JPS61199980A - 透光性被記録材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、インクジェット記録方法に好適に用いられる
被記録材に関し、特にインク受容性、記録画像の鮮明性
および耐水性に優れた透光性被記録材に関する。

（従来の技術） インクジェット記録方法は１種々のインク（記録液）吐
出方式１例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いてイン
クに機械的振動また変位を与える方式、インクを加熱し
て発泡させその圧力を利用する方式等により、インクの
小滴を発生、飛翔させ、それらの一部若しくは全部を紙
などの被記録材に付着させて記録を行うものであるが、
騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行なえる記
録方法として注目されている。

インクジェット記録用のインクとしては、安全性、記録
特性の面から主に水を主成分とするものが使用され、ノ
ズルの目詰り防止および吐出安定性の向上のために多価
アルコール等が添加されている場合が多い。

このインクジェット記録方法に使用される被記録材とし
ては、従来、通常の紙やインクジェット記録用紙と称さ
れる基材上に多孔質のインク受容層を設けてなる被記録
材が使用されてきた。

しかし、記録の高速化あるいは多色化等インクジェｙト
記録装置の性能の向上と普及に伴い、被記録材に対して
もより高度で広範な特性が要求されつつある。

すなわち、高解像度、高品質の記録画像を得るためのイ
ンクジェット記録用の被記録材としては、 （１）インクの被記録材への受容が可及的速かであるこ
と。

（２）インクドツトが重複した場合でも、後で付着した
インクが前に付着したドツト中に流れ出さないこと、 （３）インク液滴が被記録材上で拡散し、インクドツト
の径が必要以上に大きくならないこと、（４）インクド
ツトの形状が真円に近く、またその円周が滑めらかであ
ること、 （５）インクドツトのＯＤ（光学濃度）が高く、ドツト
周辺がぼけないこと、 等の基本的諸要求を満足させる必要がある。

更に、多色インクジェット記録方法によりカラー写真に
匹敵する程度の高解像度の記録画質を得るには、上記要
求性能に加え、 （６）イ・ンクの着色成分の発色性に優れたものである
こと。

（７）インクの色の数と同数の液滴が同一箇所に重ねて
付着することがあるので、インク定着性が特に優れてい
ること、 （８）表面に光沢があること、 （９）白色度の高いこと。

等の性能が加重して要求される。

また、インクジェット記録方法による記録画像は、従来
は専ら表面画像観察用に使用されてきたが、インクジェ
ット記録装置の性能の向上や普及に伴い、表面画像観察
用以外の用途に適した被記録材が要求されつつある。

表面画像観察用以外の被記録材の用途としては、スライ
ドや０ＨＰ（オーバーヘッドプロジェクタ−）等の光学
機器により、記録画像をスクリーン等へ投影してそれら
の画像を観察するのに用いるもの、カラー印刷のポジ版
を作成する際の色分解版、液晶等のカラーディスプレイ
に用いるＣＭＦ（カラーモザイクフィルター）等が挙げ
られる。

被記録材が表面画ｆｌｊ観察用に使用される場合には、
主に記録画像の拡散光が観察されるのに対し、これらの
用途における被記録材においては主に記録画像の透過光
が問題となる。従って、透光性、特に直線透過率に優れ
たものであることが前述の一般的なインクジェット記録
用の被記録材の要求性能に加重されて要求される。

（発明が解決しようとしている問題点）しかしながら、
これら要求性能を全て満たした被記録材、特に透光性被
記録材は未だ知られていないのが実状である。

また、従来の被記録材の多くは、表面に多孔性のインク
受容層を設け、その多孔性空隙中にインクを受容させ記
録剤を定着させる方式を用いていたので、多孔性である
ことに基づき被記録材の表面に光沢がなかった。

一方、インク受容層の表面が非多孔性の場合には記録実
施後インク中の多価アルコール等の不揮発性成分が被記
録材表面に長時間残存し、インクの乾燥定着時間が長い
ために、記録画像に接触すると衣服が汚れたり、記録画
像が損なわれたりするという欠点があった。

