JPS6135246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシヤワーヘツドに関するものであり、
設定温度以上の高温の湯水が流入した時には自動
的に高温の湯水の流入を遮断する安全機構を備え
たシヤワーヘツドに関するものである。

シヤワーヘツドは混合水栓又は貯湯槽からの湯
水を吐出するものであるが、湯水の温度の高低に
拘わらず吐出されるものである。そのため混合水
栓等の湯水の混合状態が不良であつたり、又人為
的な操作による温度設定ミス等により該シヤワー
ヘツドから高温の湯水が誤つて吐出することがな
り、火傷を被るといつた問題があつた。

本考案は上記従来の欠点を解消するために案出
されたものであり、その要旨とするところは、シ
ヤワーヘツド内部の導水孔に望む弁体と該弁体を
作動させる形状記憶合金よりなる感温伸縮体とを
有し、設定温度以上の湯水を該感温伸縮体が感知
した際に該感温伸縮体が変位し該弁体を該導水孔
を遮断し得る位置へ移動せしめる機構を有するこ
とを特徴とするシヤワーヘツドである。

以下実施例を示す図面に基づいて本考案を説明
する。第１図乃び第２図は本考案の第１の実施例
を示すものであり、本考案に係るシヤワーヘツド
１はホース接続部２、握り部３、吐出口４とより
成り、湯水はシヤワーヘツド１のホース接続部２
に接続されたホース５からシヤワーヘツド１に流
入し該シヤワーヘツド１の握り部３の内部に形成
された導水孔６を通つて吐出口４より吐出される
ものであり、コイル状の感温伸縮体７が該導水孔
６の先端８から挿入された固定具９により該導水
孔６の孔路壁１０にその一端を固定され、他の一
端を後述する弁体１１に固定されることにより該
感温伸縮体７が該導水孔６内に位置せしめられ、
該弁体１１は該感温伸縮体７の一端を固定すると
ともに該導水孔６の先端８を遮断し得る軟質材か
ら成る弁部１２と該弁部１２の動作を該導水孔６
の方向に規制する弁棒１３とから構成され、該弁
体１１の弁棒１３は支持部１４に設けられた通孔
１５に摺動自在に挿通せしめられており、該支持
部１４には散水板１６がビス１７により固定され
ている。

感温伸縮体７は例えばチタン・ニツケル合金、
銅・亜鉛・アルミニウム合金等の形状記憶合金か
ら成り、加熱、あるいは冷却によりその温度が変
化すると形状記憶効果によりその形状を変える特
性をもつものであるが、この実施例に於いては湯
水の温度が設定温度より低い場合には、第１図に
示すように該感温伸縮体７が伸びた状態、即わち
導水孔６の先端８と弁体１１の弁部１２との間に
間隙が生じた状態に保持されているが、該導水孔
６に設定温度より高温の湯水が流入してきた場合
には、該感温伸縮体７の形状記憶効果により該感
温伸縮体７が収縮し、第２図に示すように該導水
孔６の先端８を弁体１１の弁部１２が塞ぐことに
より該導水孔６を遮断するものであり、該弁体１
１により遮断された導水孔６を再び開く（リセツ
トする）場合は高温の湯水の流入を遮断し、即ち
該シヤワーヘツド１に接続されたホース５の元バ
ルブ（図示せず）を閉じ、シヤワーヘツド１の導
水孔６内に滞留する高温の湯水の温度を該シヤワ
ーヘツド１を水につける等の手段により下げ、該
感温伸縮体７を第１図に示す伸びた状態に復帰さ
せれば良いものである。

本考案に係るシヤワーヘツド１によれば、設定
温度（例えば50℃）以上の高温の湯水が該シヤワ
ーヘツド１の導水孔６に流入して来た場合には該
導水孔６内に位置する感温伸縮体７がその高温の
湯水を感知すると共に収縮し、弁体１１を該導水
孔６の先端８へ移動させて該導水孔６を遮断する
から、従来のシヤワーヘツドの如く混合水栓の作
動不良や人為的操作ミスにより該シヤワーヘツド
から高温の湯水が吐出し、使用者が火傷を負う等
といつた事故が解消されるものであるばかりか、
構成部品の数も少なく簡単な構造で所期の目的を
達することができ故障も少なく、リセツトの操作
も簡単に行なえるものであり、多くの長所を有す
るものである。

