JPS6036830Y2 - 熱湯供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱湯供給装置の改良に関する。

従来断種熱湯供給装置は、ガス、電気等による熱源中に
水を通過させて加熱する瞬間湯沸し器、或はボイラーで
多量の湯を予め沸しておき、湯を使用する毎に水を加え
て加熱を行ない一定温度の湯を常時蓄えておく貯湯式湯
沸し器が専ら使用されている。

ところが瞬間湯沸し器は、短時間に冷水を高温にまで加
熱する必要があるため水量に比して多量の熱エネルギー
を要し、熱効率の向上は望めない。

又、貯湯式の場合は、貯湯槽が熱源で直接加熱され高温
になる関係上、断熱材の適切な使用が難かしく保温性能
に劣ると共に、一時に大量に湯を使用すると、貯湯槽に
補給される水量も多くなって水温が下がり熱湯が供給出
来ない等、多くの問題があった。

本考案は上記問題を一挙に解消したものであって、魔法
瓶の保温特性が極めて良好なことを利用し、貯湯部と加
熱部とを分離して設ける事により、保温特性に優れ熱効
率も良い熱湯供給装置を提供することを目的とする。

以下図面に示す実施例に基づき、本考案を具体的に説明
する。

図面は本考案の熱湯供給装置の一実施例を示す断面図で
あって、上部の蓋体８２を着脱自在に具えた外ケース８
１内に、冷水を加熱する加熱部１と、加熱された熱湯を
貯湯部３へ移す給湯手段２と、該給湯手段２の下流側に
あって熱湯を蓄え保温する貯湯部３とを一体に収納する
。

加熱部１は、上方開放した金属製容器１２の底面裏側等
の適所にヒータ１１を配備すると共に、該容器１２の上
部開口を蓋体１３で気密に塞ぎ、容器１２の上部には蓋
体１３を貫通して給水手段５の流出口５２を開口する。

給水手段５は、一端を水道蛇口等の給水源に接続した管
体５１であって、外ケース８１近傍には常開の電磁開閉
弁５３を具えると共に、該開閉弁５３と後述する給水制
御手段６とを連繋して加熱部１への給水を規制している
。

給水制御手段６は、加熱部１の水面に浮ぶフロート６１
から上方へ押圧杆６１を突出すると共に、加熱部１の容
器１２内の水量が規定値に達した時、押圧杆６２の上端
に対向する位置にリミツトスイツチ６３を配備したもの
であって、リミットスイッチ６３の接点を開閉弁５３の
制御回路（図示せず）に配することにより、水位が下が
り押圧杆６２がスイッチ６３から離れると接点を閉じ、
開閉弁５３を作動して給水を始める様に設定している。

更に加熱部１の近傍には、貯湯部３を配備する。

貯湯部３の容器は魔法瓶３１であってガラス製の２重壁
間を真空にすると共に、容器開口部は断熱材で形成され
た蓋体３２で気密に閉じる。

更に又、上記加熱部１と貯湯部３間には、給湯手段２を
配備する。

給湯手段２は、逆Ｕ字状のサイホン管２１であって、貯
湯部３の蓋体３２を貫通して魔法瓶３１上部に一端を開
口すると共に、他端は加熱部１の蓋体１３を貫通して容
器１２の下部に開口している。

又、サイホン管２１の流出口２３には、加熱部１側から
貯湯部３方向への流れのみを許す逆止弁２４を具える。

更に貯湯部３には、加熱部１のヒータ１１への通電を規
制するヒータ制御手段７を配備する。

ヒータ制御手段７は前記した給水制御手段６と略同じ構
成であって、貯湯部３の水面に浮ぶフロート７１から上
方へ押圧杆７２を突出し、貯湯部容器３１内の水量が規
定値に達した時に押圧杆７２の上端が押圧可能な位置に
リミットスイッチ７３を配している。

更にリミットスイッチ７３の接点は加熱部１のヒータ１
１回路に接続し、貯湯部３の水量が規定量以下になると
ヒータ１１に通電する様に設定している。

なお、上記給水制御手段６及びヒータ制御手段７は、フ
ロートとリミットスイッチの組み合わせに代えて、電極
間の水位上昇による導通を利用した電気式等、各種水位
検出手段が利用出来る事は勿論である。

又、貯湯部３には外部へ熱湯を供給する注湯手段４を具
える。

注湯手段４は、例えば貯湯部３の魔法瓶３１内に空気を
送るエアーポンプ４１と、一端を貯湯部３の魔法瓶３１
の下部に開口し他端を外ケース８１外面から突出して開
口した注湯管４２であって、ポンプ４１で魔法瓶３１内
に送り込まれた空気圧により、魔法瓶３１内の熱湯を注
湯管４２から外部へ押し出す。

