JPS6019852Y2 - ２階建住宅の２階コ−ナ−部における水切施工構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は２階建住宅の１階の屋根と２階部分との境界の
２階コーナ一部における雨水などに対する水切施工構造
に関するものである。

２階建住宅（第１図）の１階の屋根１と２階部分２との
境界部分３はどうしても雨水などの浸入し易い構造とな
っている。

特に２階コーナ一部４．４′においては顕著である。

この境界から雨水などが内部に浸入して構築材の腐敗を
起こし住宅の耐久性能を低下させる原因の一つとなって
いる。

そのため従来の住宅では、その境界付近を漆喰やモルタ
ルなどで固めて雨水などの浸入を防いでいたが、工事施
工の容易さや工事期間の短縮などの目的で乾式構法を採
用しているプレハブ住宅などでは上記の方法を採用でき
ず、種々工夫された他の防水方法を行っている。

しかしながらこの防水方法も使用する部材を施工のさい
現場加工するものを多く含み、その加工精度により完全
な防水を行うことがでなかったなどの欠点があった。

本考案はこれらの欠点を排除し、さらに完全な防水効果
を発揮する２階建住宅の２階コーナ一部における水切施
工構造を提供するものである。

本考案に使用する部材を示す第２図、第３図において、
５は鉄などの金属または合成樹脂などの材料からなるＬ
状形の下部水切板で、両端に対向するようその端部を折
り返した水切６，６′と、Ｌ状形の角部を直角に折り曲
げた段部７とを備えている。

８は一方向に向かって波状の溝９を表面に備えたゴム、
合成樹脂、金属などからなる方形の水切コーナーシート
で、その角部に溝９と平行な一辺をち且つこの一辺と隣
合った辺とに所定の高さの連結した阻水壁１０．１０’
を備えた方形の切欠部８′を設けている。

本考案に係る２階コーナ一部４におけろ水切施工構造の
一実施例を示す第４図において、たるきの上に野地板を
張設して造った屋根と２階部分との境界付近にルーフイ
ング添板１１，１１を装着し、次に防水材からなるコー
ナーの水切するためのシート１２′をしたのち、ルーフ
イング添板１１．１１部分において所定の立上がりをし
て１階屋根全体にルーフイング１２，１２を張設する。

妻側１５の境界部にわけるルーフイング添板１１とルー
フイング１２を定着させるための小下地木１３を境界の
屋根部分に釘付けする。

桁側１６の１階屋根にセメント瓦や着色石綿スレート板
などの適当な屋根材１７′を配設したのち、大下地木１
４を桁側１６の境界部分に小下地木１３と同じ要領で１
階屋根に釘付けする。

次に図の如く溝９方向の阻水壁１０を下地木１３の長手
方向に、また他の阻水壁１０′を下地木１３の端部にそ
れぞれ密着するよう水切コーナーシート８を２階コーナ
一部に設置したのち、下部水切板５をその下方部分が水
切コーナーシート８の上方部分即ち阻水壁１０と切欠部
８′のある部分８″とに重なるよう小下地木１３の上に
装着し、小下地木１３に大下地木１４を重ねて釘付けし
て下部水切板５を固定する。

続いて下部水切板５の屋根部分及び水切コーナーシート
８の上面を含めて妻側５の屋根に屋根材１７を張設する
。

水切コーナーシート８の部分は屋根材１７’、１７が二
重になっている。

さらに桁側１６の不足している大下地木を足して上部水
切板１８を図のように大下地木１４．１４’の上に装着
する。

（大下地木の足した部分及び妻側１５の上部水切板は図
示していない）妻側１５と桁側１６との上部水切板１８
を２階コーナ一部においてコーナー水切で連接して防水
を完全にし、また上部水切板１８を装着した大下地木１
４．１４’の上に固定した外壁パネル敷板に外壁パネル
を固着して２階部分の外壁を造る。

降雨のさい雨水などの大武分は上部水切板１８で屋根材
１７．１７’の方に流れてしまい、表面張力やはね返り
などで屋根材１７を越して浸入した一部の雨水などは水
返し６のため段部７と水返し６の間の下部水切板５に沿
って流れ、さらに水切コーナーシート８の溝９を通って
屋根材１７′に排出される。

