JPS6125924Y2

JPS6125924Y2 -

Info

Publication number: JPS6125924Y2
Application number: JP13242680U
Authority: JP
Priority date: 1980-09-18
Filing date: 1980-09-18
Publication date: 1986-08-05
Also published as: JPS5759002U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、チツプブレーカ溝および切刃稜の構
成を改善したスローアウエイチツプに係り、特に
Ｒ部および端面引き上げ加工の切屑処理が良好に
なるようにしたものである。

従来、この種のスローアウエイチツプは、各種
のチツプブレーカ溝の提案がなされているが、Ｒ
部および端面引き上げ加工については、切屑の伸
びがみられ必ずしも好適するものではなかつた。

したがつて、Ｒ部および端面引き上げ加工を含
んで、より広い範囲で切屑処理が良好に行なえる
スローアウエイチツプの改善が要望されている。

本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、チ
ツプブレーカ溝は、その深さ方向で波形の曲面を
形成し、かつその巾方向の中央ボス面との境界に
も波形を形成するとともに、その切刃稜がノーズ
部から下り傾斜となる波形の曲線状になり、また
前記中央ボス面にも深さ方向に波形面が形成され
るとともに、ノーズ部の近傍では帯状に凸出し、
かつ下り傾斜となつて、これに続く波形面のピツ
チがチツプブレーカ溝のピツチに合致するように
したスローアウエイチツプを提供するものであ
る。

以下、本考案スローアウエイチツプの一実施例
について、図を参照して説明する。

第１図乃至第３図において、１は、例えば３角
形板状からなる穴付きのスローアウエイチツプで
あり、その切刃稜２に沿つてチツプブレーカ溝３
が形成されている。

このチツプブレーカ溝３は、第２図でみられる
ように、その深さ方向で波形の曲面を形成し、か
つその巾方向の中央ボス面４との境界にも波形を
形成する。

そして、前記切刃稜２は、ノーズ部５から下り
傾斜となる波形の曲線状になるものである。これ
は、インクリネーシヨンを付加したものであり、
これによつて仕上げ加工でも切屑の流出方向が中
央ボス面４に向かい切屑処理が良好となるのであ
る。

また、前記中央ボス面４にも同様な波形の曲面
が形成され、そのノーズ部５近傍では、二方向か
らの収束によつて帯状に凸出する。そして、この
帯状に凸出する部分が下り傾斜となつて、波形面
が連続的に形成される。この場合、波形面のピツ
チは、第２図で明示されているようにチツプブレ
ーカ溝３のピツチに一致しているものである。

なお、本実施例では、上面のみにチツプブレー
カ溝３が、中央ボス面４等を形成しているが、下
面にも形成してもよいものである。

また、切刃稜２に沿つて巾狭のランドが曲面の
変化に対応して形成されるようにしてもよい。

なお、チツプブレーカ溝３の深さｄは、第３図
のように中央ボス面４の曲面形成によつて減少す
る。これは重切削に対処できるようにしたもので
ある。

このようにして構成された本考案のスローアウ
エイチツプは、以下のような効果を有する。この
効果は、例えば、SCM１５を被削材として、切
削速度Ｖ＝150m／min、切込みｄ＝0.5〜4.0mm、
送りｆ＝0.3mm／revの条件で端面引上げ切削した
例などから確認されたものである。

Ｒ部および端面引上げ加工の切屑処理が良好
となること。

これは、波形曲線によつて、切刃稜２にイン
クリネーシヨンがつけられるとともに、チツプ
ブレーカ溝３と中央ボス面４との段差があるこ
とから切屑の延伸性が妨げられ折断乃至カール
が可能となるからである。これに対し、切刃稜
を直線状となし、中央ボス面４との境界部分を
波形とした従来例（以下従来例Ａという）で
は、端面切削で切屑が伸びる傾向を示し、それ
ほど切屑処理性がよくない。また、切刃稜のみ
を波形状とした従来例（以下従来例Ｂという）
では、重切削時に切屑がつまる傾向を示し、切
屑処理性がよくない。

広範な切屑処理範囲を有すること。

これは、チツプブレーカ溝３に対し、中央ボ
ス面４にも波形の曲面を形成したこともに伴な
い段差が小になつて重切削の場合にも切屑がつ
まらずに対処できるからである。またノーズ部
５の近傍では中央ボス面が帯状に凸出してチツ
プブレーカ溝３の巾が狭いことから軽切削にも
対処できるからである。すなわち、この効果
は、第４図で示される切屑処理性の範囲を示す
説明図から明らかである。この場合、横軸は、
切込み（mm）で、縦軸は、送り（mm／rev）
で、切屑処理の有効範囲を示したものである。

重切削における切削抵抗が小さいこと。

これは、ノーズ部５の近傍にある切刃稜２に
は、インクリネーシヨンがあるため、切削抵抗
が小さくなるからである。

本考案は、以上説明したように、チツプブレー
カ溝、中央ボス面および切刃稜の構成を合理的な
らしめ、各種の切削に対応できるようにしたもの
であるから、Ｒ部および端面引き上げ切削を含む
加工には、特に好適するという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案スローアウエイチツプの一実
施例を示す正面図、第２図は、下方からの側面
図、第３図は、第１図中の−線に沿つて得ら
れる拡大した要部の断面図である。第４図は、本
考案および従来例における切屑処理の有効範囲を
示す説明図である。１……スローアウエイチツプ、２……切刃稜、
３……チツプブレーカ溝、４……中央ボス面、５
……ノーズ部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】切刃稜２に沿つてチツプブレーカ溝３を形成し
た多角形板状のスローアウエイチツプにおいて、前記チツプブレーカ溝３は、その深さ方向で波
形の曲面を形成し、かつその巾方向の中央ボス面
４との境界にも波形を形成するとともに、その切
刃稜２が、ノーズ部５から下り傾斜となる波形の
曲線状になり、また前記中央ボス面にも、深さ方
向に波形面が形成されるとともに、ノーズ部５の
近傍では帯状に凸出し、かつ下り傾斜となつて、
これに続く波形面のピツチが、チツプブレーカ溝
３のピツチに合致していることを特徴とするスロ
ーアウエイチツプ。