JPS6015917Y2 - 窓用透明遮熱板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は窓硝子と平行に取付けていられる窓用透明遮熱
板に関する。

窓硝子を通しての熱の出入を遮断し暖冷房効率を高める
ために、二重硝子を用いたり、カーテンを吊ったり或い
は自動車のリヤーウィンドにおける如く色付きのプラス
チック板を窓硝子に平行に用いることは行なわれている
。

二重硝子を用いたりするのは窓枠等が最初からそのよう
に作られていることを必要とし、カーテンも取付けが簡
単でないばかりでなくカーテンと窓硝子の間の空気の流
通が盛んで遮熱効果が低い欠点がある。

また、色付きのプラスチック板は取付けが簡単であるが
透明性が悪い（可視光透過率あ％以下）割に遮熱効果が
低い（ガラスの熱貫流率を１として０．９程度である）
欠点があり、自動車のリヤーウィンドに用いられている
場合は夜間におけるバック走行を困難にする。

本考案は、プラスチックフィルム上に金属及び金属酸化
物の薄膜を積層した透明な積層プラスチックフィルムと
プラスチック板とを重ねて接合した透明な積層プラスチ
ック板より戒り、窓硝子と平行して窓枠内に取付けられ
る窓用透明遮熱板にあり、窓硝子に補助的に用いられる
従来のものの上述の如き欠点のない遮熱板を提供するも
のである。

以下、本考案を図面に基いて説明する。

第１図は本考案に係わる積層プラスチック板の積層構造
の１例を示す断面図、第２図、第３図はそれぞれ本考案
に係わる遮熱板の使用例を示す側面図である。

第１図の積層プラスチック板１は、透明なプラスチック
板２に予め透明なプラスチックフィルム４上に金属酸化
物薄膜５，７、金属薄膜６および透明な樹脂よりなる保
護薄膜８を図示の順序に積層して設けたフィルムを透明
な接着剤３を用いて接合した積層構造を有する。

この積層フィルムをプラスチック板に接合した積層構造
は積層プラスチック板の生産性の面から必要とされるが
、積層フィルムは金属や金属酸化物の薄膜層の上に保護
膜の設けられていないものであってもよいし、また、薄
膜の層数、組合せも図示例にこだわらない。

而して、本考案に係わる積層プラスチック板に用いられ
るプラスチック板としては、例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−２，６−ナフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂、ポリケトン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
スルフォン、ポリフェニレンオキシド、ポリメタクリル
酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン等
の樹脂やポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルローズ
、トリアセテート等のセルローズ樹脂等より威る樹脂板
の厚さ０．１〜５ＴＩｒＩｎ範囲のものが窓枠のきさ等
に応じて適宜選択される。

上に薄膜形成される金属としては金、銀、銅、パラジウ
ム、アルミニウム、ニッケル、クロム白金またはそれら
の合金等より選ばれた一種以上が用いられ、金属酸化物
としては５ｒ１２０３．ＳｎＯ２，Ｃｄ５ｎｏ４の他三
酸化チタン、酸化チタン、酸化ビスマス、硫化亜鉛、酸
化インジウム或いはそれらの混合物等が挙げられる。

積層プラスチック板を得るのに積層フィルムを利用する
場合の透明なプラスチックフィルムとしてはプラスチッ
ク板と同様な樹脂より成る厚さ５〜２００μのものが用
いられ、特にその上に薄膜を形成させた際の寸法安定性
、透明性、機械的特性の面からポリエチレンテレフタレ
ートフィルムが好ましく用いられる。

金属または金属酸化物の薄膜の上に用いられる保護薄膜
にはアクリル系、ポリエステル系、シリコン系等の樹脂
が用いられる。

金属をプラスチックフィルム或いはその上に設けた金属
または金属酸化物薄膜面上に薄膜として形成させるのは
真空蒸着法、カソードスパッタリング法、気相メッキ法
、化学メッキ法、電気メツキ法、化学コーティング法等
によってなされ、また、金属酸化物は直接金属薄膜形成
と同様な方法または金属或いは金属の有機もしくは無機
化合物の薄膜を形成後酸化或いは加水分解等の反応によ
り酸化物とする方法などにより薄膜として形成される。

