり、暴走や転倒等の危険がなくなり、又、
オペレーターがエンジンキーを抜いてエンジンを
停止させると自動的にオートロツク状態となり盗
難防止に役立ち、坂道や斜面で停止した場合にも
自動的に駐車ブレーキが効くことになり、安全と
なつたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本件考案の農用トラクターの全体側面
図、第２図は本件考案の油圧回路図、第３図はブ
レーキシリンダー兼リアアクスルハウジング部の
断面図、第４図は緊急用アキユムレーターとマス
ターシリンダーの図面、第５図はマスターシリン
ダーをダイアフラムにした場合の図面である。 １０……ブレーキシリンダー兼リアアクスルハ
ウジング、１１……車軸、１７……緊急用アキユ
ムレーター、１８，１９……圧油口、１６……ブ
レーキ用油圧制御弁、２６……作業機昇降用油圧
ポンプ、２７……パワーステアリング用油圧ポン
プ、２８……ブレーキ用油圧ポンプ、２９……油
圧クラツチ用油圧ポンプ、３７……マスターシリ
ンダー、１７ａ……アキユムレーターピストン、
１７ｂ……スプリング、１７ｃ……連結杆、３７
ａ……マスターシリンダーピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン停止時に車軸にブレーキをかける緊急
   ブレーキを設け、該緊急ブレーキに圧油を送る緊
   急用アキユムレーターのピストンを常時スプリン
   グで弾性支持し、該アキユムレーターピストンを
   連結杆で結んだマスターシリンダーのピストンを
   エンジン排気圧又は、エンジン駆動の油圧ポンプ
   にて常時押圧すべく構成したことを特徴とする緊
   急ブレーキ付きトランスミツシヨン。