JPS6031875Y2 - 多軸タツプ盤用支持搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、多数のめねじを同時にあけるため、多数の
スピンドルを備えた多軸タップ盤に加工物を支持搬送す
る多軸タップ盤用支持搬送装置に関するものである。

従来の多軸タップ盤用支持搬送装置としては、例えば第
１図および第２図に示すようなものがある。

図中１は多軸タップ盤のテーブルであり、テーブル１の
両側に搬入および搬出のコンベア２，２ａが配設されて
おり、テーブル１の上面には、支持金具３が第１図に示
すごとく、タップ加工の際、タップ加工工具４と干渉し
ないようにネジ止めあるいはＴ型溝を介して配設され、
かつ、テーブル１の両側に位置決めピン５が支持金具３
と同様に配設されている。

そして、被加工物６の固定に際しては、被加工物６は、
人手を介して、あるいは別途に設けられたロボットまた
はクランプを有する搬送装置により、搬入コンベア２の
位置からテーブル１の真上に移動され、予め両側に穿設
された位置決め孔に位置決めピン５を挿入嵌合して位置
決めされるとともに支持金具３で支持され、芯出し状態
に固定される。

このように固定された被加工物６に対してタップ加工を
行なう。

また、図示を省略するけれども、テーブルに厚板状の支
持台がのせられ、支持台には、タップ孔位置に合せて逃
げ孔が穿設されたものがある。

そして、被加工物６の固定並びにタップ加工は支持金具
３の場合と同様に行なわれる。

しかしながら、このような従来の多軸タップ盤用支持搬
送装置にあっては、支持金具３の場合および支持台の場
合いずれも被加工物６のテーブル１への連続的搬送手段
を有さす、テーブル１の両側に搬入および搬出のコンベ
ア２，２ａを設け、人手を介して、あるいは全く別途に
搬送装置を設置して供給、位置決め、搬出を行なわせて
いる。

前者の場合には、多軸タップ加工用の被加工物は一般に
重量が大きいので供給や位置決め等の作業は危険であり
、かつ作業に長時間を要し、作業性が極めて悪い。

また、後者の場合には、設備価格が高くつき、さらに設
置空間の確保にも困難がともなう。

またさらに厚板状の支持台の場合には、タップ加工の位
置が異なると、一枚の支持台では加工することができず
汎用性に乏しいという問題点もあった。

この考案は、このような従来の問題点を着目してなされ
たもので、被加工物の搬送方向と直角に複数本のローラ
を並設し、ローラで支持搬送される被加工物を位置決め
するストッパーおよび位置決めピンを配設し、ローラに
はタップ加工工具の逃げ溝を設けることにより前記問題
点を解決することを目的としている。

以下、この考案を図面に基いて説明する。

なお、第１図および第２図に示す部材および部位と同一
ないし均等のものについては、同一符号を付して重複し
た説明を省略する。

第３図〜第６図はこの考案の一実施例を示す図である。

まず、構成を説明すると、９はローラであり、ローラ９
は、第５図に示すごとく、ローラ軸１０と被加工物６を
支持搬送腰かつローラ軸１０を貫装させたローラ本体１
１とからなり、ローラ本体１１が複数個の駒１２に分割
され、駒１２を移動し、ボルト１３で締着することによ
ってタップ加工工具４の逃げ溝１４が形成されている。

このようなローラ９は、その両端でローラ軸１０がテー
ブル１に搬送方向に沿って固設された一対のステー１５
にベアリング１６を介して軸支され、搬送方向と直角に
複数本並設されている。

また、駒１２の移動によって逃げ溝１４が第３図に示す
ごとくタップ加工工具４の位置に対応する位置に形成さ
れてタップ加工の際、タップ加工工具４とは干渉しない
ようになされている。

ローラ軸１０の一方にスプロケット１７が装着され、各
スプロケット１７にローラチェン１８が張架されている
。

後端のローラ９のローラ軸１０には従動スプロケット１
７ａがさらに装着されてこの従動スプロケット１７ａと
テーブル１の側壁に設けられた駆動減速機１９の駆動ス
プロケット１７ｂとの間にローラチェン１８ａが同様に
張架されている。

そして、ローラ９で支持搬送されてくる被加工物６が搬
送方向およびその直角方向の係止によって固定されるよ
うに、テーブル１には、その前方部に位置決めピン２１
が、後方部に一対のストッパー２０が、後方両側部に対
向する一対の修正ストッパー２０ａがそれぞれシリンダ
ー２２．２２ａ、２２ｂを介して装着されている。

