JPS6119431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は通風乾燥部において幾分乾燥された穀
物を投擲昇降機の投擲作用により外気流通室内へ
散粒状態のもとに投擲搬入せしめた際に、該穀物
に外気取入窓より外気流通室内を経て投擲昇降機
より負圧室に向け流通する乾燥風を積極的に浴び
せて再度の乾燥作用を行わせ、もつて循環穀物を
能率的に乾燥させることができる穀物乾燥装置に
関する。

従来、上段より下段にかけて調質槽、通風乾燥
胴および取出し槽を順次立体的に重設した乾燥機
本体の一側に、昇降機を付設し、該昇降機の上部
は乾燥機本体の頂部に横設した搬入装置の供給側
に、又下部は取出し槽にそれぞれ接続して、昇降
機、搬入装置を経て調質槽内に充填した穀物を順
次量風乾燥胴を流下させる過程で流通する乾燥風
により幾分乾燥させながら取出し槽へ排出させた
後、これが穀物を昇降機、および搬入装置を経て
再び調質槽に返流させる循環乾燥作業を行うよう
にした穀類乾燥装置は本出願前例えば特公昭48−
36753号公報に記載されていて公知である。

ところで、従前のこの種乾燥装置にあつては、
循環される穀物は乾燥装置の構成上、一循環中に
おいて一回の乾燥がなされ、以後は穀物のテンパ
リング作用或は穀物移送作用が行われているに過
ぎず、その結果、一循環に要する時間に対し乾燥
時間が極端に少ないことで穀物の乾燥時間の短縮
を図ることができない問題が生じた。

そこで本考案は、貯留室の上部に外気取入窓を
開口した外気流通室を設け、該外気流通室は投擲
昇降機および負圧室を経て通風乾燥部に接続せし
めて、通風乾燥作業に外気取入窓より進入した常
温外気が外気流通室内を通つた後、投擲昇降機、
負圧室を経て通風乾燥部に至るように流通せし
め、通風乾燥部において幾分通風乾燥された穀物
が投擲昇降機により外気流通室内へ投擲搬入せら
れた際に、穀物と流通する常温外気とを接触せし
めて穀物の表面水分を蒸発散し、次の通風乾燥ま
での間貯留室において穀物のテンパーリング作用
が有効的に営まれるようにして、一循環時間に対
する乾燥時間の増大を無理なく行わせることで穀
物の仕上乾燥時間の短縮化を図ることができると
いう目的をもつた穀物乾燥機を提供して、上記の
問題を解決したものである。

本考案は前記に鑑み、上記目的を達成させるた
め、その構成を、乾燥機本体の内部を、排出部に
向け斜設した一対の多孔仕切板で、上部に貯留室
が、下部に負圧室がそれぞれ形成せられるように
区画し、上記貯留室内には、一対の多孔仕切板と
の間に乾燥通路が形成されるように排風室を配設
して構成した通風乾燥部を設けると共に貯留室の
上部側を外気流通室に形成し、前記乾燥機本体の
一側に、上部が投擲窓を介して外気流通室に、
又、下部が通気路を介して負圧室にそれぞれ接続
した投擲昇降機を装着し、上記投擲窓の開口側と
反対側の外気流通室に外気取入窓を開口したこと
を特徴とする穀物乾燥装置としたものである。

本考案装置を添附図面に示された好適な一実施
例について説明する。

図面において、１は横長角筒状を呈する乾燥機
本体であつて、該乾燥機本体１の内部を、中央の
排出部１２に向けて互いに斜設した一対の多孔仕
切板１３，１３で、上部に貯留室３が、下部に負
圧室５がそれぞれ形成せられるように区画し、上
記貯留室３内には、一対の多孔仕切板１３，１３
との間に上端が貯留室３に、下端が排出部１２に
接続した乾燥通路１６，１６が形成されるよう
に、多孔仕切板１３，１３と対向する壁面をそれ
ぞれ多孔面１５，１５とした略菱形の排風室１４
を設置して構成した通風乾燥部４が設けられてお
り、しかも上記排風室１４の一側には吸引排風機
１７が装着されている。そして前記貯留室３の上
部側には内部空胴の外気流通室２が一体に設けら
れている。

乾燥機本体１の一側には、多数の投擲バケツト
８を装着した回転ベルト７を懸回状に収納した投
擲昇降機６が装着されており、該投擲昇降機６の
上部は投擲窓９を介して外気流通室２に、又下部
は通気路１０を介して負圧室５にそれぞれ接続せ
しめると共に投擲窓９の開口側と反対側の外気流
通室２の一側には外気取入窓１１が開口されてい
る。上述した外気流通室２は空胴状に形成されて
投擲窓９より投擲された穀物を散粒状を呈しなが
ら下段の貯留室３へ均平状に落下貯留させる役目
と、散粒状に投擲された穀物に、外気取入窓１１
より外気流通室２内を横切つて投擲窓９、投擲昇
降機６および負圧室５を経て排風室に向け流通す
る常温外気を浴びせて穀物の表面水分を発散させ
る役目とを有する。

１８は排出部１２の下位置に支持軸１９を軸と
して左右方向に揺動できるように設けられた揺動
排穀体である。前記揺動排穀体１８のさらに下部
の負圧室５底部にはホツパー２０を介して横長方
向に向け水平に懸回された搬出ベルト２１が配設
されており、該搬出ベルト２１の搬出側は通気路
１０を経て投擲昇降機６の下部に接続されてい
る。２２は負圧室５の一側に装着された熱気発生
装置である。

