JPS6130705Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、遠隔操縦走行玩具、特に、オート
バイ玩具における方向変換装置に関する。

従来、オートバイ玩具等においての方向変換装
置は駆動輪を兼ねた一対の方向変換輪の一方を停
止または減速することで旋回を行つていた。ま
た、この旋回を迫真性に富んだものとすべくサー
ボモータを介して玩具本体を旋回方向に傾斜せし
めるバンク角を発生させるものも提供されている
が、そのバンク角発生のためには、サーボモータ
を設ける必要があり、制御装置が複雑となる難点
等を有するものであつた。

そこで、構成が簡単なものとして実公昭53−
22078号公報にて二輪車玩具の方向変換装置が提
案されている。

この装置は、扇形歯車の両端突出部に一対の補
助輪を軸止させ、この扇形歯車にはモーターによ
つて回転する方向変換用の歯車を噛合せかつ噛合
せを外すことが可能にしておき、この歯車を回転
噛合せることにより補助輪にて二輪車の方向を変
換させ、その時に、扇形歯車には軸が前方へ傾斜
させて軸承してあり、この扇形歯車と共に補助輪
が回つた際に、それに追従して前記前方へ傾斜さ
せた軸が側方へ傾斜する方向に回り玩具本体を回
転走行内側に傾けるようにしたものである。

ところが、この装置は、方向変換用の歯車と扇
形歯車とを噛合せ且つ噛合せを外すように作動さ
せる装置が必要であるから、構造が複雑となる欠
点があり、また、玩具本体を傾ける際に、玩具本
体の走行方向と傾斜角度が比例しないので、方向
変換時の安定性や実物の二輪が走行しているよう
な実感に乏しい欠点があつた。

又、路面の凹凸に適合してその都度車軸を傾け
るものとして昭和10年実用新案出願公告第15233
号公報にて玩具の自動車用車軸傾斜調節板が提案
されている。ところが、この装置は、構成が簡単
で且つ容易に車軸を傾けることはできるものの、
方向変換の際に回転内側に車体を傾けることは全
く不可能で、逆に遠心力によつて回転外側に車体
が傾き走行安定性に乏しい欠点があり、又、実車
感にも乏しい欠点があつた。

この考案は、構成簡単にしてバンク角を発生さ
せ、オートバイ玩具の走行迫真性を向上させるこ
とを目的として案出されたもので、その要旨とす
る処は、両端に方向変換駆動輪が回転自在に支承
され且つ走行玩具本体下部に取付けてある車台上
に配されている車軸と、この車軸を車軸の長さ方
向中央を支点として略鉛直面内で揺動自在とすべ
く前記支点部分を車台に枢着する軸受部と、前記
方向変換駆動輪に夫々並設固着してある被動歯車
に夫々噛合し且つこの被動歯車に対して玩具本体
の進行方向前方に配したピニオンと、ピニオン毎
に夫々１台ずつ車台上に配しこのピニオンを駆動
軸に固着したモータと、車台上に立設し且つ前記
ピニオンを中心とした円弧状切欠の車軸揺動用ガ
イド孔を穿設してある車軸受板とからなり、前記
モータの一方を減速若しくは停止すべく駆動制御
可能としたことに存するものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

図中示される符号１は車台であり、車台１は底
板１Ａとこの底板１Ａの両側部に立設される車軸
受板１Ｂとで成る。車軸受板１Ｂには鉛直方向に
長い略円弧状切欠２が穿設され車軸４揺動用のガ
イド孔とし、この切欠２には、両端に駆動輪を兼
ねる方向変換駆動輪３が支承された車軸４が水平
に挿通される共に、この車軸４の長さ方向中央軸
受部５を介し、車台１の揺動自在に枢着してあ
る。

車軸４の両端に回転自在に配設される前記方向
変換駆動輪３には、被動歯車６が夫々並設固着さ
れ、この２枚の被動歯車６には車台１に固定され
た２台のモータ７の駆動軸７Ａに固着されている
ピニオン８が夫々噛合される。また、このピニオ
ン８は被動歯車６に対して玩具本体Ａの進行方向
前方に配しておく。そして、前記切欠２はこれら
モータ７の駆動軸７Ａつまりピニオン８を中心と
して両車軸受板１Ｂに略円弧状に穿設されるもの
である。

このように形成される車台１にはオートバイ玩
具としての玩具本体Ａが固着される。玩具本体Ａ
はボデイ１０の前方部に並設する２本のフロント
フオーク１１の下端部に前輪１２を取付け、その
上端部は支持片１３によつて回動自在に連結さ
れ、一定範囲で首振り自在としてあり、ボデイ１
０の後方部には後輪１４が懸吊されてある。尚、
車台１の玩具本体Ａへの取付位置は前輪と後輪と
の間であり、また、玩具本体Ａ内には図示しない
送信機からの制御信号を受けとり、前記モータ７
を駆動制御する受信機１５が配設される。

この受信機１５により、モータ７は、直進状態
にあつては共に、同回転数にて回転される。為
に、左右両方向変換駆動輪３は同回転すると共
に、均等な駆動力が加わるので、車台１に対して
車軸４は傾斜することはなく、従つて玩具本体Ａ
は直進する。

