JPS6111247B2 - - Google Patents

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JPS6111247B2
JPS6111247B2 JP7030979A JP7030979A JPS6111247B2 JP S6111247 B2 JPS6111247 B2 JP S6111247B2 JP 7030979 A JP7030979 A JP 7030979A JP 7030979 A JP7030979 A JP 7030979A JP S6111247 B2 JPS6111247 B2 JP S6111247B2
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JP
Japan
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compound
calcium
phosphorus
polyester
phosphorus compound
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Application number
JP7030979A
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Inventor
Seiji Sakamoto
Kazuo Endo
Yoshio Meguro
Masaji Watanabe
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
Application filed by Diafoil Co Ltd filed Critical Diafoil Co Ltd
Priority to JP7030979A priority Critical patent/JPS55161818A/ja
Publication of JPS55161818A publication Critical patent/JPS55161818A/ja
Publication of JPS6111247B2 publication Critical patent/JPS6111247B2/ja
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はフイルム形成性ポリエステルの製造法
に関するものである。 今日工業的に使用されているポリエステル、特
にポリエチレンテレフタレートの二軸配向フイル
ムは高度の結晶性、高軟化点を有し、強伸度、屈
曲強度、耐薬品性、耐候性、耐熱性等の優れた性
質を有しており、産業上広く利用されている。 ポリエステルフイルムは各用途に応じその要求
特性が異なるが、普遍的に望まれる特性はフイル
ム取扱い時の作業性に優れ、且つ透明性を損なわ
ないことである。特に前者はフイルム厚みが薄く
なつた時、例えば4〜20μ程度のいわゆる薄番手
フイルムにおいては必要欠くべからざる特性であ
る。 作業性を良くするためには、ポリエステル中に
無機または有機の微粒子を存在させ滑り性を向上
させれば良いことは良く知られている。しかし該
粒子とポリエステルとの屈折率の差及び延伸時に
該粒子の周辺に生じる空隙のために透明性の低下
は避けられない。 この滑り性と透明性という二律背反の事象を改
良する方法として、特にアルカリ土類金属化合物
とリン化合物とを併用する多くの方法が提案され
ている。 例えば、特公昭34−5144号公報にはアルカリ土
類金属化合物に対しリンの酸またはそのエステル
類等を添加しフイルムの摩擦特性を調節する方法
を記載されている。また必ずしもリン化合物を用
いる目的や効果は同一ではないが、ポリエステル
の製造に際して用いるリン化合物として、例えば
英国特許第769220号明細書及び米国特許第
2921051号明細書には、リン酸や亜リン酸及びこ
れらのアルキル、フエニル、アルキルフエニル、
ヒドロキシアルキルエステル等から成る群から選
ばれたリン化合物の一種以上を用いることができ
ることが記されている。 更に特公昭45−33198号公報には3価のリン化
合物と5価のリン化合物との併用例が、また特公
昭48−41712号公報にはリンの酸とリンのエステ
ルとを組み合わせて用いることが記されている。 このようにアルカリ土類金属化合物の全部又は
一部をその金属のリン含有化合物に転化するこ
と、そしてそのリン化合物として3価又は5価の
リン化合物を、あるいはリンの酸(縮合リン酸を
