JPS6127825B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はテープレコーダに関し、特に磁気テー
プの再生又は録音時の走行を正方向、逆方向に反
転させることができるリバース式のテープレコー
ダに関するものである。

従来、リバース式テープレコーダにおいて磁気
テープの正転及び反転を切換えるにはソレノイド
の吸引力等を用いていたが、ソレノイドは切り換
え時に大きな衝撃音が発生し、又切換えの駆動を
行なうため大型のソレノイドが必要となり、この
ため大きなスペースを要するとともに大容量の電
源が必要となる等の欠点があり、従つて装置全体
が大型化し、乾電池等の電源を使用する携帯用の
装置に適さないものであつた。又、近年モータの
動力を使用して磁気テープの走行方向を切換える
方法が用いられているが、この方法では例えば偏
心カム等で正反切換ロツド等を駆動して切換える
ものであるため、反転状態からイジエクト操作を
した時メカニズムを正転状態とさせることができ
ないという欠点があつた。

一般にカセツト式カーステレオ等では、スロツ
トイン方式と称するテープ装着方法を採用した場
合は、テープ走行状態が目視できないため、カセ
ツトをイジエクトした後再び他のカセツトテープ
を装着した時テープ走行方向状態がわからず、従
つて聞きたい内容を再生するのに手間がかかると
いう問題を有しており、このためカセツトのイジ
エクト操作に連動させる等によりメカニズムが常
に磁気テープを一定方向（一般には正転方向）に
走行させるべく自動的に切換えられるように構成
することが望ましい。

本発明は上記のような従来の欠点と要望を満た
すテープレコーダを提供するものであり、以下そ
の一実施例について図面を用いて説明しよう。

図において、１はキヤプスタンで、ピンチロー
ラ２でもつて磁気テープ（図示せず）を挾圧し、
このキヤツプスタン１が時計方向に回転すると磁
気テテープを正転方向に、反時計方向に回転する
と反転方向に走行させるようになつている。上記
キヤツプスタン１はベルト３、フライホイル４を
介して正反転回転を行うモータ５の回転が伝達さ
れる。

６，７は第１、第２のリール台で軸８，９に回
転自在に支持され、上記磁気テープの両端が固定
されたリールハブを駆動するようになつている。

１０は第１のアイドラで、上記磁気テープの正
転走行時に上記第１のリール台６に上記キヤツプ
スタン１のプーリ１１の時計方向の回転を伝達す
る。

１２は第２のアイドラで、上記磁気テープの反
転走行時に第２のリール台７に上記キヤツプスタ
ン１のプーリ１１の反時計方向の回転を伝達す
る。

１３は切換え板で、軸１４，１５にガイドされ
て左右に摺動自在で、上記第１、第２のアイドラ
１０，１２及び上記モータ５の回転方向の制御を
行なうスイツチ１６を制御するようにされ、（第
１、第２のアイドラ１０，１２の制御は周知の方
法を用いるものであり、詳述はしない）クリツク
ばね１７により第２図の第１の位置（正転位
置）、第５図の第２の位置（反転位置）に移動さ
れて保持されるようになつている。

１８は駆動プーリで、軸１９に回転自在に設け
られ外周のギヤ１８ａは上記キヤプスタン１のギ
ヤ２０に噛合され、凹部１８ｂは歯欠状態となつ
ている。

２１は駆動ピンで、上記駆動プーリ１８に設け
られ上記切換板１３の突出部１３ａに当接可能で
あると共に上記切換板１３に設けた第１、第２の
線ばね２２，２３によつて押圧されるようになつ
ている。

２４はトリガレバーで一端２４ａは上記駆動プ
ーリ１８の円状凹部１８ｆの周縁に形成されたロ
ツク凹部１８ｃ、傾斜部１８ｄ、ガイド部１８ｅ
に当接するようになつており、他の一端２４ｂは
トリガソレノイド２５に連結され、軸２６に回動
自在でかつばね２７により反時計方向に付勢され
ている。

２８はイジエクトロツドで、カセツトのイジエ
クト手段（図示せず）に連結されている。

以上のような構成からなり、つぎに動作につい
て述べると、まず、第２図は正転再生状態を示し
ており、この状態では駆動プーリ１８はそのロツ
ク凹部１８ｃにトリガレバー２４の一端２４ａが
嵌合されて該駆動プーリ１８の回転は阻止されて
おり、かつこの状態では第２の線ばね２３により
反時計方向の付勢力が与えられているとともにそ
の凹部１８ｂはキヤプスタンギヤ２０と対応され
てギヤ１８ａはギヤ２０と非噛合状態にある。こ
の正転再生状態からトリガソレノイド２５を動作
させるとトリガレバー２４はばね２７に抗して時
計方向に回動され、その一端２４ａが駆動プーリ
１８のロツク凹部１８ｃにより離間される。する
と駆動プーリ１８は第２の線ばね２３により反時
計方向に回転され、第２図の歯欠凹部１８ｂが上
記キヤプスタン１のギヤ２０と対応している状態
から第３図に示すようにギヤ１８ａが上記ギヤ２
０に噛合状態とされ、この時上記キヤプスタン１
及びギヤ２０には時計方向に回転されているた
め、上記駆動プーリ１８はギヤ２０により引続き
反時計方向に回転される。従つて切換え板１３は
駆動ピン２１が突出部１３ａを押圧するので第４
図に示すように右方向に移動される。

上記切換え板１３が第４図に示す位置に移動さ
れるとスイツチ１６が切換えられ、モータ５の時
計方向の回転は反時計方向の回転に切換えられ
る。これにより上記キヤプスタン１及びギヤ２０
は反時計方向に回転される。