旋回時にあつては、受信機１５からの制御信号
により、旋回する方向の方向変換駆動輪３を駆動
するモータ７が減速回転若しくは停止するように
駆動制御される。

その結果、２つのにモータ７が同回転数の場合
には両方の被動歯車６に対し、夫々のピニオン８
が噛合いながら駆け上ろうとする同じ力が車軸４
両端に均等に加わるので平行を保つて車軸４に対
し車台１は傾斜することなく直進するが、そこ
で、一方のモータ７を減速或いは停止させると、
他方のモータ７の回転数が大きくなるので車台１
はこのモータ７側の方向変換駆動輪３が回転外側
となるようにして旋回すると共に、一方のモータ
７側の被動歯車６の対するピニオン８の駆け上ろ
うとする力が一方のモータ７の減速或いは停止に
よつて弱くなるか全くなくなり、そのために、他
方のヒータ７側のピニオン８のみが駆け上つて車
台１は車軸４に対して旋回外側に位置する側が上
方へ持ち上つた状態に傾斜し、その傾斜も一方に
モータ７の減速に応じて前記略円弧状の切欠２範
囲内で大きくするものである。従つて、一方のモ
ータ７の減速の変化によつて旋回度合も変化する
から、この旋回時の玩具本体Ａを実車同様にバン
クさせることができるものてある。

叙上のように構成されるこの考案は、両端に方
向変換駆動輪３が回転自在に支承され且つ走行玩
具本体Ａ下部に取付けてある車台１上に配されて
いる車軸４と、この車軸４を車軸４の長さ方向中
央を支点として略鉛直面内で揺動自在とすべく前
記支点部分を車台１に枢着する軸受部５とを有す
るから、車軸４に対して車台１が容易に傾斜し、
車台１に玩具本体Ａが取付けてあるので玩具本体
Ａ自体を容易に傾斜させることができる。

そして、前記方向変換駆動輪３に夫々並設固着
してある被動歯車６に夫々噛合し且つこの被動歯
車６に対して玩具本体Ａの進行方向前方に配した
ピニオン８と、ピニオン８毎に夫々１台ずつ車台
１上に配しこのピニオン８を駆動軸７Ａに固着し
たモータ７と、車台１上に立設し且つ前記ピニオ
ン８を中心とした円弧状切欠２の車軸揺動用ガイ
ド孔を穿設してある車軸受板１Ｂとを有し、前記
モータ７の一方を減速若しくは停止すべく駆動制
御可能としたことにより、車台１を車軸４に対
し、傾斜させることで、車台１に固着される玩具
本体Ａも傾斜し、この傾斜状態も一方のモータ７
の減速度合或いは停止によつて前述の如く変化す
るので、方向変換駆動輪３による旋回度合に応じ
た傾斜状態が得られ、実感的なカーブ走行が可能
となると共に走行安定性に優れたものとなるため
走行速度をあまり減少しなくともスムーズな且つ
転倒することのない旋回が楽しめるものである。

また、車軸４は車軸４長さ方向中央の１点にて
車台１に枢着されており、２つのモータ７の回転
数の変化で車軸４を鉛直方向で揺動するものであ
るから、直進時にあつても二輪車特有の走行不安
定さをかもし出すことが可能となり、実感ある走
行が楽しめる。

更には、玩具本体Ａにライダー人形を固定する
ことにより、車体とライダーとが一体となつて傾
斜するリーンウイズのコーナリングフオームが得
られるものであり、興趣に富んだ走行玩具を提供
できるものである。

以上説明したように、この考案によれば、構成
簡易にして旋回に応じたバンク角を発生させるこ
とができ、オートバイ玩具等において迫真性に富
んだコーナリングフオームと直進走行とが得られ
るものであり、また、旋回時において遠心力で転
倒することもない等実用上極めて有益な諸効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は全体側面図、第２図は要部斜視図第３図直進
走行時の要部背面図、第４図は第３図における
−線断面図、第５図は旋回開始時要部側面図、
第６図は旋回時の背面図である。 Ａ……玩具本体、１……車台、１Ａ……底板、
１Ｂ……車軸受板、２……切欠、３……方向変換
駆動輪、４……車軸、５……軸受部、６……被動
歯車、７……モータ、７Ａ……駆動軸、８……ピ
ニオン、１０……ボデイ、１１……フロントフオ
ーク、１２……前輪、１３……支持片、１４……
後輪、１５……受信機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に方向変換駆動輪が回転自在に支承され且
   つ走行玩具本体下部に取付けてある車台上に配さ
   れている車軸と、この車軸を車軸の長さ方向中央
   を支点として略鉛直面内で揺動自在とすべく前記
   支点部分を車台に枢着する軸受部と、前記方向変
   換駆動輪に夫々並設固着してある被動歯車に夫々
   噛合し且つこの被動歯車に対して玩具本体の進行
   方向前方に配したピニオンと、ピニオン毎に夫々
   １台ずつ車台上に配しこのピニオンを駆動軸に固
   着したモータと、車台上に立設し且つ前記ピニオ
   ンを中心とした円弧状切欠の車軸揺動用ガイド孔
   を穿設してある車軸受板とからなり、前記モータ
   の一方を減速若しくは停止すべく駆動制御可能と
   したことを特徴とする遠隔操縦走行玩具における
   方向変換装置。