JPS6020696Y2 - 立形水栓の固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、衛生機器の水栓類特に立形水栓を洗面器又
は洗面台などに取付けたり、保全のために取外したりす
る際の固定手段に関するものである。

従来、洗面器とか洗面器を載置する洗面台に取付ける水
栓は、立形水栓を備えるのが通常でその一般的なものに
第２図（洗面器の場合）のものがある。

上記第２図に就いて説明すると、洗面器３１は上部に鍋
底形の水溜め３２を有し、この水溜め３２の上部周縁の
フランジ部３３の壁側（洗面器の設置時の向）に、立形
水栓３４を固定させる取付孔３５及びこの取付孔３５に
通じて洗面器３１の下側に開口する逆さ穴３６を備え、
立形水栓３４の長目のねじ脚部３７を前記取付孔３５か
ら逆さ穴３６に挿通し、その逆さ穴３６の下方から座金
３８及びナツト３９をねじ脚部３７に通したのち、この
ねじ脚部３７の雄ねじ部４０にナツト３９を取付け、こ
のナツト３９を狭い口径の逆さ穴３６の奥深くまでねじ
込んで締付けていた。

上記の立形水栓を取付孔に固定させる作業は、洗面器の
取付孔に立形水栓のねじ脚部を上方から挿入してねじ脚
部を逆さ穴に臨ませる。

次に洗面器の前部Ｂ側から両手を水溜めの下に差入れ、
片手を逆さ穴に入れてねじ脚部を手探ぐりで捉え、他方
の手に持った座金をね、じ脚部に挿入し、続いてねじ脚
部の雄ねじ部にナツトを取付け、このナツトを長い雄ね
じ部の上部まで螺挿して締付は固定するのであるが、上
記の作業を行なう間は、作業者は洗面器の前部Ｂの床に
両膝を付いた姿勢で、然も両腕は洗面器の壁側への奥行
きに阻まれてほとんど伸び切って居るうえに、両手許が
全く手探ぐりのため、その作業は著ししく困難であった
。

従って、このような作業性の悪さは、最初の施工時ばか
りでなく、経時経年使用中の排水管の詰りによる保全時
も同様の困難さが伴ない極めて不都合であった。

この考案は、上記の問題を解決し、洗面器又は洗面台へ
の立形水栓の取付作業を容易にして作業性の向上を計る
ことを目的とする。

この考案の基本的な構成は、外形を多角形にした長目の
筒形を呈する固定金具を形威し、この固定金具は一端に
配管接続用の螺合部及び通孔を有し、この通孔に通じる
固定金具の内部に、案内孔と、該案内孔より大きい内径
の環状溝及び立形水栓の通水管部に設けた雄ねじ部に対
応する短か目のねじ孔部を同一軸線上に設け、この固定
金具を介して通水管部を有する立形水栓を洗面器又は洗
面台に簡単に装着できるようにしたものである。

以下、この考案の一実施例を図に基づいて説明する。

この考案の実施例による固定金具１は長目の筒形を呈し
外周面軸方向の全面に、どの位置に於いてもスパナその
他の工具により挟着して回転させることのできる多角面
２を有し、この固定金具１の内部軸方向には口端にねじ
孔部３及び該ねじ孔部３より大きい口径の環状溝４と、
この環状溝４より小口径で前記ねじ孔部３より大きい口
径の案内孔５及び該案内孔５より小さい口径の通孔６を
同心に連設し、その通孔６の外周面には水または湯の配
Ｖ（図示を略す）を取付ける雄ねじ部７を備える。

立形水栓８は、下部（図に於いて）に取付用の雄ねじ部
７ａ及び該雄ねじ部７ａより小径にして内部の流量を制
御するようにした通水管部９を連設し、この通水管部９
の外周面には前記案内孔５との間に水密にするシールリ
ング１０を有。

する他は通常のもので、上部に吐出管１１及び操作部１
２を設けて洗面器１３の逆さ穴１４と通じる取付孔１５
にこの取付孔１５の上方から通水管部９を挿入し、その
通水管部９に座金１６を通して前記固定金具１に取付け
るように構成する。

