JPS6038640Y2 - フオ−クリフトトラツク等のクランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフォークリフトトラック等に装着されるロール
クランプ装置に関するものであり、詳しくは相対向する
一対のクランプパッドのうち少なくとも一方を回動可能
なりランプアームに取付け、該クランプアームを油圧シ
リンダ等の作動装置によって他方のクランプパッドに向
って回動させることによって、両クランプパッドの間に
搬送物を挟持する形式のクランプ装置の改良に関するも
のである。

従来、この種のクランプ装置においては、例えば第１図
に示すように、装置本体をなす支持アーム４の一方端部
に、先端部にクランプパッド１が枢着されたクランプア
ーム２の基端部を枢着し、かつクランプアーム２の中間
部と支持アーム４とを油圧シリンダ３にて連結しており
、この支持アーム４が回転装置５を介して昇降部材６に
取付けれていた。

従って油圧シリンダ３への作動油通路が遮断された状態
においてはクランプアーム２は支持アーム４に固定され
た状態となるが、この支持アーム４がフォークリフトト
ラックの車体に対して自由な運動を阻止された状態に取
付けられているため、結局クランプアーム２は車体に固
定されたのと同様な状態となる。

従って第２図に示すように一定の間隔をおいて立て並べ
られている搬送物Ｃ１に向ってフォークリフトトラック
を矢印Ａのように前進させて、クランプアーム２を搬送
物の間に挿入する場合に、万一クランプアーム２の位置
決めが不適当であれば、クランプアーム２またはクラン
プパッド１が搬送物Ｃ１または隣接の搬送物Ｃ２に強い
力で衝突し、搬送物Ｃ１，Ｃ２を損傷してしまう。

搬送物Ｃ□、Ｃ２がロール紙等のように比較的やわらか
いものである場合にはこの被害は特に甚大なものとなる
。

なおこのような被害は搬送物を所定の場所におろして後
退する際にも発生する可能性があリ、また第１図に示し
た構造以外のクランプ装置についても事情は同じであっ
た。

搬送物Ｃ１，Ｃ２の間隔を十分にとり、クランプアーム
２を常に充分に拡開して挿入すればこのような被害は防
止し得るのであるが、この場合には保管スペースの利用
効率が低下してしまう。

従って従来は搬送物の間隔をできる限り挟く腰運転者の
技能によって前記の被害の防止を図って来たのであり、
そのために運転者の疲労が増腰また作業能率の低下を来
し、その上前記のような被害がしばしば発生していたの
が実情であった。

本考案はこのような従来技術の欠点を除去することを目
的としてなされたものであり、クランプ。

アームおよびこれを作動するためのアーム作動装置を、
従来のように装置本体に直接取付けることなく、装置本
体に対して揺動可能に枢着された揺動部材を介して取付
けることにより、万一クランプアーム等が搬送物に衝突
した場合にも、搬送物を損傷しない程度の小さな力でク
ランプアームを揺動部材ごと内側又は外側に向けて回動
退避させ、搬送物の損傷を防止しようとするものである
。

以下本考案の実施例を示す図面に基づいて詳細に説明す
る。

第３図および第４図において、一端部に支持ピン８，８
によってクランプパッド１を枢着した上下一対のクラン
プアーム２．・２は、基端部を連結材９によって互に連
結されるとともに、支持ピン１０．１０によって上下一
対の揺動アーム１１゜１１の一端部側に枢着されている
。

またそれぞれのクランプアーム２，２の中間部にピスト
ンロッド３ａ、３ａを連結した油圧シリンダ３，３も支
持ピン１２．１２によって揺動アーム１１，１１の前記
ピン１０近傍に枢着されている。

両揺動アーム１１，１１の一端部側は連結材１３によっ
て互に連結されて一体的な揺動部材を構成するとともに
中間部を支持ピン１４．１４によって上下一対の支持ア
ーム４に枢着されている。

