JPS6030314Y2 - 産業車両の作業用コントロ−ルレバ−の安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧作動装置を有する産業車輛において、油圧
作動装置が運転者の意図にかかわらず作動することを防
止する安全装置に関するもので、特に車輛エンジンの始
動停止装置により油圧作動装置のコントロールレバーの
移動を拘束または解除する作業用コントロールレバーの
安全装置に関するものである。

油圧作動装置を有する産業車輛たとえばフォークリフト
等において、フォークを上昇させた状態で、点検その他
のため運転者が運転席を離れる時に誤ってコントロール
レバーに触れ、または運転者が運転席を離れた後に運転
者以外の者が不用意にコントロールレバーに触れたりす
ると、フォークが降下し危険があるので、この種のコン
トロールレバーに対して安全装置を付加することが種々
考案されていた。

たとえば運転者が運転席を離れると、弾性体により附勢
されていた運転席シートが座席荷重の消滅により上方へ
移動する運動を利用してコントロールレバーの移動を機
械的に拘束したり、または関係シリンダへの油圧管回路
の開閉弁を閉鎖し油圧的に拘束する安全装置が考案され
ていた。

しかし、運転席シートに座席荷重がなくなった場合にコ
ントロールレバーを係止する方式では、路面状態により
車輛がバウンドしたときに安全装置が一時的に作動して
コントロールレバーが一時的に係止され運転者に不安を
与えたり危険な状態になるおそれがある。

また荷役装置を試験的に作動させたり、微動を行なうと
きに運転席で立ち上って視界を確保してコントロールレ
バーの操作ヲ行なう場合があるが、この方式では不可能
である。

さらに運転席シートは元来座るためのものであるため、
機械知識のない小児等であっても運転席を見ればまず座
り、その上で操作レバーを動かす場合が多く、この意味
では運転席荷重がなくなった場合にコントロールレバー
を係止する従来の方式は、安全装置として不完全なもの
であった。

本考案はこれら従来装置の欠点を除去した、簡単確実な
安全装置を提供しようとするものである。

以下本考案の最も適した例としてディーゼルエンジンを
装備したフォークリフトトラックに適用した実施例を図
面にもとづいて説明する。

第１図は運転席附近の関係諸機構の側面図であり、第２
図は第１図におけるＡ視図である。

１はいわゆる“ディコンブレバー”で、Ｒはエンジン運
転時の位置、Ｓは停止時の位置を示す。

２はデコンプレバーの一端より車両運行用エンジンのデ
コンプ弁に到るロッド、３はデコンプレバーの一端と回
動自在に結合され、後述するコントロールレバーの係止
板を作動させるロッド、４はフロアパネル１７より突設
したブラケット１８に中間部がピン１０によって枢支さ
れたベルクランクで、その一端に前記ロッド３が回動自
在に結合されている。

５は上端がベルクランク４の他端に回動自在に結合され
ているロッド、６は係止体で、フロアパネル１７より突
設したブラケット１６にピン１２によって枢支されてお
り、その一端をロッド５に連結することにより回動せし
められ、他端には後述するコントロールレバー７の下端
の棒状部７ａと結合して、該レバー７の運動を拘束でき
る形状たとえば先端がコントロールレバー７の回動力向
と交錯する方向に延在するフォーク形状をしたフォーク
部６ｂが形威されている。

７は前記車両運行用エンジンによって駆動させる油圧ポ
ンプを油圧源とする油圧作動装置例えば荷役装置昇降用
リフトシリンダの運動を制御するコントロールレバーで
、フロアパネル１７より突設したブラケット１９にピン
１３を介して枢支されており、この中間部にハ、コント
ロールバルブ９のバルブスプールに連結しているロッド
８が結合しており、コントロールレバー７の下端に形成
した被停止部としての棒状部７ａは、該レバー７が中立
位置にあり、係止体６が第２図において時計方向へ回動
した時フォーク部６ｂと係合可能な位置まで延在してい
る。

次にその作用を説明する。

運転者が運転席を離れるときは、まづ荷役装置の運動を
とめるべくコントロールレバー７を中立（Ｎ）状態にお
き、デコンプレパー１を停止（Ｓ）位置に操作すると、
デコンプレパー１の下端に結合されているロッド３、ベ
ルクランプ４、ロッド５のリンク機構を経由して、この
操作が係止体６に伝達され、係止体６を第２図において
時計方向へ回動せしめ、係止体６のフォーク部６ｂが第
２図のＲの位置からＳの位置に移動する。

