JPS6123172Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内障子の室内側への取り外しを可
能にした引き違い窓に関するものである。

従来は一般に障子を外す場合、室外側から外障
子、内障子の順に取り外すのが通常である。しか
し、高所の場合は室外側からの作業が危険である
ため、室内側からの作業が要望されているが、引
き違い窓は、構造的に外障子が嵌装された状態で
内障子を室内側に外すことはできないようになつ
ている。したがつて、高所の場合は障子の取り外
しに危険が伴ない。不可能であるというのが現状
である。

この考案は、上記事情に鑑みなされたもので、
外障子を外すことなく、内障子を室内側に簡単に
取り外せるようにしたことを特徴とする引き違い
窓を提供しようとするものである。

以下にこの考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図ないし第３図はの考案の引き違い窓を示
す正面図、縦断面図及び横断面図を示すもので、
図中、１は窓枠、２は内障子、３は外障子であ
る。

前記窓枠１は、一対の縦枠４，４と、上枠５
と、下枠６とで構成されており、下枠６には前記
内、外障子２，３の案内レール６ａ，６ｂが装備
され、また、上枠５には内、外障子２，３の上部
を案内嵌装する障子案内溝５ａ，５ｂが形成され
ている。そして、この窓枠１内に嵌装される内障
子２及び外障子３の上部はそれぞれ障子案内溝５
ａ，５ｂ内に案内嵌装され、かつ、下部の両端部
に装備される２個の戸車７，７がそれぞれ案内レ
ール６ａ，６ｂ上を転動しうるようになつてい
る。

上記のように構成される引き違い窓において、
この考案は内障子２を室内側へ取り外せるように
考慮したものであつて、その構造は、第３図及び
第４図に示すように、前記内障子２の案内レール
６ａにおける内障子開放側（図において左方側）
に、内障子２の２個の戸車７，７の間隔Ｌに相当
する切欠き８ａ，８ｂを形成し、そして、これら
切欠き８ａ，８ｂのうち縦枠４側の切欠き８ａ箇
所すなわち切欠き８ａ内に例えば縦枠４にピン９
をもつて枢支されて切欠き８ａに対して回転可能
な障子ストツパ１０が取り付けられている。な
お、この場合、障子２，３の閉鎖時において中央
側の切欠き８ｂが戸車７より障子２，３の内方側
に位置しており、通常の障子開閉には戸車７が切
欠き８ｂ内に落し込まないようになつている。ま
た、障子ストツパ１０はピン９によらずに着脱可
能に切欠き８ａ内に載置されるものでもよく、い
ずれの構造においても切欠き８ａ内に載置された
場合にはその上部が案内レール６ａより上方へ突
出して内障子２と衝当しうるようになつている。
また、外障子３の案内レール６ｂにも同様に、外
障子３の２個の戸車７，７の間隔Ｌに相当する切
欠き８ａ，８ｂが形成され、そして、縦枠４側の
切欠き８ａ内に障子ストツパ１０が回転可能ある
いは着脱可能に載置されるようになつている。な
お、外障子３の案内溝５ｂの外フランジ５b′は、
外障子３の戸車７が切欠き８ａ，８ｂに落ち込ん
だ際に外障子３が室外側へ外れないように下方に
向つてやや長目に形成されていいる（第１０図、
第１１図参照）。

