JPS6135807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は製パン製菓工程におけるパン・菓子
生地の整形方法及び装置に関する。

周知のように、製パン製菓工程においては、中
間醗酵の終つたパン・菓子生地（以下単に生地と
いう）を最終的な形に整える整形工程がある。こ
の工程においては、第１図に示すように、対にな
つたローラ２間に中間醗酵機で醗酵を終えた生地
Ａを取出口４を通つて投入することにより円形薄
状に圧延する整形機１が使用されている。そし
て、この整形機１によつて円形薄状に整形された
生地C′は、コンベア８と転圧板１２によつて円
筒状に巻いたり、或いは円形薄状の生地C′の上
に餡、クリーム等を置いて包み込んで所定製品形
状に整えられて次工程に送り出されているが、こ
の整形機１に投入される生地Ａの形状は、分割機
によつて分割された際の形状即ち丸味をおびた塊
状をなしているので、整形機１によつて圧延され
た後も円形薄状を有するのである。しかしなが
ら、製品によつては細長薄状に整形する必要のあ
る場合があり、従来においては、この必要性に対
処するためには、対となつているローラ２の間隔
を小さくしてローラ２間に生地が喰い込む際の抵
抗により出来るだけ巾広く圧延したり、或いはコ
ンベア８と転圧板１２の間隔距離を狭くして生地
C′を円筒状に巻く際に強く押えて生地C′を巾方
向に延ばしたりするようにしていたが、このいず
れの手段も生地に無理な外力を加えることにな
り、製品品質方向上の観点からは好ましいことで
はなかつた。

この発明は上記事情に鑑みてなされたものであ
つて、生地に無理な外力を加えることなく細長薄
状に整形でき得るパン・菓子生地の整形方法及び
装置を提供することを目的とする。

この発明の一実施例について以下図面の記載に
基づいて説明する。

この発明の生地の整形方法は、第２図に示すよ
うに、整型機１の対となつたロール２間に生地を
投入する前に、予備転圧装置３によつて、生地Ａ
をロール２の中心軸方向に細長く棒状に変形さ
せ、この棒状に変形した生地Ｂを整形機１のロー
ル２間に投入することにより細長薄状に整形され
た生地Ｃを得る方法である。

この整形方法を更に詳細に説明すると、中間醗
酵機で醗酵を終えた生地Ａは取出口４を通つて予
備転圧装置３の補助コンベア５上に投入される。
該補助コンベア５上には、生地Ａの径よりも小さ
な距離を開けて圧延板６が配置されているので、
生地Ａは補助コンベア５の回転進行に伴つて補助
コンベア５と圧延板６の間に挾さまれながら自ら
回転しつつ圧延される。このため、丸味をおびた
塊状をしていた生地Ａは次第に細長な棒状の生地
Ｂに変形されて、補助コンベア５の前端にまで達
すると、整形機１の上方開口部７に投入される。
このとき、細長な棒状の生地Ｂの長手方向は整形
機１のローラ２の中心軸方向と一致するようにし
て投入されるので、生地Ｂは整形機１内の最上段
の一対のローラ２間の谷間に横長に嵌り込み、ロ
ーラ２の回転に伴つて次第に細長薄状に圧延され
て整形機１からコンベア８上に排出される。従つ
て、整形機１から排出された生地Ｃは、ローラ２
の中心軸方向に細長薄状に整形される結果となる
のである。第４図はこのようにして整形された生
地Ｃを、第３図の従来法によつて整形した円形薄
状の生地C′と対比の元に図示したものである。

