JPS6029201Y2 - 同軸形フイルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は同軸形フィルタに関し、特に、筒状の誘電体
共振器を金属ケースに収納したような同軸形フィルタに
関する。

従来より、たとえば誘電体共振器を用いて同軸形フィル
タを構成する場合は、たとえばジュラルミンなどの金属
ケースに穴を形成し、この穴に誘電体共振器を収納し、
半田あるいは導電性接着剤などを流し込んで誘電体共振
器の外導体が金属ケースに密着するように形成している
。

このような同軸形フィルタは、安定した品質のものを作
ることができ再現性がよいという特徴を有する。

しかしながら、半面金属ケースの加工精度が要求されか
つしたがってコスト的に高くなるという欠点を有してい
た。

それゆえに、この考案の主たる目的は、構造が簡単であ
って安価な同軸形フィルタを提供することである。

この考案は、要約すれば、少なくともその内周面に内導
体が形成されかつその外周面に外導体が形成された筒状
の誘電体を金属材料から成るケース体に直接半田付けし
て電気的に接続するとともに機械的に固定するようにし
たものである。

この考案の上述の目的およびその他の目的と特徴は以下
に図面を参照して行なう詳細な説明から一層明らかとな
ろう。

第１図はこの考案の一実施例の外観斜視図であり、第２
図は同じく外観図であり、第２図ａはその平面図を示し
、第２図すはその側面図を示す。

第３図はこの考案の一実施例に含まれる誘電体共振器の
側面断面図である。

まず、第１図および第２図を参照して、ケース体内側ケ
ース１と外側ケース２とから構成される。

内側ケース１は底板部１１と、この底板部１１の長手方
向の一方端が折り曲げられた折曲部１２とを含む。

この折曲部１２には、絶縁部材１５．１６によって絶縁
された２本の外部接続端子１３．１４が設けられる。

誘電体共振器３は第３図に示すように、内導体３２と外
導体３３との間に、たとえば酸化チタン系のセラミック
誘電体の誘電体３１が充填されて戒る。

すなわち、この誘電体共振器３は、筒状誘電体３１の内
壁および外周に、高周波導電性に優れかつ誘電体との密
着性が良好な銀ペーストを焼付けて内導体３２および外
導体３３とする。

まま た、この誘電体共振器３を４波長共振器とするために、
誘電体３１の一方側には短絡導体３４を形成し、他方側
は開放される。

さらに、内導体３２の内部は空洞とされ、この内部に他
方側から同様のセラミック等から戊り電極膜３６で覆わ
れた中心棒３５が挿入される。

このような誘電体共振器３が３個３ａ〜３Ｃ用意され、
それぞれ内側ケース１の底板部１１上に並列的に配列さ
れる。

そして、各誘電体共振器３ａ〜３Ｃのそれぞれの外導体
３３ａ〜３３ｃ間に半田５が施される。

なお、底板部１１には図示しないが複数個の透孔が穿設
されていて、この透孔に半田を流し込むことによって、
各誘電体共振器３ａ〜３Ｃが底板部１１に電気的に接続
されかつ機械的に固定される。

誘電体共振器３ａの中心導体３５ａには２個のチップコ
ンデンサ４１．４２のそれぞれの一方電極が半田付けさ
れる。

同様にして、誘電体共振器３ｃの中心導体３５ｃにも２
個のチップ５ンデンサ４３，４４のそれぞれの一方電極
が半田付けされる。

そして、チップコンデンサ４１の他方電極と外部接続端
子１３とには、リード線７が半田付けされて電気的に接
続される。

同様にして、チップコンデンサ４３の他方電極と外部接
続端子１４とには、リード線８が半田付けされて電気的
に接続される。

さらにチップコンデンサ４２の他方電極と、中央の誘電
体共振器３ｂの中心棒３５ｂと、チップコンデンサ４４
の他方電極とにリード線６が半田付けされる。

上述のごとく、誘電体共振器３ａ〜３ｃが設けられた内
側ケース１は、外側ケース２に収納される。

外側ケース２は、その−刃側に開口部２１を有する箱形
形状に形成され、開口部２１側の４隅には外方に延びる
固定端子２２が形成される。

この固定端子２２は、この同軸形フィルタをたとればプ
リント基板に固定するために形成されるものである。

すなわち、外側ケース２の固定端子２２・・・のそれぞ
れに対応してプリント基板に透孔を穿設しておき、この
透孔に固定端子２２を挿入し、プリント基板のアース用
パターンと固定端子２２とを半田付けする。