また、インクとの親和性およびインク受容性を高めるた
めに、インク受容層の形成に水溶性ポリマーを用いた被
記録材の場合には、このインク受容層の表面が高湿度条
件下で粘着性を帯び、そのためプリンターに装着した際
にプリンターの送りローラー等に付着し、被記録材を搬
送できない、また重ねた場合に被記録材がブロッキング
したりするという問題がある。

従って、本発明の目的は、特にインク受容性、耐水性お
よび記録画像の鮮明性に優れたインクジェット記録用の
透光性被記録材を提供することにあるゆ 本発明の他の目的は、インク受容性、記録画像の鮮明性
、表面光沢に優れ、高湿度条件下でも、表面のベタツキ
、ブロッキング等を生じないフルカラーインクジェット
記録用の透光性被記録材を提供することにある。

本発明のもう一つの目的は、スライドやＯＨＰ等の光学
機器により記録画像をスクリーン等への投影により観察
に用いるもの、カラー印刷のポジ版を作成する際の色分
解版、あるいは液晶等のカラーディスプレイに用いるＣ
ＭＦ等の透過光観測用に用いることのできるインクジェ
ット記録用の透光性被記録材を提供することにある。

北記および他の本発明の目的は、以下の本発明のよって
達成される。

（発明の開示） すなわち、本発明は、支持体としての透光性基材と、該
基材上に設けられた透光性インク受容層からなり、該イ
ンク受容層が架橋した水溶性ポリマーからなる透光性被
記録材において、上記インク受容層の単位面積あたりの
インク受容容量が、０．２ｕｌ／ｃｒｒｆ以上であるこ
とを特徴とするインクジェット用透光性被記録材である
。

本発明の詳細な説明すると、本発明の被記録材は、その
インク受容層が架橋した水溶性ポリマーからなることを
第１の特徴とし、且つこれらの架橋ポリマーからなるイ
ンク受容層のインク受容古着を０　、２４１　／　ｃ　
ｍ’以上に調整したことを第２の特徴としており、主と
してそれにより本発明の目的が達成されるものである。

本発明の被記録材は、一般に支持体としての透光性基材
とその表面に設けた透光性記録面、すなわち透光性イン
ク受容層とからなり、全体として透光性であるものであ
る。

また、別の態様においては、インク受容層が。

支持体としての機能を同時に兼備したものであってもよ
い。

本発明で使用し、本発明を主として特徴づける架橋した
水溶性ポリマーとは、例えば、水酸基、カルボキシル基
、スルホン酸基、アミン基、ブロックイソシアネート基
、酸無水物基、エポキシ基、ビニル基等の反応性基を有
する水溶性ポリマーを、それらの反応性基と反応し得る
官能基を２個以上有する架橋剤により架橋したポリマー
を意味する。

上記の水溶性ポリマーとしては、上記の如き反応性を有
するものはいずれも本発明において使用できるが、例え
ば好ましいものとしては、アルブミン、ゼラチン、カゼ
イン、でんぷん、アラビゴム、アルギン酸ソーダ、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロー
ス等の天然ポリマーあるいはそれらの変性物、ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニルと他の共重合体の完全または
部分けん化物、（メタ）アクリル酸、マレイン酸、クロ
トン酸等の不飽和カルボン酸のホモポリマーまたは他の
モノマーとの共重合体、ビニルスルホン酸、スルホン化
スチレン等のスルホン化ビニル七ツマ−のホモポリマー
または他のビニルモノマーとの共重合体、（メタ）アク
リルアミドのホモポリマーまたは他のビニルモノマーと
の共重合体、エチレンオキ−サイドのホモポリマーまた
は他のモノマーとの共重合体、ブロックイソシアネート
基を有する末端ポリウレタン、上記の如き反応性基を有
するポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリウレタン、
ポリニスオル等が挙げられる。これらは混合物としても
使用できる。

