JPS6034737Y2 - 二次空気供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用エンジン等の排ガス浄化手段として
使用される二次空気供給装置に関し、更に詳しくは、エ
ンジンが高負荷運転状態にあるときに二次空気の供給を
停止させ得るとともに、供給される二次空気の圧力が過
大になるとき制御するバルブを備え、高温ガスの逆流を
阻止するチェックバルブの設置を必要としない二次空気
供給装置を提供するものである。

本考案に関する先行技術としては、機関から排出される
排気ガス中の未燃焼戊分ＨＣ，ＣＯ等を除去する目的で
、ペンポンプにより排気ポートへ空気を供給する排気浄
化装置が存在する（特公昭５３−１２６４８号公報）。

しかし、この種の排気浄化装置にあっては二次空気が供
給される排気系から高温ガスが逆流するので、ペンポン
プが故障する原因となっている。

又、ペンポンプを用いたものは、空気供給を調整するエ
アカットバルブ、エアコントロールバルブを配管途中に
設けなければならず、コンパクトにできないという問題
が内在する。

更ニ、エアカットバルブ、エアコントロールバルブ等の
バルブを作動させるために、電気回路を用いなければな
らず、複雑化して故障の原因となっている。

本考案は上述のような問題点に鑑み威されたものであっ
て、その技術的課題はエンジンの排気管内の脈動負圧を
駆動源として使用するダイヤプラムポンプを使用し、構
造を簡単にして故障を少なくシ、且つ、ダイヤプラムポ
ンプにエアカットバルブ及ヒエアコントロールバルブを
一体的に設ケるとともに、多数の電磁弁をなくしてコン
パクト化を計るものである。

上述の課題を解決するための本考案の技術的手段は以下
のように構成されている。

すなわち、ケーシングの内部に形成された第１の空室を
可撓性を備える第１のダイヤプラムにより分割し、前記
第１のダイヤプラムの一方の側に形成される空室内へ脈
動圧を導いて駆動室となし、前記第１のダイヤプラムの
他方の側に形成される空室に連接して吸入弁及び吐出弁
を設けてポンプ室となし、前記吸入弁に連接する吸入ポ
ート及び前記吐出弁に連接する吐出ポートを設けて成る
ダイヤプラムポンプと、前記吸入ポート及び前記吸入弁
の近傍に形成された第２の空室を可撓性を備える第２の
ダイヤプラムの一方の側に形成された空室に大気を導い
て大気室となし、前記第２のダイヤプラムの他方の側に
形成された空室に負圧ポートを付設して負圧室となし、
前記第２のダイヤプラムの大気室側に、前記ダイヤプラ
ムポンプの吸入弁に連通ずる吸入管路を開閉させるカッ
トバルブを結合させてなるエアカットバルブアッセンブ
リと、前記ダイヤプラムポンプの脈動圧ポートの近傍に
設けた第３の空室を可撓性を備える第３のダイヤプラム
により分割し、第３のダイアプラムの一方の側に形成さ
れた空室に前記ダイヤプラムポンプの吐出圧力を導いて
圧力室となし、前記第３のダイヤフラムの他方の側に、
前記第３のダイヤフラムに連動して前記ダイヤプラムポ
ンプの脈動圧ポートの開度を制御するコントロールバル
フヲ設ケてなるコントロールバルブアッセンブリとより
成るものである。

上述のように構成された本考案は以下のように作用する
。

前記した構成の本考案の二次空気供給装置は、吸入ポー
トをエアクリーナに、吐出ポートを二次空気被供給部に
、脈動圧ポートを脈動圧発生部に負圧ポートを吸入マニ
ホールドのスロットルバルブ近傍に、それぞれ連接させ
、エンジンが通常の運転状態にあるときは、負圧ポート
を通して負圧室内へ導かれた吸入マニホールドのスロッ
トルバルブ近傍の負圧により、第２のダイヤプラムが第
１のばね手段の弾性力に抗して吸引されるために、カッ
トバルブが吸入管路開閉孔を開放状態に保つので、駆動
室内に導かれた脈動圧により往復運動をなす第１のダイ
ヤプラムは吸入弁を通して清浄な空気を取入し、次いで
吐出弁及び吐出ポートを通して二次空気被供給部へ送気
する。

次に、エンジンの高負荷運転時にあっては、吸入マニホ
ールドのスロットルバルブ近傍の負圧度が低下し、負圧
室内の負圧による第２のダイヤプラムに対する吸引力が
弱められるために、第２のダイヤフラムは第１のばね手
段により押圧され、吸入管路開閉孔がカットバルブによ
り閉鎖されるので、吸入ポートからの二次空気の供給が
停止される。

