JPH049220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、貨物自動車等の車体後部又は側部に
装着されて、プラツトホームの昇降動作により貨
物の積み下ろしの便宜を図るための昇降装置に関
する。

（従来の技術及び問題点） 従来、貨物自動車に装着する昇降装置として
は、プラツトホームを平行リンク機構を介して昇
降させる構造が一般的であつた。

ところで、プラツトホーム上の貨物の荷重が大
きくない場合には平行リンク機構に特別の工夫を
必要としないが、プラツトホーム上の貨物の荷重
が極めて大きいと、平行リンク機構の平行度が崩
れ、プラツトホームの先端が下がつてしまう不都
合が発生する場合がある。このようなプラツトホ
ームの先端の下がりは、荷崩れや荷物を引き起こ
して危険である。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記の点に鑑み、プラツトホームを
平行リンク機構で昇降させる場合に、プラツトホ
ーム上の荷重が大きいときのプラツトホーム先端
の下がりを確実に防止でき、しかもそのための構
造が簡単で製造容易な昇降装置を提供しようとす
るものである。

本考案は、車体の後部又は側部に固着される固
定支持部材と、該固定支持部材によつて回転自在
に支持される回転軸と、該回転軸を駆動するシリ
ンダと、前記回転軸の両側に固着される回動部材
と、該回動部材に一端が枢着され上昇方向に対し
ては当該回動部材と一体に回動するメインアーム
と、該メインアームと共に昇降用平行リンクを成
すものであつて一端が前記固定支持部材側に枢着
されるサブアームと、上端に前記メインアームの
他端が、下端に前記サブアームの他端がそれぞれ
枢着される垂直リンクと、該垂直リンクの上端に
前記メインアームと共に枢着されていて当該垂直
リンクに当接して水平状態を保持するプラツトホ
ームと前記メインアーム先端の上昇位置において
当該メインアームの上面に対接可能で前記固定支
持部材側に枢支されたローラとを備えた構成によ
り、上記従来技術の問題点を解消している。

（作用） 本考案の昇降装置では、平行リンクの一方のリ
ンクを成すメインアームの回動部材に対する取り
付け基部は円弧状上面を有しており、メインアー
ムの先端が上昇位置にあるときは固定支持部材側
に支持されたローラに対接可能となつている。こ
のため、メインアームの回動部材からの浮き上が
りを前記ローラで確実に防止できる。また、メイ
ンアームが下がつた位置では前記ローラとメイン
アームとは離れ、プラツトホームを傾斜させてプ
ラツトホームの先端を着地させる動作を実行でき
る。

（実施例） 以下、本考案に係る昇降装置の実施例を図面に
従つて説明する。

第１図乃至第６図において、昇降装置は、貨物
自動車の車体１の後部又は側部に装着されるもの
で、第２図のように車体シヤーシ２に固着されて
いて軸受となる丸パイプ３を有する固定支持部材
４と、該固定支持部材４の丸パイプ３を貫通して
いて回転自在に支持される回転軸５と、該回転軸
５を駆動する油圧シリンダ６と、前記回転軸５の
両側に固着される回動部材７と、昇降用平行リン
ク機構をなすメインアーム８及びサブアーム９と
を具備している。

第２図及び第３図から判るように、油圧シリン
ダ６の本体側は前記回転軸５に固着されたシリン
ダ用アーム１０にピン１１で枢着されている。ま
た、固定側丸パイプ３には連結板１２を介して下
側丸パイプ１３が平行に固定され、この下側丸パ
イプ１３に固着されたブラケツト１４にピン１５
を介して前記シリンダ６のピストンロツド先端が
枢着される。従つて、シリンダ６のピストンロツ
ドが伸動すれば、シリンダ用アーム１０は第３図
等において左回りに回動する。すなわち、回転軸
５は第３図等において左回転する。

前記メインアーム８の一端は、回動部材７にピ
ン２０で枢着され、第３図及び第４図に示すよう
に回動部材７の底部に螺着されたストツパボルト
２１によつてメインアーム８と回動部材７との間
の位置関係が調節できるようになつている。前記
回転軸５の左回転により回動部材７が左回りに回
動しようとする場合には、ストツパボルト２１が
メインアーム８に当接し、メインアーム８は回動
部材７と一体に回動して先端を上昇させる。

