JPS6017073Y2 - 磁気記録再生装置の磁気テ−プ逆転装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、磁気テープを逆転走行させて画像を戻し状態
で再生させる磁気記録再生装置の磁気テープ逆転装置に
関するものである。

通常、磁気記録再生装置において画像再生を行なう場合
は、第１図において巻取り方向への駆動装置を備える繰
出しリール２ａから引き出された磁気テープ１が、実線
矢印のように回転磁気ヘッド（図示せず）が取付けられ
たシリンダー９に所定角度範囲巻回されてキャプスタン
１４及びピンーｆ−ローラ１５により正転駆動され巻取
リリール２ｂに巻取られる。

即ち、繰出しリール２ａから引き出された磁気テープ１
はテープガイド３、テンションポール４、テープガイド
５、消去ヘッド６、インピーダンスローラ７、入側移動
テープガイドＢａｔ、８ｂに案内されシリンダー９に巻
回される。

そして、シリンダー９から出た磁気テープ１は出側移動
テープガイドｌｅａ、１０ｂ、インピーダンスローラ１
１、音声ヘッド１２、テープガイド１３、キャプスタン
１４、ピンチローラ１５を経て巻取りリール２ｂに巻取
られる。

また、磁気テープ１を巻取リリール２ｂから引き出し繰
出しリール２ａに巻取るように逆転走行させ画像を逆転
再生させる場合には、上記正転の順序と全く逆の順に磁
気テープ１を案内して走行させる。

すなわち、キャプスタン１４とピンチローラ１５とによ
り磁気テープ１を一定速度で点線矢印の方向に繰り出し
、繰出しリール２ａに巻取らせて逆転走行させる。

ところで、カセット２においては１２０分用を使用した
場合、磁気テープ１のリール部径は巻始めと巻終りで１
＝４程度に半径比が変化する。

従って、逆転走行の際、固定ガイド３、テンションポー
ル４、固定ガイド５付近におけるテープ巻付角度が変化
して繰出しリール２ａにおける必要巻取トルクが、繰出
しリール２ａのテープ巻径に応じて変化する。

第２図はその実測例を示しており、横縦、縦軸には、そ
れぞれ繰出しテープ巻径、繰出しリールの巻取トルク（
ｇｒ −ｃｍ ）がとっである。

第２図において斜線部２２は最適トルク部分を示し、Ｘ
甲部分は磁気テープ１を引張る力が不足して磁気テープ
１のたるみが発生している範囲を示す。

また、■甲部分は磁気テープ１の張力が強すぎて磁気テ
ープ１の縁に傷が発生したり縁部分だけが伸ばされてひ
だが発生したような形になる範囲である。

従って、繰出しリール２ａの必要トルクを磁気テープ１
の巻径に応じて適切な範囲とするためには、何らかの手
段で巻取りトルクを変化させる必要がある。

そのためには、例えば、巻取リリール２ａの駆動装置の
モータのトルクを制御しなければならない。

なおまた、逆転再生時の逆転走行中は繰出しリール２ａ
を駆動部として磁気テープ１を引張するので、巻取力は
うず巻状に積層されたテープ層を介して伝わり、そのた
めの巻取力が不安定になる。

また、入側のテープガイド等、繰出しリールとシリンダ
の間にあるテープ案内機構は、正転走行時には走行の安
定化のために必要であるが、逆転走行の際には、それら
の摩擦抵抗による余分の負荷抵抗となるのみで、巻取力
の不安定さを助長することになる。

一方、テンションポール４は磁気テープ正転走行中に磁
気テープ１をテープガイド３，５に押し付けて磁気テー
プ１の張力が常に一定となるようにばねを介し弾力的に
取付けられている。

このため、逆転走行時においてもテンションポール４に
磁気テープ１が絶えず接して走行するようになっている
と、テンションポール４が振動を生じ、磁気テープ１の
走行時ばたつきが発生する不安定走行になっている。

本考案の目的は、磁気テープ逆転走行の際、繰出しリー
ルのテープ巻径の変化に対する巻取りトルクの変化を少
なくし、繰出しリールの駆動モータの制御を行うことな
く円滑に安定して走行させることができる磁気記録再生
装置の磁気テープ逆転装置を提供することにある。

本考案は、回転磁気ヘッドを備えたシリンダに磁気テー
プが所定角度範囲に渡って巻回、案内された状態で、磁
気テープを通常の正転走行とは逆方向に走行させる逆転
走行動作をするとき、正転走行動作時に繰出しリールと
シリンダとの間のテープ走行路に配置されてテープを案
内しているテープガイドのうち、少なくともテンション
ポールに最も近接して配置されているテープガイドから
磁気テープを引離すようにするものである。

このテープガイドから磁気テープを引離す手段は、例え
ば、テンションポールを磁気テープから引離すように移
動する手段によって構成する。

以下本考案の磁気記録再生装置の磁気テープ逆転装置の
一実施例を第３図により第１図と同部品は同符号で示し
同部分の説明は省略し説明する。

１７はソレノイドであり、ソレノイド１７は磁気テープ
１が巻取リール２ｂから引き出され繰出しリール２ａに
巻取られる逆転走行時に動作操作部（図示せず）からの
信号によってプランジャ１８を吸引するようになってい
る。

プランジャ１８は軸２４に回動自在に取付けられたフレ
ーム１９の一端に連結され、フレーム１９の他端には回
動自在に設けられた軸２５に一端を固定されたアーム２
０の他端が回動自在に連結されている。

