JPS6014903Y2 - 排気シヤツタ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は排気シャッタ装置に関するものであり、殊に排
気ブレーキと機関の暖機促進の２つの作用を醸し出し得
る同シャッタ装置に係るものである。

機関の排気系に配設された排気シャッタと閉じることに
より、排気ガスをその系内に閉じ込めて制動力を得る排
気ブレーキは公知である。

また機関の暖機運転中にその排気系に配設された排気シ
ャッタを閉じることにより、暖機時間を短縮することが
できると言うことも特公昭５０−６９１涛などに示され
ている。

従って、排気ブレーキ用の排気シャッタも暖機促進用の
排気シャッタも同じ様に排気系に置かれていて排気ガス
を同系内に閉じ込めるものである故、当然その共用が検
討に値する。

所が、排気ブレーキはもっばら機関の高速回転時に作用
するものであるため、上記排気ガスを上記系内に閉じ込
め過ぎると背圧が異常上昇して排気行程以外に排気弁が
開かれてしまう様なことが生じかねないことから、排気
シャッタに逃し孔を設けるなどして上記背圧上昇を適度
におさえている。

この様な排気ブレーキ用の上記シャッタを暖機促進用と
して用いた場合には、上記逃し孔のためアイドリング中
の背圧は所望の値まで上昇し得す、十分な暖機効果は得
られない。

逆に暖機時に十分なる背圧が得られる排気シャッタと威
すと、排気ブレーキ時に背圧が上りすぎて前記不具合を
発生してしまう。

この様なことから前述の排気シャッタの共用は、なかな
かむずかしい問題点を有していた。

本考案はこの点に着目して威されたものであって、排気
シャッタを偏心軸にて支承すると共に排気シャッタの開
閉を司どるパワーチャンバとシャッタレバとの間にダン
パを介在せしめ、背圧の異常上昇に対して該ダンパによ
り排気シャッタの開度が自動調整される様にしたことを
要旨とするものである。

以下図示せる本考案の一実施例について詳説する。

図に於て、１は機関、２はその吸気系、３はその排気系
で、該排気系内には排気シャッタ４が配設されている。

該排気シャッタ４は、その中心Ｃから外れたか所に於て
軸４１により回動自在に支承されており、該軸はシャッ
タレバ４２に連結されていてロッド４３及びリンク５１
を介してパワチャンバ５に連なっている。

従って、排気シャッタ４を閉じんとする場合には、弁５
２を開いてバキュームタンク５３のバキュームをパワチ
ャンバ５に導入すれば、前記リンク５１が引かれてロッ
ド４３を介してシャッタレバ４２を動作せしめ軸４１と
共に排気シャッタ４を図中点線位置より実線位置に回動
して排気管３１を閉じることができる。

そして、本考案に於ては特に、前記パワチャンバ５に連
なるリンク５１とシャッタレバ４２に連なるロッド４３
の間にダンパ６を介在せしめである。

該ダンパ６は、ケーシング６１内にピストン６２とスプ
リング６３とを内蔵すると共にオイルを充填して戒って
いる。

またケーシング６１には前記リンク５１が固着されてい
てケーシング６１自体はリンク５１と一体に動作するこ
とができる。

一方、上記ピストン６２には、ケーシング６１を貫通し
て伸びる前記ロッド４３が固着されており、該ピストン
にて仕切られる左室６４と右室６５とはそこに形成した
オリフィス６６を介して連通されていて、ピストン６２
、ロッド４３、シャッタレバ４２及び排気シャッタ４の
動作は一体であるも前記リンク５１並びにケーシング６
１の動作に対しては一部フリーとしである。

尚６７はアジャストナツトで、排気シャッタ４が背圧Ｐ
によって自動開放される際の背圧セット力を調節するも
のである。

以上の如き構成から成る本考案排気シャッタ装置に於て
は、前述の様に弁５２を開放してバキュームをパワチャ
ンバ５内に導入するとリンク５１が引かれ、これと一体
のダンパ６のケーシング６１も同方向に引かれる。

