JPS6042868B2 - 冷蔵庫内箱の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は冷蔵庫内箱の製造に係わり、特に冷蔵庫本
体内を複数個の貯蔵室に区分けする仕切壁を有する内箱
の製造に関するものである。

従来、この種の冷蔵庫は第１図に示すように冷蔵庫本
体１内を複数個の貯蔵室に区分けするための仕切壁５を
所定の位置に設けるのに、あらかじめ貯蔵室４の内壁を
形成する内箱３を真空成形法によりプラスチックシート
で形成し、これを外箱２に嵌合し内箱３と外箱２との間
の空間にポリウレタンフォームを注入固化してキャビネ
ットを形成した後、仕切壁部材を挿入する方法が行なわ
れていた。

この方法のように、仕切壁部材を内箱にあとから挿入
する構造の場合は、仕切壁部材と内箱との相関寸法差に
よつて、挿入の後に両者の接合面間に隙間が生じる。

この隙間は仕切壁によつて区分された各貯蔵室間の気
密保持を不完全にするだけでなく、貯蔵食品から出る貴
注や、水が流れ込み、不潔になり易く、また、貯蔵室の
温度設定によつてはこの隙間の中に流れ込んだ液体が凍
結して体積膨脹を起し仕切壁部材５及び内箱３を変形あ
るいは損傷するという事故を起すなどの欠点があつた。

また、この問題を解決するために、例えば特開昭５３
−１０７７７時公報に示されたように真空成形用雌型内
に成形された仕切壁を成形型の一部として配設し、内箱
を成形する方法が提案されており、仕切壁が内箱の裏側
に包みこまれて成形されるため、隙間は生じることなく
、したがつて水等が流れ込む恐れはない。 しかしなが
ら、仕切壁は内箱材で覆われるため、仕切壁の形状は著
しく劣り色、光沢など前述した仕切壁部材の形状は挿入
方式のものに比べ製品価値の低いものであつた。

この発明はこのような欠点を解消するためになされたも
ので、冷蔵庫の貯蔵室の内壁を一枚のプラスチックシー
トによる真空成形する際に、貯蔵室を複数個の貯蔵室に
区分けするための仕切壁部材をあらかじめ真空成形用雄
型に形成された切欠き部内にセットしておいてから、仕
切壁部材を真空成形型の一部として内箱を成形すること
により、成形時の内箱の熱収縮により内箱内壁と仕切壁
部材とをより強固に密着固定させ、内箱内に仕切壁を同
時に形成し得るようにした内箱の製造方法を提供しよう
とするものである。

以下図示実施例についてこの発明の詳細な説明すると、
第２図はこの発明に係る冷蔵庫のキャビネットの側断面
図で、１は冷蔵庫本体、２，３はこの本体を構成する外
箱および内箱、４は上記本体内に形成される貯蔵室、５
はこの貯蔵室を複数個に区分する仕切壁で、プラスチッ
ク材を射出成形により成形し、その中空部に断熱材を挿
入して構成され、巾および奥行寸法とも内箱３の内寸す
なわち上記貯蔵室４の巾および奥行寸法より若干大きく
なつている。

６はこの仕切壁の中空部に充填された断熱材である。

７は上記外箱２と内箱３を組立てるとともにこれら両箱
間に形成される空間にポリウレタンフォームを注固化さ
せて構成した断熱壁である。

第３図は真空成形型の側断面図を示し、８は上記内箱を
真空成形等で成形するための真空成形用雄型で、その中
間には仕切壁部材を着脱自在に配設するため切欠き部９
が設けられている。

