JPS6120589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はＸ線撮影装置において、マガジン内
に収納された未撮影のカツトフイルムを１枚づつ
増感紙間に挾持した状態でＸ線写真撮影位置に送
給するカツトフイルム送給装置の改良に関するも
のである。

カツトフイルムを使用し、それを収納位置より
写真撮影位置に送給し、写真撮影する従来のカツ
トフイルム送給装置においては、撮影位置を挾ん
で設けられた複数個のドラム間に重ね合わした２
枚の非伸縮性のＸ線吸収の少い材料、たとえばマ
イラなどで構成されたフイルム搬送用ベルトをか
けわたし、２枚のベルトの内側対向面にそれぞれ
増感紙を固定しておいて、前記ドラムの片側のド
ラムすなわちフイルム収納部に位置する互に逆方
向にまわされるようコイルばねなどによつて付勢
された１対のドラムによつて前記ベルトを増感紙
とともに別々に巻取り分離するようにして形成さ
れる分離部にピツクアツプ機構を介して収納マガ
ジンより取出された未撮影のカツトフイルムを挿
入し、前記ベルトに固定した増感紙の間に挾持さ
せ、ついで撮影位置を通りすぎた位置に設けられ
た電動機により駆動される一方の駆動ドラムによ
つて前記ベルトを巻きとり、両ベルトに挾持され
増感紙に圧着されたカツトフイルムを撮影位置に
送り込むようにされ、写真撮影が完了すると、前
記駆動ドラムを逆転駆動して前記動作を逆に行な
い、前記分離部より取出した撮影済カツトフイル
ムを収納マガジンに隣接して設けられた格納マガ
ジンに隔離して格納するようになされているもの
である。また、撮影位置を通りすぎた位置に設け
られた駆動ドラムを互に逆方向に回転駆動する１
対のドラムとすることによつて、搬送ベルトを増
感紙とともに別々に巻きとり、分離するようにし
て撮影済カツトフイルムを取出し格納する方法も
行なわれている。

いずれにしても前記の従来の装置においては、
サイズを異にするカツトフイルムを送給すること
はできるのであるが、撮影の前後において、増感
紙が搬送ベルトとともにドラムに巻き込まれるこ
ととなるので、増感紙のベース材料はフレキシブ
ルなものに限定され、また増感紙は巻き込まれ、
そして巻きほごされる。その都度繰返し曲げ作用
をうけ、増感紙蛍光体がいたみつけられ、その劣
化が促進させられる。またフイルムを収納マガジ
ンより取り出し、搬送ベルトに受け渡しするピツ
クアツプ機構と、搬送ベルトの駆動ドラムのそれ
ぞれの駆動系が分離されているため、その同期は
正確に行わればならないが、その同期が乱れる場
合には、未撮影のカツトフイルムに過大な引張り
もしくは逆にたるみが生ずることとなり、フイル
ムを損傷するおそれがある。また別々の方法とし
ては、上下２枚のＸ線透過性の板材を螺番にて一
端を連結し、他端を開閉自在とし、その内側対向
面にそれぞれ増感紙を固定したカツトフイルム保
持具に、ピツクアツプ機構を介して収納マガジン
より取出した未撮影のカツトフイルムを保持具の
開閉自在端よりフイルム後端面が所定量だけはみ
出すようにして挿入し、別に設けられた圧接機構
により保持具を介して増感紙に圧着されたカツト
フイルムを保持具ともども保持具搬送装置によつ
て撮影位置に送りこみ、写真撮影完了後は保持具
をもとの位置にひきもどし、前記ピツクアツプ機
構を介して撮影済フイルムをそのはみだし端にて
把持して保持具から取り出し、格納マガジンに格
納する装置が用いられている。

さきにのべた従来の装置と同様にサイズを異に
するカツトフイルムを送給できるのであるが、こ
の従来の装置による場合は、カツトフイルムの撮
影位置への送り込みと格納マガジンへの引戻しと
の往復動作を必要とし、保持具をもとの位置に引
戻して撮影済フイルムの取出してから、つぎの未
撮影フイルムの送給を開始することなるので、写
真撮影の全工程の所要時間を短縮するのに限度が
あり、速写撮影の機能において欠ける点がある。