以上の如き反応性基を有する水溶性ポリマー自体はいず
れも公知であり、いずれも市場から容易に入手すること
ができる。

本発明において、上記の如き水溶性ポリマーの架橋に使
用する架橋剤とは、上記の水溶性ポリマーと反応して水
溶性ポリマー間に橘わたし結合を形成し得る化合物であ
る。なお、このような橘わたし結合は、共有結合でも、
イオン結合でもあるいはファンデルワールス結合でもよ
く、要するに前記の水溶性ポリマーを変性して、過度の
親水性を抑える結合であればよい。

このような架橋剤は、選択する水溶性ポリマーに応じて
適当なものを選択して使用することが好ましく、例えば
水溶性ポリマーの反応性基が水酸基である場合には、ポ
リアルデヒド化合物、ポリエポキシ化合物、ポリイソシ
アネート化合物、ポリカルボン酸、酸無水物等が好適で
あり、また水溶性ポリマーの反応性基がカルボキシル基
の場合には、ポリアミン化合物、ポリイソシアネート化
合物、ポリエポキシ化合物、ポリオール化合物、多価金
属イオン等が好適であり、その他の反応性基についても
同様な考えで選択して使用する。

以上の如き各種の架橋剤それ自体は、塗料や接着剤分野
等でいずれも周知であり、いずれも市場から容易に入手
し得るものである。

本発明の被記録材は、上記の如き水溶性ポリマーと架橋
剤との架橋ポリマーによってインク受容層を形成するこ
とを第１の特徴としているが、これらの架橋ポリマーは
、インク受容層を形成する前に調製してもよい、この場
合には、得られる架橋ポリマーが過度に架橋構造になら
ないように注意すべきである。過度に架橋すると、親水
性を失うとともに溶剤に対する溶解性を失い、インク受
容層の形成が困難となるとともに、形成されるインク受
容層のインク受容容量が不十分になる恐れがある。

また、上記の架橋ポリマーは、後述する如き被記録材の
基材上でその場で形成してもよい、この場合には、ポリ
マー溶液または架橋剤溶液のいずれか一方を基材に塗布
し、次いで他の溶液を塗布するか、または同時に混合物
として塗布し、基材上で架橋ポリマーを形成すると同時
にインク受容層とすることができる。

また１以上の如く架橋ポリマーを形成するための水溶性
ポリマーは、なるべく強い被膜を形成するように、５０
０以上、好ましくは１．０００以上の分子量を有するも
のを使用するのが好ましい。

また、これらの水溶性ポリマーと架橋剤との反応は、い
ずれも非常に容易であるが、必要に応じて従来公知の触
媒、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、各種第
３級アミン、第４級アンモニウム塩、アルコール、塩化
スズ、ホウフッ化塩等の触媒を用いて反応を促進させて
もよい。

本発明の被記録材のインク受容層は、以上の如き架橋ポ
リマーを用いて形成されるが、本発明においては、本発
明の目的を妨げない限り、上記の如き架橋ポリマー以外
にも、例えば、前記の如き各種の非架橋の水溶性または
親木性ポリマーを前記の架橋ポリマーと併用して使用し
てもよい。

更に、インク受容層の強度補強および／または基材との
密着性を改善するために、必要に応じて、本発明の目的
を妨げない範囲において、ＳＢＲラテックス、ＮＢＲラ
テックス、ポリビニルホルマール、ポリメチルメタクリ
レート、ポリビニルブチラール、ポリアクリロニトリル
、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、フェノール樹脂、
アルキド樹脂等の疎水性樹脂を併用してもよい。

また、インク受容層のインク吸収性を高めるために、イ
ンク受容層中に各種の充填剤１例えばシリカ、クレー、
タルク、ケイソウ士、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム
、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト
、アルミナ、酸化亜鉛、リトポン、サチンホワイト等の
充填剤をインク受容層が必要な透光性を失わない程度に
インク受容層中に分散させることもできる。

本発明の第２の特徴は、上記の如き架橋ポリマーにより
、インク受容層を形成するにあたり、それらのインク受
容層のインク受容容量を、０．２ｕＬｎ／ｃｍ′以上、
好ましくは０　、２　ＪＬｌ　／　ｃｒｒｆ　〜２．０
ＯＯｐ、ｌ／Ｃｒｒｆに調整した点である。