次にその作用について説明する。

今、投擲昇降機６を運転し、次いで穀物を投擲
昇降機６に供給すれば、該穀物は回転する投擲バ
ケツト８の投擲作用で投擲窓９から外気流通室２
内へ散粒状態のもとに搬入され貯留室３、通風乾
燥部４に充填される許りか一部の穀物は排出部１
２より水平状態となつた揺動排穀体１８上に安息
角をもつて載置される。この様にして所定量の穀
物が充填されたら、その供給を停止した後、揺動
排穀体１８、搬出ベルト２１、吸引排風機１７お
よび蒸気発生装置２２を運転すると共に、外気取
入窓１１を開口する。さすれば負圧室５内におい
て発生した乾燥風は、吸引排風機１７の吸引作用
で乾燥通路１６，１６中を円滑に排風室１４に向
け流通すると共に、外気取入窓１１より外気流通
室２内に吸引された別の乾燥風は外気流通室２を
横切つて投擲窓９、投擲昇降機６、通気路１０を
経て負圧室５内に吸引され、さきの乾燥風と共に
乾燥通路１６，１６中を排風室１４に向け流通さ
れる。従つて貯留室３の穀物は揺動排穀体１８に
よる左右方向への交互揺動作用により一対の乾燥
通路１６，１６中を排出部１２に向け順次流下さ
れる間に第１回目の乾燥作用を受け乾燥された
後、揺動排穀体１８の排出作用で幾分乾燥された
穀物をホツパー２０を経て搬出ベルト２１上に排
出する。そして穀物は搬出ベルト２１で投擲昇降
機６に送られ、多数の投擲バケツト８で掬い上げ
られた後、投擲窓９より散粒状態のもとに外気流
通室２内へ勢いよく投擲搬入され、投擲穀物を流
通している常温外気と接触させ、瞬間的に穀物表
面の水分を吸収除去しながら貯留室３内へ均平状
態のもとに貯留させる第２回目の乾燥作用を営ま
せる。

従つて穀物はその一循環中において二回の乾燥
作用を受けて乾燥が促進される許りか、第２回目
の乾燥作用により表面水面が除去された穀物は或
る期間貯留室３において貯留されるためテンパー
リング効果を高め、次の乾燥作業に適合する如く
内部水分を表面に向け拡散移行させることができ
る。

以上のように穀物は一循環中に２度に亘り乾燥
作業が行われるため乾燥時間の著しい短縮化が図
られ、乾燥能率を促進できる。

要するに本考案は、乾燥機本体１の内部を、排
出部１２に向け斜設した一対の多孔仕切板１３，
１３で、上部に貯留室３が、下部に負圧室５がそ
れぞれ形成せられるように区画し、上記貯留室３
内には、一対の多孔仕切板１３，１３との間に乾
燥通路１６，１６が形成されるように排風室１４
を配設して構成した通風乾燥部４を設けると共に
貯留室３の上部側を外気流通室２に形成し、前記
乾燥機本体１の一側に、上部が投擲窓９を介して
外気流通室２に、又下部が通気路１０を介して負
圧室５にそれぞれ接続した投擲昇降機６を装着
し、上記投擲窓９の開口側と反対側の外気流通室
２に外気取入窓１１を開口したから、貯留室３、
通風乾燥部４、負圧室５および投擲昇降機６を経
て上段の外気流通室２内へ散粒状態のもとに投擲
搬入せられた循環穀物は、一循環中に通風乾燥部
４と外気流通室２とにおいて流通する乾燥風およ
び常温外気を浴び乾燥されるため、乾燥時間の著
しい短縮化を図つて乾燥能率を促進させることが
できる許りでなく、外気流通室２にあつては投擲
穀物の投擲方向と外気取入窓１１より外気流通室
２内に取入れられた常温外気との流通方向を反対
ならしめ穀物表面水分の蒸発散作用を効果的なら
しめると共に、表面水分が除去された穀物を直ち
に下段の貯留室３に収容して次の乾燥作用を受け
るに充分なテンパーリング作用を効果的に行わせ
ることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図は縦断正面図、第２図は要部を破断し
た側面図である。 １……乾燥機本体、２……外気流通室、３……
貯留室、４……通風乾燥部、５……負圧室、６…
…投擲昇降機、９……投擲窓、１０……通気路、
１１……外気取入窓、１２……排出部、１３……
一対の多孔仕切板、１４……排風室、１６……乾
燥通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乾燥機本体の内部を、排出部に向け斜設した一
   対の多孔仕切板で、上部に貯留室が、下部に負圧
   室がそれぞれ形成せられるように区画し、上記貯
   留室内には、一対の多孔仕切板との間に乾燥通路
   が形成されるように排風室を配設して構成した通
   風乾燥部を設けると共に貯留室の上部側を外気流
   通室に形成し、前記乾燥機本体の一側に、上部が
   投擲窓を介して外気流通室に、又下部が通気路を
   介して負圧室にそれぞれ接続した投擲昇降機を装
   着し、上記投擲窓の開口側とと反対側の外気流通
   室に外気取入窓を開口したことを特徴とする穀物
   乾燥装置。