JPS6040811Y2 - 内燃機関のブロ−バイガス還流装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は機関で発生したブローバイガスを吸気通路に還
流して機関へ供給し、これを燃焼させて浄化する内燃機
関のブローバイガス還流装置に関する。

内燃機関のブローバイガス還流装置は、従来から、機関
クランクケース又はロッカールーム等のブローバイガス
滞溜部内のブローバイガスを制御弁を介し吸気絞り弁下
流の吸気通路に還流させる一方、吸気絞り弁上流の吸気
通路内の空気を前記機関のブローバイガス滞溜部内に大
気導入通路を介して吸引させ、該滞溜部内の圧力を保持
すると共にベンチレーションを行なっていた。

ところが前記制御弁は吸気絞り弁下流の機関吸入負圧に
よって開弁作動される構成であるので、吸入負圧が小さ
い機関高負荷域で制御弁が開弁作動しに＜＜、かつブロ
ーバイガスの吸引力も小さいため、ブローバイガスの還
流が充分かつ円滑になされにくに状態であった（特開昭
５５−３７５２９号公報参照）。

従って、ブローバイガスが大量に発生する機関高速回転
高負荷領域ではブローバイガス滞溜部内の圧力が上昇し
て吸気絞り弁上流の吸気通路内へ大気導入通路を介して
ブローバイガスが逆流し、絞り弁付近の吸気通路を汚染
した。

その結果絞り弁付近の種々の制御装置用負圧取出口を閉
塞し、或いは絞り弁の円滑な回動を妨げて、機関に悪影
響を与えていた。

かかる不都合は排気ターボチャージャを備えた機関の過
給域ではターボチャージャ下流が正圧となるため、ブロ
ーバイガス還流装置の制御弁が閉じるので大気導入通路
から絞り弁上流へ流れるブローバイガスが著しく現われ
た。

本考案は上記の如き従来装置の不都合に鑑み、ブローバ
イガス還流通路の下流側出口を吸気絞り弁下流の吸気通
路に設けたベンチュリ部に開口させることにより、ブロ
ーバイガスの吸気通路への吸引を機関吸入負圧と空気流
速に基づくベンチュリ負圧とによってなさしめ、もって
機関低負荷より高負荷に至る全領域にわたって、充分か
つ円滑なブローバイガスの還流を可能としたものである
。

以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図において、機関１の吸気はエアクリー
ナ２、エアフロメータ３を介して導入され、排気ターボ
チャージャ４のコンプレッサを介装した絞り弁上流の吸
気通路５、吸気絞り弁６、絞り弁下流の吸気通路７を通
って燃焼室８内へ供給される。

一方燃料はエアフロメータ３によって計量された吸入空
気量に応じて図示しない燃料噴射弁から吸気ポート９内
へ噴射供給される。

ここに燃料供給系は電子制御燃料噴射式に限らず気化器
式でもよく、又ディーゼル機関にも適用できるのはいう
までもない。

燃焼室８内の燃焼ガスは排気ターボチャージャ４の排気
タービンを回転作動した後、排気通路１０を経て排出さ
れる。

燃焼室８内の未燃焼ガスの一部はピストン１１の外周等
を通ってクランクケース１２或いはロッカールーム１３
内へいわゆるブローバイガスとなって漏洩する。

又、クランクケース内のオイルも熱で蒸発しブローバイ
ガスとなる。

ロッカールーム１３とクランクケース１２内部とは機関
１の本体に形威した連通路１４で連通されている。

クランクケース１２内へ入口端を開口したブローバイガ
ス還流通路２１は途中に公知の制御弁（クランクケース
ベンチレーションコントロールバルブ）２２が介装して
あり、その出口２０は第２図に詳記しであるように吸気
絞り弁６下流側に形威したベンチュリ部２３に開口して
いる。

該ベンチュリ部２３は筒状バレル２４の吸気下流側に形
威される。

該筒状バレル２４は反対の上流側に形威したつば部２５
を、絞り弁下流側吸気通路の一部を形成するスロットル
チャンバ２７と吸気マニホルド２８との間に挾持するこ
とにより、吸気マニホルド２８の集合部へ突出する形状
に取り付けられる。

ブローバイガス還流通路２１の下流部はスロットルチャ
ンバ２７と前記筒状バレル２４の壁肉内に形威される。

前記制御弁２２はブローバイガス還流通路２１に介装さ
れた弁体２２ａの前後差圧がバルブスプリング２２ｂの
セット荷重より大となった時に開弁し、ブローバイガス
がクランクケース１２から絞り弁上流側吸気通路５へ流
れるのを許容する弁構造である。

またクランクケース１２と吸気絞り弁６上流側の吸気通
路５とは大気導入通路２９によって連通される。

上記の如き構成に係る作用は次の如くである。

燃焼室８内の高圧ガスの一部はピストン１１外周その他
を漏洩してクランクケース１２及びロッカールーム１３
内に滞溜しようとする。

又、クランクケース内のオイルが蒸発してクランクケー
ス１２内に滞溜する。

一方、機関の吸気流は吸気絞り弁６下流のベンチュリ部
２３を流通する際にブローバイガス還流通路２１の出口
２０部にベンチュリ負圧を形威し、該ベンチュリ負圧と
吸気絞り弁６下流の機関吸入負圧とが協働して制御弁２
２を開く。

その結果ブローバイガス還流通路２１を介して、クラン
クケース１２内及び連通路１４を通じたロッカールーム
１３内の前記滞溜しようとするブローバイガスを吸気通
路７内へ吸入する。