支持ピン１４は支持ピン１０．１２に平行であるため、
揺動アーム１１はクランプアーム２の回動方向と同一方
向に揺動することが可能であるが、この揺動アーム１１
の支持アーム４に対する揺動運動は、支持アーム４の揺
動アーム１１の揺動方向に対向する面に立設されてスト
ッパ装置をなす一対のストッパ１５，２０によ−って一
定角度範囲に限定されている。

一方揺動アーム１１他端部側すなわち支持アーム４と対
向する側の面には第５図に示すようにブラケット１６が
直角に立設されており、このブラケット１６は、支持ア
ーム４に設けられた貫通孔４ａから支持アーム４内部に
突入している。

支持アーム４内部に突入したブラケット１６の両面には
スプリング支持棒１７．１７が直角に立設されており、
このスプリング支持棒１７．１７にはそれぞれ一個ずつ
のコイルスプリング１８が嵌装されている。

コイルスプリング１８．１８の一端はブラケット１６に
当接する一方、他端は支持アーム４の内面に立設された
ブラケット１９．１９に当接しており、揺動アーム１１
をこの弾性力によって前記ストッパ１５．２０の中間位
置に保持している。

支持アーム４の前記ビン１４配設側端部と反対側の端部
には別のクランプパッド２１が支持ピン２２．２２によ
り枢着されている。

支持アーム４は回転装置５によって３６０度回連回転ら
れる被回転体２３に一体的に取付けられてこれと共にク
ランプ装置本体を構成しており、回転装置５はマスト７
に沿って昇降させられる昇降部材６に取付けられている
。

回転装置５、被回転体２３、昇降部材６等は周知の構成
部材であるため、詳細な説明は省略する。

本実施例のクランプ装置は以上のように構成されている
ため、油圧シリンダ３への作動油通路が遮断された状態
においても、クランプアーム２に外力が作用すると、該
アーム２は揺動アーム１１と共にピン１４を支点にして
コイルスプリング１８．１８の弾性力に抗して一定角度
だけ回転し得る。

従って一定間隔で立て並べられているロール紙等の間ヘ
クランプアーム２を挿入する場合に、クランプアーム２
の位置決めが悪く、クランプアーム２またはクランプパ
ッド１がロール紙等に接触しても、クランプアーム２は
比較的小さな力で外側（第３図において反時計方向）ま
たは内側へ回動退避し、ロール紙等を傷つけることがな
い。

しかも両クランプパッド１，２１の間にロール紙等をク
ランプする際には、揺動アーム１１の一定以上の回動は
ストッパ１５によって剛体的に阻止されるため、従来と
同様に充分なりランプ力をもってロール紙等をクランプ
し得るのである。

なおストッパ２０は何等かの理由でクランプアーム２の
外側に大きな力が加えられた場合に、揺動アーム１１が
第３図における時計方向へ一定以上回動するのを阻止す
るために設けられたものであって、被回転体２３等の一
部をもってこれに代えることも可能である。

上記実施例は本考案の好適な実施例の一つではあるが、
本考案はこれに限定されるものではなく種々の変形が可
能である。

例えば第６図に示すように揺動アーム１１の端部付近に
ローラ２７を取付け、支持アーム４の面上を転動させる
ことは、揺動アーム１１の揺動運動を軽快にする上で有
効である。

また第７図に示すように、コイルスプリング１８．１８
をブラケット１９，１９に直接当接させることなく、ブ
ラケット１９．１９に螺合された調整ボルト３１．３１
およびボルト３１，３１の段付小径部に嵌装されたばね
受け３２．３２等から成るセット荷重調整機構を介して
取付けることとすれば、搬送物の破損強さに合わせてコ
イルスプリング１８．１８のセット荷重を調整すること
が可能となる。

更にコイルスプリング１８に代えてコム等の弾性体、エ
アクッション等を使用することも可能であり、要するに
揺動部材と装置本体との間に弾性部材を介在させ、無負
荷時において揺動アーム１１を弾性的にストッパ１５．
２０の中間的位置に保持させれば十分なのである。

更にまたクランプアームを回動させる機構も前記実施例
におけるように単なる油圧シリンダのみに限定されるも
のではなく、リンク機構等を併用したものの使用も可能
であって、要するにクランプアームおよびこれを作動さ
せる作動機構全体を揺動部材に取付け、この揺動部材を
支持アーム等支持部材に、クランプアームの回動力向と
同一方向に揺動可能に枢着すれば十分なのである。