壱なお、この立形水栓８は、水のみの単水栓または
湯水混合水栓の何れにも適用して差支えない。

また、図面中の記号１７は洗面器１３の水溜めを示す。

いま、立形水栓８の洗面器１３の取付孔１５に固定させ
る場合について説明すると、第１図に示すように立形水
栓８の通水管部９を、洗面器１３の取付孔１５に上方か
ら挿入してその通水管部９を洗面器１３の逆さ穴１４に
臨ませる。

次に洗面器１３の下方から両手を差入れて一方の手で通
水管部９を捉え、この通水管部９に他方の手に持った座
金１６を通したのち、固定金具１をねじ孔部３側から通
水管部９に嵌装させる。

この際、固定金具１のねじ孔部３は、外径の小さい通−
水管部９と、自体の環状溝によるねじ長さの短かさとに
より、手探ぐりの作業にもかかわらず通水管部９に容易
に嵌め込まれるので、そのまま固定金具１のねじ孔部３
を通水管部９の雄ねじ部７ａとのねじ合せ位置まで押入
れ、そのまま固定金具°１を回転させてねじ込み、適宜
の位置で固定される。

この締付は作業のあいだ固定金具１の案内孔５には立形
水栓８の通水管部９が摺動並びに融通自在に対応してお
り、固定ののちはシールリング１０により水密に維持さ
れ、同時に通孔６と通水管部９の通孔６ａとを連通させ
、該通孔６ａに給水源または給湯源に通じる配管を袋ナ
ツトその他により連結して施工を完了する。

この考案は、以上のように構成したので、次の利点を有
する。

（１）固定金具に環状溝及び該環状溝と通じる短か目の
ねじ孔部を設けたので、固定金具を立形水栓の通水管部
に取付ける時間を大幅に短縮できる。

（２）上記固定金具は長目の筒形にして握り応えのある
ようにしたので、洗面器の逆さ穴に臨ませた立形水栓の
通水管部を手探ぐりで捉えながら嵌め合わせるのに都合
がよいうえにねじ孔部と径の小さい案内管部との嵌め合
いによってねじ孔部と通水管部の雄ねじ部との螺合が円
滑になされ作業が素早くできる。

（３）従来のナツトと比較して固定金具が長目で大きく
手応えがあるので、扱い易く手探りで通水管部の雄ねじ
部に取付ける際に、その操作を逆さ穴の外で行なうこと
とも併せて作業性が極めて良く、不馴れな者には配管の
詰った場合の保全が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案実施例の固定要領を示す説明図、第２図
は、従来技術の説明図である。 主要部分の符号の説明、１・・・・・・固定金具、２・
・・・・・多角面、３・・・・・・ねじ孔部、４・・・
・・・環状溝、５・・・・・・案内孔、６・・・・・・
通孔、７，７ａ・・・・・・雄ねじ部、訃・・・・・立
形水栓、９・・・・・・通水管部、１３・・・・・・洗
面器、１４・・・・・・逆さ穴、１５・・・・・・取付
孔、１７・・・・・・水溜め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陶器又は合成樹脂によりほぼ鍋底形の水溜め１７を有し
   、この水溜め１７の上部周縁に、立形水栓８を固定させ
   る取付孔１５及びこの取付孔１５とほぼ同心で、前記水
   溜め１７とは反対向きにした逆さ穴１４を備えた洗面器
   １３に於いて、その逆さ穴１４に、前記取付孔１５側か
   ら立形水栓８の雄ねじ部７ａを有する通水管部９を挿入
   し、別に、長目の筒形を呈し外部表面の軸方向全長に、
   どの位置でも工具により挾み付けて回転せられるように
   した多角面２を有し、内部一端に前記雄ねじ部７ａと対
   応する短か目のねじ孔部３及びこのねじ孔部３より大き
   い口径の環状溝４と、該環状溝４より順次小口径にした
   案内孔５及び通孔６を有し、該通孔６の外周面には配管
   を接続させる雄ねじ部７を有する固定金具１を形威し、
   該固定金具１を前記逆さ穴１４に臨ませた立形水栓８の
   通水管部９に嵌挿してその雄ねじ部７ａを固定金具１の
   ねじ孔部３に螺合させた立形水栓の固定装置。