このようなインク受容容量の調整は、水溶性ポリマーお
よび架橋剤の種類および使用量の選択、水溶性ポリマー
の架橋密度の調整、併用してもよい他の未架橋の水溶性
ポリマーの量の調整等によって実現できる。

このようなインク受容容量の調整は、使用する水溶性ポ
リマーの種類によって一概には規定されないが、例えば
、水溶性が比較的高い水溶性ポリマーの場合には水溶性
ポリマ−１ｏｏ重量部あたり約０．１〜ｌｏｏ重量部の
架橋剤を使用し、好ましくは１個の架橋点あたりの分子
量を約４０〜２０万とし、また、比較的水溶性の低い水
溶性ポリマーの場合には、水溶性ポリマー１００重量部
あたり約０．０１〜５０重量部の架橋剤を使用し、好ま
しくは１個の架橋点あたりの分子量を約１００〜５０万
とすることが好適である。

なお、本発明で言うｒ単位面積あたりのインク受容容量
」とは、インク受容層の一定表面積（１ｃｍ’）に、２
０℃６５％ＲＨ（７）雰囲気下で、連続的に増加する容
量のインクを付着させ、一定時間経過後、インクを付着
させた表面に別の紙を押しあて、押しあてた紙にインク
が転写されない最大量のインクの容量を意味する。

具体的には、インク受容層にインクジェット記録方法に
より、インクを直径８５ｐｍの小滴として１例えば１ｃ
ｍ″あたり数百〜数千個付着させ、２０分経過後に別紙
に押しあて、押しあてた紙にインクが付着するか否かを
みることによって、上記のインク受容容量を求めること
ができる。

本発明でインク受容層の支持体として用いる基材として
は、透光性の従来公知の基材はいずれも使用でき、好適
な例としては、例えばポリエステル系樹脂、ジアセテー
ト系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、セロハン、セルロイド等のフィルムもしく
は板およびガラス板等があげられる。

本発明の透光性被記録材は、前記のごとき透光性基村上
に、前記のごとき架橋ポリマー単独あるいは他の透光性
ポリマーとの混合物から、透光性のインク受容層を形成
することにより調製することができる。

このようなインク受容層を形成する方法としては、上記
の架橋ポリマー単独あるいは他の適当なポリマーとの混
合物を適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製
し、該塗工液を１例えばロールコーチインク法、ロッド
パーコーティング法、スプレーコーチインク法、エアナ
イフコーティング法等の公知の方法により透光性基村上
に塗工し、その後速やかに乾燥させる方法、あるいは水
溶性ポリマーまたは架橋剤の溶液のいずれか一方を塗布
し、次いで他の溶液を塗布するか、または両者の混合液
を塗布して、基材上で架橋ポリマーを形成させる方法が
好ましく、また、上記の架橋ポリマー単独あるいは他の
ポリマーとの混合物をホットメルトコーティングする方
法あるいは上記の如き材料から一旦単独のインク受容層
用フィルムを形成しておき、該フィルムを上記基材にラ
ミネートする如き他の方法でもよい。

以上の如き本発明においては、基材上に形成するインク
受容層の厚さは、通常、１〜２００　ｐｍ程度、好まし
くは３〜１００ｇｍ程度、より好ましくは５〜３０ルｍ
程度である。

更に１本発明においては、以上の如き透光性被記録材に
おいて、その記録面に、有機または無機の微細な粉体を
、被記録材の透光性を妨げない量、例えば、約００Ｏ１
〜約１　、０　ｇ／ｒｎ”の割合で付与することによっ
て、得られる被記録材のプリンター内における搬送性や
積重ね時の耐ブロッキング性、耐指紋性等を更に向上さ
せることができる。

以上のごとき材料と方法を用いて本発明の透光性被記録
材が形成されるが、この被記録材は、基材およびインク
受容層の双方とも透光性であり、被記録材全体として透
光性である。

本発明で言う充分な透光性とは、被記録材の直線透過率
が、少なくとも２％以上呈することを言い、直線透過率
が２％以上であれば、例えばＯＨｐ＜より記録画像をス
クリーンへ投影して観察することが可能であり、更に記
録画像の細部が鮮明に観察されるためには、直線透過率
が１０％以上であることが望ましい。

