JPS6019174Y2 - 立形水栓の固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、衛生機器の水栓類特に立形水栓を洗面器又
は洗面台などに取付けたり、保全のために取外したりす
る際の固定手段に関するものである。

従来、洗面器とか洗面器を載置する洗面台に取付ける水
栓は、立形水栓を備えるのが通常その一般的なものに第
４図（洗面器の場合）のものがある。

上記第４図に就いて説明すると、洗面器３１は上部に鍋
底形の水溜め３２を有し、この水溜め３２の上部周縁の
フランジ部３３の壁側（洗面器の設置時の向）に、立形
水栓３４を固定させる取付孔３５及びこの取付孔３５に
通じて洗面器３１の下側に開口する逆さ穴３６を備え、
立形水栓３４の長目のねじ脚部３７を前記取付孔３５か
ら逆さ穴３６に挿通し、その逆さ穴３６の下方から座金
３８及びナツト３９をねじ脚部３７に通したのち、この
ねじ脚部３７の雄ねじ部４０にナツト３９を取付け、こ
のナツト３９を狭い口径の逆さ穴３６の奥深くまでねじ
込んで締付けていた。

上記の立形水栓を取付孔に固定させる作業は、洗面器の
取付孔に立形水栓のねじ脚部を上方から挿入してねじ脚
部を逆さ穴に臨ませる。

次に洗面器の前部Ｂ側から両手を水溜めの下に差入れ、
片手を逆さ穴に入れてねじ脚部を手探ぐりで捉え、他方
の手に持った座金をねじ脚部に挿入し、続いてねじ脚部
の雄ねじ部にナツトを取付け、このナツトを長い雄ねじ
部の上部まで螺挿して締付は固定するのであるが、上記
の作業を行なう間は、作業者は洗面器の前部Ｂの床に両
膝を付いた姿勢で、然も両腕は洗面器の壁側への奥行き
に阻まれてほとんど伸び切って居るうえに、両手許が全
く手探ぐりのため、その作業は著しく困難であった。

従って、このような作業性の悪さは、最初の施工時ばか
りでなく、経時経年使用中の排水管の詰りによる保全時
も同様の困難さが伴ない極めて不都合であった。

この考案は、上記の問題を解決腰洗面器又は洗面台への
立形水栓の取付作業を容易にして作業性を高めることを
目的とする。

この考案の基本的な構成は、外形を多角形にした長目の
筒形を呈する固定金具を形威し、この固定金具は一端に
配管接続の螺合部及び通孔を有し、この通孔の内端に流
量制御を兼ねた案内筒を取付けるねじ孔部を設け、その
ねじ孔部と同心に内径の大きいねじ孔部及びこのねじ孔
部より更に大きい内径で、立形水栓の長目のねじ脚部よ
り大きい挿孔を他端に貫通して設けたものである。

以下、この考案の一実施例を図に基づいて説明する。

この考案の実施例による固定金具１は長目の筒形を呈し
外周面軸方の全面に、どの位置に於いてもスパナその他
の工具により挟着して回転させることのできる多角面２
を有し、この固定金具１の内部軸方向には口端から挿孔
３及びこの挿孔３より小口径のねじ孔部４と、このねじ
孔部４より更に小口径のねじ孔部４ａ及びこのねじ孔部
４４ａより僅かに大きい口径の通孔５を同心に設け、そ
の通孔５の外周面には水または湯の配管を取付ける袋ナ
ツト（何れも図示を略す）を取付ける螺合部６を備える
。

案内筒７は、一端に前記ねじ孔４ａに対応する雄ねじ部
８を有し、内部に流量制御をも兼ねられる所要口径の通
孔９を軸方向の全長に貫通して設け、この案内筒７の外
径は、立形水栓１０のねじ脚部１１の通孔９ａより僅か
に小径で、案内筒７のシールリング１２によって両通孔
９．９ａを水密的に対応させである。

前記立形水栓１０は通常のもので、上部に吐出管１３及
び弁開閉用の操作部１４を有し、下部に前記ねじ脚部１
１を設け、このねじ脚部１１は、雄ねじ部８ａを備えて
洗面器１５の逆さ穴１６と通じる取付孔１７の上方から
挿入して取付けられるようにしたものである。