この考案は、前記した従来のこの種装置の種々
の欠点を解消し、速写撮影の機能を十分に発揮し
うるようにしたカツトフイルム送給装置を提供し
ようとするものである。

以下、この考案を一実施例について図面にもと
づき詳細に説明する。第１図はこの考案にかかる
一実施例装置の主要内部構造を示す斜視図、第２
図はその縦断面図で、第３図の−断面を矢視
の方向にみた断面を、第３図はその横断面図で、
第２図の−断面を矢視の方向にみた断面をそ
れぞれ示している。図面において、１，２は未撮
影のカツトフイルムを収納する収納マガジンで、
１は大形で大角判が、２は稍々小形で４切判がそ
れぞれ100枚収納でき、フイルムはいずれも第２
図に示されているとおり、片側の端面を基準とし
て、この場合は左側を揃えてマガジン内に積重ね
て装着されている。そしてこれら収納マガジン
１，２はそれぞれ自身の左端部が揃えられて装填
されるように装填部が配設されている。３，４は
吸盤で、収納マガジン１および２の開口部上に各
１対が取付けられる。５，６，７，８はフイルム
搬送ローラで、表面にゴムがライニングされ、
５，６のローラは大角判の幅より７，８のローラ
は４切判の幅よりそれぞれ若干長目に作られてお
り、５，７は駆動ローラ、６，８は従動ローラで
ばね機構（図示せず）によつて駆動ローラ５およ
び７にそれぞれつねに所定の接触圧で押し付けら
れ、スリツプすることなくローラ間に挾持された
フイルムが送り出せるようにされている。フイル
ムとローラとの摩擦によりフイルムが帯電し、そ
の静電気によりフイルムが感光するおそれに対し
ては、数箇所に金属製のなめらかに仕上げたロー
ラを使用し、その回転軸を介して接地するように
してやればよい。

９は搬送ローラ５，６，７，８間に設けられた
フイルム搬送用ガイド板である。駆動ローラ５お
よび７の軸端には駆動用のスプロケツトホイール
１０が固定され、スプロケツトホイール１０には
エンドレスのチエン１１が適宜取付けられたテン
シヨン用スプロケツトホイール１０′によつて適
当なテンシヨンを付与されて掛け渡されている。
１２は小形ギヤモータで機枠に固定され、その軸
端に取付けられたスプロケツトホイール１０、チ
エン１１を介してその他のスプロケツトホイール
１０が駆動される。１３はキヤリツジで第１図の
斜視図においては、搬送ローラ５，６の回転軸の
軸受（図示せず）などが固定される側板１３′が
取りはずして示されており、両端を機枠に固定し
た軸受（図示せず）によつて支承される右方のス
プライン軸１４と左方のガイド軸１５をそれぞれ
ガイドとして移動機構（図示せず）によつて図示
の待機位置と２点鎖線で示した左方の撮影位置と
の間を往復動しうるようにされている。１４′，
１５′はカツトフイルムの挾持板でＸ線に対し透
明な材料で作られており、それぞれ内側対向面に
増感紙１６が固定されている。上部挾持板１４′
はキヤリツジ１３本体に固定されており、下部挾
持板１５′は、ガイドロツド、コイルばねおよび
ソレノイドで構成された圧接機構１７によつて上
下に移動しうるようにされており、図には、前記
ソレノイドが通電励磁され、コイルばねの弾発力
に抗して下方に押下げられている状態にて示され
ている。１８，１９はキヤリツジ１３の片側に配
設された幅の狭いフイルム送り込みローラで、１
８は駆動ローラであり、１９は従動ローラでばね
とリンクからなる押え機構（図示せず）によつて
駆動ローラ１８につねに所定の接触圧で押しつけ
られ、キヤリツジ１３内に送り込まれたカツトフ
イルム２０の片側端部をローラ１８，１９間でス
リツプすることなく挾持、搬送する用をなす。駆
動ローラ１８はスプライン軸１４にとりつけられ
たスプロケツトホイール１０、エンドレスチエン
１１および軸端にそれぞれ固定されたスプロケツ
トホイール１０によつて回転駆動される。２１は
キヤリツジ１３の位置設定用ドツグ、２２は複数
個の位置決め停止ピンでソレノイドなどの作用に
よつていずれかのピンがキヤリツジ１３の移動位
置を規正するようにされる。２３はＸ線入射窓、
２４は撮影済カツトフイルムの格納マガジンであ
る。なお、第１図の実施例装置の主要内部構造を
示す斜視図においては、４切判用のフイルム収納
マガジン２およびそれに関連するフイルム搬送機
構が省略されている。つぎにこの装置における動
作について説明する。