ここで言う直線透過率Ｔ（％）とは、サンプルに垂直に
入射し、サンプルを透過し、サンプルから少なくとも８
ｃｍ以上はなれた入射光路の延長線上にある受光側スリ
ットを通過し、検出器に受光される直線光の分光透過率
を、例えば３２３型日立自記分光光度計（日立製作所製
）等を使用して測定し、更に測定された分光透過率より
１色の三刺激値のＹ値を求め、次式より求められる値で
ある。

Ｔ＝Ｙ／Ｙ、Ｘ１００　　　　　　（１）Ｔ　；直線透
過率 Ｙ　；サンプルのＹ値 Ｙ。；ブランクのＹ値 従って、本発明で言う直線透過率は、直線光に対するも
のであり、拡散透過率（サンプルの後方に積分球を設け
て拡散光をも含めて透過率を求める。）や、不透明度（
サンプルの裏に、白および黒の裏当てを当ててそれらの
比から求める。）等の拡散光により透光性を評価する方
法とは異なる。

光学技術を利用した機器などで問題となるのは直線光の
挙動であるから、それらの機器で使用しようとする被記
録材の透光性を評価する上で、被記録材の直線透過率を
求めることは、特に重要である。

例えば、記録画像をＯＨＰで投影画像として観察する場
合、記録部と非記録部とのコントラストが高く、鮮明で
見やすい画像を得るためには、投影画像における非記録
部が明るいこと、すなわち被記録材の直線透過率がある
一定以上の水準にあることが要求される。ＯＨＰでのテ
ストチャートによる試験では、上記目的に適した画像を
得るためには、被記録材の直線透過率が２％以上、より
鮮明な画像を得るためには、好ましくは、１０％以上で
あることが必要とされる。したがって、この目的に適し
た被記録材は、その直線透過率が２％以上であることが
必要である。

以上、本発明の透光性被記録材の代表的な態様を例示し
て本発明を説明したが、勿論本発明の透光性被記録材は
これらの態様に限定されるものではない。すなわち、い
ずれの態様の場合においても、インク受容層には、イン
ク受容容量が０．２ｐ、　４１１　／　ｃ　ｔｎ’以上
である限り、更に、分散剤、蛍光染料、ｐＨｇＡ節剤、
消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の公知の各種添
加剤を包含させることができる。

また１本発明の被記録材は透光性である限り、必ずしも
無色である必要はなく、着色された被記録材であっても
よい。

更に、本発明では、必要に応じて従来公知の表面処理を
施すことにより、従来のインクシェッド用被記録材では
見られなかった表面光沢の優れた被記録材を提供するこ
とも可能である。

以上の如き本発明の透光性被記録材は、従来の水溶性ポ
リマーによりインク受容層を形成したものと同様に優れ
たインク受容性を示し、優れた鮮明性の記録画像を与え
、しかも従来の被記録材とは異なり、高湿度条件下でも
、その表面が粘着化したり、ベタライたりすることがな
く、また重ねてもブロッキングや色うつりが全く生じな
いものである。

従って、モノカラーは勿論、フルカラー画像の記録にお
いて、異色のインクが短時間内に同一箇所に重複して付
着した場合にも、インクの流れ出しやしみ出し現象がな
く、高解像度の鮮明な記録画像が、プリンター内外で特
別のトラブルもなく容易に得られ、更に、本発明の被記
録材は、十分な透光性を有しているので、スライドやＯ
ＨＰ等の光学機器により記録画像をスクリーン等へ投影
して観察する用途や、カラー印刷のポジ版を作成する際
の色分解版、あるいは液晶等のカラーディスプレイに用
いるＣＭＦ等の用途に有用である。

このような高湿度条件下での優れた作用効果は、インク
受容層の形成に使用した架橋ポリマーが適度な網目構造
のポリマーとなっており、その結果、高いインク受容性
を保持したまま、高湿度条件下でも優れた耐水性を示す
ものと考えられる。