この位置（Ｓ）では係止体６のフォーク部６ｂ内にコン
トロールレバー７の棒状部７ａが嵌入し、フォーク部６
ｂがコントロールレバー７の回動方向と直向する方向に
位置する為に、コントロールレバー７の回動すなわち上
昇位置（Ｕ）、下降位置（Ｄ）への操作が不可能となる
。

次に本考案の他の実施例を第３図に基づき詳説すると、
第３図は、第１実施例における係止体６とコントロール
レバー７の棒状部７ａとの係合部以外は全て第１実施例
と同様である為その相違する部分のみを図示したもので
ある。

第３図において６’ｂは第１図の係止体６のフォーク部
６ｂに相当する丸棒状の係止部であり、図示はしないが
第１実施例同様のリンク機構３゜４．５によってデコン
プレパー１と連結されている。

７′は第１図に示すコントロールレバー７に相当するも
のであるが下端部がほぼ扇状の中空部２０を形威し、そ
の中空部２０は係止部６’ｂの先端の直径に相当する幅
より成るかなめ部分（被係止部）２０ａから回動中心１
３に向って除々に拡大されている。

第３図にて係止部６’ｂはデコンプレパー１がエンジン
運転の状態にある場合を示しており、エンジン停止のと
きの係止部６’ｂの状態は二点鎖線で示しである。

従ってデコンプレパー１がエンジン運転状態にあるとき
、係止部６’ｂは扇形の幅の広い部分にありコントロー
ルレバー７′は、下降（Ｄ）および上昇（Ｕ）の位置へ
回動すなわち操作可能であり、エンジン停止の状態のと
きは係止部６’ｂが前記かなめ部分２０ａと嵌合する為
にコントロールレバー７′の回動は不可能となる。

またデコンプレパー１をエンジン停止状態にするとき、
もしコントロールレバー７′が下降（Ｄ）または上昇（
Ｕ）の位置にあったならば、係止部６’ｂの先端がコン
トロールレバー７′の扇形中空部の斜辺を押圧して、コ
ントロールレバー７′を中立位置（Ｎ）に強制復帰させ
油圧作動装置を拘束する。

本考案の上記実施例は、ジーゼルエンジン搭載車両を基
にして詳説したがガソリンエンジン、あるいは電動機を
原動機とする産業車両にあっては、デコンプレバーに代
わるスタータスイッチの回転動作を利用して係止体６を
作動させ、該スイッチを停止位置（ＯＦＦの状態）に回
転することによって、例えば前記実施例に示すようなコ
ントロールレバーを拘束状態にせしめることもできる。

以上説明したように、デコンプレバー其の他エンジン始
動機構関係からコントロールレバーを拘束する本考案の
安全装置においては、運転者が運転席を離れるためにエ
ンジンを停止すると自動的に油圧作動装置特に荷役装置
が拘束され、乗降にさいして安全であり、安全装置をか
け忘れることもなく、確実容易に安全装置をかけ得る。

更に運転者が席を離れた場合、他の者が油圧作動装置を
操作しようとする場合、最初にエンジンを始動するが、
エンジンの始動が行なわれる迄はコントロールレバーは
通常拘束されていて、運転席を離れている運転者は車輌
の近傍に居れば運転席を監視していなくてもエンジン始
動音またはエンジン回転音にて危険を感知できて対処で
きて安全である。

特にディーゼル機関を多用している産業車輛では、エン
ジン回転音が水きいため特に効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図であり、第２図
は第１図におけるＡ視図である。 第３図は本考案の別の実施例におけるコントロールレバ
ーと係止体との連係状態を示す説明図である。 １：デコンプレバー、２：ロッド、３：ロッド、４：ベ
ルクランク、５：ロッド、６：係止体、６ｂ；フォーク
部、７． ７’：コントロールレバー、８：ロッド、９
：コントロールバルブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 運行用の原動機、該原動機によって駆動される油圧ポン
   プを油圧源とする荷役用油圧装置および該装置制御用の
   コントロールバルブを有する産業車両において、 該コントロールバルブ操作用コントロールレバーの被係
   止部近傍位置に係止部が配されて該レバーの作動を機械
   的に拘束可能な係止体を、支持部材に回転可能に枢着す
   るとともに、前記原動機の始動・停止手段と連動して作
   動する可動部材を該係止体に連結し、該始動・停止手段
   による原動機の停止操作に従動して該係止体の係止部が
   前記コントロールレバーの被係止部と係合し、該レバー
   を中立位置に保持するように構成したことを特徴とする
   産業車両の作業用コントロールレバーの安全装置。