JPS6123537Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレハブ式建築における天井パネルの
取付構造に関する。

冷凍・冷蔵庫等を断熱パネルで構成し、建物内
等に設置する場合、天井パネルは第１図に示す如
く取付けられるが従来一般的である。すなわち第
１図ＡおよびＢに示す如く、天井パネル１の接合
端の上側や下側に沿つて延在された補強ビーム２
に対して断熱性の貫通ボルト３で固定され、補強
ビーム２あるいはボルト座４を利用してワイヤー
５で建物等の躯体（図示せず）から懸吊し、ター
ンバツクル６によつて調整するように取付けられ
ている。このような取付構造においては、補強ビ
ーム２を必要とし、補強ビーム２および天井パネ
ルに貫通ボルト３のための孔開け加工が必要であ
り、断熱性を悪化するうえ組立時にこれらの孔位
置を合せることが困難で作業性が悪かつた。また
天井が広い場合には補強ビーム２同志の連結も行
わねばならなくなり、さらに作業が面倒となつて
いた。

本考案の目的はこれらの従来の欠点を解消し、
簡単な操作で天井パネルを互いに強固に連結させ
るとともに躯体に懸吊できる天井パネルの取付構
造を提供することである。

このために本考案はクランプ保持具を使用し、
パネル端縁付近にそれぞれ設けた傾斜ブラケツト
を該クランプ保持具により挾持してパネル同志を
強固に連結保持し、該クランプ保持具を躯体から
懸吊することを特徴とする。

以下に第２図〜第５図を参照して本考案の実施
例につき説明する。

第２図は本考案による天井パネルの取付構造を
全体的に示している。天井パネル１は端縁付近に
傾斜ブラケツト１０が備えられており、これらの
傾斜ブラケツト１０同志を本考案の特徴であるク
ランプ保持具１１を挾持するようになつている。
すなわちこの挾持によつて天井パネル１同志に矢
印方向の押圧力を働かせ、両天井パネル１を強固
に連結保持する。このクランプ保持具１１がワイ
ヤー５によりターンバツクル６を介して調整可能
に躯体（図示せず）から懸吊されることで、天井
パネル１が取付けられている。

傾斜ブラケツト１０は第２図に示したように垂
直面から略々30゜離反する方向へ傾斜されてお
り、クランプ保持具１１のクランプ本体１２が上
方へ滑つて離脱するのを防止している。この傾斜
ブラケツト１０は天井パネル１の内部に予め埋設
したナツト７に対してボルト８により固定される
ようになつており、天井パネル１の端縁に沿つて
適当間隔にて複数個備えられている。天井パネル
１に対する傾斜ブラケツト１０の固定手段として
この他の方法も可能であり、また第２ａ図に示す
如くパネル表面板に傾斜ブラケツト部１０′を一
体形成した天井パネル１′を用いる方法も可能で
ある。何れにしても断熱性を確保するために、天
井パネル１を厚さ方向に貫通する孔開けを必要と
しない構造とされねばならない。

クランプ保持具１１は第３図〜第５図に示す如
く、一対のクランプ本体１２と、懸吊部１３と、
クランプ本体１２が互いに平行状態を維持して接
近離反方向へ揺動できるように懸吊部１３へ枢着
する対をなすリンクレバー１４Ａおよび１４Ｂ
と、クランプ本体１２による挾持を行うボルト１
５およびナツト１６とを有して構成されている。
クランプ本体１２は第５図にて明らかとなる如く
アルミニウム材等の金属板をコ字断面形状に折曲
形成されてなり、内方へ延在する各側縁の下部に
は前述の傾斜ブラケツト１０の傾斜と合致する傾
斜縁部１２Ａを形成されている。懸吊部１３は同
様な金属製部材であり、上部に懸吊のためのフツ
ク１７（第２図）を掛止める開口１８が形成され
ている。リンクレバー１４Ａおよび１４Ｂは互い
に平行状態にてそれらの両端をクランプ本体１２
および懸吊部１３にそれぞれ軸支されている。こ
こでは上方位置のリンクレバーを１４Ａで、また
下方位置のリンクレバーを１４Ｂで示している
が、これらのリンクレバーは共に同じ部品であ
る。なお、リンクレバー１４は、常に２本ずつ同
じ部位に平行に設ける必要ではなく、少なくとも
一方のクランプ本体１２に対し、一側にはリンク
レバー１４Ａを、他側にはリンクレバー１４Ｂを
対角位置にて軸支されていればよい。またリンク
レバー１４Ａ，１４Ｂの軸支は、貫通支軸ピン１
９および２０とリテーナ２１とで行つており、各
部材の所定位置に支軸ピン受入孔が形成されてい
る。ボルト１５およびナツト１６はクランプ本体
１２とは別体とされ、単にクランプ本体１２に形
成した孔にボルト１５を挿通し、反対側にナツト
１６を螺着して締め付けるようになつている。し
かし何れか一方をクランプ本体１２に固定してお
くことも可能である。また図示実施例において
は、クランプ本体１２に内方へ延在する位置決め
爪１２Ｂが一体形成されており、第２図に示した
如くクランプ保持具１１を天井パネル端縁の傾斜
ブラケツト１０に対して所要の挾持力を得るよう
にボルト１５およびナツト１６を締め付けできる
ようになつている。