なお、ローラ９については、第５図に示すものを使用し
たが、これに限定されることなく第６図に示すように逃
げ溝１４ａが一体成形されたローラ本体１１ａを具備す
るローラ９ａを使用できることは勿論である。

次に作用を説明する。

支持搬送装置の自動支持搬送に際して、まず、テーブル
１に取り付けられたローラ９に対して、そのローラ本体
１０の駒１２をタップ加工工具４の位置に対応させて移
動し、タップ加工工具４の逃げ溝１４を形成するととも
にシリンダー２２． ２２１． ２２ ｂにより、スト
ッパー２０．２０を上昇し、修正ストッパー２０ ａ、
２０ ａを開にし、位置決めピン２１を下降させて
おく。

そして、搬入コンベア２によって被加工物６がテーブル
１の近傍に搬送されると、駆動減速機１９およびローク
チエン１８．１８ａ等によってローラ９が第４図に示す
矢視の方向に回動し、被加工物６はローラ９の回動によ
り搬入コンベア２からローラ９へ適宜ガイド作用を受け
ながら支持搬送され、ストッパー２０．２０に突き当っ
て停止する。

被加工物６の停止と同時にローラ９の回動は停止すると
ともに修正ストッパー２０ａ、２０ａはシリンダー２２
ｂ、２２ｂによって閉動し、搬送方向と直角の方向を修
正する。

位置決めピン２１もシリンダー２２によって上昇し、被
加工物６に予め穿設された位置決め孔に挿入嵌合する。

このストッパー２０．２０ａおよび位置決めピン２１に
よって被加工物６は固定される。

次いで、多数のスピンドルを備えたスピンドル台が下降
し、スピンドルに装着されたタップ加工工具４によって
第３図に示す多数の箇所にめねじが同時に切削加工され
る。

切削加工を終了すると、ストッパー２０．２０ａおよび
位置決めピン２１がそれぞれシリンダー２２． ２２
ａ、 ２２ ｂによって解除されるとともに駆動減速
機１９によってローラ９は再度回動する。

被加工物６はローラ９から搬出コンベア２ａに搬出され
、搬出コンベア２ａによって次工程に搬送される。

ここに多軸タップ盤用支持搬送装置による自動支持搬送
のワンプロセスを終了する。

以上説明してきたように、この考案によれはその構成を
被加工物の搬送方向と直角に複数本のローラを並設し、
ローラで支持搬送される被加工物を位置決めするストッ
パーおよび位置決めピンを配設し、ローラにはタップ加
工工具の逃は溝を設けた多軸タップ盤用支持搬送装置と
したため、従来、人手あるいは高価な搬送装置によって
被加工物をテーブルにセットしていたのに対して被加工
物を自動的かつ連続的に支持搬送することができ、タッ
プ加工と関連させた大きな省力化も遠戚できる。

また、従来、タップ加工の位置の異なる被加工物につい
てのタップ加工に際しては、その都度、支持台を取り換
えていたのに比し、ローラにはタップ加工工具に対応し
た逃げ溝が形成されているのでローラを交換するだけで
支持搬送することができる。

さらに、実施例は上記共通の効果に加えて、ローラ本体
の駒を移動するだけで逃げ溝を形成できるので、タップ
加工の位置の異なる被加工物に対しても、簡易迅速に対
応でき、一層汎用性に優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の多軸タップ盤用支持搬送装置を示す平面
図、第２図は第１図の支持搬送装置の側面図、第３図は
この考案の一実施例に係る多軸タップ盤用支持搬送装置
を示す平面図、第４図は第３図の支持搬送装置の側面図
、第５図は第３図に示すローラの部分拡大図、第６図は
第５図と別態様のローラを示す部分拡大図である。 ４・・・・・・タップ加工工具、６・・・・・・被加工
物、９・・・・・・ローラ、１０・・・・・・ローラ軸
、１１・・・・・田−ラ本体、１２・・・・・・駒、１
４・・・・・・逃げ溝、２０，２０ａ・・・・・・スト
ッパー、２１・・・・・・位置決めピン。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）被加工物の搬送方向と直角に複数本のローラを並
   設し、該ローラで支持搬送される前記被加工物を位置決
   めするストッパーおよび位置決めピンを配設し、前記ロ
   ーラにはタップ加工工具の逃げ溝を設けたことを特徴と
   する多軸タップ盤用支持搬送装置。
2. （２） ローラは、ローラ軸と該ローラ軸を貫装させ
   たローラ本体とからなり、該ローラ本体が複数個の駒に
   分割され、該駒を移動することによって逃げ溝が形成さ
   れたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の多軸タップ盤用支持搬送装置。