JPS606424Y2 - 連続熱処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金属の連続熱処理装置、詳しくは加熱炉と塩
浴冷却槽と加熱炉から塩浴冷却槽に被処理物を落下移動
させる為に設けられているシュートとを有する連続熱処
理装置の改良に関するものである。

従来、金属の熱処理工程に於て、保護ガスが充満した加
熱炉中で加熱された被処理物は、加熱炉からその下方に
設置され１４０’Ｃ前後又はそれ以上の融点をもつ塩浴
剤を溶解した塩浴槽に通ずる筒状に形成されたシュート
を通り、塩浴槽内に落下されるが、被処理物が塩浴中に
落下する際シュートの内壁に溶融塩が飛散して付着し、
冷却凝固し、シュート内の通路の有効断面積が狭くなる
為、被処理物がシュート内壁の溶融塩凝固付着物に引掛
かりながら落下したり、或いは一時的に溶融塩凝固付着
物に落下停滞した後に後続の落下被処理物により衝撃が
加えられ塩浴中に落下したりする現象が起きていた。

この様な現象が起きると、シュート内壁に引掛かったり
落下停滞したりした被処理物の温度が下るので、様々な
温度の被処理物が塩浴中に落下して冷却されることとな
り、目標とした熱処理効果を遠戚しない被処理物が発生
したり、又数時間前に処理されたはずの被処理物が他の
種類の被処理物と混入して出てくると云う様な問題があ
った。

この様な不都合な現象を防止する為、従来は毎月定期的
にシュートを取り外しして附着物を除去清掃する以外に
、被処理物の種類が変わる毎にシュートをたたき附着物
を落とす等の面倒な作業を繰返し行なうことを余儀なく
されてきた。

本考案は、との様な面倒な作業の省力化を計ると共に均
一な熱処理効果を被処理物に与え、更に異品の混入をも
防止する熱処理装置を提供することを目的としている。

即ち、本考案では、被処理物が塩浴中に落下する際溶融
塩が飛散し、シュート内壁に付着、凝固する現象を防止
する為、シュートの外周に設けたジャケット内に加熱さ
れた溶融塩を循環させることにより前記問題点を解決し
た。

本考案による熱処理装置の実施例を図面にて説明すれば
、加熱炉１と、その下方に設置された塩浴冷却槽２と、
前記加熱炉１の底面の一部から前記塩浴冷却槽２に通ず
る筒状に形成されたシュート３とを有する連続熱処理装
置において、前記シュート３の中間部外周に溶融塩が流
通可能な空間を有するジャケット４を設け、前記ジャケ
ット４に塩浴槽２内の加熱された溶融塩を循環させるた
めに、そのジャケット４の上部開口部にポンプ５を介し
て供給バイブロを接続させるとともに下部開口部に流出
パイプ７を設けたものである。

ポンプ５を駆動させることにより塩浴冷却槽２内の溶融
塩は供給バイブロを経てジャケット４内に供給され、シ
ュート３を加熱保温しながら流出パイプ７より流出して
塩浴槽２内に戻る。

シュート３はジャケット４内の溶融塩により保温されて
いるので、シュートの内壁に塩浴槽内の溶融塩が飛散付
着しても冷却凝固することなく流れ落ちて塩浴槽内に戻
る。

実験例 本考案による連続熱処理装置によって熱処理作業を実施
したところ、今まで最低１回／月はシュートを取り外し
て掃除しなければならなかったのが、２４力月経過後も
何んらの処置もしないのに異品の混入、焼入不良等の問
題が起きなくなった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による連続熱処理装置の部分側面図、第
２図は第１図の側面断面図、第３図は第１図の■−■線
断面平面図である。 １・・・・・・加熱炉、２・・・・・・塩浴冷却槽、３
・・・・・・シュート、４・・・・・・ジャケット、５
・・・・・・ポンプ、６・・・・・・供給パイプ、７・
・・・・・流出パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱炉から塩浴冷却槽に通ずる筒状に形成されたシュー
   トを有する金属の連続熱処理装置に於て、前記シュート
   の中間部外周を取囲み溶融塩が流通可能な空間を有する
   ジャケットと、前記ジャケット内に前記塩浴冷却槽内の
   溶融塩を循環させる装置とを設けたことを特徴とする連
   続熱処理装置。