軸２５にはアーム２０とほぼＬ字形の位置にアーム２８
が固定され、アーム２８の自由端側にはアーム２１の一
端が回動自在に連結されている。

アーム２１の他端には、一端側を軸２６に回動自在に取
付けられ、他端に磁気テープ１が正転走行時に磁気テー
プ１をテープガイド３，５に押し付は所定の張力を磁気
テープ１に保持させるテンションポール４を取付けたア
ーム１６が回動自在に取付けられている。

アーム１９，２０，２７，２１，１６により作動部材２
８を形成している。

この実施例の磁気テープ逆転装置において、磁気テープ
１を繰出しリール２ａから繰出しシリンダー９に巻き付
けた後巻取リール２ｂに巻取る正転走行時は、テンショ
ンポール４はばね（図示せず）の張力を介し常に磁気テ
ープ１が一定の張力で磁気テープ１に接触するように取
付けられ、従って、磁気テープ１は消去ヘッド６、テー
プガイド３，５に接触し走行する。

そして、画像を戻し状態で再生させる逆転走行の場合は
、磁気テープ１をキャプスタン１４及びピンチローラ１
５を介して巻取りリール２ｂから引き出し第３図点線矢
印の方向に走行させ繰出しリール２ａに巻取る。

即ち、磁気テープ１は、キャプスタン１４、ピンチロー
ラ１５、テープガイド１３、音声ヘッド１２、インピー
ダンスローラ１１、出側移動テープガイド１０ ｂ、
１０ ａ、シリンダー９人側移動テープガイド８ｂ、
８ａ、インピーダンスローラ７により案内され繰出しリ
ール２ａに巻取られる。

この磁気テープ１の逆転走行時には動作操作部からの信
号によりソレノイド１７のプランジャ１８は吸引される
ので、アーム１９は反時計方向に回動され、アーム２０
．２７は時計方向に回動駆動され、アーム２１．１６を
介してテンションポール４は磁気テープ１から離される
。

従って、正転走行時に磁気テープ１が接触した消去ヘッ
ド６、テープガイド５，３に対し、テンションポール４
が磁気テープ１から引き離されるように移動することに
よ、テンションポール４のみでなく、テープガイド３，
５にも磁気テープ１が接触しないで走行するようになる
。

このように逆転走行の場合に、シリンダ９の入側のテー
プガイド、特に、磁気記録再生装置上に配置され、繰出
リール２ａに最も近く、テープ張力が最も大きくなるテ
ープガイド３から磁気テープ１を離すことにより、この
テープガイドとの摩擦抵抗の影響がなくなり、繰出リー
ル２ａにおける必要巻取トルクは第４図の斜線部２３に
示す範囲となる。

この第４図に示す結果は、実験時の実測例であり、逆転
走行における安定な巻取りトルクの範囲が広がり、一定
の巻取トルクであっても安定な巻取りができる範囲に入
れることができる。

尚、第４図において、横軸、縦軸は第２図と同様に表示
してあり、Ｘ甲部分は磁気テープ１を巻取れないトルク
不足の範囲であり、Ｖ甲部分はトルク過大によるテープ
いたみの発生する範囲である。

第４図より、第３図に示す磁気テープ逆転装置において
は、約２００ｇｒ−ｃｍの一定値に繰出しリール２ａの
巻取りトルクを設定しておけばテープ巻径が変化しても
安定して磁気テープ１が逆転走行できることを示してい
る。

また、逆転走行中、テンションポール４は、吸引された
ソレノイド１７のプランジャ１８、作動部材２８により
磁気テープ１から引き離されているので、磁気テープ１
がばたつくような不安定走行も解消される。

以上記述した如く本考案の磁気記録再生装置の磁気テー
プ逆転装置は、磁気テープ逆転走行の際、繰出しリール
のテープ巻径の変化に対する巻取トルクの変化を少なく
し、繰出しリールの駆動モータのトルク制御を不要とし
巻取りトルクを一定値のままで安定走行させることがで
きる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は通常の磁気記録再生装置の磁気テープ走行時の
平面図、第２図は第１図の装置の磁気テープ逆転時の繰
出しリールの巻取りトルク特性図、第３図は本考案の磁
気記録再生装置の磁気テープ逆転装置の一実施例の磁気
テープ逆転走行時の平面図、第４図は第３図の装置の繰
出しリールの巻取りトルク特性図である。 １・・・・・・磁気テープ、３，５・・・・・・固定ガ
イド、４・・・・・・テンションポール、９・・・・・
・シリンダー、１４・・・・・・キャプスタン、１５・
・・・・・ピンチローラ、１６．１９，２０，２１，２
８・・・・・・アーム、１７・・・・・・ソレノイド、
１８・・・・・・プランジャ、２８・・・・・・作動部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転磁気ヘッドを備えたシリンダと、このシリンダに磁
   気テープを所定角度巻回して案内するテープガイドであ
   って、上記シリンダの磁気テープの入側及び出側に近接
   した位置に移動して磁気テープを上記シリンダに巻回さ
   せる移動テープガイドと、上記シリンダの入側に配置さ
   れ、磁気テープが正転走行路時に上記シリンダの入側に
   ある磁気テープにテープ張力を保持させるテンションポ
   ールを含むテープガイドとを備えた磁気記録再生装置に
   おいて、上記磁気テープを上記シリンダに巻回案内した
   状態で逆方向に走行して記録信号を再生する逆転走行動
   作のとき、上記テンションポールを移動し、上記テープ
   ガイドのうち上記テンションポールに近接配置された少
   なくとも一つのチーブガイドと上記磁気テープとの接触
   を引離す手段を設けたことを特徴とする磁気記録再生装
   置のテープ逆転装置。