このような構造の天井パネルの取付構造によれ
ば、クランプ保持具１１を傾斜ブラケツト１０に
対して位置決めし、ボルト１５およびナツト１６
により締め付けることでクランプ本体１２が強固
に傾斜ブラケツト１０同志を挾持する。これによ
り第２図に示した如く矢印方向の押圧力が天井パ
ネル１に作用し、天井パネル同志が強固に連結保
持される。ここで、天井パネル１の後縁に通常の
位置決め嵌合材や第２ａ図にて示した嵌合凹凸部
を形成しておくとさらに連結状態が確実となる。
次に懸吊部１３を従来の如く躯体から懸吊するこ
とによつて天井パネル１の取付けが完了される。
尚、逆に先に躯体へクランプ保持具を懸吊してか
ら前述の操作を行なつても支障ない。

天井パネル１が懸吊されて時間が経過し、最初
のボルト１５およびナツト１６の締め付け力では
弛みを生じた場合でも、クランプ本体１２に作用
する下方向の支持重量による力がクランプ本体１
２を接近させる方向に働くので、天井パネル２の
接合状態は充分に維持される。すなわち、換言す
ればボルト１５およびナツト１６はクランプ本体
１２の離反を防止して天井パネル１の脱落を防止
するものである。

前述したように、本考案によれば天井パネルの
取付けが極めて簡単化され、同時に天井パネル同
志の連結を行なえ、組立の作業性が大巾に向上す
るうえ補強ビーム等が不要で、天井パネルを貫通
する孔開けが行われずに断熱性を損わない。ま
た、庫内表面に補強ビームやボルト座を不要とす
るので冷気溜りを解消でき、局部的な氷結等を防
止できる等、多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ＡおよびＢは従来の天井パネル取付状態
を示す立面図。第２図は本考案による天井パネル
の取付状態を示す立面図。第２ａ図は他の例とせ
る天井パネルを示す部分的断面図。第３図は本考
案によるクランプ保持具の正面図。第４図は第３
図の側面図。第５図は第３図の頂面図。 １，１′……天井パネル、５……ワイヤー、６
……ターンバツクル、１０……傾斜ブラケツト
部、１１……クランプ保持具、１２……クランプ
本体、１３……懸吊部、１４……リンクレバー、
１５……ボルト、１６……ナツト、１９，２０…
…支軸ピン、２１……リテーナー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 接合する天井パネルの端縁付近に互いに離反
   する方向へ傾斜する傾斜ブラケツト部を形成
   し、該ブラケツト部の傾斜と合致する傾斜部を
   有する一対のクランプ本体と、懸吊部と、クラ
   ンプ本体が平行状態を維持して揺動できるよう
   に懸吊部に連結する対をなすリンクレバーと、
   クランプ本体を接近方向へ強制する締め付け手
   段とを有するクランプ保持具の前記クランプ本
   体間に前記ブラケツト部を挾持し、前記懸吊部
   にて躯体から懸吊することを特徴とする天井パ
   ネルの取付構造。 (2) 前記クランプ本体に、内方へ延在して締め付
   け限界を指示する位置決め爪が形成されている
   実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の天井パネ
   ルの取付構造。