JPS6033918B2 - ラジアルセル型電解槽における陽極調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ラジアルセル型電解槽における陽極調整装
置に関し、とくに電解液中における溶出などによる肉厚
の減少を補うべく逐次に更新される消耗電極の電解槽内
における載贋姿勢の保持と、更新の際の順送り移動の案
内とを、電解のための大電流の伝達導通下に司る、電極
サポートの位置定め保持に簡便に調節するための陽極調
整装置を提案しようとするものである。

一般にラジアルセル型電解槽は、たとえば冷延薄板のよ
うな金属ストリップの連続亜鉛めつきラインのごときに
おいて、とくに高速下に従って、著しく高能率の電解操
業に適合すべく、該槽内に、大外径の通電用回転ドラム
を、そのほぼ半周にわたってめつき液中に浸潰し、槽外
のデフレクターロールを介して金属ストリップを電解槽
の内外に導入し、導出して浴浸通板させるように通電用
回転ドラムの外周に巻きかけ走行させ、その間、通電用
回転ドラムに対しその半径方向に金属ストリップとの間
に通電ギャップを隔てて向い合う配置の陽極（アノード
）からめつき液を通して大電流の薄電を行うように使用
される。

この場合、金属ストリップの片面でのみ電解が行われる
ので、片面だけめつきを行って他面を無処理のままとす
るような、いわゆる片面めつきに有利に適合することも
特色に教えられるが、この種の大規模施設にあっては、
甚しい大電力が、投入されるので、上記の通電ギャップ
を、できる限り小さく維持することが、無効消費電力を
軽減抑制するためにも、肝要である。

ところで通常の露気めつきにあっては、アノ−ドとして
不溶性電極を用いる場合、めつきをすべき金属を可溶性
電極に用いる場合とがあり、これらのうちとくに後者は
、めつき液の保守管理が、アノードから不断にめつき金
属成分の補給を期待し得ることから簡便であり、また電
極面でのガス発生も少く、従？てとくに大電流を投入し
て厚めつきするような用途で好適である。

しかるに、この場合アノードめつきの進行につれて溶出
し、その肉厚減少により通電ギャップは次第に拡大し、
そこでの通電抵抗の増大により電流密度が漸減し、その
結果めつき付着量が漸次に減少するようになる。

そこで可溶性電極を用いる上記めつき方式では、該電極
の経時的な消耗に応じる通電ギャップの拡大を、遂次に
修正することが必要である。この通電ギャップの逐次修
正のために従来から、それぞれ弓形をなして電解槽内の
通電用回転ドラムを部分的に囲む、消耗電極片の多数を
、通電用回転ドラムの円筒母線に沿う順送り移動可能に
横並べして、この順送り移動を、その１ピッチ毎にその
間における該電極片の消耗代だけ、通電用回転ドラムに
近づくような勾配を付した案内により導き、この案内は
また、消耗電極片の群よりなる陽極の全体にわたる給電
にも役立たせるようにされている。

この案内はいよいよ、電極サポートと呼ばれる。従って
通電用回転ドラムの片側で新しい消耗電極を、また他側
から使い古しのやせた消耗電極を、それぞれ着脱する手
順を含めた消耗電極の順送り移動により通電ギャップの
修正を伴うアノ−ドの逐次更新が行われる。ここに電極
サポートは、まずめつき液に侵されずかつ過電圧が小さ
く、そして安価であることなど、この種の設備に必要な
条件を満たすように通常は、方形のかなりもこ大きい断
面（ほぼ４５０×４５０７肋）に成形した黒鉛棒より主
として成るものとされる。

この電極サポートは、電解槽の槽底で正確に位置決めさ
れなければ、上記通電ギャップを上言己ァノードの逐次
更新の下に正しく保持することができないので、従来は
、槽底に堅固に取付けられた固定受台に、Ｖみそ１を上
向きに形成するＬ形鋼を芯材とする支持トラフを介して
、第１図ａ，ｂのように保持される。

