JPS6022716Y2 - 圧電型スピ−カ

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【考案の詳細な説明】本考案は圧電型スピーカに関する。

圧電型スピーカは磁気回路を必要としないので小型、軽
量化が可能な事から高音用スピーカとして着目されてい
る。

然し乍ら此種圧電型スピーカは発音帯域が狭い事が欠点
とされている。

本考案はこの圧電型スピーカの発音帯域を広げる事を目
的として為されたものであり、以下に図面を参照しつつ
詳述する。

１はチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電材料板２と黄銅等の
金属板３とを積層せしめた圧電振動板、４は周縁がダン
パ部５を介してフレームとしてのケース６に固着された
補助振動板で、ダンパ部５とが樹脂に依り一体成型され
ている。

７はこの補助振動板４の中央部と上記圧電振動板１の中
央部とを連結する連結部材としての支柱で、これ等の両
振動板４，１を平行に保持している。

８は圧電振動板１の周縁に固着されたサブコーンで、補
助振動板４とは逆側に位置している。

９は更にこの圧電振動板１の外周又はその節円位置に固
着された重りとしてのリング状のウェイトで、ゴム等の
弾性材料から戒っている。

一般に円板状の振動板の共振周波数ｆは、振動板の半径
をｄｌその厚みをｔとした場合、ｆ〜ｌの関係がある事が知られている。

この関係式は圧電振動板１には勿論のこと、補助振動板
４にも適用される。

圧電振動板１に就いて考えてみると、その半径ｄや厚み
ｔは任意に大きく変更する事は出来ず、従って圧電振動
板１自身で大略の共振周波数が決ってしまう。

一方、補助振動板４は圧電振動板１程その形状等に制約
を受けないので、半径ｄを大きくする事も、また厚みｔ
を薄くする事も出来る。

従って補助振動板４の半径ｄを圧電振動板１のそれより
大きくし、また補助振動板４の厚さｔを圧電振動板１の
それより薄くする事に依ってこの両振動板１，４を支柱
７で連結した構成のスピーカは第２図に示す特性を示す
。

即ちこの第２図に於てｆ、は圧電振動板１の共振周波数
で、ｆ２は補助振動板４のそれであり、この両共振周波
数ｆ１からｆ２に亘る広帯域の特性が得られる。

そして、この実施例は圧電振動板１の外周又はその節円
位置にリング状のウェイト９が取着されている。

このウェイト９の存在に依って圧電振動板１の慣性が高
まり、結果的に補助振動板４への音圧の伝達効率が良く
なり、補助振動板４に依る低域ｆ２の音圧を高める事と
なる。

また、この実施例に於ては圧電振動板１の補助振動板と
反対側に突出したドーム並びにホーン型のサブコーン８
を有している。

このサブコーン８を有する事に依って圧電振動板１の有
する共振周波数ｆ□を高域側に移行する。

従ってこのサブコーン８を有するスピーカの最終的な特
性は第３図のように非常に広帯域なものとする事が出来
る。

本考案は以上の説明から明らかな如く、圧電振動板の中
心部と補助振動板の中心部とを連結部材に依って連結し
ているので、円振動板が夫々違った音域を発音する事と
なり、広い音域を発音せしめる事が出来る。

そして、圧電振動板に重りを取り付ける事に依って、補
助振動板への伝達効率を高めることが出来、結果的に補
助振動板の共振周波数付近の音圧を高める事が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図、及び第３
図は第１図の実施例の発音特性図であって、１は圧電振
動板、４は補助振動板６はケース（フレーム）、７は
支柱（連結部材）、８はサブコーン、９はウェイト（重
り）、を夫々示している。