JPS602998Y2 - 自動車のシ−トベルトアンカ−取付部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のシートベルトアンカー取付部構造、
特に自動車の柱部材へのシートベルトアンカーの取付部
構造に関する。

従来のシートベルトのビラ等の柱部材への取付構造は、
実公昭５４−２５７６８号公報に記載されているように
、インナパネルとアウタパネルとを接合して閉断面を構
成した柱部材に、貫通孔を有しかつ該貫通孔に対応して
背面にナツトを固着した基部と、該基部の両端から該基
部に対してほぼ垂直に延びた両側片とによって構成する
断面コ字状のナツトプレートを設け、該ナツトプレート
の軸方向に対する両側辺の長さを該軸方向の基部の長さ
より長くして、両側面の該軸方向の上下両端を突出させ
、両側辺の該突出部をアウタパネルの内側面にスポット
溶接で夫々固着し、さらに上記貫通孔に対応する取付孔
を有するインナパネルをアウタパネルに固着し、上記ナ
ツトにシートベルトのアンカーボルトをボルト締めする
ものが提案されている。

この従来のシートベルトアンカーの取付部構造では、衝
突時等にシートベルトに高荷重が加わった場合のインナ
パネルがアウタパネルから剥れる等の不具合は解消され
ているが、シートベルトによる荷重が閉断面構造の周縁
部であるインナパネルに曲げ力及び捩れ力として作用す
るため、閉断面構造が強度面で有効に作用しない問題が
ある。

従来の他のシートベルトの柱部材への取付構造としては
、インナパネルとアウタパネルとを接合した柱部材のシ
ートベルト取付部の閉断面内部に、インナパネルとアウ
タパネルとを結ぶコの字しインホースメント２個を対向
して配置して溶接し、あるいはインナパネルとアウタパ
ネルとに当接する波形レインホースメントを配置して溶
接して、各レインホースメントとインチパネルにアンカ
ーボルトを固着するものが知られている。

しかし、これらのシートベルトの柱部材への取付構造に
おいても、シートベルトによる荷重が閉断面構造の周縁
部であるインナパネルやアウタパネルの側面部の一部に
作用しシートベルトからの荷重は閉断面構造に曲げ力及
び捩れ力として作用し強度面で不利である問題があった
。

また、この取付構造はインナパネルとアウタパネル及び
レインホースメントとの溶接部分が奥まった位置となり
がちで溶接作業が困難である問題もあった。

本考案は上記従来の問題を鑑みなされたものであって、
簡易な構造にしてシートベルトを強固に支持することが
できるシートベルトアンカー取付部構造を提供すること
を目的とするものであつて、その構成上の特徴とすると
ころは、インナパネルとアウタパネルとを接合して閉断
面を構成した柱部材と、インナパネルのアウタパネル側
に取付けられたアンカナツトと、アンカナツトにねじ止
めされたシートベルトのアンカボルトとからなり、上記
インナパネルのシートベルトのアンカボルトとの接合部
が上記閉断面のほぼ中央に位置するようにアウタパネル
側に窪んでいることである。

本考案は以上のように構成されるから、シートベルトか
らの荷重は閉断面構造の柱部材のほぼ中央に作用し、捩
れ荷重はほとんど作用せず柱部材の閉断面構造を力学的
に有効に活用することができる利点を有する。

また、本考案は構造が簡易で奥まった位置の溶接作業を
要せず製作が容易である利点も有する。

以下本考案の実施例を図に基いて説明する。

自動車の室内１は、第１図に示すように、センターピラ
ー２やりャピラ−４があり、これらの比較的上方部にシ
ートベルト６．８の一端を取付けている。

第１実施例のシートベルトアンカー取付部構造は、第２
図及び第３図に示すように、平面で両側にフランジ部１
０を有するインナパネル１２と、第１段部１４、第２段
部１６とフランジ部１８とを有するアウタパネル２０と
を、各フランジ部１０と１８とを溶接して閉断面２１を
構成する。

また、平断面２１内にはピラーレインホースメント２４
が配置され、これはほぼ平面であって両側に第２段部１
６に溶接されるフランジ部２２を有し、適所にシートボ
ルト取付ボルト用孔２６が設けられている。

インナパネル１２のアンカボルトとの接合部は底部がピ
ラーレインホースメント２４に当接し、閉断面のほぼ中
央に位置するようにアウタパネル側に窪んである凹部２
８が設けられ、凹部２８の中央にはシートベルト取付ボ
ルト用孔２８が設けられている。

以上の構成において、シートベルト６．８はシートベル
ト金具３０を介してピラー２，４に取付けられる。

シートベルト金具３０のボルト孔３２は、ピラーレイン
ホースメント２４のボルト用孔２２と、インナパネル１
２のボルト用孔２８とが一緒になってボルト３４が挿入
される。

ボルト３４にはナツト３６が螺合されてシートベルト金
属３０とピラーレインホースメント２４とインナパネル
１２とが一体化する。

そしてシートベルト６．８の荷重はインナパネル１２と
アウタパネル２０とのつくる閉断面２１のほぼ中心に作
用するようになる。

第２実施例のシートベルトアンカー取付部は、第４図及
び第５図に示すように、第１実施例に比較してレインフ
ォースメントの代りにナツトプレート１００を有してい
ることが異なり、第１実施例と同一の構成については同
一の符号を付すのみでその説明を省略する。

ナツトプレート１００は、ボルト貫通孔１０２に対応し
たナツト１０４を固着して基部１０６と、該基部１０６
の両端から該基部１０６に対してほぼ垂直に延びた両側
片１０８とによって構成する断面コ字状であって、軸線
方向において基部１０６の長さを両側片１０８のより短
くし、両側片１０８の基部１０６より突出した部分１１
０をアウタパネルの第２段部１６に溶接する。

以上の構成の第２実施例においても、ナツトプレート１
００に取付けられたシートベルトの荷重はピラー２，４
の閉断面のほぼ中央に作用し、閉断面構造が構造力学的
に有効に作用することができる。

なお、上記実施例ではピラーに本考案のシートベルトア
ンカ取付部構造を適用しているが、本考案は、フロアも
しくはサイドレールアツバ等のインナパネルとアウタパ
ネルとからなる閉断面構造の部位にも適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の室内の斜視図、第２図は本考案の第１
実施例の斜視図、第３図は第２図の線■−ｍ線に沿った
断面図、第４図は第２実施例の斜視図、第５図は第４図
の線■−■に沿った断面図である。 １・・・・・・自動車、２・・・・・・センターピラー
４・・・・・・リヤピラー、６，８・・・・・・シー
トベルト、１０・・・・・・フランジ部、１２・・・・
・・インナパネル、２０・・・・・・アウタパネル、２
１・・・・・・閉断面、２４・・・・・ゼラーレインホ
ースメント、３０・・・・・・シートベルト金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナパネルとアウタパネルとを接合して閉断面を構成
   した柱部材と、インナパネルのアウタパネル側に取付け
   られたアンカナツトと、アンカナツトにねじ止めされた
   シートベルトのアンカボルトとからなり、上記インナパ
   ネルのアンカボルトとの接合部が上記閉断面のほぼ中央
   に位置することを特徴とする自動車のシートベルトアン
   カー取付部構造。