第５図に示す予備転圧装置３は、圧延板６の補
助コンベア５に面する一面にキヤンバス，フエル
ト等９を張付けした実施例を示し、第６図に示す
予備転圧装置３は、圧延板６の補助コンベア５に
面する一面に自由回転する２つのローラ１０に巻
回したキヤンバス，フエルト等の材質からなる無
端状態１１を摺接するように配置した実施例を示
す。前者の実施例による予備転圧装置３による
と、生地Ｂの当接部分がキヤンバス，フエルト等
９の柔軟な材質であるために生地Ｂを痛めること
なく棒状に変形することが可能であり、後者の実
施例ではキヤンバス，フエルト等の材質からなる
無端状帯１１が生地Ｂの進行と共に回転進行する
ので前実施例と比較して一層ソフトに変形させる
ことができるため生地Ｂの痛みは一層少くするこ
とができる。尚、１２はコンベア８上の転圧板、
１３は生地Ｃを巻くためのカールネツトをそれぞ
れ示す。

以上の説明から明らかなように、この発明の整
形方法によると、中間醗酵機で醗酵の終えた生地
Ａを細長な棒状の生地Ｂに変形し、この生地Ｂの
長手方向を整形機１の対となつたローラ２間の谷
間に嵌り込ませてローラ２で圧延することにより
整形するものであるから、整形機１から排出され
た生地Ｃは細長薄状となるのである。従つて、従
来のように、ロール２間の間隔を小さくしたり、
整形機１から排出された生地Ｃを載せるコンベア
８と転圧板１２の間隔距離を小さくする必要もな
いので、生地Ｂ，Ｃに無理な外力を加えることな
く細長溝状の生地Ｃを得ることができるのであ
る。

尚、前記実施例においては、細長な棒状の生地
Ｂを得る手段としては補助コンベア５と圧延板６
からなる予備転圧装置３を使用したが、中間醗酵
機の取出口４から排出された丸味おびた塊状の生
地Ａを細長な棒状の生地Ｂに変形し、しかもこの
生地Ｂの長手方向をロール２の中心軸方向と一致
させて対となつたロール２間へ嵌り込ませる装置
であればどのような装置もこの発明のの範囲内に
含まれるものである。

又、従来の整形法とこの発明の整形法を併用し
たい場合には、中間醗酵機の取出口４を移動自在
に設け、この発明法での使用時には、第２図に示
すように、予備転圧装置３の補助コンベア５上に
投入し、従来法での使用時には、第１図に示すよ
うに整形機１のローラ２の間に投入するようにす
ることにより可能であるし、あるいは又、取出口
４は固定して、補助コンベア５上の圧延板６をこ
の発明法での使用時には低く下げ、従来法での使
用時には高く上げて生地Ａが触れないようにして
も可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来法による整形方法及び装置を説明
するための概略側面図、第２図はこの発明による
整形方法及び装置を説明するための概略側面図、
第３図は従来法によつて整形された生地とその近
辺装置の平面図、第４図はこの発明によつて整形
された生地とその近辺装置の平面図、第５図，第
６図は予備転圧装置の実施例図を示す。 １……整形機、２……ローラ、４……取出口、
５……補助コンベア、６……圧延板、７……上方
開口部、９……キヤンバス，フエルト等、１０…
…ローラ、１１……無端状帯、Ａ，Ｂ，Ｃ……生
地。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中間醗酵機で醗酵の終えた丸味をおびた塊状
   の生地を整形機のロールの中心軸方向に細長い棒
   状の生地に変形させ、この変形された生地を整形
   機の対となつたロール間に嵌り込ませることによ
   り細長薄状の生地を得ることを特徴とするパン・
   菓子生地の整形方法。 ２ 中間醗酵機で醗酵の終えた丸味をおびた塊状
   の生地を取り出す取出口の下方に補助コンベアを
   設け、該補助コンベアの上方には適宜間隔を開け
   て圧延板を平行に設けると共に、該補助コンベア
   の前端を整形機の上方開口部の上方に位置するよ
   うに配置してなるパン・菓子生地の整形装置。 ３ 圧延板の補助コンベアに面する一面にキヤン
   バス，フエルト等を張付けしてなる特許請求の範
   囲第２項記載のパン・菓子生地の整形装置。 ４ 圧延板の補助コンベアに面する一面に自由回
   転する２つのローラに巻回したキヤンバス，フエ
   ルト等の材質からなる無端状帯を摺接するように
   した特許請求の範囲第２項記載のパン・菓子生地
   の整形装置。