第３図乃至第６図は本考案に係るシヤワーヘツ
ド１の他の実施例を示すものであり、第３図に示
す第２の実施例は該シヤワーヘツド１の導水孔６
の先端８に望む弁体１１を有し且つ該弁体１１の
弁棒１３が支持部１４の通孔１５に摺動自在に挿
通せしめられている点は上記第１の実施例と同一
であるものの、感温伸縮体７が該弁体１１の弁部
１２と該支持部１４との間に介在させることによ
り、設定温度より高温の湯水が流入してきた場合
には、該感温伸縮体７の形状記憶効果により該感
温伸縮体７自身が伸びることにより弁体１１を移
動させ、第４図に示す如く該弁体１１の弁部１２
が該導水孔６の先端８を塞ぐことにより導水孔６
を遮断するものである。更に、第５図に示す第３
の実施例は導水孔６の孔路壁１０に収納部１８を
設け該収納部１８に弁体１１を収納するとともに
該弁体１１と該収納部１８に対向する孔路壁１０
とに感温伸縮体７を固定させて成るものであり、
設定温度より高温の湯水が流入してきた場合には
該感温伸縮体７の形状記憶効果により該感温伸縮
体７自身が収縮することにより該弁体１１を移動
させ、該弁体１１が該導水孔６を塞ぐことにより
該導水孔６を遮断するものである。この時該弁体
１１に取付けられたパツキン１９の作用により該
導水孔６がより完全に遮断されることとなる。

又、上記第１乃至第３の全ての実施例に於て、
該感温伸縮体７の形状変化が温度変化に伴なつて
可逆的に行われるものに於てはその形状変化をよ
り敏感に作動させるために、又該感温伸縮体７の
形状変化が一方的な、即ち設定温度以上になつた
時に該感温伸縮体７の形状が変化（第１及び第３
の実施例では収縮し、第２の実施例では伸びる）
し、設定温度以下になつても該感温伸縮体７の形
状が戻らないものに於ては湯水の温度が設定温度
以下になつた時に弁体１１を元の位置に復帰させ
導水孔６を自動的に開くために、第５図及び第６
図に示す如く補助コイル２０を附加しても良く、
該補助コイル２０は該感温伸縮体７を平常の使用
状態の方向へ付勢するものである。即ち、第５図
に示した補助コイル２０は該弁体１１を収納部１
８へ引込むように付勢するものであり、第６図イ
に示した補助コイル２０は第１の実施例に、同図
ロに示した補助コイル２０は第２の実施例に夫々
附加したものであり、共に該弁棒１３の弁部１２
に対向する位置に設けられた鍔部２１と支持部１
４との間に該補助コイル２０が介され、該弁体１
１が該導水孔６の先端８から引離されるように付
勢するものである。

第１乃至第３の実施例は夫々に長所を有するも
のであり、第１及び第３の実施例は該感温伸縮体
７が湯水の通り路である導水孔６内に位置せしめ
られている点で該感温伸縮体７の作動が早くより
安全であり、第２の実施例は該感温伸縮体７が該
シヤワーヘツド１の外部に解放された散水板１６
の裏側に位置せしめられている点で該感温伸縮体
７が作動した後にリセツトする場合に容易に行え
るものである。又、第３の実施例は該導水孔６を
遮断する弁体１１の作動方向が該導水孔６を流れ
る湯水の流路方向と直角に交わつている点で該弁
体１１作動方向が該流路方向と平行で且つ逆にな
る第１及び第２の実施例より確実である。更に、
第３の実施例の如く該感温伸縮体７を位置させる
部分の導水孔６をシヤワーヘツド１本体と独立し
た別体とすることはメンテナンスがより容易とな
る点で推奨されるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は全て本考案に係るシヤワーヘツドを示す
ものであり、第１図は第１実施例の部分断面図、
第２図は第１実施例の作動状態を示す断面図、第
３図は第２実施例の部分断面図、第４図は第２実
施例の作動状態を示す断面図、第５図は第３実施
例の部分断面図、第６図は第１及び第２実施例に
補助コイルを附加した断面図である。 図中の１は本考案に係るシヤワーヘツド、６は
導水孔、７は感温伸縮体、８は該導水孔の先端、
１０は孔路壁、１１は弁体、１４は支持部であ
り、１８は収納部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シヤワーヘツド内部の導水孔に望む弁体と該
   弁体を作動させる形状記憶合金よりなる感温伸
   縮体とを有し、設定温度以上の湯水を該感温伸
   縮体が感知した際に該感温伸縮体が変位し該弁
   体を該導水孔を遮断し得る位置へ移動せしめる
   ことを特徴とするシヤワーヘツド。 (2) 導水孔の先端に対向する位置に該導水孔の先
   端を望むように弁体を設け、該弁体の先端と該
   導水孔とに固定された感温伸縮体を有すること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のシヤワーヘツド。 (3) 導水孔の先端に対向する位置に該導水孔の先
   端を望むように弁体を設け、該弁体と該弁体を
   支持する支持部との間に感温伸縮体を介したこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のシヤワーヘツド。 (4) 導水孔の孔路壁に収納部を設け、該収納部に
   収納された弁体を有し、該弁体と該収納部の対
   向する孔路壁とに固定された感温伸縮体を有す
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のシヤワーヘツド。