JPS602346Y2 - デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車の制動に用いられるディスクブレー
キのうち、サポートとバットの裏金との間に装着し前記
両者の間のがたつきをなくすとともに、パッドのライニ
ングが許容極限にまで摩耗した場合に警音を発生してラ
イニングの交換時期を乗員に知らせるための、警音式パ
ッドクリップを有するディスクブレーキの改良に関する
。

第１図に示すような通常のディスクブレーキにおいては
、サポート１の案内溝２，２に紙面に垂直方向の摺動自
在にパッドの裏金３の突部３ａを遊合させるが、裏金の
サポートへの組付けを容易にするため、両者の摺動部に
は小間隙を介在させている。

このような小間隙のために裏金ががたつくのを防止する
ため、上記摺動部にはパッドクリップを設けることが行
なわれている。

このようなパッドクリップは、第１図のように案内溝２
と突部３ａとの間にのみ挿入したり、特公昭４４−５９
０６号公報に示されているように裏金の下端面とサポー
トとの間にのみ挿入したり、また両方に挿入するものが
従来使用されている。

第１図に示した案内溝２と突部３ａとの間にのみパッド
クリップ４を挿入した例に於いては、裏金３の下面とサ
ポートの間隙は小さいので、この間隙は図示を省略して
いるが、実際には小間隙が介在することは避けられない
。

従来のディスクブレーキに於いて、案内溝２と突部３
ａとの間に挿入するパッドクリップは第２図に示すよう
に形成されていた。

すなわち弾性板製でコ字形に形成された基部のコ字形の
脚を形成する第一の片４ａに、同方向に延びて先端４ｅ
がパッドのライニング５の摩耗許容限界厚さの面まで突
出する長さの延長片４ｃを連続させ、コ字形を形成する
第二の片４ｂの先端部を基部の外方にこの基部と鋭角を
なすように折曲げてパッドの裏金３の突部３ａに固定す
るための取付縁４ｄとしたものである。

このようなパッドクリップを前記摺動部に装着するには
、裏金３の裏面に突出させた短杆状部に取付縁４ｄに設
けた孔を嵌合し、この短杆状部を圧潰してこのパッドク
リップ４を裏金に取付けると共に、延長片４ｃを案内溝
２と裏金の突部３ａとの間に挿入して行なう。

このようにしてパッドクリップ４を第３〜４図のように
装着すると、延長片４ｃの先端４ｅはパッドのライニン
グ５の摩耗許容限界厚さ１の面まで突出する。

このため走行中の振動や制動時の振動等により裏金３が
案内溝２内でがたついて異音を発生することがある程度
防止でき、またライニング５が摩耗した場合は、片４ｃ
の先端４ｅがディスク６の側面（第３〜４図）に当接し
、車輪とともに回転する該ディスク６によりパッドクリ
ップ４全体が細かく振動して乗員にパッドの交換時期が
来たことを知らせる警音を発生する。

ところで、このようなパッドクリップを有する従来のデ
ィスクブレーキに於いては、次に述べるような不都合を
生じる。

すなわち、上述のようなパッドクリップを使用した従来
のディスクブレーキに於いては、パッドの摺動部に設け
たパッドクリップによりパッドの長さ方向（第１図矢印
ａ方向）のがたつきは有効に防止されるが、パッドの幅
方向（第１図矢印す方向）のがたつきに対しては、パッ
ドクリップ４とサポートとの摩耗力によりがたつきを抑
えるため、がたつき防止の効果が少ない。

このようなパッドの幅方向のがたつきを防止するには、
サポートの案内溝２とパッド裏金の突部。

３ａとの間の隙間がなくなるように両者を形成すれば良
いが、そうするとパッドをサポートに組付けることが困
難になり、また仮に組付けたとしても案内溝２内での裏
金３の摺動不良を生じ易くなり、特にサポートや裏金を
鉄製とした場合、両者での間の摺動面が銹び付いたりす
るとブレーキが効かなくなり非常に危険である。

本考案は上述のような不都合を解消し、パッドの長さ方
向と幅方向との両方向のがたつきを有効に防止し、しか
もパッドの裏金とサポートの案内溝との間の銹び付きに
よる危険をも完全に防止し得るディスクブレーキを提供
せんとするものである。

１ 以下、実施例を示す図面によって本考案を説明する
。

第５図は本考案のディスクブレーキに使用するパッドク
リップ４の実施例を示している。

全体をステンレス鋼のように耐誘性がありしかも弾力性
ンを有する材料により造った本考案のディスクブレーキ
に使用するクリップ４の全体形状は、第２図に示す従来
のパッドクリップとほぼ同様であるから、同等部分には
同一符号を付して重複する説明を省略し、以下その特徴
部分について説明する。

