JPS6022924Y2 - ミシンにおけるステツプモ−タの脱調防止機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はミシンにおけるステップモータの脱調防止機
構に関する。

ミシンにおけるステップモータは主として、模様発生装
置として用いられ、制御回路からの駆動パルスを受けて
成る駆動範囲内で同期運転し、針棒または布送り歯を作
動させ模様を発生させる。

尚、針棒作動と布送り歯作動とは動作が共通するので、
以下、針棒作動を中心にして説明する。

第１図は従来のミシンを示すものである。

図において１はミシン本体、２は針棒、３は針棒２の揺
動体、４は針、５は前記揺動体３に針振中運動を与える
振巾ロッド、で一端はピン５ａにより回動自在に揺動体
３に支持されている。

６は、針振中駆動用のステップモータで、前記振巾ロッ
ド５の他端はクランク６ａを介してステップモータ６に
枢支され、ステップモータ６の回動によって前記ロッド
５が揺動運動を行うようになっている。

尚、このステップモータ６はミシン本体１内部に設けた
制御回路（図示せず）から駆動パルスを受けて回動する
。

しかしながら、このような従来のミシンにおいては、前
記振巾ロッド５と揺動体３とはピン５ａのみによって回
動自在に支持されているだけである。

従って作業者が誤って、あるいは針４等の交換時に針４
、針棒２等に接触したりして揺動体３を揺動させたりす
ると、揺動体３の揺動が振巾ロッド５に直接伝って、ス
テップモータ６の回転位相をズラすこととなり、始動時
から誤動作を引き起こし、所定の模様を縫代できない欠
点があった。

尚、この欠点は送り歯１５の水平作動についても同様の
事がいえる。

この考案は、上記のような欠点を解決すると共に、構成
簡単にして安価なミシンにおけるステップモータの脱調
防止機構を提供することを狂的とするものである。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

尚、従来列と同一構成は同一符号で符したのでその詳細
な説明は省く。

また前述した如く、針棒作動と送り歯作動とは動作が共
通するので、以下針棒作動を主として説明する。

第２図はこの考案に係る脱調防止機構の一実施例を示す
分解斜視図である。

同図において５はステップモータ６（第１図参照）の回
動運動に関連して揺動運動を行う振巾ロッドで、その一
端５ｃはボール継手７を介して折曲部８ａを中間に有す
る揺動枠杆８が回動自在に設けである。

９は先端に小孔９ａ、基端に垂直係止片９ｂ、中間に折
曲片９ｃを有する揺動台板で、前記揺動枠杆８と揺動台
９とは、軸管部８Ａ、９Ａにて夫々嵌合され、針棒２の
揺動体３に立設した軸ピン１０上に軸管部８Ａが挿嵌し
回動自在に支持されている。

１１は、前記揺動体３の軸ピン１０近傍に立設した揺動
台板９の係止部としての回転係止ピンで、揺動台板９の
先端部と当接して揺動台板９の一方向の回転を阻止する
ものである。

１２は、前記揺動台板９の軸管部９Ａ上に嵌挿した第２
弾性体としての巻きバネで、その一端１２ａは揺動台板
９の折曲片９ｃと係合し、他端１２ｂは揺動枠杆の折曲
部８ａと係合して前記折曲部８ａを揺動台板９の垂直係
止片９ｂに弾圧し、揺動台板９及び揺動枠杆８を常時は
一体的に接合している。

１３は、揺動体３の上部に設けたネジ３ａと揺動台板９
の小孔９ａ間に介在した第１弾性体としてのスプリング
で、このスプリング１３の弾性力によって、前記揺動台
板９は回転係止ピン１１に常時は当接している。

尚、前記第２弾性体として巻きバネ１２を使用したがこ
れに限定される必要はなく、要は揺動台板９と揺動枠杆
８とを弾性によって接合できる弾性体ならばよく、その
取付位置も上記の位置に限定されない。

また、図中３Ａはミシン本体１に設けた揺動体３の回動
軸、１４は針棒抱き、１２Ａは巻きバネ１２の受は板で
ある。

次に作用を説明する。

今、第３図に示す如く、通常の運転時、即ち制御回路（
図示せず）からの駆動パルスを受けてステップモータ６
（第１図参照）が同期運転し、第３図に示す如く振巾ロ
ッド５が矢符Ｘ１方向に移動すると揺動枠杆８は巻きバ
ネ１２によって揺動台板９の垂直係止片９ｂに弾圧され
ているので前記揺動枠杆８と揺動台板９とは共に一体的
に軸ビン１０上を矢符Ｙ１方向に回転しようとする。

その結果、常時はスプリング１３の引張力によって揺動
台板９と当接状態にある回転係止ピン１１にこの回転力
が加わり、揺動体３が回動軸３Ａを中心に矢符Ｐ１方向
に揺動する。

次に、第４図に示す如く、ステップモータ６の同期運転
により振巾ロッド５が矢符Ｘ２方向に移動すると、前述
したように揺動枠杆８と揺動台板９とは巻きバネ１２の
弾発力によって一体的に接合せれていると共に、揺動台
板９はスプリング１３の引張力によって回転係止ピン１
１と当接状態にあるので、揺動体３は前述とは逆に回動
軸３Ａを中心に矢符Ｐ２方向に揺動する。