図中１は通電用回転ドラム、２はその下半周に沿って、
電解槽Ｔ内を裕浸通板中の金属ストリップであり、３は
通電用回転ドラムーに対しその半径方向に金属ストリッ
プ２との間に通電ギャップＧを隔てて向い合う消耗電極
片３′の横並べ群よりなるアノードを示し、アノード３
は、通常図示したように通電用回転ドラムーの軸心を挟
んで、図に矢印で示した金属ストリップ２の浴浸通板の
前後に対設するように、各消耗電極片３′の背面中央に
***形成した突起４により電極サポート５の戦直面６の
沿う順送り移動を可能に係止し、この電極サポート８は
支持トラフ７を介して糟底に設置される固定受台８１こ
よって堅固に取付けていたのである。しかるにこの場合
は、アノード３の通電ギャップＧを設定する電極サポー
ト５が適切に位置定めされているときでも、たとえば金
属ストリップ２の板幅が、２′のように広くなったとす
ると、第２図ａ，ｂに比較して示すように、とくにアノ
ード３の両端附近で広幅ストリップ２′に対する通電ギ
ャップＧ′，Ｇ″が、それまでの電解過程で生じたアノ
ード３の消耗挙動の下でより狭くなり、ここにエッジオ
ーバーコートなどめつき付着量不均斉による外観不良の
原因となる。

そこでこの発明は、上記のようなめつき操業条件の変動
などに応じて、適切な調整を行うことができるように、
電極サポート５の支持手段について工夫を凝らしたもの
である。

すなわちこの発明は、上記電極サポート５を糟底で位置
定め保持する支持トラフの両端に通電用回転ドラムの半
径方向における電極サポート５の進退移動に供する一対
の支持脚を設け、この支持脚を櫛底から封止下に貫通突
出させ、槽外で支持脚の突出端に推力を加える操作装置
を設けたものである。

第３図ａ，ｂもここの発明の実施例を示し、番号１〜７
については第１図について説明したところと共通部分を
あらわし、この例でとくに支持トラフ７を、通電用回転
ドラム１の半径方向における電極サポート５の進退移動
の案内を司る傾斜受台９に載せ、支持トラフ７の両端に
上記進退移動に供する一対の支持脚１０を設けて図には
簡略図解したがたとえばスタフィングボックスの如き封
止手段を介して貫通突出させ、槽外で支持脚の突出端に
推力を加える液圧シリンダ又なジャッキの如き操作装置
１１を設ける。

従って電極サポート５を槽底に保持する支持トラフ７は
、その両端でそれぞれ、通電用回転ドラムーの半径方向
に電極サポート５の進退移動を任意に導き得るので、処
理をすべき金属ストリップ２の板幅変更や、その他の電
解条件の変動の如きに応じて通電ギャップ〇，〇′の適
切な整合を容易に導くことができるのである。

上記のようにしてこの発明によれば、ラジアルセル型電
解槽における電解操業条件に対して陽極配置を、最適姿
勢を占めるように簡便に糟外から調節することができる
ので、この種の電解操業の作業性と能率の向上に、大い
に役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは、ラジアルセル型電解槽の従来例につき
、電極配置を示す側面図と断面図、第２図ａ，ｂは、金
属ストリップの板幅変更に伴う通蚕ギャップの変動挙動
の説明用比較図であり、第３図ａ，ｂはこの発明の実施
例における電極配置の側面図と断面図である。 １・・・・・・通電用回転ドラム、２・・・・・・金属
ストリップ、３・・・・・・アノード、３′・・…・消
耗電極片、５・・・・・・電極サポート、６・…・・戦
臆面、７・・…・支持トラフ、１０・・・・・・支持脚
、１１・・・・・・操作装置。 第１図第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電解液を湛えた槽内における金属ストリツプの浴浸
   通板を司る通電用回転ドラムに対し、その半径方向に該
   金属ストリツプとの間に通電ギヤツプを隔てて向い合う
   、それぞれ弓形をなす多数の消耗電極片を、通電用回転
   ドラムの円筒母線に沿う順送り移動可能に横並べする載
   置面をもつ電極サポートで保持し、遂次に更新を行うラ
   ジアルセル型電解槽において、電極サポートを槽底で位
   置定め保持する支持トラフの両端に通電用回転ドラムの
   半径方向における電極サポートの進退移動に供する一対
   の支持脚を設けてこの支持脚を槽底から封止下に貫通突
   出させ、槽外で支持脚の突出端に推力を加える操作装置
   を設けたことを特徴とする、ラジアルセル型電解槽にお
   ける陽極調整装置。