含む)又はリンの酸のエステルを用いることがで
きることは良く知られている。 しかしながら先に本発明者らが知見した所によ
れば、これらあらゆるリン化合物から選ばれた組
合せの全てが一義的にポリエステルフイルムに要
求される特性、即ち滑り性と透明性とを満足する
わけでなく、ある限られた特定の要件が満たされ
た時初めてこのことが達成されることが明らかと
なり、特願昭52−160249においてその方法を提案
した。この方法によればポリエステルフイルム特
に20〜150μ程度の中番手フイルムにおいて、滑
り性と透明性との関係が改善されるのみならず粗
大突起の無い均一で微細な表面構造を有するフイ
ルムを得ることができる。 本発明は上記特願昭52−160249の方法の改良法
に関するもので、その意図するところはさらによ
り多くの析出粒子を得、フイルム特性特に薄番手
フイルムにおける滑り性の改良を達成することに
あり、本発明者らはこの点に留意し鋭意検討を重
ねた結果、本発明を完成するに至つた。 即ち本発明は、テレフタル酸の低級アルキルエ
ステルを主たる酸成分とし、エチレングリコール
を主たるグリコール成分として、エステル交換反
応後重縮合反応を行うことによりポリエステルを
製造する方法において、 エステル交換反応触媒としてカルシウム化合
物を使用し、 エステル交換反応が実質的に終了した後、
で使用したカルシウム化合物との合計量がポリ
エステル原料全酸成分に対し0.15〜0.4モル%
になるよう再度カルシウム化合物を添加し、 次いで、次の2種類のリン化合物 (i) トリアルキルホスフエート (ii)
【式】 で表わされる3価のリン化合物 (式中、R1、R2及びR3は水素原子またはアルキ
ル基を示す。) を(ii)のリン化合物に対する(i)のリン化合物のモル
比を1〜20とし、且つ(i)と(ii)のリン化合物の合計
量がとのカルシウム化合物の合計量に対し1
〜3倍モルとし、且つのカルシウム化合物添加
後、次式と満足する添加間隔t 4≦nt≦40 (但し、nはリン化合物添加時のポリエステルオ
リゴマーの平均重合度、tはのカルシウム化合
物を添加してからリン化合物を添加するまでの時
間(単位:分)) をおいてリン化合物を添加することを特徴とする
ポリエステルの製造法に存する。 以下本発明を更に詳細に説明する。 本発明において、ポリエステル原料の酸成分と
してのテレフタル酸の低級アルキルエステルとは
テレフタル酸の炭素数1〜4のアルキルエステ
ル、殊にジメチルテレフタレートを主たる対象と
するが、その一部を他の酸成分、例えばテレフタ
ル酸以外のジカルボン酸又はオキシカルボン酸、
例えばイソフタル酸、フタル酸、2・6−ナフタ
リンジカルボン酸、p−ヒドロキシエトキシ安息
香酸、アジピン酸、セバシン酸等の低級アルキル
エステルで置き換えても良い。 またポリエステル原料のグリコール成分として
は、エチレングリコールを主対象とするが、その
一部を他のグリコール成分、例えばトリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール等で置き換えても良い。 いずれにしても本発明でいうフイルム形成性ポ
リエステルとはその主成分、例えば80モル%以上
がエチレンテレフタレート単位であるポリエステ
ルを指す。 また本発明で用いるカルシウム化合物とは、反
応系に可溶なカルシウム化合物であれば如何なる
化合物でも良く、例えば酢酸、プロピオン酸、酪
酸の如き脂肪族カルボン酸のカルシウム塩、安息
香酸、p−メチル安息香酸の如き芳香族カルボン
酸のカルシウム塩、更にはエチレングリコール、
プロピレングリコール等のカルシウムグリコラー
トの如きカルシウム化合物、水素化カルシウムの
ような無機化合物を示す。こられの中でも特に酢
酸カルシウムが好適に用いられる。 本発明の特徴の一つは、これらカルシウム化合
物の特定量をエステル交換反応前後に特定量ずつ
分割して使用する点にある。エステル交換反応に
用いるカルシウム化合物と、その後添加するカル
シウム化合物は同一のものを用いるのが簡便であ
るが、異なつたものでもよい。 本発明においてはまずエステル交換反応触媒と
して、ポリエステル原料全酸成分に対し好適には
0.08〜0.14モル%のカルシウム化合物を使用す
る。この使用量が0.08モル%未満であるとエステ
ル交換反応が円滑に進行しないし、また使用量が
0.14モル%を越えると長時間高温にさらされるた
め、エステル交換反応末期にはポリエステルオリ
ゴマーのカルシウム塩の凝集粒子となつてリン化
合物を添加する前に析出してしまい所望の粒子が
