JPS6117630B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は立方晶窒化硼素等の硬質材料を砥粒と
する砥石車をツルーイングおよびドレツシングす
るための砥石修正装置を備えた研削盤に関するも
ので、その目的とするところは、砥石車をツルー
イングするツルーイング車および砥石車をドレツ
シングする遊離砥粒をバツクアツプするドレツシ
ングロールを、工作物を支持するための主軸台と
心押台の両センタ間に装着させ、以つて砥石車の
ツルーイング、ドレツシングを簡潔なる構成で低
廉に行い得るようにしたことである。

立方晶窒化硼素よりなる硬質の砥粒を金属円板
の外周面に層状に固着したCBN砥石車を備えた
研削盤においては、砥石車をツルーイングするツ
ルーイング車と、砥石車をドレツシングする遊離
砥粒をバツクアツプするドレツシングロールとが
設けられるが、従来においいてはかかる砥石修正
装置がテーブル等に独立して設置されているた
め、前記各ツルーイング車およびドレツシングロ
ールを回転可能に支持する支持装置ならびにそれ
らツルーイング車およびドレツシングロールを回
転駆動する駆動モータ等が必要となつて高価なも
のとなり、しかもツルーイング車およびドレツシ
ングロールを設置するスペースの確保が必要とな
る問題がある。

本発明は上述した従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、前記ツルーイング車およびドレツシン
グロールを主軸台と心押台との各センタ間に支持
し、工作物駆動モータを用いて回転駆動するよう
にしたものである。

以下本発明の実施例を図面に基いて説明する。
第１図および第２図において、１０は研削盤のベ
ツドを示し、このベツド１０上にはトラバーステ
ーブル１１が摺動可能に載置され、このテーブル
１１上にスイベルテーブル１２が旋回調整可能に
固着されている。スイベルテーブル１２上には主
軸台１３と心押台１４がトラバーステーブル１１
の摺動方向に所定の間隔を存して設置されてい
る。またベツド１０上には砥石台１５が前記トラ
バーステーブル１１の摺動方向と直交する方向に
進退可能に載置され、この砥石台１５に立方晶窒
化硼素よりなる硬質の砥粒をアルミニウム円板の
外周面に層状に固着したCBN砥石車１６が回転
可能に支承され、この砥石車１６は砥石台１５上
に設置された図略の砥石駆動モータにより矢印方
向に回転駆動されるようになつている。砥石台１
５の側面には砥石車１６を覆う砥石カバー１７が
固着され、この砥石カバー１７内の上部に工作物
Ｗの研削時および砥石車１６のツルーイング時に
クーラントを供給するクーラントノズル１８が取
付けられている。

前記主軸台１３には固定軸２０が固着され、こ
の固定軸２０の先端にセンタ２１が嵌着されてい
る。固定軸２０の外周には駆動プーリ２２が回転
可能に軸承され、この駆動プーリ２２の先端にリ
ング部材２３を介して駆動面板２４が一体的に取
付けられ、この駆動面板２４の先端に工作物駆動
用のドライブピン２８が突設されている。駆動プ
ーリ２２は主軸台１３上に設置された正逆回転可
能な工作物駆動モータ２５にベルト伝動装置を介
して連結されている。前記心押台１４にはラム２
６が進退可能に嵌装され、このラム２６の先端に
前記センタ２１と協働して工作物を支持するセン
タ２７が嵌着されている。

前記主軸台１３と心押台１４の両センタ２１，
２７間には、前記砥石車１６をツルーイングする
ツルーイング車３０と、砥石車１６をドレツシン
グする遊離砥粒をバツクアツプするドレツシング
ロール３１とを同軸上に一体的に取付けた支持軸
３２が回転可能に支持されるようになつており、
この支持軸３２に固着した連結金具３３が前記駆
動面板２４に係合される。支持軸３２上に取付け
られたツルーイング車３０は鉄製円板の外周面に
ダイヤモンド粒体を層状に固着してなり、その巾
はツルーイング抵抗を小さくするために砥石車１
６の研削巾よりも小さくしてあり、またドレツシ
ングロール１３は鋳物等のハードメタルからな
り、その巾は砥石車１６の研削巾とほぼ同一にし
てある。前記各センタ２１，２７に支持された支
持軸３２は前記駆動面板２４より連結金具３３を
介して回転が伝えられるが、砥石車１６をツルー
イングする場合にはツルーイング車３０を砥石車
１６と同一方向（矢印Ａ方向）に回転せしめるべ
く、また砥石車１６をドレツシングする場合には
ドレツシングロール３１を砥石車１６と反対方向
（矢印Ｂ方向）に回転せしめるべく、前記駆動モ
ータ２５の回転方向が変換される。

次に前記ドレツシングロール３１と砥石車１６
との間に遊離砥粒を供給するための一例を説明す
ると、前記砥石カバー１７の上部前面には支持ブ
ラケツト３５が固着され、このブラケツト３５に
リンク部材３６が枢軸３７を支点にして砥石車１
６の軸線と平行な面内で回動可能に枢着されてい
る。リンク部材３６の先端には砥石ホルダ３８が
枢軸３９を支点にして砥石車１６の回転面内と平
行な面内で回動可能に枢着され、この砥石ホルダ
３８の先端部にＡ系のステイツク砥石４０が保持
されている。かかるステイツク砥石４０は砥石ホ
ルダ３８に突設された操作レバー４１の操作によ
り、枢軸３７，３９のまわりに回動されて砥石車
１６の外周研削面にスライド可能に押し当てら
れ、これにより砥石車１６により削られて遊離さ
れたステイツク砥石４０の砥粒が砥石車１６とド
レツシングロール３１との間に供給されるように
なる。