本考案は以上の説明から明らかなように、互に対向する
一対のクランプパッドのうち少なくとも一方を装置本体
に対して回動可能なりランプアームに取り付け、そのク
ランプアームをアーム作動機構によって他方のクランプ
パッドに向って回動せしめることによって、両クランプ
パッドの間に搬送物をクランプするフォークリフトトラ
ック等のクランプ装置において、前記装置全体に揺動部
材を前記クランプアームの回動力向と同一方向に回動可
能に取り付け、その揺動部材にクランプアームの基端部
を枢着するとともに、クランプアームと揺動部材との間
にアーム作動機構を配設し、かつ、揺動部材と装置本体
との間に揺動部材の回動を一定角度範囲に限定するスト
ッパ装置を設けたものである。

従ってアーム作動機構がロックされてクランプアームが
揺動部材に固定された状態においてもクランプアームは
装置本体ひいては車体に固定された状態とはならず、ク
ランプアームまたはクランプパッドが誤って搬送物と衝
突させられた場合にも、クランプアームが比較的小さな
力で退避し、搬送物を損傷させることがない。

しかも本考案は、揺動部材が無負荷時には弾性部材によ
って回動可能角度範囲の中間的位置に保持されるように
したものであるため、揺動部材はこの中間的位置から正
逆両方向へ回動することができ、従ってその揺動部材に
取り付けられているクランプアームも通常の位置から正
逆両方向に回動することができるのであって、搬送物が
クランプパッドまたはクランプアームの内側（もう一方
のクランプパッドの側）から衝突したときも外側から衝
突したときも共に搬送物の損傷を防止することができる
のである。

従ってクランプアームの位置決め操作に従来程細心の注
意を必要とせず、また熟練者でなくても狭い間隔で立て
並べられた搬送物のハンドリングを行なうことが可能と
なり、作業能率が向上し、運転者の疲労が軽減される等
種々の優れが効果が生ずる。

また、クランプアーム等が目的物または他の障害物に衝
突した場合にも、クランプアーム、アーム作動機構等に
大きな衝撃力が作用することがないという強度上の利点
が生ずることも本考案の効果の−っである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクランプ装置の一例を示す平面図であり
、第２図は第１図に示すクランプ装置の欠点を説明する
ための平面図である。 第３図は本考案の一実施例を示す平面図である。 第４図は第３図におけるＴＶ−ＩＶ断面図であり、第５
図は第３図における■−■断面図である。 第６図は本考案の別の実施例における一部平面図である
。 第７図は本考案の更に別の実施例における第５図に相当
する図である。 １゜ ２１：クランプパッド、 ２： クランプアー ム、３：油圧シリンダ、４：支持アーム、５：回転装置
、 ６：昇降部材、 ：マスト、 ８゜ １０゜ １２゜ １４゜ ２２：支持ピン、 ：揺動アー ム、１５．２０：ストッパ、１６：ブラケット、１７：
スプリング支持棒、 １８：コイルスプリン グ、 １９ニブラケツト、 ２３：被回転体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互に対向する一対のクランプパッドのうち少なくとも一
   方を装置本体に対して回動可能なりランプアームに取り
   付け、該クランプアームをアーム作動機構によって他方
   のクランプパッドに向って回動せしめることによって、
   両クランプパッドの間に搬送物をクランプするフォーク
   リフトトラック等のクランプ装置において、 前記装置本体に揺動部材を前記クランプアームの回動方
   向と同一方向に回動可能に取り付け、該揺動部材に前記
   クランプアームの基端部を枢着するとともに、該クラン
   プアームと該揺動部材との間に前記アーム作動機構を配
   設し、かつ、該揺動部材と前記装置本体との間に該揺動
   部材の回動を一定角度範囲に限定するストッパ装置と該
   揺動部材を無負荷時には該一定角度範囲の中間的位置に
   保持する弾性部材とを設けたことを特徴とするクランプ
   装置。