得られない場合がある。 次に本発明においてはかかる量のカルシウム化
合物を用いてエステル交換反応を終了せしめた
後、特定量のカルシウム化合物を添加して反応系
に可溶化状態で存在する全カルシウム化合物の量
を特定範囲に保つ必要がある。 即ちエステル交換反応終了後好適には0.04〜
0.32モル%のカルシウム化合物を添加し、先にエ
ステル交換反応触媒として使用したカルシウム化
合物との合計量が0.15〜0.4モル%、好ましくは
0.2〜0.35モル%になるようにする。 この合計量が0.15モル%より少なくては本発明
の目的である析出粒子量の増大が達成されない
し、また0.4モル%を越えて使用しては引き続き
リン化合物を添加しても析出粒子の主成分はポリ
エステルオリゴマーのカルシウム塩となつてしま
い、本発明の目的とする析出粒子が得られないよ
うになる。このポリエステルオリゴマーのカルシ
ウム塩が生成すると、それはしばしば凝集粗大化
してしまい薄番手フイルムに用いるに適さない粒
子となつてしまうし、また延伸時該粒子の周辺に
は大きな空隙が生じ透明性が低下してしまうし、
更に該粒子を含むフイルムの滑り性は不充分な結
果に終つてしまう。 このように本発明においては特定量、即ち0.15
〜0.4モル%のカルシウム化合物を特定量ずつ反
応系に分割して添加することが必須要件である
が、これをエステル交換反応前または後に一括し
て添加したのでは、次のような不都合な点が生じ
てしまう。 即ちエステル交換反応前に全カルシウム化合物
を添加したのでは、これらのカルシウム化合物が
長時間高温状態にさらされるためエステル交換反
応末期にはポリエステルオリゴマーのカルシウム
塩となつて析出する場合があり、またカルシウム
化合物以外のエステル交換触媒、例えばリチウム
化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、マグネシ
ウム化合物等を用いて得られたエステル交換反応
終了物にカルシウム化合物を添加し引き続く操作
により析出粒子を形成させたのでは、これら他の
金属元素が共存するため往々にしてその析出形態
が変化し安定した析出粒子を得ることができない
ようになる。 このように本発明の方法により初めてエステル
交換反応後、多量のカルシウム化合物を反応系に
可溶化せしめた状態で存在させることができる
が、この時他の金属化合物は実質的に存在しない
のが好ましい。 次に本発明者らは、かかる特定多量の可溶化状
態にあるカルシウム化合物に対し、各種リン化合
物の作用を組織的に研究した結果、 カルシウム化合物に対しリン化合物を等モル
に満たない量用いた時にはポリエステルオリゴ
マーのカルシウム塩が残存し、粗大粒子が生成
すること。またリン化合物を3倍モルを越えて
用いる時にはポリエステル製造時の重合速度が
遅くなり、工業的に著しく不利となること。 リン化合物の量がカルシウム化合物に対し1
〜3倍モルの範囲であつても、リン化合物とし
てリン酸、亜リン酸またはピロリン酸、ポリリ
ン酸の如き縮合リン酸、もしくは酸性リン酸エ
ステルの如き部分エステル化リン化合物を用い
た場合には、粗大粒子は生成しないものの極め
て微細な滑り性の改善にはほとんど寄与しない
粒子しか生成しないようになること。またトリ
アルキルエステル等の三置換リン化合物に比べ
てポリマー中の副生ジエチレングリコール量が
増大すること。 また3価のリン化合物のみを用いた場合には
滑り性の改良は認められるものの、粗大粒子が
多くまたポリマーが黒ずみ、色調の点において
著しく劣ること。 一方5価のリン化合物のうち三置換リン化合
物のみを用いた時には透明性や色調の点におい
て優れているものの、滑り性の改良効果がほと
んど認められないこと。 等を知見した。これらの結果を詳細に解析し更に
検討を重ねた結果、5価のリン化合物と3価のリ
ン化合物を組合せ、且つこの組合せの中でも5価
のリン化合物としてトリアルキルホスフエート、
就中トリメチルホスフエートまたはトリエチルホ
スフエートを用い、3価のリン化合物として
【式】(式中、R1、R2及びR3は水素原 子またはアルキル基を示す。)で表わされる化合
物、例えば亜リン酸やトリメチルホスフアイト、
トリエチルホスフアイト、トリブチルホスフアイ
ト、ジメチルホスフアイト、ジエチルホスフアイ
ト、モノブチルホスフアイト、ジブチルホスフア
イトの如き化合物を用い、しかも3価のリン化合
物に対する5価のリン化合物のモル比が1〜20で
ある組合せがポリマー及びフイルムに必要な各種
特性に対し総合的に最も好ましい組合せであるこ
とを見い出した。 本発明においては3価のリン化合物に対するト
