JPS6113893Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は保冷庫の改良構成に関し、特に庫内への
外気侵入を軽減し、貯蔵物品の品質劣化等を少な
くしたものである。

従来此種保冷庫は、冷却器にて冷却された冷気
を、送風機にて貯蔵室内へ強制循環し貯蔵物品を
冷却するが、複数段の棚上に夫々物品を載置して
いると、冷気の流通が悪くなつて下段と上段の棚
上に載置した物品の冷却温度に斑があつた。特に
開口側に近い棚上の物品は、扉閉塞状態の運転中
にも外気が少しづつ侵入し、血液など温度変化幅
の小さい貯蔵温度を要求される物品の貯蔵には不
適であつた。

本案は係る点に鑑みて成されたものであり、以
下図について説明する。

１は内箱２、外箱３及びこれら両箱２，３間に
充填した断熱材４等より構成した保冷庫本体で、
前記内箱２等にて前面に開口すると共に、この前
面開口を透視ガラスなどにて形成した扉体５にて
開閉自在に閉塞する貯蔵室６を形成している。前
記貯蔵室６の背壁６Ａ前方に、間隔を存して区画
板７を相対向配設し、この区画板７と貯蔵室６の
背壁６Ａ間に冷却器８を配設する冷気室９を形成
している。前記貯蔵室６は天壁６Ｂ下方に間隔を
存して上面板１０を装設して、該上面板１０と天
壁６Ｂ間に、前記冷気室９に連通する分配室１１
を形成すると共に、底壁６Ｃ上方に間隔を存して
下面板１２を配設し、該下面板１２と底壁６Ｃ間
に、前記冷気室９に連通する帰還室１３を形成
し、且つ中央には１枚或いは相互に間隔を存して
複数枚の棚１４，１４を配設している。

前記上面板１０には、天壁６Ｂに装設した送風
機１５にて、前記冷却器８にて冷却され冷気室９
より分配室１１へ流入した冷気を加速し、前記貯
蔵室６へ供給するための吐出口１６を形成すると
共に、この吐出口１６の外方を網体或いは穿孔板
などの保護ガード１７にて覆つている。

更に前記貯蔵室６は、前面開口を前記扉体５の
内方位置に配設した１枚或いは実施例の如く複数
枚の透視ガラスなどに形成した補助扉１８，１８
にて前記扉体５とは独立して開閉自在に閉塞し、
所謂二重閉塞構成としている。

前記棚１４は貯蔵室６内両側壁６Ｄ，６Ｅの内
方に突出して前後に夫々縦設した穿孔支柱１９，
１９，１９，１９に、受具等を介して着脱可能に
支持されると共に、両側縁及び前端縁を隣接対向
する両側壁６Ｄ，６Ｅ、及び補助扉１８と夫々間
隔を存して配設している。後端縁も必要に応じて
区画板７と間隔を存するのが望ましい。前記下面
板１２は両側縁及び後端縁を隣接対向する貯蔵室
６の両側壁６Ｄ，６Ｅ及び区画板７に密接して配
設し、前端縁を補助扉１８と間隔を存して形成
し、帰還室１３へ連通する貯蔵室６より吸込口２
０を前端縁にそつて形成している。