次にこの発明による冷蔵庫のキャビネットの製造手順に
ついて説明すると、まず内箱３を真空成形により成形加
工する。

すなわち第４図に示すように真空成形型の切欠き部９内
に仕切壁５部材を挿入しておく。このとき仕切壁５部材
の周縁部は真空成形用雄型８外面より若干突出してセッ
トされるとともに真空成形型の一部として形成される。
つぎに上記真空成形用雄型８の上方に間隔をおいてプラ
スチックシート１０を仮設する。そして周知の真空成形
法の工程により、プラスチックシート１０を１０００Ｃ
〜１６０℃に加熱、軟化させ、軟化の状態で成形が開始
される。すなわち、真空成形用雄型８の外表面にあらか
じめ設けられた多数の真空穴（図示していない）からの
真空引き圧によりプラスチックシートは吸引され、真空
成形型の表面形状に沿つて成形される。このとき仕切壁
５部材は、内箱２の内寸より若干大きく出来ており、真
空成形用雄型８にセットしたとき型の表面より若干突出
するがプラスチックシート１０は軟化柔軟な状態となつ
ているので段差部にも真空成形における真空圧によつて
吸着され内箱の成形は完了する。そして、プラスチック
シート１０は冷却される過程で、収縮しながら硬化し、
硬化したあと、内箱は真空成形用雄型８から離型される
。このとき仕切壁部材５の周縁部は内箱の内壁面と接す
るとともに冷却時の熱収縮により抱き付いた密着固定し
たまま内箱内の仕切壁として構成され内箱組立１１とな
る。そしてこの内箱組立１１は外箱内に嵌め込まれて形
成された壁間空間にポリウレタンフォームを注入固化さ
せて断熱壁７を形成することにより冷蔵庫本体１を構成
する冷蔵庫のキャビネットは完成する。したがつて仕切
壁５部材は内箱３の内周に凹溝が形成され、この凹溝内
に仕切壁５の周縁部が埋設された状態で気密的に嵌着さ
れた状態となるのでより強固に、かつ高度に仕切壁部材
が内箱内壁に密着固定することができる。

この発明は以上述べたように構成したから、内箱内壁と
仕切壁部材はより高度に、かつ強固に密着される。

特に冷蔵庫外箱に内箱を組込作業において、仕切壁をた
たいて装着するとき外れる恐れはない。また、仕切壁部
材と内箱との間に相互間の寸法差による隙間は生じない
から仕切壁を支持ｊするために別部材や別手段を施す必
要もない。さらに食汁や水等をこぼしても隙間がないの
でしみ込む恐れはなくなるものである。さらにまた、真
空成形型に雄型を使用するようにしたから、あらかじめ
射出成形等で成形した形・状、色および光沢等を有する
仕切壁部材を生地のまま内箱組立として構成できるので
、美観を損うことなく製品価値を高めることができる。

なお説明文中の１真空成形法ョは真空成形型側から真空
引きをする方法があるが、逆にプラスチ）ツクシートの
外側から真空成形型に向つて圧力を加える１圧空成形法
ョによつても同様の効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷蔵庫のキャビネットの側断面図、第２
図ないし第６図はこの発明の実施例に関するもので、第
２図は冷蔵庫のキャビネットの側断面図、第３図は真空
成形型の側断面図、第４図はおよび第５図は仕切壁部材
真空成形型に装着して真空成形工程前と真空成形後の状
態を示す説明図、第６図は内箱組立の斜視図である。 なお図中同一符号は同一、又は相当部分を示す。１は冷
蔵庫本体、３は内箱、４は貯蔵室、５は仕切壁、７は真
空成形用雄型である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プラスチックシートにより真空成形法で一体に内箱
   を形成するとともにこの内箱内を仕切壁により複数個の
   貯蔵室を区分する内箱の製造において、真空成形用雄型
   に仕切壁部材をセットする切欠き部を備え、この切欠き
   部に内箱の両側壁より巾広の仕切壁部材をあらかじめセ
   ットしておいてから、上記仕切壁部材の周縁部を真空成
   形型の一部として内箱を成形することにより、上記仕切
   壁部材が内箱内に仕切壁としての位置で、かつその周縁
   部が内箱の内面壁に形成された凹溝に埋設した状態で、
   成形時の内箱の熱収縮により抱持され密着固定したこと
   を特徴とする冷蔵庫内箱の製造方法。