JPH0535810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、口紅等の棒状化粧品を繰り出し可能
に収納保持する容器に関するもので、化粧品を収
納する容器本体と化粧品を保持して容器本体内に
昇降変位可能に螺合組付けされる受皿体との相互
螺合組付けを達成し易くすることを目的としたも
のである。

〔従来の技術〕

口紅等の棒状化粧品を繰り出し可能に収納保持
する容器は、一般に円筒形状体を組合せて構成さ
れる容器本体と、この容器本体内に昇降移動可能
に螺合組付けされる受皿体とから構成され、容器
本体を構成する円筒形状体の相互回動により受皿
体を昇降移動させ、もつてこの受皿体に保持され
た化粧品を容器本体から繰り出しまたは容器本体
内に収納するようにしている。

このように、この種の棒状化粧品繰り出し容器
は、容器本体と受皿体との螺合組付きを利用し、
容器本体の一部と受皿体との相互回動動作により
化粧品の繰り出し操作を達成するものとなつてい
るので、容器本体に対して受皿体を組付ける際に
は、相互の組付きが螺合組付き構造となつている
ため、周方向に沿つた相互の組付き位置合わせを
達成してから行う必要がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来、この繰り出し容器の容器本体と受皿体と
を組付ける際における、相互の位置合わせは、作
業員の目視により達成されていたのであるが、一
般に容器本体側の螺合機能部分は、容器本体の内
周面部分に形成されているため、その周方向の位
置出しが面倒であり、またこの周方向の位置出し
の面倒な容器本体と受皿体とを周方向に位置合わ
せした状態で組合せるのはさらに困難な作業とな
つている。

また、経費削減を目的として、この種の容易の
組立ても自動化されているが、機械により容器本
体の周方向の位置出しを達成するたのは極めて困
難であるため、自動組付け機械への容器本体の供
給は、作業員が周方向の位置出しをし、組付け機
械の所定箇所に所定姿勢で容器本体を組付けて達
成されているのが現状であり、経費削減の目的は
充分には達成されていない。

この従来例における不都合は、容器本体の内周
面に形成されている螺溝またはガイド縦孔を位置
出し目標としているため、この螺溝またはガイド
縦孔を自動的に検出し、かつこの検出結果に基づ
いて正確に周方向の位置出しを達成するのが機械
構造的に極めて困難となるからである。

本考案は、上記した従来例における問題点を解
消すべく考案されたもので、容器本体および受皿
体の周方向の位置出しを、容器本体および受皿体
の外面で達成すると共に、この位置出しがそのま
ま容器本体と受皿体との組付けの位置決めとする
ことをその技術的課題とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本考案を、本考案の一実施例を示す図面
を参照しながら説明する。

本考案の手段は、 円筒形状体を組合せて構成された容器本体１を
有すること、 容器本体１内に昇降移動可能に螺合組付けされ
る受皿体１４を有すること、 容器本体１の下面に、容器本体１の周方向の位
置出しを達成するための係止部９を設けること、 受皿体１４の下面に、受皿体１４を容器本体１
に螺合組付けする際における受皿体１４の容器本
体１に対する周方向の相互位置合わせを達成する
ための係止部１７を設けること、 にある。

〔作用〕

本考案は、上記したごとく、容器本体１の下面
に係止部９を形成しているので、この係止部９を
基準として容器本体１の回動方向の位置出しを達
成することにより、容器本体１の周方向の位置出
しが達成され、同様に受皿体１４の下面に係止部
１７を形成しているので、この係止部１７により
受皿体１４の周方向の位置出しが達成できる。

このように、容器本体１および受皿体１４の周
方向の位置出しは、それぞれに設けられた係止部
９および１７によつて達成できるのであるが、こ
の両係止部９，１７には係止能力があるので、こ
の係止９，１７の検出を、係止部９，１７への係
止により達成することにより、容器本体１および
受皿体１４の周方向に沿つた位置出しと同時に位
置決めも達成できることになる。

それゆえ、係止部９に係止して容器本体１の位
置出しと位置決めを達成するために設けられた治
具と、係止部１７に係止して受皿体１４の位置出
しと位置決めを達成するために設けられた治具と
の位置出し位置を、予め同じに設定しておくこと
により、組付けられる容器本体１と受皿体１４と
の螺合組付け位置合わせを、この治具を使用して
達成できることになる。