前記固定側丸パイプ３にはブラケツト５１が固
着され、該ブラケツト５１にローラ５２が枢支さ
れている。該ローラ５２は、メインアーム８先端
がある程度上昇した状態では第３図のようにメイ
ンアーム８の回動部材７に対する取り付け基部の
円弧状上面Ｕに対接し、メインアーム８の上面を
押さえ、メインアーム８の浮き上がりを防止する
ようにしている。

前記メインアーム８と共に昇降用平行リンクを
成すサブアーム９の一端は、第１図、第２図及び
第６図に示すように、前記固定支持部材４の丸パ
イプ３に固着されたブラケツト２５にピン２６で
枢着されている。

前記メインアーム８とサブアーム９の他端、す
なわち先端は垂直リンク体３０にそれぞれ枢着さ
れている。

ここで、垂直リンク体３０は第２図に示すよう
に、メインアーム側リンク部３０Ａとサブアーム
側リンク部３０Ｂとの組み合わせ体であり、両リ
ンク部３０Ａ，３０Ｂの上端はピン３１によつて
メインプラツトホーム４０の後部のブラケツト３
３Ａ乃至３３Ｄに枢着される。

この際、メインアーム側リンク部３０Ａの上端
にはメインアーム８の先端が枢着され、前記ブラ
ケツト３３Ｃと３３Ｄとの間にはピン３１の周囲
にバランススプリング３４が設けられる。ここ
で、バランススプリング３４はねじりばねであ
り、メインプラツトホーム４０を起立する向きに
付勢するものである（但し、実際に起立させる程
強いものではなく、操作者がメインプラツトホー
ム４０とこれに連結されるサブプラツトホーム４
１とを折り畳んで起立操作する際の操作力を軽減
するためのものである。）。

また、前記サブアーム９の先端は、サブアーム
側リンク部３０Ｂの下端にピン３５で枢着され、
ピン３５はさらにメインアーム側リンク部３０Ａ
の下側を貫通してこれに枢着されている。従つ
て、両リンク部３０Ａ，３０Ｂは一体に動く。

前記メインプラツトホーム４０は、そのような
垂直リンク体３０に後端が当接して水平状態を保
持するようになつている。

前記メインプラツトホーム４０に対しては、折
り畳み自在にダブル丁番４２を介してサブプラツ
トホーム４１が連結されており、第３図及び第４
図のように両プラツトホーム４０，４１下部には
延ばした時に１枚の水平板状となるように当接ブ
ロツク４６，４７がそれぞれ固着されている。

次に、実施例に示した昇降装置の動作を説明す
る。

第３図の車体１の床面にメインプラツトホーム
４０およびサブプラツトホーム４１が一致した高
さから、第４図の垂直リンク体３０の下端が着地
するまでの昇降動作では、メインプラツトアーム
８の回動中心Ｐ、メインアーム８先端の枢着点
Ｑ、サブアーム９先端の枢着点Ｒ及びサブアーム
９の回動中心Ｓとは平行四辺形を成し、片QRを
鉛直線上に配置しておけば、油圧シリンダ６を伸
動又は縮動させることにより、メインプラツトホ
ーム４０及びサブアーム４１は水平状態を保ちつ
つ上昇もしくは下降する。この際、メインアーム
８の先端、すなわちメインプラツトホーム４０及
びサブプラツトホーム４１がある程度上昇した状
態では、前記ローラ５２が第３図のようにメイン
アーム基部の円弧状上面Ｕに対接するため、両プ
ラツトホーム４０，４１上の貨物の荷重が極めて
大きい時（定格荷重に近い場合）にもメインアー
ム８の浮き上がりは無く、プラツトホームが傾い
て先端が下がる不都合は生じない。

また、第４図の状態からさらに油圧シリンダ６
を縮動させれば、回動部材７は右回りに回転する
が、メインアーム８は回動部材７と一体となつて
回動することはできず、第５図のように回動部材
７側のストツパボルト２１からメインアーム８は
浮き上がり、辺PQが長くなる。その際、ローラ
５２とメインアーム８の上面とは離れ、メインア
ーム８の上側は開放状態であり、メインアーム８
の浮き上がりの障害とはならない。この結果、垂
直リンク体３０を傾けることができ、サブプラツ
トホーム４１の先端は着地する。