なお、上記注湯手段４は小型モータを利用した電動ポン
プ等、適宜変更して実施出来る。

又、加熱部１に熱電対等の熱感知手段を設けて異常高温
を検知すると共に、該感知手段と連繋してヒータ１１に
対する通電を遮断する様になせば、空焚き事故は防止出
来る。

然して、先ず給水手段５の蛇口を開き、水を供給すると
、加熱部１内の水量が規定以下の場合は給水制御手段６
は働らかず電磁開閉弁５３が開放されるので加熱部１内
に給水され、規定水量に達すると開閉弁５３を閉じ、常
時加熱部１内の水量を一定に保つ。

ここで貯湯部３の注湯手段４を作動させ、貯湯部３内の
熱湯を外部に取出すと魔法瓶３１内の水位が下がり、ヒ
ータ制御手段７が作動し、ヒータ１１に通電される。

ヒータ１１で気密密閉容器１２内の貯水が熱せられると
、貯水上部空間の蒸気圧も上昇し、温度上昇に伴なって
徐々に容器１２内の湯をサイホン管２１に送り込む。

そして加熱部１内の湯がサイホン管２１の頂部に達した
後は、サイホン作用によりわずかの加熱エネルギーで急
速に加熱部１から貯湯部３へ熱湯は送り込まれる。

貯湯部３の水量が規定値に達するとヒータ制御手段７が
再び働き、ヒータ１１への通電を停めて加熱部１の熱供
給も停止するので、給湯手段２による貯湯部３に対する
熱湯供給も停止する。

上記動作とほぼ並行して、加熱部１内の貯水の減少によ
り給水制御手段６が働き、加熱部１内の水量を規定値に
して、次の熱湯の使用に備えるのである。

尚、貯湯部３にも加熱部１にも湯水が入っていない状態
から本願装置を働かせるには、先ず管体５１から密閉容
器１２内に注水する。

魔法瓶３１内の湯量がゼロであるからヒータ制御手段７
のフロート７１が下っており、リミットスイッチ７３が
ヒータ１１の電源回路を閉じ従って密閉容器１２内の氷
を加熱する。

水が沸湯すれば前記同様にしてサイホン作用にて魔法瓶
３１へ導かれ、魔法瓶３１内の湯の使用量に応じて前記
同様の動作が行なわれるのである。

本考案は上記の如く、水を加熱して熱湯にする加熱部１
と、熱湯を蓄える貯湯部３とを完全に分離すると共に、
貯湯部３内の湯が減少して時だけ加熱部１を作動する様
にしたので、熱湯は貯湯部３で長期にわたり何ら加熱手
段を用いる事なく保温され、更に加熱部１も不必要に熱
エネルギーを浪費する事がない。

又、本願では加熱部１の容器１２を気密構造とし、加熱
部内で発生する蒸気圧によって加熱部内の湯をサイホン
管２１の頂部に押し上げてサイホン作用をなすものであ
り、然もサイホン管２１の一端は魔法瓶３１の上部に開
口し、他端は容器１２の下部に開口しているため、魔法
瓶３１と加熱部１の容器１２を同じ高さ位置に並設して
も容器１２の内の湯を魔法瓶３１ヘスムーズに導くこと
が出来、且つ魔法瓶３１と容器１２内の湯面高さは互い
に干渉し合うことがない。

魔法瓶３１と加熱部１の容器１２を同じ高さに並設出来
ることにより装置全体をコンパクトに設計出来る。

更に機械部分がほとんどないので、長期にわたって使用
してもほとんど故障が起る虞れがない等、多くの優れた
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる熱湯供給装置の中央縦断面図であ
る。 １・・・・・・加熱部、１１・・・・・・ヒータ、２・
・・・・・給湯手段、３・・・・・・貯湯部、４・・・
・・・注湯手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貯水を熱するヒータ１１を具えた気密密閉容器１２と熱
   湯を蓄え保温する魔法瓶３１とを外ケース１中にほぼ同
   一高さに隣設配備し、魔法瓶３１と密閉容器１２とをサ
   イホン管２１にて連繋し、サイホン管２１の一端は魔法
   瓶内の上部に開口し、他端は密閉容器１２の下部に開口
   し、魔法瓶中には水位の増減を検出すると共に前記密閉
   容器１２のヒータ１１と連繋してヒータ１１への通電を
   規制する制御手段７を設けている熱湯供給装置。