水切コーナーシート８の上の雨水などは溝９により横に
拡がることがなく確実に下方に排水される。

また２階コーナ一部の妻側１５小下地木１３と桁側１６
に接触する部分に阻水壁１０．１０’を設けたので雨水
などを内部に浸入するのを確実に阻止することができる
。

さらに溝９はそれ程深くなくとも確実にその機能を発揮
するので、それ程厚さの厚いものを必要とせず屋根材１
７，１７′が二重になってもそれ程屋根材１７を浮きあ
がらせない。

また溝９がクッションの役目をして屋根材１７を保護し
て割れるのを防ぐ。

実施例では野地板の上にルーフィングを張設したが、こ
れと同等以上の防水機能を持つものであれば他の防水シ
ートを使用しても良い。

また下部水切板５に段部７が設けられているが、これは
ルーフイング１２などを固定するために使用した小下地
木１３に合わせて造られたもので、他の固定方法を行う
ときはそれに合わせた形状とする。

また２階コーナ一部４′では、小下地木下部水切板及び
その関連部材などは２階コーナ一部４′のそれらと対象
の形で取付けられる。

本考案は、一方向に向った波状の溝を表面に備えたシー
トの端角部に、該溝と平行な一辺を持つ方形の切欠部を
形成すると共に溝と平行な一辺と、該−辺に隣合い前記
切欠部を形威する他辺とに所定の高さの阻水壁を備えて
戊る水切コーナーシートを形成し、２階建住宅の２階コ
ーナ一部における妻側の屋根材の下部に、前記水切コー
ナーシートを、２階コーナ一部に切欠部が密接すると共
に溝が傾斜方向に向うようにして配設し、さらに、両側
端に、対向するように折返されてなる水切りを備えた端
面り状形の下部水切板を形威し、該下部水切板が該下部
水切板の水平部分を前記水切コーナーシートの上部に重
ねると共に該下部水切板の折曲げ線を傾斜方向に沿わせ
て妻側境界部分に配設されてなることを特徴とする２階
建住宅の２階コーナ一部におけろ水切施工構造であるの
で、屋根材を越えて浸入した雨氷を、下部水切板と水切
コーナーシートで確実に排水でき、水切コーナーシート
の阻水壁と溝とで２階コーナ一部への浸入を確実に阻止
できるため、極めて優れた防水効果を発揮し、しかも、
現場加工が不要であるので、乾式構法において好適なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の２階建住宅の概略を示す斜視図、第２図
、第３図は本考案に使用する部材で、第２図は一つの部
材の斜視図、第３図は他の部材のイは平面図、口は側面
図、第４図は本考案に係ろ水切施工構造の一実施例を説
明するための主要部の斜視図である。 ５・・・・・・下部水切板、６・・・・・・水切、８・
・・・・・水切コーナーシート、８′・・・・・・切欠
部、９・・・・・・溝、１０．１０’・・・・・・阻水
壁、１５・・・・・・妻側、１７・・・・・・屋根材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方向に向った波状の溝を表面に備えたシートの端角部
   に、該溝と平行な一辺を持つ方形の切欠部を形成すると
   共に、溝と平行な一辺と、該−辺に隣合い前記切欠部を
   形成する他辺とに所定の高さの阻水壁を備えて戊る水切
   コーナーシートを形威し、２階建住宅の２階コーナ一部
   における妻側の屋根材の下部に、前記水切コーナーシー
   トを、２階コーナ一部に切欠部が密接すると共に溝が傾
   斜方向に向うようにして配設し、 さらに、両側端に、対向するように折返されてなる水切
   りを備えた端面り状形の下部水切板を形威し、 該下部水切板が、該下部水切板の水平部分を前記水切コ
   ーナーシートの上部に重ねると共に該下部水切板の折曲
   げ線を傾斜方向に沿わせて妻側境界部分に配設されてな
   ることを特徴とする２階建住宅の２階コーナ一部におけ
   ろ水切施工構造。