リアルキルホスフエートのモル比は1〜20、好ま
しくは2〜10の範囲でなくてはならない。この場
合3価のリン化合物またはトリアルキルホスフエ
ートとして、それぞれ複数のリン化合物を用いた
場合は上記モル比はそれぞれのリン化合物の合計
量を基準とする。 この値が1より小さくなるとポリマーの黒味が
極めて小さくなり、且つ粗大粒子が発生するよう
になり、またこの値が20より大きくなるとカルシ
ウム化合物が多量存在しているにもかかわらず析
出粒子量が不足するようになり、いずれもフイル
ム特に薄番手フイルムとして必要な特性を満足し
なくなる。 3価のリン化合物及びトリアルキルホスフエー
トの総使用量は、以下に述べるように系内に存在
するカルシウム化合物の総量との関係で決まる
が、あまり多量に添加するとポリマー物性に悪影
響を及ぼすので一般にポリエステル原料全酸成分
に対して通常の0.15〜1モル%、好ましくは0.15
〜0.8モル%の間で選択される。 本発明においてはかかる特定の要件を満たした
2種類のリン化合物を更にその合計量が、反応系
に存在するカルシウム化合物の総量に対し1〜3
倍モルとなるように添加するという条件をも満足
しなけれならない。添加する2種類のリン化合物
の合計量がカルシウム化合物に対し等モルに満た
ない時にはポリエステルオリゴマーのカルシウム
塩が残存してしまい、3倍モルを越えて用いる時
にはポリエステル製造時の重合速度が遅くなり工
業的に著しく不利となる。特に好ましい範囲は2
倍モルを越える範囲である。 なお、2種類のリン化合物は2〜35、好ましく
は10〜30重量/容量%濃度のエチレングリコール
溶液となるよう均一に溶解・撹拌したのち反応系
に添加するのが良いが、エチレングリコール溶液
とせず両者を直接混ぜて均一溶液としたものを添
加しても良い。いずれにしても2種類のリン化合
物は均一溶液として添加するのが好ましい。 本発明の今一つの特徴は、リン化合物の添加時
期にある。 即ち本発明においてはこれらリン化合物はエス
テル交換反応終了後カルシウム化合物を添加した
時から、次式を満足する添加間隔tをおいて添加
しなければならない。 4≦nt≦40 (但し、nはリン化合物添加時のポリエステルオ
リゴマーの平均重合度、tはエステル交換反応終
了後に添加するカルシウム化合物の添加時からリ
ン化合物を添加するまでの時間(単位:分)) ここで平均重合度nはエチレングリコールの仕
込量及び留出量から算出する。具体的には以下に
示す方法である。 ポリエステルオリゴマーの平均重合度n=x/y−x x:ポリエステル原料酸成分のモル数 y:反応系に存在するエチレングリコールのモル
数 またカルシウム化合物及びリン化合物の添加に
長時間を要する場合には、添加間隔tはカルシウ
ム化合物を添加し終つた時点からリン化合物を添
加し始めるまでの時間とする。 平均重合度nと添加間隔tとの積ntが4未満で
あると反応系内のカルシウム化合物の形態、分布
が均一でなく往々にして析出粒子径、粒子量が変
化し安定した品質のものを得ることができない。 一方、ntが40を越えた場合には析出粒子中にポ
リエステルオリゴマーのカルシウム塩が混在する
ようになり、しばしば粗大粒子が生成してしま
う。 このように特定多量のカルシウム化合物をエス
テル交換反応前後に特性量ずつ分割して用い、し
かも特定の2種類のリン化合物を特定割合で且つ
カルシウム化合物の総量に対し特定量、特定の添
加時期に添加することにより初めて析出粒子中に
カルシウムとリン元素を含む特定粒子を従来望み
得なかつた量生成せしめることができる。即ち後
述する析出粒子の定量法において、本発明の方法
によれば約0.2〜0.6重量%(対ポリエステル)も
の多量の析出粒子を得ることができるが、これは
従来明らかにされている方法では達し得なかつた
量である。 該析出粒子を含むポリマーを用いて製膜したフ
イルムは特に薄番手においても卓越した滑り性を
有し、且つ該粒子の周辺にはほとんど空隙の発生
がみられず、透明性においても優れている。 なお、本発明になるポリマーは薄番手用フイル
ムとして利用価値が高いことは勿論であるが、他
のポリマーで稀釈して用いるためのマスターパツ
チとして利用することもでき、工業的な価値が高
い。 なお、本発明のポリマーを用いてフイルムを得
るためには、公知の製膜方法、例えば通常270℃
〜295℃でフイルム状に溶融押出後50〜70℃で冷
却固化し無定形シートとした後、縦、横に逐時二
軸延伸あるいは同時二軸延伸し160〜240℃で熱処
理する等の方法(例えば特公昭30−5639号公報記