なお、外側ケース２の一方側表面には透孔２３が形成さ
れ、同様にして他方側表面にも複数個の透孔（図示せず
）が形成されている。

上述のごとく構成された外側ケース２内に、その折曲部
１２が開口部２１側に向くようにして内側ケース１を収
納する。

そして、外側ケース２の透孔２３から半田を流し込み、
中央の誘電体共振器３ｂの外導体３３ｂと外側ケース２
とを電気的に接続するとともに機械的に固定する。

同様にして、外側ケース２の他方側表面に形成されてい
る透孔にも半田を流し込んで内側ケース１の底板部１１
て外側ケース２とを固定する。

このようにして同軸形フィルタを形成したことによって
、外側ケース２をアース電極とすることができる。

また、誘電体共振器３ａないし３ｃを外側ケース２で覆
ったことによって良好な電極シールド効果を得ることが
できる。

なお、上述の実施例では、誘電体共振器を１波長とした
が、責波長のものでも同様にして構成することができる
。

誘電体共振器３を、セ波長のものとするためには、短絡
導体３４を除去すればよい。

また、上述の実施例では、誘電体共振器を並列的に接続
した場合について説明したが、これに限ることなく誘電
体共振器を直列的に接続するようにしてもよい。

以上のように、この考案によれば、ケース体を金属材料
によって構成して半田付は可能とし、このケース体に誘
電体共振器の外導体を直接半田付けして電気的に接続す
るとともに機械的に固定するようにしているため、部品
点数が少なくしかも構造をきわめて簡単にすることがで
きる。

したがって、安価な同軸形フィルタを得ることができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の外観斜視図である。 第２図はこの考案の一実施例の外観図であり、特に第２
図ａはその平面図を示し、第２図すはその側面図を示す
。 第３図はこの考案の一実施例に含まれる誘電体共振器側
面断面図である。 図において、１は内側ケース、１１は底板部、１２は折
曲部、１３，１４は外部接続端子、２は外側ケース、３
，３ａ〜３ｃは誘電体共振器、３１は誘電体、３２は内
導体、３３．３３ａ〜３３Ｃは外導体、３４は短絡導体
、３５，３５ａ〜３５ｃは中心棒、４１〜４４はチップ
コンデンサを示す。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）半田付可能な金属板によって形成されたケース、
   および 少なくともその内周面に内導体が形成されかつその外周
   面に外導体が形成された筒状の誘電体を含む誘電体同軸
   形共振器を備え、 少なくとも前記誘電体共振器の外導体と前記ケース体と
   を半田付けして電気的に接続し、かつ機械的に固定する
   ようにした、同軸形フィルタ。
2. （２）前記ケース体は、 内側ケースと、 前記内側ケースを覆う外側ケースとを含み、前記誘電体
   共振器は前記内側ケースに設けられる、実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の同軸形フィルタ。
3. （３） 前記誘電体共振器には、その一方端面に短絡
   導体が形成され、その他方端に中心棒から設けられ、 前記内側ケースの一方側には外部接続端子が設けられて
   いて、さらに、 前記誘電体共振器の中心棒と前記外部接続端子との間に
   接続されるコンデンサを含む、実用新案登録請求の範囲
   第２項記載の同軸形フィルタ。
4. （４） 前記誘電体共振器は複数段けられ、さらに前
   記各誘電体共振器のそれぞれの中心棒間に接続される複
   数のコンデンサを含む、実用新案登録請求の範囲第３項
   記載の同軸形フィルタ。
5. （５）前記コンデンサはチップコンデンサである、実用
   新案登録請求の範囲第３項または第４項記載の同軸形フ
   ィルタ。