以上の如き優れた効果が、水不溶性の架橋ポリマーによ
り達成されるのは、全く予想外であったが、これは、イ
ンクが水−多価アルコール混合系であるため、付与され
たインクが被記録材のインク受容層を一時的に溶解また
は膨潤させてインクの受容を促進し、受容後は、水分の
吸収および蒸発によってインク受容層が元の水不溶性の
架橋ポリマーに戻る為であると考えられる。尚、このよ
うな理論は単なる想像であり、本発明を何ら限定するも
のではない。

以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。な
お、文中、部とあるのは重量基準である。

実施例１ 透光性基材として厚さ１００４ｍのポリエチレンテレフ
タレートフィルム（東し製）を使用し。

このフィルム玉に下記の組成の塗工液を、乾燥後の膜厚
が８７ＬＩｍとなるようにバーコーター法により塗工し
、１５０　”０で２０分間の条件で乾燥し、本発明の透
光性被記録材を得た。

ポリビニルアルコール （ＰＶＡ−４０５、’）う１ｙ製）　　　　　　５部イ
ンブチレン／無水マレイン酸共重合体（イソパン１０、
クラレイソプレンケミカル製）　　　　　　　　　　　
　　　　５部水酸化ナトリウム　　　　　　　　　　　
１部水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　８９部このようにして得られた本発明
の被記録材は、無色透明なものであった。

実施例２〜４および比較例１〜３ 下記の組成物により、実施例１と同様に塗工液を調製し
、実施例１で用いたのと同じポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、実施例１と同様にインク受容層を設け
、３種の本発明の透光性被記録材と３種の比較用の被記
録材を得た。

塗工液組成 丈ｊ白釧ヱ カチオン変性ポリビニルアルコール （ＰＶＡ−Ｃ−３１８ＡＡ、クー７１／製）１０部フタ
ルジアルデヒド　　　　　　　　　　１部水　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９０
　部（乾燥条件；８０℃、１５分間） 支五皇］ ヒドロキシエチルセルロース（ＨＥＣ ＡＬ−１５，フジケミカル製）　　　　　５部グリオキ
ザール　　　　　　　　　　０．２部水　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９５　部
（乾燥条件；８０℃、１５分間） 支直皇」 ポリビニルアルコール （ＰＶＡ−４０５、クラレ製）　　　　　　１０部ブロ
ックイソシアネート（タケネート ＸＢ−８１２５Ｃ１日本ポリウレタン 製）　　　　　　　　　　　　　　　　　１部水　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９
０部（乾燥条件；８０℃、１５分間） 比、ＭＵＡ ポリビニルアルコール （ＰＶＡ−２１７、クラレ製）　　　　　　１０部水　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　９０部（乾燥条件；８０℃、１５分間） え狡亘ヱ ポリビニルアルコール （ＰＶＡ−２１７、クラレ製）　　　　　１０部グリオ
キザール　　　　　　　　　　０．５部水　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９０
部（乾燥条件：８０℃、１５分間） 匿絞皇」 メチルセルロース（メトローズ ＳＭ−１００、信越化学製）　　　　　　　１０部エピ
クロルヒドリン系樹脂 （Ｋｙｗｅｎｅ　　２３４、バーキュレス酸）　　　２
部塩酸　　　　　　　　　　　　　０．０５部水　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
８８部（乾燥条件；１３０℃、３０分間） 上記の実施例および比較例の被記録材に対し、下記の４
種のインクを用いて、ピエゾ振動子によってインクを吐
出させるオンデマンド型インクジェー２ト記録ヘッド（
吐出オリフィス径６０−ｍ、ピエゾ振動子駆動電圧７０
Ｖ、周波数２ＫＨｚ）を有する記録装置を使用してイン
クジェット記録を実施した。