第３図に示すものは別の実施例で固定金具１ａは、一端
に長さの比較的短かいねじ孔部４を備えた螺合部６ａを
有する。

なお、立形水栓１０は水のみの単水栓又は湯水混合栓の
何れにも適用して差支えない。

また、図中１９は洗面器１５の水溜めを示す。

いま、立形水栓１０を洗面器１５の取付孔１７に固定さ
せる場合について説明すると、第１図に示すように立形
水栓１０のねじ脚部１１を、洗面器１５の取付孔１７に
上方から挿入してねじ脚部１１を洗面器１５の逆さ穴１
６に臨ませる。

次に洗面器１５の下方から両手を差入れ一方の手でねじ
脚部１１を捉え、このねじ脚部１１に他方の手に持った
座金１８を通したのち、固定金具１を挿孔３側からねじ
脚部１１に嵌装し、該ねじ脚部１１の雄ねじ部８ａと固
定金具１のねじ孔部４とが対応した位置から固定金具１
を所定の方向へ回転させてねじ込み固定させる。

この際の締付は量は、座金１８を取付孔１７の目端に圧
着させる程度でよく、この締付けを終ったとき、固定金
具１の案内筒７はねじ脚部１１の通孔９ａの下部に挿入
され、そのシールリング１２により水密を保持し、同時
に通孔９ａと通孔５を連通させ、該通孔５を有する螺合
部６に、給水源または給湯源に通じる配管を袋ナツトに
より連結して施工を完了する。

また、別の実施例の場合も上記に準じて施工する。

この考案は、以上のように構成したので、次の利点を有
する。

（１）固定金具に長目の挿孔及びこれと通じる短か目の
ねじ孔部を設けたので、固定金具を立形水栓のねじ脚部
に取付ける時間を大幅に短縮できる。

（２）上記固定金具の太き目の挿孔は、洗面器の逆さ穴
に臨ませた立形水栓のねじ脚部を手探ぐりで捉えて嵌め
合わせるのに都合がよいうえに、この嵌め合いによって
ねじ孔部とねじ脚部の雄ねじ部との螺合が円滑になされ
作業が素早くできる。

（３） 従来のナツトと比較して固定金具が長目で大
きく手応えがあるので、扱い易く手探ぐりでねじ脚部の
雄ねじ部に取付ける際に、その操作を逆さ穴１６の外で
行なうこととも併せて作業性が極めて良く、不馴れな者
にも配管の詰った場合の保全が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案の一実施例の固定要領を示す説四国、第
２図は、第１図に於けるＡ−Ａ線の平断面図、第３図は
、別の実施例の説明図、第４図は従来技術の説明図であ
る。 主要部分の符号の説明、１・・・・・・固定金具、２・
・・・・・多角面、３・・・・・・挿孔、４，４ａ・・
・・・・ねじ孔部、８ａ・・・・・・雄ねじ部、１０・
・・・・・立形水栓、１１・・・・・・ねじ脚部、１５
・・・・・・洗面器、１６・・・・・・逆さ穴、１７・
・・・・・取付孔、１９・・・・・・水溜め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陶器又は合成樹脂によりほぼ鍋底形の水溜め１９を有し
   、この水溜め１９の上部周縁に、立形水栓１０を固定さ
   せる取付孔１，７及びこの取付孔１７とほぼ同心で、前
   記水溜め１９とは反対向きにした逆さ六１６を備えた洗
   面器１５に於いて、その逆さ穴１６に、前記取付孔１７
   側から立形水栓１０の長目にしたねじ脚部１１を挿入し
   、別に、長目の筒形を呈し外部表面の軸方向全長に、ど
   の位置でも工具により挾み付けて回転させられるように
   した多角面２を有し、内径を前記ねじ脚部１１の雄ねじ
   部８ａの外径より大径にした挿孔３と、この挿孔３の一
   端にねじ長さの短かいねじ孔部４を同心に備えた固定金
   具１を設け、この固定金具１を前記逆さ穴１６の外側で
   操作することにより、前記雄ねじ部８ａとねじ孔部４と
   を螺合させて締付は及び綿房しかできるようにした立形
   水栓の固定装置。