１ 本考案のディスクブレーキに使用するクリップ４の
特徴は、第二の片４ｂに形成した取付縁４ｄの両側に、
それぞれ摺接片４ｆ、弾接片４ｇを形成したことである
。

摺接片４ｆ、弾接片４ｇは、取付縁４ｄの両側に形成し
た突片を基部と反対の側に折曲げて形成したもので、両
片４ｆ、４ｇの間隔をサポートの案内溝２の幅より大き
くし、摺接片４ｆを裏金の突出部３ａの側端面に重ね、
弾接片４ｇを延長片４ｃと共に弾性変形させてサポート
１の案内溝２に挿入できるようにしている。

弾接片４ｇはこのようにして案内溝２に挿入したとき、
摺接片４ｆを案内溝に弾力的に押付けるように取付縁４
ｄとの摺接部を基部方向に迂回させて折曲げている。

上述のように構成される本考案のディスクブレーキに使
用するパッドクリップ４は、第６図に示すように、パッ
ドの裏金３の突部３ａの側面に、摺接片４ｆの内側面を
当接させ、弾接片４ｇを該突部３ａの側面から少し浮か
せた状態で取付け、突部３ａをサポート１の溝２内に挿
入する際にこの摺接片４ｆと弾接片４ｇとを延長片４ｃ
とともに溝２と突部３ａとの間に挿入して使用される。

サポート１の溝２と突部３ａとの間には延長片４Ｃと摺
接片４ｆと弾接片４ｇとが挿入できる程度の十分な隙間
ができるように、溝２と突部３ａとを形成しておく。

このため、このように構成され取付けられたパッドクリ
ップ４を有するパッドをサポート１の案内溝２に遊合さ
せると、裏金の突部３ａと案内溝２との隙間を少し広目
にした場合でも、パッドの長さ方向のがたつきは延長片
４ｃにより、幅方向のがたつきは弾接片４ｇによりそれ
ぞれ吸収されるので、パッドがサポート１内でがたつく
ことは全くない。

また案内溝２の側面と裏金の突部３ａとは直接接触する
ことなく、両者の間には総てステンレス鋼のような不銹
性のパッドクリップの片４ｃ、４ｆ、４ｇが介在してい
るので、両者の摺動面が銹び付いてパッドの摺動不良を
生ずることが防止できる。

本考案のディスクブレーキは以上の通り構成され作用す
るパッドクリップを組付けているので、パッドのがたつ
きによる異音の発生がなくしかもパッドの摺動不良と言
った危険を防止し得るディスクブレーキとして実用上の
効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はパッドクリップを使用したディスクブレーキの
正面図、第２図は従来のパッドクリップの一例を示す斜
視図、第３図は第１図の拡大Ａ−Ａ断面図、第４図は第
３図の左方から見た図、第５〜６図は本考案の実施例を
示し、第５図は第２図の逆方向から見たパッドクリップ
の斜視図、第６図は第４図同様の図である。 １：サポート、２：案内溝、３：裏金、３ａ：突部、４
：パッドクリップ、４ａ：第一の片、４ｂ：第二の片、
４ｃ：延長片、４ｄ：取付縁、４ｅ：先端、４ｆ：摺動
片、４ａ二弾接片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サポート１に設けた溝２にパッドの裏金３の突部３ａを
   係合させ、制動時にこのパッドを車輪とともに回転する
   ロータ６に押圧自在とし弾性板製でコ字形に形成された
   基部のコ字形の脚を形成する第一の片４ａに、同方向に
   延びて先端４ｅがパッドのライニング５の摩耗許容限界
   厚さの面まで突出する長さの延長片４ｃを連続させ、基
   部の脚を形成する第二の片４ｂの先端部を基部の外に折
   曲げてパッドの裏金に固定するための取付縁４ｄとし、
   この取付縁４ｄの両側に基部と反対側に折曲げた摺接片
   ４ｆと弾接片４ｇとを形成し、この二つの片４ｆ、４ｇ
   の間隔を、裏金の突部３ａを案内するサポートの案内溝
   ２の幅より大きく、且つ両片４ｆｔ４ｇを弾性変形させ
   て裏金の突部３ａの３面を覆ってこの案内溝２に嵌合さ
   せることができる大きさとしたパッドクリップを、前記
   パッドの裏金３に取付縁４ｄに於いて取付け、裏金３の
   突部３ａの外周面と溝２の内周面との間に形成される間
   隙に延長片４ｃと摺接片４ｆと弾接片４ｇとを挿入して
   戒るディスクブレーキ。