又、ダイヤフラムポンプによる吐出圧が過大となったと
きには、吐出弁及び吐出ポートの近傍からのコントロー
ルバルブアッセンブリの圧力室内へ導かれた吐出圧が、
第２のばね手段の弾性力に抗して第３のダイヤプラムを
圧し、ダイヤプラムポンプの脈動圧ポートの開度を減縮
させるので、ダイヤプラムポンプの駆動用脈動圧が制限
され、その結果、ダイヤプラムポンプによる二次空気供
給量が適量に保たれる。

以下、本考案の一実施例について図面により説明する。

第１図は本考案の二次空気供給装置の断面図である。

この二次空気供給装置はダイヤフラムポンプ１、エアカ
ットバルブアッセンブリ２０及びコントロールバルブア
ッセンブリ３０を有し、ダイヤフラムポンプアッセンブ
リ１は、ケーシングの内部に形成された第１の空室３を
ゴム状弾性材を用いて製せられ、外周部をケーシングに
挟持された第１のダイヤフラム４により、駆動室５とポ
ンプ室１１とに仕切られており、駆動室５にはポンプ駆
動用の脈動圧が導かれる脈動圧ポート６が付され、ポン
プ室１１に弾性薄板製の弁板を用いたリードバルブであ
る吸入弁１３及び吐出弁１５を介して吸入ポート１２及
び吐出ポート１４が連接されて構成され、コントロール
バルブアッセンブリ２０は、ケーシングの吸入ポート及
び吸入弁１３側に設けられた第２の空室２１がゴム状弾
性材製の第２のダイヤフラム２３により２分割され、一
方の空室は大気に連通〜されて大気室２４を形威し他方
の空室は負圧ポート２５４＋されて負圧室２６を形威し
、負圧室２６内には第２のダイヤフラム２３を軸方向に
押圧する第１のばね手段２７が配置され、大気室２４側
には、吸入ポート１２と吸入弁１３を連接する吸入管路
１７に設けられた吸入管路開閉孔１８を開閉し得るカッ
トバルブ２９が、第２のダイヤフラムバルブ２３に連結
されて構成されており、コントロールバルブアッセンブ
リ３０はダイヤフラムポンプ１の駆動室５の近傍に設け
られた第３の空室３２が、第３のダイヤフラム３３より
２分割され、その一方の空室にダイヤフラムポンプ１の
吐出空気を導いて圧力室３５となし、他方の空室３６内
に、第３のダイヤフラム３３に連結されて、ダイヤフラ
ムポンプ１の脈動圧ポート６側に設けられたコントロー
ルポンプ９の開度をコントロールし得るコントロールバ
ルブ３７及び第３のダイヤフラム３３を軸方向に押圧す
る第２のばね手段３９を配置されて構成する。

前述した構成になる本考案の二次空気供給装置は吸入ポ
ート１２をエアクリーナに、吐出ポート１４を二次空気
被供給部に、脈動圧ポート６を脈動圧発生部に、負圧ポ
ート２５を吸入マニホールドのスロットルバルブ近傍に
、それぞれ連接されて、エンジンが通常の運転状態にあ
るときは、負圧ポート２５を通して負圧室２６内へ導か
れた吸入マニホールドのスロットルバルブ近傍の負圧ニ
より第２のダイヤフラム２３が第１のばね手段２７の弾
性力に抗して吸引されてカットバルブ２９が吸入管路開
閉孔１８を開放状態に保つので、駆動室５内に導かれた
脈動圧により往復運動をなす第１のダイヤフラム４は吸
入弁１３を通して清浄な空気を吸入し、次いで、吐出弁
１５及び吐出ポート１４を通して二次空気被供給部へ送
気し、エンジンの高負荷運転時にあっては、吸入マニホ
ールドのスロットルバルブ近傍の負圧度が低下し、負圧
室２６内の負圧による第２のダイヤフラム２３に対する
吸引力が弱められるために、第２のダイヤフラム２３は
第１のばね手段２７により押圧され、吸入管路開閉孔１
８がカットバルブ２９により閉鎖されるので、吐出ポー
ト１４からの二次空気の供給が停止され、又、ダイヤフ
ラムポンプ１による吐出量が過大となったときには吐出
弁１５及び吐出ポート１４の近傍からコントロールバル
ブアッセンブリ３０の圧力室３５内へ導かれた吐出圧が
、第２のばね手段３９の弾性力に抗して第３のダイヤフ
ラム３３を圧し、ダイヤフラムポンプ１の脈動圧ポート
９の開放を減縮させるので、ダイヤフラムポンプ１の駆
動用脈動圧が制限され、その結果、ダイヤフラムポンプ
１による二次空気供給量が適量に保たれる。