改ユヱ！（組成） Ｃ，１，ダイレクトイエロー８６　　　２部ジエチレン
グリコール　　　　　２０部ポリエチレングリコール＃
２００　　１０部水　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　７０部り工上ｌ（組成） Ｃ，ｌアシノドレ−２ド３５　　　　　２部ジエチレン
グリコール　　　　　２０部ポリエチレングリコール＃
２００　１０１水　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　７０部１工上ｌ（組成） Ｃ，１，ダイレクトブルー８６　　　２部ジエチレング
リコール　　　　　２０部ポリエチレングリコール＃２
００　　１０部水　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　７０部黒インク（組成） Ｃ，１，フードブラック２　　　　　　２部ジエチレン
グリコール　　　　　２０部ポリエチレングリコール＃
２００　１０部水　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　７０部実施例および比較例の被記録材の
評価結果を第１表に示した。

第１表における各評価項目の測定は下記の方法に従った
。

（１）インク定着時間は、記録実施後の被記録材を、室
温下（２０℃６５％ＲＨ）に放置し、記録画像に指触し
たときに１　インクが乾燥して指に付着しなくなる時間
を測定した。

（２）ドツト濃度は、ＪＩＳＫ７５０５を印字マイクロ
ドツトに応用してサクラマイクロデンシドメーターＰＤ
Ｍ−５（小西六写真工業（株）製）を用いて黒ドツトに
つき測定した。

（３）ＯＨＰ適性は、光学機器の代表例として測定した
もので、記録画像をＯＨＰによりスクリーンに投影し、
目視により観察して判定したもので、非記録部が明るく
、記録画像のＯＤ（オプチカルデンシティ）が高く、コ
ントラストの高い解明モ見やすい投影画像の得られるも
のをＯ１非記録部がやや暗く、記録画像のＯＤがやや低
く。

ピッチ巾０．５ｍｍ＋、太さ０．２５ｍｍの線が明瞭に
判別できないものをΔ、非記録部がかなり暗く、記録画
像のＯＤがかなり低く、ピッチ巾１■、太さ０．３ｍ＋
＋＋の線が明瞭に判別できないものあるいは非記録部と
記録画像の見分けがつかないものを×とした。

（４）直線透光率は、３２３型日立自記分光光度計（日
立製作所■製）を使用し、サンプルから受光側のマドま
での距離を約９ｃｍに保ち、分光透過率を測定し、前記
（１）式により求めた。

（５）単位面積あたりのインク受容容量は、各サンプル
に２０℃６５％ＲＨの条件下で、上記のインクジェット
記録方法により、インクを直径８５７ｔｍの微小液滴の
状態で、ＩＣｌＴｌ′あたり６２０個、すなわちＯ９２
ｈ　ｌ　／　ｃ　ｍ’の密度で付着させ、２０分後に、
該付着部分にインクジェット記録用紙（三菱製紙製り紙
）を１　ｋ　ｇ　／　ｃ　ｍ″の圧力で押し当てて測定
した。

押し当てたインクジェット記録用紙に未定着のインクが
付着しないもの、すなわち、０．２ｕＬｆＬ／　ｃ　ｒ
ｎ’以上の密度でインクを受容しうるちのをＯｌそうで
ないものを×とした。

（６）搬送性は、３５℃８５％ＲＨの条件下で、被記録
材をプリンターに装着した際に、インク受容層表面のベ
タツキのため、プリンターの送りローラーで搬送できず
、記録できないものをＸ、そうでないものをＯとした。

（７）画像鮮明性は、インクジェット記録画像を目視で
観察した際、インク受容容量が不十分のため、同一箇所
あるいは隣接して付着したインク滴が混色する、流れ出
す、あるいはインクの乾燥が遅れるためにムラを生じる
等により、画像が乱れ鮮明性に欠けるものを×、インク
の発色性に優れ且つ画像の乱れのないものをＯとした。

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Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）支持体としての透光性基材と、該基材上に設けら
   れた透光性インク受容層からなり、該インク受容層が、
   架橋した水溶性ポリマーからなる透光性被記録材におい
   て、上記インク受容層の単位面積あたりのインク受容容
   量が、０．２μｌ／ｃｍ＾２以上であることを特徴とす
   るインクジェット用透光性被記録材。
2. （２）直線透過率が、２％以上である特許請求の範囲第
   （１）項に記載のインクジェット用透光性被記録材。