従つて、第５図の状態で台車等を用いた貨物の
両プラツトホーム４０，４１上への積み下ろしが
極めて容易にでき、プラツトホーム上の貨物の車
体床面への荷役は第４図のように両プラツトホー
ム４０，４１を水平にした後、第３図の状態とし
て実行する。

メインプラツトホーム４０とサブプラツトホー
ム４１の格納は、まず第１図及び第２図のように
メインアーム８及びサブアーム９を下げた状態で
メインプラツトホーム４０側にサブプラツトホー
ム４１を折り重ね、固定側丸パイプ３に固着され
た格納用ガイド５０に対して立て掛け、次にシリ
ンダ６を伸動させて第６図のようにメインアーム
８及びサブアーム９の先端を持ち上げることによ
つて実行する。これにより、各プラツトホーム４
０，４１は車体１の床下に邪魔にならないように
格納される。

なお、上記実施例では、プラツトホームを折り
畳み構造として床下に格納する場合を例示した
が、プラツトホーム１枚構造とし、車体ゲート板
と兼用した場合にも本考案を適用できる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の昇降装置によれ
ば、車体の後部又は側部に固着される固定支持部
材と、該固定支持部材によつて回転自在に支持さ
れる回転軸と、該回転軸を駆動するシリンダと、
前記回転軸の両側に固着される回動部材と、該回
動部材に一端が枢着され上昇方向に対しては当該
回動部材と一体に回動するメインアームと、該メ
インアームと共に昇降用平行リンクを成すもので
あつて一端が前記固定支持部材側に枢着されるサ
ブアームと、上端に前記メインアームの他端が、
下端に前記サブアームの他端がそれぞれ枢着され
る垂直リンクと、該垂直リンクの上端に前記メイ
ンアームと共に枢着されていて当該垂直リンクに
当接して水平状態を保持するプラツトホームと、
前記メインアーム先端の上昇位置において当該メ
インアームの上面に対接可能で前記固定支持部材
側に枢支されたローラとを備えた構造としたの
で、プラツトホーム上の荷重が大きい場合にも上
昇位置でのプラツトホームの先端の下がりを防止
でき、安全性及び信頼性の高い荷役作業が可能で
ある。また、機構が簡単であり、製造容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る昇降装置の実施例であつ
てメインプラツトホーム及びサブプラツトホーム
を折り重ねた立て掛けた状態の側面図、第２図は
同正面図、第３図はメインプラツトホーム及びサ
ブプラツトホームが上昇位置にあるときの側面
図、第４図は下降位置にあるときの側面図、第５
図はサブプラツトホーム先端が着地状態となつた
ときの側面図、第６図はメインプラツトホーム及
びサブプラツトホームを折り重ねて格納した状態
の側面図である。 １……車体、３……丸パイプ、４……固定支持
部材、５……回転軸、６……油圧シリンダ、７…
…回動部材、８……メインアーム、９……サブア
ーム、１０……シリンダ用アーム、３０……垂直
リンク体、４０……メインプラツトホーム、４１
……サブプラツトホーム、４２……丁番、５２…
…ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の後部又は側部に固着される固定支持部材
   と、該固定支持部材によつて回転自在に支持され
   る回転軸と、該回転軸を駆動するシリンダと、前
   記回転軸の両側に固着される回動部材と、該回動
   部材に一端が枢着され上昇方向に対しては当該回
   動部材と一体に回動するメインアームと、該メイ
   ンアームと共に昇降用平行リンクを成すものであ
   つて一端が前記固定支持部材側に枢着されるサブ
   アームと、上端に前記メインアームの他端が、下
   端に前記サブアームの他端がそれぞれ枢着される
   垂直リンクと、該垂直リンクの上端に前記メイン
   アームと共に枢着されていて当該垂直リンクに当
   接して水平状態を保持するプラツトホームと、前
   記メインアーム先端の上昇位置において当該メイ
   ンアームの上面に対接可能で前記固定支持部材側
   に枢支されたローラとを備えたことを特徴とする
   昇降装置。