載の方法)を利用できる。 以下実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明
する。 なお、実施例及び比較例中「部」とあるは「重
量部」を示す。また用いた測定法を次に示す。 フイルムヘーズ;ASTM D1003−61の方法に従
い、日本電色製濁度計NDH−2A型を用いて測
定した。 摩擦係数:ASTM D1894−63の方法を参考にし
てテープ状のサンプルで測定できるよう改良し
たもので、測定は温度21±2℃、湿度65±5%
の雰囲気下で行い、測定条件は引つ張りスピー
ド40mm/min、チヤートスピード120mm/minと
し、サンプルの大きさとしては幅15mm、長さ
150mmのものを用いた。なお、滑り性は摩擦係
数の大小で示した。 極限粘度:ポリマー1.0gをフエノール/テトラ
クロルエタン(50/50重量比)100mlに溶解さ
せ30.0℃で測定した。 ポリマー色調:得られたポリマーの色調を東京電
色製色差計(TC−5Dタイプ)を用いて測定し
た。ポリマー色調はL値で表わされ、この値が
大きいほど明度が高くなる。 多重干渉法による粗大粒子量の定量:日本光学社
製のサーフイシユ・フイニツシユを用い付属の
多重干渉装置を利用して測定した。単位面積
(mm2)当りの3次の干渉の個数を測定し粗大粒
子数とした。この値は2個/mm2以下が好まし
い。 析出粒子量の定量:ポリマー100gにo−クロル
フエノール1.0を加え120℃で3時間加熱した
後、ベツクマン製超遠心機L3−50を用い
30000rpmで40分間遠心分離を行い、得られた
粒子を100℃で真空乾燥する。該粒子を走査型
差動熱量計にて測定した時、ポリマーに相当す
る融解ピークが認められる場合は、該粒子に再
びo−クロルフエノール加え加熱冷却後、再び
遠心分離操作を行う。融解ピークが認められな
くなつた時該粒子を析出粒子とする。通常遠心
分離操作は2回で足りる。乾燥後の粒子の重量
を測定し、ポリマーに対する重量比を算出す
る。 IRスペクトル:分離した析出粒子を日本分光社
製IRA−2型を用いKBr錠剤法で測定した。 実施例 1 (ポリエステルの製造) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール65部、及び酢酸カルシウム一水塩0.091部
(0.10モル%対ジメチルテレフタレート)を反応
器により加熱昇温し、メタノールを留去せしめエ
ステル交換反応を行なつた。反応開始後約4時間
を要して230℃に達せしめ、実質的にエステル交
換反応を終了した。この時点で反応混合物は透明
で、カルシウム化合物は溶解状態にあつた。 次いで、エチレングリコール5部に溶解した酢
酸カルシウム一水塩0.136部(0.15モル%)を添
加均一に撹拌したが、反応系は未だ全く透明であ
つた。 酢酸カルシウム一水塩0.136部を添加し終えて
から10分後までに反応系外に留出したエチレング
リコールの総量は9部であつたので、この時系内
に残存しているエチレングリコールの量は61部と
なる。従つてこの時ポリエステルオリゴマーの平
均重合度nを求めると約1.2となる。 そこでこの時点即ち、酢酸カルシウム一水塩
0.136部を添加し終えてから10分後にトリエチル
ホスフエート0.47部及びトリエチルホスフアイト
0.11部を、3部のエチレングリコールに溶解した
液を添加した。 次いで、重合触媒として三酸化アンチモン0.04
部を添加したのち常法に従つて重合した。即ち三
酸化アンチモン添加後100分で系内の温度を280
℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧
力を減じ最終的に1mmHg以下とした。4時間後
系内を常圧に戻しポリマーを吐出せしめた。 (ポリエステルフイルムの製造) 次に得られたポリマーを290℃で押出機よりシ
ート状に押し出し急冷して無定形シートとしたの
ち、95℃で縦及び横方向に各々3.5倍に延伸し、
230℃で3秒間熱処理を行つて6μ厚みのフイル
ムを得た。 ポリマーの極限粘度、色調及び析出粒子量並び
に延伸フイルムの滑り性、透明性及びフイルム表
面上の粗大粒子数の測定結果を示す。 なお、第1図は得られた析出粒子のIRスペク
トルであるが、1600cm-1にほとんど吸収を持たず
ポリエステルオリゴマーのカルシウム塩は存在し
ていないことを示している。析出粒子中のカルシ
ウム元素及びリン元素をそれぞれ原子吸光法及び
モリブデン酸アンモニウムによる吸光光度法によ
つて測定したところ、それぞれ析出粒子に対し