このようにして吸引されたブローバイガスは吸気通路７
内において吸気流を混合し燃焼室８内に吸引されて燃焼
浄化される。

この時、クランクケース１２内はブローバイガスの上記
吸引効果によって負圧となりこれを償おうとして、吸気
絞り弁６上流側の吸気通路５内の新気が大気導入通路２
９を介しロッカールーム１３及び連通路１４を介してク
ランクケース１２内へ導入され、もって圧力減少が防止
されると同時にベンチレーションされる。

ところで機関が低負荷運転域にあれば、吸気絞り弁６下
流の吸気通路７内は吸入負圧の影響で負圧ヲ保ち、ブロ
ーバイガスを還流通路２１を通じて吸入し易い雰囲気を
維持する。

しかし、機関が高負荷高速回転域になると排気ターボチ
ャージャ４のコンプレッサの作動で吸気絞り弁６下流の
吸気通路７内は正圧となり（排気ターボチャージャを備
えていない機関では吸入負圧が減少し）、制御弁２２の
開弁状態を維持するための吸入負圧に基づく当該弁２２
の前後差正分が低減する。

ところが逆に吸入空気が増量されて前記ベンチュリ部２
３の吸気流速が上昇しベンチュリ負圧が増大するため、
このベンチュリ負圧が制御弁２２の前後差圧を増大する
方向に作用して数置２２の開弁状態を維持し、もってブ
ローバイガスが充分かつ円滑に還流され続ける。

その為クランクケース１２及びロッカールーム１３内の
圧力は同じく負圧になって大気導入通路２９を介した新
気の導入が円滑になされ、ブローバイガスの大気導入通
路２９への逆流が生じる機会が少なくなる。

従ってブローバイガスは絞り弁下流の吸気通路７に還流
され、絞り弁６付近特にその上流の吸気通路を汚染する
ことが少なく、絞り弁６の円滑な回動操作並びに絞り弁
６まわりの各種制御装置用信号負圧の取出孔を閉塞させ
ることが少ない。

特に本実施例では吸気通路７壁そのものにではなく、別
体に形成して吸気マニホルド２８集合部に突入させた筒
状バレル２４にベンチュリ部２３を設けたから、図示し
ない排気還流通路出口が吸気マニホルド２５集合部に開
口していても還流排気が筒状バレル２４内に逆流するこ
とがなく、この為還流排気による吸気絞り弁６部の汚染
をも同時に防止できる効果がある。

また上記実施例はスロットルチャンバ２７が単一バレル
の場合について示しであるが、第３図及び第４図に示す
如く複数バレル式スロットルチャンバ２７′の一次側に
前記ベンチュリ部２３を有する筒状バレル２４を取り付
けてもよく、この他二次側にも同様に取り付けてもよい
。

更に必要ならば大気導入通路２９に逆止弁を設けてブロ
ーバイガスの逆流防止の徹底を図ることもてき、又制御
弁２２を大気導入通路２９側に取り付けても実質的にブ
ローバイガス還流は同様になされるものである。

以上述べたように本考案によれば、内燃機関のブローバ
イガス滞溜部内のブローバイガスを還流通路を介して吸
気絞り弁下流側に還流させ、絞り弁上流側の吸気通路内
の大気を大気導入通路を介して前記ブローバイガス滞溜
部へ導入してベンチレーションする場合に、還流通路の
出口を吸気絞り弁下流側に設けたベンチュリ部へ開口し
たので、ブローバイガスの吸入を機関吸入負圧の他に吸
気流速に基づくベンチュリ負圧によっても行なうことが
できる。

従って吸入負圧の小さな機関高速高負荷領域であっても
又は排気ターボチャージャ付機関であってもブローバイ
ガスの還流が充分かつ円滑になされ、大気導入通路への
ブローバイガスの還流が生じる機会が少ない。

その結果、吸気絞り弁付近のブローバイガスによる汚染
がなされにくくなり、絞り弁付近の各種制御装置用信号
負圧取出孔を閉塞せず又絞り弁の回動操作を円滑にする
ことができる。

更に簡単な構成であるので、廉価に供給でき、レイアウ
トも複雑にならないので生産性、組付は性、保守点検が
容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の排気ターボチャージャ付内燃機関のブ
ローバイガス還流装置の実施例を示す部分切断系統図、
第２図は同上要部の縦断面図、第３図は本考案の他の実
施例を示す第２図相当部の縦断面図、第４図は同上のＡ
−Ａ矢視断面図である。 １・・・・・・機関、４・・・・・・排気ターボチャー
ジャ、５・・・・・・吸気絞り弁上流側の吸気通路、６
・・・・・・吸気絞り弁、７・・・・・・吸気絞り弁下
流側の吸気通路、１２・・・・・・クランクケース、１
３・・・・・・ロッカールーム、２０・・・・・・出口
、２１・・・・・・ブローバイガス還流通路、２２・・
・・・・制御弁、２３・・・・・・ベンチュリ部、２４
・・・・・・筒状バレル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関で発生したブローバイガスをクランクケースから吸
   気絞り弁下流の吸気通路に還流する制御弁材のブローバ
   イガス還流通路と、吸気絞り弁上流の吸気通路と機関の
   ブローバイガス滞溜部となるロッカールームを接続する
   大気導入通路と、を備え、吸気絞り弁下流の吸気通路に
   ベンチュリ部を形威し、該ベンチュリ部に前記ブローバ
   イガス還流通路の出口を開口したことを特徴とする内燃
   機関のブローバイガス還流装置。