また、両係止部９，１７は、容器本体１の下面
および受皿体１４の下面に形成されているので、
他の物品である治具の係止部９，１７に対する係
止を確実にかつ簡単に達成させることができ、こ
のため治具を利用しての容器本体１および受皿体
１４の位置出しが確実にかつ正確に達成できると
共に、この位置出しに使用される治具の機械的構
造も簡単なものとすることができる。

さらに、係止部９，１７は、外観上視覚され難
い容器本体１および受皿体１４の下面に形成され
ているので、商品として完成された際に繰り出し
容器の外観として視覚され難いものとなる。

〔実施例〕

図示実施例の場合、容器本体１は、内筒体２と
外筒体１０とから構成され、内筒体２は、直線円
筒形状の筒壁３の下端に、円筒形状の筒部７の下
端に底壁９を連設した有底筒形状の把手部６を一
体設して構成され、把手部６の底壁９の下面の一
部に、径方向に沿つて細長溝状となつた係止部９
を設けている。また、筒壁２には縦長のスリツト
３が成形されており、この筒壁２の外周面上端に
は係止条５が周設されている。

外筒体１０は、直線円筒形状の周壁１１の内周
面に螺溝１２を刻設し、内周面上端に係止条５に
下方から係止して外筒体１０を内周体２に抜け出
し不能に組付け保持する係止溝１３を設けた構成
となつている。

従つて、内筒体２の筒壁３に外筒体１０を外装
嵌込みすると、外筒体１０の下端が筒壁３と把手
部６との境界となる段部に搭載当接し、係止溝１
３が係止条５に下方から係止することによつて、
外筒体１０は内筒体２に相互回動自在にかつ抜け
出し不能に組付くことになる。

また、受皿体１４は、直線円筒形状の保持筒部
１５の内周面ほぼ中央に、化粧品保持用の鍔部１
６を周設し、この鍔部１６の下面に径方向に沿つ
て細長溝状となつた係止部１７を設け、保持筒部
１５の外周面に容器本体１のスリツト４を通つて
螺溝１２に螺合する螺合片１８を突設して構成さ
れている。

なお、１９は容器本体１に着脱可能に組付けら
れるキヤツプである。

この図示実施例における両係止部９，１７は、
容器本体１のスリツト４と螺溝１２とに対する、
より具体的にはスリツト４に対する受皿体１４の
螺合片１８の周方向にめ沿つた位置合わせを達成
するために設けられており、この係止部９，１７
に嵌合係止して容器本体１および受皿体１４の周
方向に沿つた位置出しを達成する治具としては、
容器本体１または受皿体１４の下端部を嵌入させ
る凹部を有し、この凹部の底面に係止部９，１７
内にピツタリと嵌入係止する突起を突設した構造
が考えられる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本考案による
棒状化粧品繰り出し容器は、容器本体および受皿
体の周方向に沿つた位置出しを正確にかつ確実に
そして簡単に達成できるので、容器本体と受皿体
との自動組付けを確実にかつ簡単に達成すること
が可能となり、またこの位置出しのための係止手
段が容器本体および受皿体の下面に形成されてい
るので、容器本体および受皿体の機能を妨げるこ
とがないと共に、商品としての容器の外観を害す
る恐れがなく、さらに容器本体および受皿体の位
置出しを達成するための位置出し治具の構成を簡
単なものとすることができる等多くの優れた効果
を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す各部材の組
立分解斜視図である。第２図は、第１図に示した
実施例における内筒体の底面図である。第３図
は、第１図に示した実施例における受皿体の底面
図である。第４図は、第１図に示した実施例の組
立てた状態における全体縦断面図である。 符号の説明、１……容器本体、２……内筒体、
３……筒壁、４……スリツト、６……把手部、
９，１７……係止部、１０……外筒体、１２……
螺溝、１４……受皿体、１５……保持筒部、１６
……鍔部、１８……螺合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒形状体を組合せて構成された容器本体１
   と、該容器本体１内に昇降移動可能に螺合組付け
   される受皿体１４とから構成され、前記容器本体
   １の下面および受皿体１４の下面に、前記容器本
   体１に受皿体１４を挿入螺合組付けする際におけ
   る周方向の相互位置合わせを達成するための係止
   部９，１７をそれぞれ設けて成る棒状化粧品繰り
   出し容器。