本発明は上述したように構成されているので、
研削サイクルの繰返しにより工作物の研削精度が
悪化すると、砥石車１６をツルーイング、ドレツ
シングするべくツルーイング車３０とドレツシン
グロール３１とを取付けた支持軸３２を主軸台１
３と心押台１４との両センタ２１，２７間に装着
し、支持軸３２に固着した連結金具３３を駆動面
板２４に係合させる。しかる状態で駆動モータ２
５を正転起動して支持軸３２およびツルーイング
車３０を駆動面板２４を介して砥石車１６の回転
方向と同一の方向（第１図の矢印Ａ方向）に回転
駆動するとともに、クーラントノズル１８よりク
ーラントを供給させる。次いで手動操作によりト
ラバーステーブル１１および砥石車１５を互いに
直交する方向に相対移動させ、ツルーイング車３
０を砥石車１６に対して第２図に示すように位置
決めし、その状態でトラバーステーブル１１を所
定量トラバースさせると、砥石車１６がツルーイ
ング車３０によりアツプカツトでツルーイングさ
れる。

このようにして砥石車１６のツルーイングが完
了すると、前記駆動モータ２５を今度は逆転起動
して支持軸３２とともにドレツシングロール３１
を駆動面板２４を介して砥石車１６の回転方向と
反対の方向（第１図の矢印Ｂ方向）に回転駆動さ
れる。次いでトラバーステーブル１１と砥石台１
５とを相対移動してドレツシングロール３１を砥
石車１６と整列する位置に位置決めし、その状態
で砥石台１５を前進させて砥石車１６とドレツシ
ングロール３１との間に一定の微少間隙Ｄを形成
する。この間隙Ｄは砥石台１５を砥石車１６がド
レツシングロール３１に軽く接触する位置まで前
進させ、その接触位置を基準にして砥石台１５を
一定量後退させることにより容易に形成し得る。
続いて操作レバー４１をつかんでステイツク砥石
４０を砥石車１６の外周面に押し当てると、ステ
イツク砥石４０が砥石車１６により削られてステ
イツク砥石４０より砥粒が脱落され、この遊離砥
粒が砥石車１６とドレツシングロール３１との間
に侵入される。かかる砥粒はドレツシングロール
３１によりバツクアツプされて砥石車１６の硬質
砥粒を保持するボンドに喰付いてこれを削り取
り、硬質砥粒をボンドより突出させるように砥石
車１６をドレツシングする。

このように砥石車１６のドレツシングは、ドレ
ツシングロール３１の砥石車１６と反対方向回転
によつて、砥石車１６とドレツシングロール３１
との間に遊離砥粒が侵入しやすくなるので、効率
のよいドレツシングが行い得るようになる。この
場合遊離砥粒の供給に上述した如くステイツク砥
石４０を用いれば、ステイツク砥石４０自体によ
つてもドレツシング効果が期待できるので、ドレ
ツシング効果を向上できるようになる。

このようにして砥石車１６のツルーイングおよ
びドレツシングが完了すると、ツルーイング車３
０およびドレツシングロール３１を取付けた支持
軸３２がセンタ２１，２７間より取外され、再び
研削サイクルに移行される。

以上述べたように本発明は、立方晶窒化硼素等
の硬質材料を砥粒とする砥石車を備えた研削盤に
おいて、砥石車をツルーイングするツルーイング
車と砥石車をドレツシングする遊離砥粒をバツク
アツプするドレツシングロールとを同軸上に一体
的に取付けた支持軸を、主軸台と心押台の両セン
タ間に支持して砥石車をツルーイングおよびドレ
ツシングするようにした構成であるので、ツルー
イング車およびドレツシングロールを装備するた
めの実質的なスペースを全く必要とせず、しかも
それらツルーイング車およびドレツシングロール
の回転駆動を工作物駆動モータを利用して行い得
る効果がある。

しかも本発明によれば、ステイツク砥石を砥石
車に押し当ててそのステイツク砥石より遊離され
た砥粒をドレツシングロールと砥石車との間に供
給して砥石車をドレツシングするようにしたの
で、遊離砥粒の供給をきわめて簡単な設備で行い
得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す研削盤の一部断
面した側面図、第２図は第１図の−線に沿つ
て切断した拡大断面図である。 １１，１２……テーブル、１３……主軸台、１
４……心押台、１５……砥石台、１６……砥石
車、２１，２７……センタ、２４……駆動面板、
２５……駆動モータ、３０……ツルーイング車、
３１……ドレツシングロール、３２……支持軸、
４０……ステイツク砥石。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 互いに交差する方向に移動可能に設けられた
   テーブルおよび砥石台と、この砥石台に回転可能
   に支承された立方晶窒化硼素等の硬質材料を砥粒
   とする砥石車と、前記テーブル上に所定の間隔を
   存して設置された主軸台および心押台と、この主
   軸台に回転可能に設けられた駆動面板と、この駆
   動面板を回転駆動する駆動モータと、前記主軸台
   および心押台に設けられたセンタと、前記砥石車
   をツルーイングするツルーイング車および砥石車
   をドレツシングする遊離砥粒をバツクアツプする
   ドレツシングロールを同軸上に一体的に取付け前
   記各センタ間に支持されて前記駆動面板に係合さ
   れる支持軸と、砥石車のドレツシング時に砥石車
   に押し当てられるステイツク砥石を有しこのステ
   イツク砥石より遊離した砥粒を前記ドレツシング
   ロールと砥石車との間に供給する遊離砥粒供給手
   段とによつて構成してなる砥石修正装置を備えた
   研削盤。