これら金属および金属酸化物の薄膜の厚さが全体として
５０〜４０００Ａの範囲にあると、積層プラスチック板
における可視光透過率が６０％以上を保ち、しかも遮熱
効果がガラスの熱貫流率を１として０．５以下のものが
得られる。

保護薄膜は樹脂液を塗布する方法によって形成される。

図示の態様における金属酸化物薄膜５および７は屈折率
ｎｏ１．唄上の例えば三酸化チタン、酸化チタン、酸化
ビスマス、硫化亜鉛、酸化錫または酸化インジウムより
なる５０〜６００Ａの厚さの層であり、この様に高屈折
率の金属酸化物薄膜５．７で金属薄膜６を挾んだ形に積
層されていることはプラスチック板乃至プラスチックフ
ィルムとの接合、更には保護薄膜との接合が強力である
ばかりでなく、可視光を透過して赤外線を反射する選択
透過性が増すと云う効果も得られるので好ましい。

予め積層フィルムを作ってプラスチック板に接合する場
合の接着剤並びに接着方法はプラスチック板とフィルム
の材質に応じて公知のものが適用される。

本考案の窓用透明遮熱板は、上述の如く得られた積層プ
ラスチック板に窓枠内に取付は得る形状、構造を与えた
もの即ち、例えば窓枠の内法寸法形状を有して窓硝子に
吸着される吸盤の取付けられたもの、或いは窓枠部に喰
込むような突起を取付けたもの、上述のような特別の固
着物を設けることなく屈曲の回復力によって窓枠に嵌着
固定されるものである。

特に、積層プラスチック板の形状を少くとも一方向の寸
法に関して窓枠の内法寸法より大なる部分がある如く形
成し、屈曲させることによって窓枠内に嵌め込み、復元
力によって窓枠に嵌着固定されるものであることが簡単
で好ましい。

そして、窓枠に嵌装されている窓硝子が曲面形状をなし
ている様な場合には、予めそれに平行する様な曲面形状
を成形によって与えられていることが好ましい。

第２図は自動車のリヤーウィンド用の本考案の透明遮熱
板の例を示す断側面図で、一点鎖線に示す如く高さ方向
にゴム製の窓枠９の内法寸法より若干大なる寸法をもっ
て形成され且つ、窓硝子に沿う曲面形状の与えられた本
考案の透明遮熱板１０は、実線で示す如く曲面の曲率を
高められた状態で窓枠９に嵌着固定される。

嵌着した状態では窓硝子１１と透明遮熱板１０の間に密
閉された状態の空気層が介在するようになるので、輻射
熱だけでなく、伝導および対流熱も遮断する効果が得ら
れる。

そして、本考案の透明遮熱板は既に述べた如き高い可視
光透過率を有するので夜間においてもリヤーウィンドを
通しての後方確認が十分なし得ると云う優れた性能を有
し、窓硝子が破損した際の防護の役割も果す。

第３図は建物の窓の窓枠に嵌装されている態様を示し、
１２は窓枠への喰込みが突起物である。

本考案の窓用透明遮熱板は、窓硝子側に積層した薄膜層
が来るようなものであることが薄膜層の耐久性の面から
好ましいが、窓硝子側に透明プラスチック板が来るよう
なものであってもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる積層プラスチック板の積層構造
の１例を示す断面図、第２図、第３図はそれぞれ本考案
に係わる遮熱板の使用例を示す側面断面図である。 １：積層プラスチック板、２ニブラスチツク板、３：接
着剤、４ニブラスチツクフイルム、５．７：金属酸化物
薄膜、６：金属薄膜、８：保護薄膜、９：窓枠、１０：
透明遮熱板、１１：窓硝子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ プラスチックフィルム上に金属及び金属酸化物の薄
   膜を積層した透明な積層プラスチックフィルムとプラス
   チック板とを重ねて接合した透明な積層プラスチック板
   より戊り、窓硝子と平行して窓枠内に取付けられる窓用
   透明遮熱板。 ２ 前記金属及び金属酸化物の薄膜を金属薄膜が金属酸
   化物薄膜で挾まれた形に積層した実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の窓用透明遮熱板。 ３ 透明な積層プラスチック板が窓硝子の曲面形状に沿
   った曲面形状に底形されていて自動車の窓枠に嵌着され
   る実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の窓
   用透明遮熱板。