JPS6037399Y2 - エキスパンダ−ロ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、紙、布および合成樹脂フィルム等の皺伸し
等に使用されるエキスパンダーロールに関する。

従来のゴム被覆エキスパンダーロールを高温条件下で使
用する場合、熱によってゴム物性が劣化するため、紙、
布および合成樹脂フィルム等の被処理物とロール表面と
の摩擦接触によるロールの摩耗進行が早くなる。

また、ゴム物性の劣化により表面ひび割れが起こり、性
能が低下するとともに被処理物に品質上の悪影響及ぼす
。

このように、高温条件下でのゴム被覆エキスパンダーロ
ールの寿命は短く、一般に数箇月である。

このため、例えば製紙工業の抄紙工程におけるドライヤ
ーパート等では、軸の外周に多数の円筒状の鋼製ボビン
が軸受を介して取付けられた金属製エキスパンダーロー
ルが使用されることもあるが、この場合にはボビン相互
間のシールが常に問題になる。

金属製エキスパンダーロールのボビン間のシール構造と
して、第１図に示すように、相隣り合う２個の金属ロー
ルセル（ボビン）２の端面に、筒状のゴム製シール帯８
の両端が固着されたものが知られている（特公昭５２−
２０２７号参照）。

ところが、このような従来のシール構造は、構造が複雑
で組立てが面倒であり、コストが高くなるという欠点の
他に、次のように問題を有する。

すなわち、エキスパンダーロールは若干彎曲させて使用
されるため、金属製の場合にはボビン相互間に若干の隙
間が設けられるが、湿紙や張力の大きい紙の場合には、
この隙間が皺の発生や断紙の原因となり易い。

また、ボビン２間に紙粉や埃が詰まり易く、これらがボ
ビン２の外周まで詰まった場合には、紙が汚れると同時
にやはり皺の発生や断紙の原因となる。

さらに、シール帯８は、組立時または回転時に変形を必
要とするため必然的に薄くなり、熱による劣化が早いの
で、短寿命となる。

この考案は、上記の実情に鑑みてなされたものであって
、構造が簡単で寿命が長く、かつ被処理物の皺の発生や
破損および汚れのおそれがないエキスパンダーロールを
提供することを目的とする。

以下この考案を実施例を示す図面を参照して説明する。

第２図において、エキスパンダーロールは、軸１０と軸
受１１を介しかつ相互に若干の隙間をあけて軸１０に取
付けられた多数の筒状の金属製ボビン１２と、相隣り合
う２個のボビン１２の端部に跨がるように内側から嵌止
められた円環状のゴム製シール１３とを備えている。

軸１０の外周には、両端部にストップカラー１４が嵌め
止められ、これらの間に軸受ブシュ１５とディスタンス
ピース１６とが交互に嵌められている。

ボビン１２の内周には、長さ方向の中央部に軸受１１が
堅く嵌入れられ、軸受１１の両側にゴムリング１７が嵌
止められており、軸受１１はブシュ１５の外周に嵌止め
られている。

シール１３の外周面は相隣り合う２個のボビン１２の端
部内周面に密着しており、シール１３外周には、２個の
ボビン１２間に挾まれてこれらの隙間を埋める環状の突
条１８が設けられている。

ホビン１２には軸受１１、ブシュ１５およびゴムリング
１７が予め嵌止められており、軸１０の一端部にストッ
プカラー１４を嵌止めた後、ボビン１２が取付けられた
軸受ブシュ１５、ディスタンスピース１６およびシール
１３を軸１０の他端からこの順で次々に嵌めることによ
り、エキスパンダーロールが簡単に組立てられる。

そして、軸１０は若干彎曲させられ、ボビン１２が軸１
０のまわりを回転する。

コム製シール１３としてはニトリルゴム等の適当な材料
が用いられる。

金属製ボビン１２としてはバードクロムメッキした鋼等
の適当な材料が用いられ、軸受１１の配置等、軸１０に
対するボビン１２の取付構造は上記実施例のものに限ら
ない。

また、上記実施例では、互いに接するシール１３外周面
およびポビン１２内周面が平滑に形成されているが、こ
れらの各面にねじ溝または独立溝を形成して嵌合わせて
もよい。

この考案によるエキスパンダーロールは、軸１０と、軸
受１１を介しかつ相互に若干の隙間をあけて軸１０の外
周に取付けられた多数の筒状の金属製ボビン１２と、相
隣り合う２個のボビン１２の端部に跨がるように内側か
ら嵌止められた円環状のゴム製シール１３とを備えてい
るから、ゴム被覆エキスパンダーロールと違って耐熱性
に優れ、寿命が長い。

また、相隣り合う２個のボビン１２の間隙は回転により
変化するが、ゴム製シール１３の外周に、２個のボビン
１２間に挾まれて隙間を埋める環状の突条１８が設けら
れているから、ボビン１２と突条１８との外周が面一と
なり、ボビン１２回転中にもポビン１２相互間に隙間が
生じることがなく、かつシール１３が脱落スることもな
い。

したがって、ポビン１２相互間の隙間による紙等の被処
理物のの破損および皺の発生ならびにこの隙間に埃等が
詰まることによる被処理物の汚れ等のおそれが全くない
。

また、シール１３およびその突条１８を比較的厚くでき
るので、熱による劣化が少なく、シール１３の寿命も長
い。

さらに、とくにポビン１２相互間のシール部の構造が極
めて簡単で組立が容易であり、安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す部分切欠き側面図、第２図はこの
考案の実施例を示す部分切欠き側面図である。 １０・・・・・・軸、１１・・・・・・軸受、１２・・
・・・・金属製ボビン、１３・・・・・・ゴム製シール
、１８・・・・・・突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸１０と、軸受１１を介しかつ相互に若干の隙間をあけ
   て軸１０の外周に取付けられた多数の筒状の金属製ボビ
   ン１２と、相隣り合う２個のボビン１２の端部に跨がる
   ように内側から嵌止められた円環状のゴム製シール１３
   とを備え、このシール１３の外周に、２個のボビン１２
   間に挾まれて隙間を埋める環状の突条１８が設けられて
   いるエキスパンターロール。