従つて上記駆動プーリ１８は時計方向に回転さ
れ、この回転は上記歯欠凹部１８ｂが上記ギヤ２
０部に位置してそのギヤ２０とギヤ１８ａの噛合
が解放されるまで続けられる。同時に上記第１の
線ばね２２及び上記トリガレバー２４の一端２４
ａ、駆動プーリ１８の傾斜部１８ｄによりさらに
反時計方向に回動され、これにより第５図に示す
ように上記トリガレバー２４の一端２４ａが駆動
プーリ１８のロツク凹部１８ｃに係合される。上
記切換え板１３が第２図の状態から第４，５図の
状態に移動されると、上記第１のアイドラ１０は
上記第１のリール台６及びキヤツプスタン１のプ
ーリ１１より離間され、第２のアイドラ１２が第
２のリール台７とキヤプスタン１のプーリ１１に
圧接されるようになつているための反転再生状態
となる。

次に第５図の反転再生状態から上記トリガソレ
ノイド２５を動作させるとトリガレバー２４はば
ね２７に抗して時計方向に回動され、一端２４ａ
は上記駆動プーリ１８のロツク凹部１８ｃより離
間される。すると上記駆動プーリ１８は第１の線
ばね２２により時計方向に回動され、歯欠凹部１
８ｂがキヤプスタン１のギヤ２０部に位置してい
る状態からギヤ１８ｂがギヤ２０に噛合状態とさ
れ、この時上記キヤプスタン１及びギヤ２０は反
時計方向に回転されているので駆動プーリ１８は
引続き時計方向に回転される。従つて切換え板１
３は上記駆動ピン２１が突出部１３ａを押圧する
ので、第７図に示すように左方へ移動される。

上記切換え板１３が第７図に示すように移動さ
れるとスイツチ１６が切換えられ、モータ５は反
時計方向の回転から時計方向の回転に切換えら
れ、上記キヤプスタン１及びギヤ２０は時計方向
に回転される。

従つて、駆動プーリ１８は反時計方向に回転さ
れ、その回転は上記歯欠凹部１８ｂがギヤ２０部
に位置してこのギヤ２０とギヤ１８ａの噛合が解
放されるまで続けられる。同時に上記第２の線ば
ね２３及び上記のトリガレバー２４の一端２４
ａ、駆動プーリ１８の傾斜部１８ｄによりさらに
時計方向に回動され、これにより第７図に示すよ
うにトリガレバー２４の一端２４ａが駆動プーリ
１８のロツク凹部１８ｃに係合される。

上記切換え板１３が第５図の状態から第６，７
図の状態に移動されると上記第２のアイドラ１２
は第２のリール台７とキヤプスタン１のプーリ１
１より離間され、かつ第１のアイドラ１０が第１
のリール台６とキヤプスタン１のプーリ１１に圧
接され、正転再生状態となる。なお、第５図の反
転再生状態からイジエクトロツド２８を操作して
カセツトのイジエクト動作を行なうと、イジエク
トロツド２８は装置を停止状態にするとともに切
換え板１３を第５図の状態から第２図の状態、す
なわち左方向に移動させ、正転状態に切換えられ
て停止状態とされる。

以上のような本発明によれば可逆モータの回転
方向を決定づけるスイツチを切換えるための切換
手段に、欠歯部をもつ回転部材に初期動作のため
の付勢力を与える初期動作付与手段を設け、かつ
上記切換手段をクリツクばねによりテープ走行の
正逆方向に対応する第１、第２の位置に夫々保持
させるようにしたので、円滑で確実な動作により
反転切換えが行なわれ、その反転切換えの始動は
小さな力にて行なえるため装置全体が小型化で
き、またカセツトのイジエクト操作で正転状態に
切換えることも極めて簡単に行なえるのであり、
その効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のテープ走行機構部
を示す略平面図、第２図は正反転切換え機構の正
転状態を示す略平面図、第３図は同正転状態から
反転状態に切換える前半の状態を示す略平面図、
第４図は同後半の状態を示す略平面図、第５図は
同反転状態を示す略平面図、第６図は同反転状態
から正転状態に切換える前半の状態を示す略平面
図、第７図は同後半の状態を示す略平面図であ
る。 １……キヤプスタン、５……モータ、６，７…
…リール台、１０，１２……アイドラ、１３……
切換え板、１６……スイツチ、１８……駆動プー
リ、２０……ギヤ、２１……駆動ピン、２４……
トリガレバー、２５……トリガソレイド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁気テープを正方向、逆方向に走行させるテ
   ープ走行手段と、このテープ走行手段を正方向走
   行とさせる第１位置と逆方向走行とさせる第２の
   位置に往復移動可能でクリツクばねの付勢力によ
   り第１、第２の位置にそれぞれ保持される切換手
   段と、可逆的に回転されるモータにより第１の方
   向に回転するとき前記切換手段を第１の位置から
   第２の位置へ、第２の方向に回転するとき前記切
   換手段を第２の位置から第１の位置へ移動させる
   欠歯部をもつ回転部材を含む移動手段と、上記切
   換手段に配置されてそれとともに変位し、上記切
   換手段が第１の位置にあるときに上記移動手段を
   第１の方向へ初期回動させ、上記切換手段が第２
   の位置にあるときに上記移動手段を第２の方向へ
   初期回動させるように上記移動手段を構成する回
   転部材に付勢力を与える初期動作付与手段と、上
   記切換手段に連動し、この切換手段が第１の位置
   にある状態では上記移動手段を第１の方向に、切
   換手段が第２の位置にある状態では上記移動手段
   を第２の方向に回転させるように上記モータの回
   転方向を決定づけるためのスイツチと、上記移動
   手段の動作、非動作を制御するトリガレバーを含
   むソレノイドを備えてなるテープレコーダ。