収納マガジン１の開口部から吸盤３によつて吸
着され、搬送ローラ５，６に先端部を持ち込まれ
た大角判の１枚のカツトフイルムは、ガイド板９
の間に送りこまれ、ついで２組の搬送ローラ５，
６およびガイド板９によつて案内搬送され、キヤ
リツジ１３の右下方からその中へ送りこまれる。
さらにカツトフイルムは、キヤリツジ１３内に設
けられた２組の搬送ローラ５，６およびその間を
接続するガイド板９によつて上部挾持板１４′と
下部挾持板１５′の間に送りこまれ、キヤリツジ
１３の片側に配設された複数対の幅の狭い送りこ
みローラ１８，１９によつて送りこまれたカツト
フイルム２０の片側面が挾持され、引続いて搬送
され、カツトフイルムの大角判停止位置設定用マ
イクロスイツチのセンサー（図示せず）が送りこ
まれたフイルム先端位置を検知すると駆動ギヤー
モータ１２が停止し、キヤリツジ１３内の所定位
置にカツトフイルム２０がセツトされる。つづい
て圧接機構１７の作動によつて、下部挾持板１
５′が上方に押上げられ、カツトフイルム２０が
２枚の増感紙１６に圧着される。ここで撮影開始
信号が出されると、キヤリツジ１３はその移動機
構（図示せず）によつて、左方に送り駆動され、
位置設定用ドツグ２１が位置決め停止ピン２２に
接触すると送りが停止し、所定の撮影位置にキヤ
リツジ１３がセツトされる。ついでＸ線がＸ線入
射窓２３をとおして曝射され写真撮影が完了する
と、キヤリツジ１３は再びもとの待機位置へもど
され、圧接機構１７のソレノイドに通電されると
下部挾持板１５′が押し下げられる。圧接機構１
７の通電信号をうけてギヤモータ１２が駆動し送
りこみローラ１８がまわされると撮影済カツトフ
イルム２０は送り込みローラ１８，１９によつて
挾持板１４′，１５′から押し出され、さらに２組
の搬送ローラ５，６およびその間を接続するガイ
ド板９によつてキヤリツジ１３の外へ送り出さ
れ、もう１組の搬送ローラ５，６によつて格納マ
ガジン２４内に搬送され重力を利用して落しこま
れ格納される。

以上によつてこの装置におけるカツトフイルム
送給動作および速写撮影の１サイクルが完了する
のであるが、前記の１サイクルの動作を繰り返す
ことにより収納マガジン１，２に収容されたカツ
トフイルムを増感紙１６間に圧着挾持させて自動
的に撮影位置に移送し、写真撮影を反復して行な
うことができる。

収納マガジン１もしくは２より送給されるカツ
トフイルムサイズの大小に拘わらず、第２図に示
されるように送給方向に平行なフイルムの片側端
面（この実施例装置においては左端面）を基準と
して全送給区間にわたつて送給動作が行なわれる
ので、キヤリツジ１３内におけるカツトフイルム
のセツト位置は、フイルム送り出し先端の最終位
置を規正するだけでつねに正確に設定できる。

また、搬送ローラ５，６，７，８および送り込
みローラ１８，１９は、スプロケツト１０、チエ
ン１１、スプロケツト１０、またはスプライン軸
１４、スプロケツト１０、チエン１１、スプロケ
ツト１０を介して、すべて単一の駆動源である小
形ギヤモータ１２で回転駆動されるので、すべて
の送給ローラの完全な同期が確保される。この装
置においては撮影済カツトフイルムのキヤリツジ
１３からの押し出し動作開始と同時に、未撮影カ
ツトフイルムの収納マガジン１，２からの送給動
作を開始することが可能である。また複数個配置
されている位置決め停止ピン２２はキヤリツジ１
３にセツトされるカツトフイルム２０のサイズに
よつて選択的に動作するようにされることはいう
までもないが、キヤリツジ１３内のカツトフイル
ム２０の先端停止位置のマイクロスイツチのセン
サーによる設定とＸ線入射窓２３に設けられたマ
スク機構（図示せず）の使用とをそれぞれ関連さ
せることによつてカツトフイルムに対して分割撮
影を行なうことも当然可能である。