本考案の二次空気供給装置は前記した構成を備えている
ことにより下記する特有の効果を奏する。

二次空気を供給するダイヤプラムポンプが金属製のリー
ドバルブである吐出弁を備えているので高温ガスの逆流
を阻止する逆止弁を設けることなく、高温ガスによって
故障させられることがない。

又、ダイヤフラムポンプは吸入弁と吐出弁と第１のダイ
ヤフラムにより単純に構成されているので、故障の発生
が少なく、しかもダイヤプラムポンプは構造簡単である
から、エアカットバルブ及びコントロールバルブアツセ
ンブリヲ一体化でき、二次空気供給装置の小形化を可能
として、エンジン等への取付を容易にする。

そして、エンジンの高負荷運転時においては、エアカッ
トバルブアッセンブリ２０が作動して、ダイヤフラムポ
ンプ１に対し吸入空気を供給しないようにし、エヤコン
トロールバルブアッセンブリ３０が、供給される二次空
気量が過大となったときにはダイヤプラムポンプの作動
を弱め、二次空気の量が低下したときにはダイヤプラム
ポンプの作動を強めるごとく作用し、エンジンの運転状
態に対応して適量の二次空気が供給される。

その結果、電気回路を用いて電磁弁を作動させる必要が
なく、電気的に惹起する故障をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による二次空気供給装置の一実施例の構
成を示す断面図である。 １・・・・・・ダイヤフラムポンプ、３・・・・・・第
１の空室、４・・・・・・第１のダイヤフラム、５・・
・・・・駆動室、６・・・・・・脈動圧ポート、９・・
・・・・コントロールポート、１１・・・・・・ポンプ
室、１２・・・・・・吸入ポート、１３・・・・・・吸
入弁、１４・・・・・・吐出ポート、１５・・・・・・
吐出弁、１７・・・・・・吸入管路、１８・・・・・・
吸入管路開閉孔、２０・・・・・・エアカットバルブア
ッセンブリ、２１・・・・・・第２の空室、２３・・・
・・・第２のダイヤフラム、２４・・・・・・大気室、
２５・・・・・・負圧ポート、２６・・・・・・負圧室
、２７・・・・・・第１のばね手段、２９・・・・・・
カットバルブ、３０・・・・・・コントロールバルブア
ッセンブリ、３２・・・・・・第３の空室、３３・・・
・・・第３のダイヤフラム、３５・・・・・・圧力室、
３６・・・・・・他方ノ空室、３７・・・・・・コント
ロールバルブ、３９・・・・・・第２のばね手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシングの内部に形成された第１の空室３を可撓性を
   備える第１のダイヤフラム４により分割し、前記第１の
   ダイヤフラム４の一方の側に形成される空室内へ脈動圧
   を導いて駆動室５となし、前記第１のダイヤフラム４の
   他方の側に形成される空室に連接して吸入弁１３及び弾
   性弁板を有する吐出弁１５を設けてポンプ室１１となし
   、前記吸入弁１３に連接する吸入ポート１２及び前記吐
   出弁１５に連接する吐出ポート１４を設けて成るダイヤ
   フラムポンプ１と、前記吸入ポート１２及び前記吸入弁
   １３の近傍に形成された第２の空室２１を可撓性を備え
   る第２のダイヤフラム２３により分割し、前記第２のダ
   イヤフラム２３の一方の側に形成された空室に大気を導
   いて大気室２４となし、前記第２のダイヤフラム２３の
   他方の側に形成された空室に負圧ポート２５を付設して
   負圧室２６となし、前記第２のダイヤフラム２３の大気
   室側に、前記ダイヤプラムポンプの吸入弁１３に連通ず
   る吸入管路１７を開閉させるカットバルブ２９を結合さ
   せてなるエアーカットバルブアッセンブリ２０と、前記
   ダイヤフラムポンプ１の脈動圧ポート６の近傍に設けた
   第３の空室３２を可撓性を備える第３のダイヤフラム３
   ３により分割し、前記第３のダイヤフラム３３の一方の
   側に形成された空室に前記ダイヤフラムポンプ１の吐出
   圧力を導いて圧力室３５となし、前記第３のダイヤフラ
   ム３３の他方の側に、前記第３のダイヤフラム３３に連
   動して前記ダイヤフラムポンプ１の脈動圧ポート６の開
   度を制御するコントロールバルブ３７を設けてなるコン
   トロールバルブアッセンブリ３０とより成る二次空気供
   給装置。