JPS6118278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動変速機のロツク装置に関し、その
目的はスタータによる回転で緊急脱出を可能とし
たことである。

トルクコンパータ又は流体クラツチ利用の自動
変速機においては、エンジンが所要回転している
ときのみ動力が駆動輪に伝達される。また高速走
行時にエンジンと自動変速機の出力軸とを直結す
るロツクアツプクラツチを有しているが、これは
自動変速機内に設けられているオイルポンプの回
転が上昇することによつて作動するものであり低
回転では直結作動は得られない。

従つて、鉄道の踏切内でエンジンが停止し、始
動しないときには機械式変速機ではスタータの回
転を駆動輪に伝達して緊急脱出することができる
が、自動変速機では緊急脱出することができない
欠点がある。

本考案は上記の欠点に鑑み、エンジンが始動し
ないときにロツクアツプクラツチを作動して直結
状態とし、スタータの回転で緊急脱出を可能とし
たものである。

以下本考案の実施例を図面によつて説明する。
１はエンジンのクランク軸と結合しているフライ
ホイール、２はこのフライホイール１と一体のポ
ンプ羽根車、３はタービン羽根車であり出力軸４
と結合されている。１０はフライホイール２の回
転を直接タービン羽根車３に伝達する直結用のロ
ツクアツプクラツチであり、高速回転によるオイ
ルポンプ５からの油圧によつてロツク作動される
ものである。

本考案は上記構成の流体クラツチを持つた自動
変速機において、オイルポンプ５とロツクアツプ
クラツチ１０とを結ぶオイルライン９中にサージ
タンク７を設け、このサージタンク７内に蓄圧さ
れている油圧を必要時にロツクアツプクラツチ１
０に供給してロツクする切換弁６を設けたもので
ある。この切換弁６はスイツチ８によつて作動す
る電磁弁でもよいし、ノブの押し引きによる手動
切換によるものでもよい。

本考案は上記の通りの構造であるから、通常運
転時にオイルポンプ５による発生油圧をサージタ
ンク７内に蓄圧する。このサージタンク７内に蓄
圧される油圧はロツクアツプクラツチ１０を所要
時間ロツクする圧力と容量を有している。

従つて踏切内でエンジンが停止し、始動しない
場合には、切換弁６を切換えてサージタンク７と
ロツクアツプクラツチ１０を連通させることによ
りフライホイール１と出力軸４とは直結され、ス
タータの回転が駆動輪に伝達して緊急脱出ができ
るのである。

このように本考案は従来の自動変速機の欠点で
ある。スタータの回動が駆動輪に伝達されない緊
急脱出不可能な問題を、ロツクアツプクラツチの
オイルライン中にサージタンクと切換弁を設けた
簡単な機溝により解決した格別な効果を有してい
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の主要部構造図である。 １……フライホイール、２……ポンプ羽根車、
３……タービン羽根車、４……出力軸、５……オ
イルポンプ、６……切換弁、７……サージタン
ク、９……オイルライン、１０……ロツクアツプ
クラツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動変速機の流体クラツチに組込まれている高
   速走行用ロツクアツプクラツチと、自動変速機内
   に設けられているオイルポンプとを連結するオイ
   ルラインにサージタンクを設け、サージタンク内
   の油圧を前記ロツクアツプクラツチに供給するた
   めの切換弁を備えたことを特徴とする自動変速機
   のロツク装置。