このケーシングの移動に伴って、右室６５内の油圧が上
昇してそこのオイルが左室６４内に漏洩せんとするも、
その間を連通ずるオリフィス６６の強い絞り作用によっ
てこの漏洩は殆んど皆無である故、ピストン６２は上記
オイルにより略々ケーシング６１と一体的に移動するこ
とができる。

従ってリンク５１の動作はダンパ６を介してダイレクト
にロッド４３に伝えられシャッタレバ４２を介して排気
シャッタ４を点線位置から実線位置に回動せしめ排気管
３１を略々完全に閉じることができるのである。

尚、排気シャッタ４が開かれる場合の動作も上記と略々
同一であるので、説明を省略する。

この様に排気シャッタ４が閉じられた結果、排気系３内
の背圧Ｐは当然上昇する。

そして、この背圧Ｐが設定値を越える様になると、該シ
ャッタ４が偏心した軸４１に支承されているとと前記ダ
ンパ６の存在のもとに同シャッタが自動的に開かれ、上
記シャッタは排気ガスの流下を許容して適確な背圧に保
持する様に作動する。

即ち、軸４１が前記中心Ｃから外れているため、排気シ
ャッタ４には図中白抜矢印にて示す如き背圧Ｐによる開
弁力Ｆが作用している。

この力Ｆはシャッタレバ４２及びロッド４３を介してダ
ンパ６のピストン６２に伝達され、前記スプリング６３
のバネ力ｆより大となると、ピストンはスプリングを圧
縮して右室６５内のオイルを左室６４にオリフィス６６
を介して漏洩させつつ右室側に摺動することができる。

よって排気シャッタ４は図中１点鎖線にて示す様に開か
れ、排気ガスはそこに形成される隙間Ｓから流下して、
背圧Ｐの上昇をストップさせるのである。

従って、排気ブレーキ作用時の様に、高い背圧Ｐが発生
する状態であっても、排気シャッタ４は自動的に開閉し
てこの背圧の異常上昇は確実に防止することができ、前
述の如き逃し孔などを不要と威すことができる。

換言すれば、この逃し孔などがないため、暖機のための
アイドリング時にも十分高い背圧を得ることができ、そ
れだけ暖機促進効果を高めることができるのである。

また、一般的に、排気管３１や排気シャッタ４などには
カーボンデポジットが付着しやすく、そのため上述の如
き逃し孔などにあっては経年変化によって発生背圧が変
動して種々の不具合を引き起こすことがあるが、本考案
によれば背圧を適切に制御することができるから、この
様な不具合は生じない。

更に、ダンパ６のピストン６２にオリフィス６６を設け
たからシャッタ４が排気ガスの脈動などによってふらふ
らする様なことも発生しない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す排気ブレーキ装置の一部拡
大断面説明図である。 １；機関、２；吸気系、３；排気系、４；排気シャッタ
、５；パワチャンバ、６ １；ケーシング、６２；ピストン、 ング、６６；オリフィス。 ；ダンパ、６ ６３；スプリ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関の排気系に配設された排気シャッタを閉じることに
   よって該排気系に背圧を発生せしめる排気シャッタ装置
   に於て、上記排気シャッタをその中心から外れた箇所に
   て軸により支承するとともに、該シャッタをシャッタレ
   バ、ロッド及びリンクを介してパワーチャンバに連結し
   、更に該ロッドとリンクの間にダンパを介在せしめ、該
   ダンパはオイルを充填したケーシング内を左室と右室と
   に仕切るピストンと両室を連通ずるオリフィスとピスト
   ンを一方室側へ付勢するスプリングを備え、上記排気シ
   ャッタに設定値以上の背圧が作用したとき、上記ダンパ
   を介して排気シャッタを適度に開放し得る様にしたこと
   を特徴とする排気シャッタ装置。