前記実施例装置における、キヤリツジ１３の挾
持板１４′，１５′へのカツトフイルム２０に対す
る送り込みローラ１８，１９の代りに、互に逆方
向にまわされる上下１対の送り用エンドレスベル
トを用いたり、もしくは１組のエンドレスの粘着
テープベルトを用いても同様の機能を果すことが
可能である。

実施例装置においては大小２種の収納マガジン
装着のものについて説明したが、収納マガジンを
大形に統一し、その収納部に中子を使用すること
によつて多種類サイズのフイルムを使用すること
ができる。したがつて収納マガジン挿入口が１個
の装置としても収納マガジンの差し換えによつて
従来の装置と同様多種類サイズのフイルム撮影が
可能である。

以上の説明によつて明らかなように、この考案
にかかるカツトフイルム送給装置においてはカツ
トフイルムの出し入れ位置と撮影位置とを往復動
するようされたキヤリツジ内に、フイルムを送り
方向にそつた片側端部にて挾持し、送り駆動させ
るフイルム送り装置が取付けられていることか
ら、サイズの異なるカツトフイルムを確実に送給
することができるとともに、キヤリツジの挾持板
に増感紙が固定され、装置の動作間にそれ自体が
送られたり、曲げられたりすることは全くなく、
増感紙をもつとも良好な状態に維持して使用する
ことができる。またカツトフイルムの片側端部を
挾持し、送給するようにされていることから、フ
イルムサイズの相違に対応でき、フイルムに曲
げ、たるみや過大な引張りを生じさせることな
く、撮影時のフイルムの位置ズレを完全に防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる一実施例のカツトフ
イルム送給装置の主要内部構造を示す斜視図、第
２図はその縦断面図で、第３図の−断面を矢
視の方向にみた断面を、第３図はその横断面図で
第２図の−断面を矢視の方向にみた断面をそ
れぞれ示している。 １，２……収納マガジン、３，４……吸盤、
５，６，７，８……搬送ローラ、９……ガイド
板、１０……スプロケツトホイール、１１……チ
エン、１２……ギヤモータ、１３……キヤリツ
ジ、１４……スプライン軸、１５……ガイド軸、
１４′，１５′……挾持板、１６……増感紙、１７
……圧接機構、１８，１９……送り込みローラフ
イルム送り装置、２０……カツトフイルム、２１
……位置設定用ドツグ、２２……位置決め停止ピ
ン、２３……Ｘ線入射窓、２４……格納マガジ
ン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 つぎの各構成要件を備えてなるカツトフイルム
   の送給装置。 Ａ カツトフイルム送り方向に沿つた片側端部を
   挾持して送り動作するフイルム送り装置を片側
   にもち、それに隣接して内部対向面に各１枚の
   増感紙を保持し、機枠内において特機位置と撮
   影位置との間を両側に互いに平行に配設された
   スプライン軸及びガイドに案内されて往復駆動
   されるキヤリツジ。 Ｂ 前記機枠内の前記キヤリツジの待機位置の下
   方に配置され、カツトフイルムの異なつたサイ
   ズのものをサイズごとにそれぞれ複数枚収納す
   るカツトフイルム収納マガジン。 Ｃ サイズの異なるカツトフイルム収納マガジン
   を、そのフイルム送り方向における片側が前記
   キヤリツジの待機位置における前記フイルム送
   り装置のフイルム挾持部外側端に揃うように保
   持するカツトフイルム収納マガジンの装填装
   置。 Ｄ 前記カツトフイルム収納マガジンからカツト
   フイルムを取り出すフイルム取出し装置。 Ｅ 前記フイルム取出し装置によつて取り出され
   たカツトフイルムを待機位置にある前記キヤリ
   ツジに送り込むフイルム搬送装置。 Ｆ 前記キヤリツジのフイルム送り装置を伝導手
   段及び前記スプライン軸を介して、また前記フ
   イルム搬送装置を伝導手段を介して、それぞれ
   同期させて駆動する回転駆動装置。