上記のように構成されるこの考案の引き違い窓
において、通常時は障子ストツパ１０を切欠き８
ａ内に倒しておけば、内、外障子２，３の戸車７
は切欠き８ａ内に落ち込むことがないので、内、
外障子２，３は通常の開閉動作を行うことができ
（第５図及び第６図参照）、また、内障子２を取り
外す場合には障子ストツパ１０を起立させて切欠
き８ａを開放状態にした後、内障子２を内障子開
放側へ移動させて、両切欠き８ａ，８ｂ上に戸車
７，７を位置させれば、戸車７，７は切欠き８
ａ，８ｂ内に落ち込むと同時に、内障子２の上部
が障子案内溝５ａから外れるので、内障子２の上
框２ａを室内側に倒して、容易に内障子２を室内
側に収納することがきる。なおこの場合、第８図
及び第９図に示すように、障子案内溝５ａにおけ
る内障子２の呑み込み量A₁より内障子２の下端
と下枠６との距離A₂を大きくしておけば、内障
子２は前述のように室内側へ収納することができ
る。なお、内障子２及び外障子３の下框２ｂ，３
ｂに装着されて下枠６と接触するタイト材１１
は、案内レール６ａに切欠き８ａ，８ｂを設けた
としても十分性能維持ができるようになつてい
る。また、内障子２の上框２ａと案内溝５ａとの
隙間Ｂを小さくすることができるので、上框２ａ
を小さくでき、かつ、部材の節減を図ることがで
きる。

なお、上記実施例では内障子２の取り外しにつ
いて説明したが、外障子３も同様に室内側に取り
外せることができることはいうまでもない。

第１２図ないし第１４図はこの考案の別の実施
例を示すもので、各障子２，３の召合せ側に２個
の近接する戸車７′，７′を装備するとともに、縦
枠側の切欠き８a′をこれら２個の戸車７′，７′を
収容する幅に形成した場合である。このように構
成すれば障子閉鎖時における開放側に２つの切欠
き８a′と８ｂとを形成することができるので、障
子２，３の開口面積を広く採ることができる。こ
の場合、障子２，３の開放時に中央側の切欠き８
ｂを戸車７′，７′を通過するが、切欠き８ｂは戸
車１個分の幅に形成されているため、近接する戸
車７′，７′の一方が常に案内レール６ａ，６ｂ上
に位置して、障子２，３の開閉には支障をきたす
虞れはない。なお、この実施例において、その他
の構造は前記実施例と同じであるので、同一部分
には同一符号を付してその説明は省略する。

以上に説明したように、この考案の引き違い窓
によれば、内障子の案内レールにおける内障子開
放側に、内障子の２個の戸車の間隔に相当する切
欠きを形成し、これら切欠きのうち縦枠側の切欠
き箇所に障子ストツパを着脱自在に取り付けて成
るので、内障子を取り外す場合には障子ストツパ
を切欠きから除去せしめて、切欠き上に内障子の
戸車を位置させることにより、戸車の切欠き内に
落し込んで、内障子の上框を障子案内溝から外
し、室内側へそのままの状態で収納することがで
き、しかも、取り外し作業を簡単にかつ安全に行
うことができ、また、障子ストツパを切欠き内に
載置しておけば通常通りの内障子の開閉を行うこ
とができるので、その利用価値は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の引き違い窓の概略正面図、
第２図及び第３図はそれぞれの縦断面図及び横断
面図、第４図はこの考案における下枠と障子スト
ツパを示す横断面図、第５図及び第６図は障子の
通常開閉時を示す概略正面図、第７図は障子の取
り外し状態を示す概略正面図、第８図及び第９図
は窓枠と内障子との関係を示す要部断面図、第１
０図及び第１１図はそれぞれ窓枠と外障子との関
係を示す要部断面図、第１２図ないし第１４はそ
れぞれこの考案の別の実施例の閉鎖時、開放時及
び取り外し時の状態を示す概略横断面図である。 図において、１……窓枠、２……内障子、３…
…外障子、４……縦枠、５ａ，５ｂ……障子案内
溝、６ａ，６ｂ……案内レール、７，７′……戸
車、８ａ，８a′，８ｂ……切欠き、１０……障子
ストツパ、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下枠に内外障子の案内レールを装備するととも
   に、上枠に障子案内溝を有する窓枠と、この窓枠
   内に嵌装されて前記案内レール及び障子案内溝に
   沿つて可動する内外障子とで構成され、前記内障
   子の案内レールにおける内障子開放側に、内障子
   の両端部の戸車の間隔に相当する切欠きを形成
   し、これら切欠きのうち縦枠側の切欠き箇所に障
   子ストツパを着脱自在に取り付けて成る引き違い
   窓。