そして、これら揺動体３の矢符Ｐ１．Ｐ２方向の揺動作
動によって被縫物（図示せず）にジグザグ模様等を縫戒
するものである。

次に、例えば、ミシンの駆動中作業者が誤って、針４、
針棒２を動かして、揺動体３を揺動させたりあるいは針
４等の交換時に針棒２等を誤って動かして揺動体３を揺
動させた時には、第５図、第６図に示すように揺動体３
の揺動によっても振巾ロッド５が揺動せず、従ってステ
ップモータ６が回動せず、ステップモータ６の位相は変
化しない。

すなわち、第５図に示す如く、作業者が誤って揺動体３
を矢符Ｐ１方向に動かした時には軸ピン１０もＰ１方向
に回動腰これによって巻きバネ１２のの弾発力によって
一体的に接合されている揺動枠杆８と揺動台板９も共に
揺動体３と共に回動しようとしてその結果、振巾ロッド
５を矢符Ｘ１方向に移動させ、ステップモータの位相を
変えようとする。

しかしながら、揺動台板９の先端はスプリング１３によ
って揺動体３と連設しであるので、図示の如くスプリン
グ１３を引き伸しなから揺動台板９も矢符Ｙ２方向に回
動し振巾ロッド５を矢符Ｘ、力方向移動しない。

従って、振巾ロッド５はクランク６ａのクランク６ｂ（
第１図参照）を中心にして若干回動するだけであって、
ステップモータ６を回動させる力は何ら作用せずステッ
プモータ６の位相は全く変化しない。

また、第６図に示す如く、作業者が誤って揺動体３を矢
符Ｐ２方向に動かした時には、軸ピン１０もＰ２方向に
回動腰これによって揺動枠杆８と揺動台板９も共に揺動
体３と共に回動しようとして、その結果、振巾ロッド５
を矢符Ｘ２方向に移動させ、ステップモータ６の位相を
変えようとする。

しかしながら、揺動台板９はスプリング１３によって回
転係止ピン１３に当接されると共に揺動台板９と揺動枠
杆８とは巻きバネ１２によって接合されているので、巻
きバネ１２が除々に弾圧されて揺動台板９と揺動枠杆８
との相対接合関係がズレ、振巾ロッド５を矢符Ｘ２方向
に移動させる力を相殺し、このため振巾ロッド５は矢符
Ｘ２方向に移動しない。

従って、ステップモータ６の位相は前述と同様に全く変
化しない。

尚、この考案に係る脱調防止機構を第１図に示す布送り
歯５の駆動用のステップモータ１６の脱調防止機構とし
て用いるには、前記ステップモータ１６にクランク１８
を介して設けた振巾ロッド１９と、布送り歯１５に送り
調節器２０を介して連設した送りリンク２１に嵌挿され
た揺動体２２とをこの考案に係る脱調防止機構を介して
連設すればよく、このことにより作業者が誤って布送り
歯１５に触れこれを動かしたり又、送りずまり等により
普通縫歳時の時に比して送り歯に外力が加わってこれを
動かしても上述と同様に布送り歯１５の駆動用ステップ
モータ１６の位相が変化することはない。

以上説明したように、この考案によれば、例えばミシン
運転時に作業者が針、針棒あるいは送り歯に触れて、こ
れらの揺動体を動かしても針、針棒あるいは送り歯の駆
動用のステップモータの回転位相が変化するおそれは全
くなくなる。

したがって、前記誤動作による縫目模様の乱れおよびパ
ターンのズレがなくなり美麗な模様縫いを行うことがで
きるという効果を奏する。

又、極めて簡単な構成よりなるため安価でしかも耐久性
が良好であるという効果を奏する。

更に又、この考案によれば、ステップモータのトルクは
その回転位相が変化しないような高トルクを必要とせず
、従動側を駆動し得るだけの低いトルクで十分であるた
め、小型でローコストのステップモータを使用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のミシンの要部斜視図、第２図はこの考案
に係る税調防止機構の分解斜視図、第３図ないし第６図
は第２図で示した脱調防止機構の動作説明図である。 ３．２２・・・・・・揺動体、５，２０・・・・・・振
巾ロッド、８・・・・・・揺動枠杆、９・・・・・・揺
動板体、１０・・・・・・軸ピン、１１・・・・・・回
転係止ピン、１２・・・・・・第１弾性体としての巻き
バネ、１３・・・・・・第２弾性体としてのスプリング
。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基端を一固定軸線を中心に揺動可能に支持し且つ針又は
   送り歯を備えた揺動体と、 ステップモータと、ステップモータの回動に関連して揺
   動運動する振巾ロッドと、一端を振巾ロッドに支持腰他
   端を揺動体に設けた軸ピンに支持した揺動枠杆と、軸ピ
   ンに回動可能に支持した揺動台板と、揺動台板に形成し
   た垂直係止片と、揺動体に設けた揺動台板に対向する係
   止部と、揺動体と揺動台間に介在し、常に揺動台板を軸
   ピンに関し係止部に弾性により係止するように付勢する
   第１弾性体と、揺動台板と揺動枠杆との間に介在し常に
   は第１弾性体の付勢力向と軸ピンに関して逆方向に作用
   する第２弾性体と、よりなるミシンにおけるステップモ
   ータの脱調防止機構。