JPS6040580Y2 - 多帯式加熱炉のノ−ズ部伝熱促進装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、多帯式加熱炉の各帯間の境界部を形成するノ
ーズ部の構造、とくにノーズ部における伝熱促進を図る
装置に関するものである。

従来より、加熱炉の省エネルギ一対策として、炉内にお
ける伝熱性を促進するための技術が種々提案されている
。

この種の伝熱促進技術としては、油燃料アトマイズ制御
法、油燃料ガスアトマイズ法、ガス火炎中に炭素粒子を
添加する方法等、火炎自体の輻射伝熱効率を向上させる
方法や、高温燃焼ガスを直接に被加熱物に高速で衝突さ
せて対流伝熱を促進する方法、更には炉内に高輻射率物
体を懸垂したガス輻射伝熱を促進する方法が知られてい
る。

ところで、第１図に示すように、予熱帯■、加熱帯■、
加熱帯■、均熱帯■を炉長方向に順次設置した多帯式加
熱炉１では、帯と帯との境界を形成するノーズ部２，３
における伝熱特性を仲々に促進することができない問題
がある。

これは、上記の加熱帯■や均熱帯■では、火炎フレーム
が吹き付けられる帯の中央部において高い火炎輻射が得
られる反面、ノーズ部２，３やその近傍は火炎の影とな
ること、またガス層の厚みが薄く燃焼ガス中のＨ２Ｏ，
ＣＯ２等の不粋ガス輻射率が低いこと等に起因する。

特に、連続鋳造によって得られたブルームを高温のまま
装入し、ブルームを熱間圧延に必要な温度にまでに加熱
するホットチャージ専用の連鋳用加熱炉では、連続鋳造
速度との関係で、ブルームの装入はバッチ的になり、ブ
ルームは１バツチごとに加熱炉内で送られるため、例え
ば、第１図に示すように、１バツチ中でも帯の中央部分
Ａに位置するブルームと、ノーズ部３を含む部分Ｂに位
置するブルームとでは、焼上げ温度が異なってしまう問
題がある。

したがって、上記のような連鋳用加熱炉では、Ｂ部にお
けるブルームの焼上げ温度が必要な熱間圧延温度となる
ように焼上げを制御しているが、そのためＡ部は過熱気
味となっていたエネルギー的にも好ましくない。

本考案は、かかる問題を解消すべくなされたものであっ
て、多帯式加熱炉のノーズ部における伝熱特性を向上さ
せることができ、したがって被加熱物を炉長方向に沿っ
て均一に加熱することができる多帯式加熱炉のノーズ部
伝熱促進装置を提供せんとするものである。

このため、本考案においては、ノーズ部炉壁に固定器具
を設置してノーズ部の炉内側にセラミツり製の高架隙率
の多孔板を被加熱物に対面させるように傾斜させて固定
腰ノーズ部の炉内側を一方の帯から他方の帯に流れる燃
焼ガスを多孔板内に通過させ、燃焼ガスが有する熱エネ
ルギを多孔板に吸収させ、燃焼ガスに比して高い輻射率
を有する多孔板の熱輻射によってノーズ部の伝熱を促進
するようにしたことを基本的な特徴としている。

以下、図示の実施例に基づいて本考案をより具体的に説
明する。

例えば、第２図に第１図の加熱帯■と均熱帯■との間の
ノーズ部３を拡大して示すように、ノーズ部３の耐火壁
４中には、例えばＳＵＳ製の芯材をセラミック材で被覆
した耐熱性の長短２本のＹスタッド５，６の上部側を埋
め込み、これらＹスタッド５，６の下端で高空隙率のセ
ラミック多孔板７を傾斜させて炉内側に支持する。

このセラミック多孔板７は、図示の如く、均熱帯■から
加熱帯■に向かう高温燃焼ガス流ａの方向に、ノーズ部
３の下面３ａに対して角度θだけ傾けるようにし、セラ
ミック多孔板７の被加熱物８、・・・、８との対向面７
ａ側から高温燃焼ガスを流入させるように配置する。

上記セラミック多孔板７に用いるセラミック材料として
は、コージライト （２ＭｇＯ・２Ａ１□０３・５Ｓｉ
Ｏ２）ヤムライ） （３Ａ１２０３−２Ｓｉ０２）等ノ
多孔質のものを用いることができ、空隙率としては、７
０％以上であることが圧力損失を小さくするうえでも好
ましい。

また、このセラミック多孔板７は、炉幅のほぼ全長にわ
たって設け、ノーズ部３の炉幅方向における伝熱促進を
均一化するように考慮する。

上記の構成とすれば、均熱帯■から加熱帯■に向かう高
温燃焼ガスは、ノーズ部３のセラミック多孔板７の被加
熱物８．・・・、８の対向面７ａ側からセラミック多孔
板７に流入し、流入した高温燃焼ガスはセラミック多孔
板７内の多数の空孔を通ってセラミック多孔板７の背面
７ｂから流出する。

この過程で高温燃焼ガスの顕熱はセラミック多孔板７に
よって吸収され、セラミック多孔板７が高温となり、セ
ラミック多孔板７は、それ自身が有する高い輻射率によ
って効率よくノーズ部３下方に位置する被加熱物８．・
・・、８に対して熱輻射を行なう。

この場合、セラミック多孔板７の傾斜角はθは、高温燃
焼ガスの顕熱を最も有効に吸収し、かつ高温燃焼ガスの
流入面７ａが被加熱物８．・・・。

８と対向するように、θ≦？ｒ１２の範囲内で適当に設
定する。

また、高温燃焼ガスの顕熱を吸収するためには、なるべ
く多量の高温燃焼ガスをセラミック多孔板７に通過させ
ることが好ましく、この意味でダウンテーク部と被加熱
物８．・・・、８との空間を塞さぎ、セラミック多孔板
７の下端縁と被加熱物８．・・・、８との隙間を可及的
に小さくすることが好ましい。

第１図に示す如き４分割型の大型の加熱炉（炉長４５ｍ
×炉幅ＩＱｍ）の各ノーズ部２，３に上記のセラミック
多孔板７，７を取付けて実験したところ、ノーズ部２，
３下部の被加熱物８．・・・、８の温度は平均約１５℃
以上上昇し、帯中央部Ａ部とノーズ部Ｂ部との間の偏熱
をそれだけ小さくすることができた。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、多帯
式加熱炉の各帯間の境界を形成するノーズ部における伝
熱を促進することができるので、奇生央部とノーズ部の
被加熱物間に生じうる偏熱を可及的に減少することがで
き、それだけノーズ部の加熱効率を上げることができ、
燃料原単位の改善を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は多帯式加熱炉の説明図、第２図は本考案の実施
例を示す炉ノーズ部の拡大断面説明図である。 １・・・・・・多帯式加熱炉、２，３・・・・・・ノー
ズ部、４・・・・・・耐火壁、５，６・・・・・・Ｙス
タッド、７・・・・・・セラミック多孔板、８．・・・
、８・・・・・・被加熱物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多帯式加熱炉の各帯間の境界部を形成するノーズ部の炉
   壁構造であって、ノーズ部の耐火壁の炉内側を固定器具
   を設置腰該固定器具に、高空隙率を有するセラミック多
   孔板を、該多孔板の燃焼ガス入口面が被加熱物に対面す
   るように９０°以下の傾斜で固定したことを特徴とする
   多帯式加熱炉のノーズ部伝熱促進装置。