前記本体１は下部に前記冷却器８等と冷媒サイ
クルを構成する冷媒圧縮機２１及び凝縮器２２な
どを配設する機械室２３を形成し、上部に温度制
御器２４やリード線２５等を配設する電装収納室
２６を形成している。前記補助扉１８は一側を一
方の側壁６Ｄにヒンジ２７等にて自動自在に枢支
し、反枢支側である他側を、前記貯蔵室６内の他
方の側壁６Ｅに内方へ突出して装着した当接片２
８に当接係止関係としている。前記当接片２８は
補助扉１８の反枢支側の略上下全長に亘つて設
け、補助扉８と隣接対向した側壁６Ｅとの隙間よ
り外気が貯蔵室６内へ流入したり、貯蔵室６内の
冷気が漏出するのを阻止軽減する作用をも期待出
来る。前記吐出口１６は上面板１０の前記送風機
１５に対応した位置に穿設されており、更にこの
吐出口１６を覆う前記保護ガード１７は送風機は
送風機１５下方に対向して上面板１０より下方に
少許突出する様中央部を下方に膨出すると共に、
中央部及び周縁立上辺１７Ａ，１７Ｂ…に適宜吐
出口１６よりの加速冷気を貯蔵室６に噴出する吹
出孔２９，２９…を複数個形成している。しかも
前記立上辺１７Ａ，１７Ｂ…のうち前辺１７Ａに
は補助扉１８側に向う如く左右方向に分布或いは
実施例の如く左右方向に延びた吹出孔２９Ａとな
し、補助扉１８に向つて斜め方向に集中して送風
機１５にて加速された冷気を吐出し、これによつ
て補助扉１８と棚１４間の間隙に補助扉１８に沿
う所謂エアカーテンを形成し、帰還室１３の前面
吸込口２０に向つて流通する、そのため後辺１７
Ｂ等に設けた吹出孔２９Ｂ，２９Ｂは必ずしも必
要ではなく、これらを設けなければ、前辺１７Ａ
より吹出す冷気によるエアーカーテンは流速を速
く出来る。尚、以上の如く保護ガード１７を下方
に突出形成することによつてその立上返１７Ａ，
１７Ｂ…に斜め下方向への冷気分配用の吹出孔２
９Ａ，２９Ｂを形成できることになる。前記電装
収納室２６は、前面開口を閉塞する如く、温度調
節器２４などの操作部を支持するカバー３０を装
設し、且つこのカバー３０の下端より背方に延
び、後端を背面開口の外装板３１と間隔を存して
立上り折曲して取付片３２Ａとする支持板３２を
前記カバー３０に装着或いは一体折曲形成などに
より設けている。

前記外装板３１は天板３３後端を折曲するなど
により形成し、前記取付片３２Ａに対向する適所
に開口３４を形成すると共に、この開口３４を蓋
板３５にて開閉可能に閉塞している。前記取付片
３２Ａには、開口３４に対向する外面に、貯蔵室
６内を照明する蛍光灯３６用の安定器３７、運転
リレー３８及び電解コンデンサ３９など任意の電
装部品を突設している。

これら各部品は適宜にリード線２５，２５など
にて配線しており、修理点検等は蓋板３５を取り
外して開口３４を開放し、この開口３４より行
う。

本案は以上の如く貯蔵室上部より下方に向つて
吹出す冷気を、補助扉に沿つて補助扉と棚の前端
間を流通するよう吹出し、所謂エアカーテンを形
成するため、補助扉の隙間等より冷却運転中暖気
が流入することなく、貯蔵室の冷却均一化が促進
され且つ棚前部の貯蔵物品の変質等の軽減が計れ
る。しかも棚が複数段あつても各棚にエアカーテ
ン形成の冷気が夫々供給出来冷却効率を向上す
る。

又、帰還室の吸込口を補助扉に近接して前部に
設けたのでエアカーテン形成が良好になり貯蔵室
への冷気循環も広範囲となる。更に保護ガードは
下方に突出形成しているため、送風機より突出さ
れた直後の比較的流通の速い冷気を補助扉に向つ
て吹出す吹出口をその前辺に容易に形成すること
ができる等実用的効果の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案保冷庫の正面図、第２図は第１図
のＡ−A′断面図、第３図は第２図のＢ−B′断面
図、第４図は同要部断面図、第５図は同じく他の
要部断面図、第６図は同要部斜視図、第７図は同
保護ガードの背面斜視図、第８図は同じく正面図
である。 １４……棚、１７……保護ガード、１８……補
助扉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内箱、外箱及び該両箱間に充填した断熱材等よ
   り構成し、且つ前記内箱等にて形成する貯蔵室の
   前面開口を、扉体及び補助扉にて所謂二重閉塞構
   成となすと共に、前記貯蔵室内に前記補助扉と間
   隙を存して棚を配設し、更に適所に設けた冷却器
   にて冷却され、前記貯蔵室の天壁に装設した送風
   機にて加速された空気を下方へ吐出する吐出口を
   設けた上面板にて貯蔵室上部に分配室を形成する
   と共に、この吐出口を上面板より下方に突出し且
   つ前記補助扉に向つて斜め下方向に吐出口よりの
   冷気を吹出し、補助扉に沿つてエアカーテンを形
   成する吹出孔を形成した保護ガードにて覆い、貯
   蔵室下部には前部を吸込口とした帰還室を形成し
   た事を特徴とする保冷庫。