9.1重量%、7.6重量%であつた。従つてカルシウ
ム元素とリン元素のモル比はほぼ1であり、本発
明で得られる析出粒子は主に次の如き構造を有し
ているものと考えられる。 実施例2〜4及び比較例1〜3 実施例1において第1表に示す条件を変える他
は実施例1と同様にしてポリエステルを得、更に
該ポリエステルを用いて実施例1と同様にして6
μ厚みのポリエステルフイルムを得た。 このポリエステル及びフイルムについての測定
結果を第1表に示す。 実施例はいずれの場合も析出粒子量が0.2重量
%を越え条件を選定することにより容易に0.3〜
〜0.5重量%程度の析出粒子量を確保することが
でき、従つて該ポリマーを用いて得られるフイル
ムの摩擦係数は薄番手フイルムにおいても著しく
低い値を有することが判る。しかもポリマー及び
フイルムに要求される他の特性を損ねることはな
い。 これに対し比較例1は3価のリン化合物に対す
る5価のリン化合物の割合が少なすぎる例、及び
カルシウム化合物の和に対するリン化合物の和が
多すぎる場合の例を示したものであるが、この場
合ポリマー色調が低下すると共に重合速度が遅く
なつてしまう。また析出粒子中に粗大粒子が見ら
れるようになる。 比較例2はリン化合物の添加時期が適当でない
例である。この場合は析出粒子中にはポリエステ
ルオリゴマーのカルシウム塩が混在し、該析出粒
子を含む延伸フイルムの滑り性は不充分で粗大粒
子が頻度多くみられた。 比較例3はカルシウム化合物をエステル交換反
応時のみ用い、エステル交換反応終了後カルシウ
ム化合物を添加しない例であるが、この場合第1
図に示したものと同様な析出粒子を得ることはで
きるもののその絶対量が少なく、特に薄番手フイ
ルムとした時の滑り性が不充分である。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたポリマー中の析出
粒子の赤外吸収スペクトル(KBr法)を示すグラ
フである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸の低級アルキルエステルを主た
    る酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリ
    コール成分として、エステル交換反応後重縮合反
    応を行うことによりポリエステルを製造する方法
    において、 エステル交換反応触媒としてカルシウム化合
    物を使用し、 エステル交換反応が実質的に終了した後、
    で使用したカルシウム化合物との合計量がポリ
    エステル原料全酸成分に対し0.15〜0.4モル%
    になるよう再度カルシウム化合物を添加し、 次いで、次の2種類のリン化合物 (i) トリアルキルホスフエート (ii)【式】 で表わされる3価のリン化合物 (式中、R1、R2及びR3は水素原子またはアルキ
    ル基を示す。) を(ii)のリン化合物に対する(i)のリン化合物のモル
    比を1〜20とし、(i)と(ii)のリン化合物の合計量が
    とのカルシウム化合物の合計量に対し1〜3
    倍モルとし、且つのカルシウム化合物添加後、
    次式を満足する添加間隔t 4≦nt≦40 (但し、nはリン化合物添加時のポリエステルオ
    リゴマーの平均重合度、tはのカルシウム化合
    物を添加してからリン化合物を添加するまでの時
    間(単位:分)) をおいてリン化合物を添加することを特徴とする
    ポリエステルの製造法。 2 エステル交換反応触媒としてポリエステル原
    料全酸成分に対し0.08〜0.14モル%のカルシウム
    化合物を使用することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のポリエステルの製造法。 3 エステル交換反応が実質的に終了した後、エ
    ステル交換反応触媒として使用したカルシウム化
    合物との合計量が0.15〜0.4モル%となるよう、
    0.04〜0.32モル%のカルシウム化合物を添加する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
    2項記載のポリエステルの製造法。
JP7030979A 1979-06-05 1979-06-05 Preparation of polyester Granted JPS55161818A (en)

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