JPS6011615Y2 - フライバツクトランス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジョン受像機の陰極線管に高電圧を供給
するフライバックトランスに関する。

従来、フライバックトランスをプリント基板に取付ける
場合に、フライバックトランス全体をケースに収納する
タイプでは、ケースの端面の基板接触面が大きいため安
定した固定ができるが、ケースを用いないでシリコン樹
脂等でモールドしたタイプのフライバックトランスでは
、断面コ字状形の金具をフライバックトランスの端部に
取付け、金具をプリント基板と接触させて取付けていた
。

即ち、第１図Ａの如く、内側にコア１を挿通し外側にコ
イル部分２（低・高圧コイル）を巻回したボビン３の一
端部に、複数の端子４を固定した端子取付部５を配設し
て成るフライバックトランスにおいて、端子取付部５□
側のコア１め側面に断面コ字形の取付金具６を取付け、
端子４をプリント基板の挿入孔に挿通したときに、取付
金具６の両側の折り曲片７の端面をプリント基板上に接
触させ、固定の安定化を図っていた。

しかしながら、上記構成では、プリント基板との接触面
である取付金具６の折り曲片７の端面が小さく、また、
両側の折り曲片７間の間隔が、第１図Ｂに示すように小
さく、トランス部分全体の重心がかかるため、はなはだ
不安定な状態で固定が威されるものであった。

更に加えて、折り曲片７の幅が略１ｗＩｔ程度で鋭端な
ため、両面基板では基板上の銅箔を傷つける虞れがあり
、フライバックトランスと他の電気部品との絶縁耐圧上
不都合を生ずるものであった。

次に、第２図は第１図のフライバックトランスの固定構
造を改良したもので、取付金具の代りに金具より形状の
大きな板材からなる取付具８を使用した場合を示す。

しかし、この場合においては、コストが高くすること、
また、安定した固定のためには取付具８の基板との接触
面積を大きくする必要があり、形状が大型化し、基板の
配置いかんで、トランス部分が取付けできなくなったり
、他の素子に接触したりする虞れが生じ、極めて不都合
であった。

本考案は上記欠点を除去することを目的としたフライバ
ックトランスに関し、特に、高圧ボビンの一端にボビン
と一体に中空円筒状の脚部を形威し、フライバックトラ
ンスの基板への取付けを安定にして成るフライバックト
ランスに関するものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第３図、第４図は本考案のフライバックトランスを示し
、図中１１は一対のコ字型のコアであり、コア１１上に
は低圧コイル１２が低圧ボビン１３に巻回され、平捲に
巻回された高圧コイル１４が高圧ボビン１５に装着され
て、低圧ボビン１３と高圧ボビン１５とが一体的に結合
された状態で装着される。

低圧ボビン１３は、内部にコア１１を挿通し外周に低圧
コイル１２が巻回される円筒部１６と、円筒部１６の一
端に形成された高圧ボビン１５と結合するための複数の
結合用突起１７が形成された鍔部１８と、円筒部１６の
他端に形成された複数個に分割された略扇状の端子取付
部１９とを備え、端子取付部１９には複数本の端子２０
が植設固定される。

そして、低圧コイル１２が巻回された低圧ボビン１３は
、フリル等の絶縁材料からなる高圧ボビン１５の一端に
形成した脚部２１内に収納固定される。

高圧ボビン１５は、第５図に示す如く、内部にコア１１
を挿通し外周上に平捲に巻回した高圧コイル１４が装着
される円筒部２２と、円筒部２２の一端に形成した一側
面２３に開口部を有腰他側面２４の壁部２５が円筒部２
２の端部と一体形成された、低圧ボビン１３の外径より
若干大きな内径を有する中空円筒状の脚部２１とを備え
、脚部２１の壁部２５には低圧ボビン１３の結合用突起
１７と結合する複数の結合用孔２６が形成され、また、
脚部２１上にコア１１を挿通ずる切欠部２７が形成され
る。

斯かる構成のフライバックトランスにおいて、低圧ボビ
ン１３の所定位置に低圧コイル１２を巻回し、端子２０
に所定の接続をした状態で、低圧ボビン１３を高圧ボビ
ン１５の脚部２１内に収納し、低圧ボビン１３の鍔部１
８に形成した結合用突起１７を高圧ボビン１５の脚部２
１の壁部２５に形成された結合用孔２６と結合固定し、
高圧ボビン１５の円筒部２２に高圧コイル１４を嵌合固
定する。

そして、低圧ボビン１３に設けられた端子取付部１９の
端子２０に高圧コイル１４の接続処理を行ない、コイル
部分にエポキシ樹脂等の絶縁性・難熱性樹脂（図示せず
）を注入・充填して、モールドするものである。

第６図は、本考案のフライバックトランスをプリント基
板に取付けた状態を示すもので、端子２０をプリント基
板の端子挿入孔に挿入して固定した場合、高圧ボビン１
５の円筒状の脚部２１の開口部の端面が基板上に当接し
て安定した状態で固定される。

尚、上記実施例においては、高圧コイルが平捲の場合に
ついて述べたが、高圧コイルがセクション巻の場合には
、高圧ボビン１５の代りに、第７図に示すように、円筒
部３０に複数の鍔部３１を配設した分割型ボビンの端部
に円筒部（中空円筒状の脚部）３２を一体に形成した高
圧ボビン３３を用いても良いものである。

また、低圧ボビン１３と高圧ボビン１５の固定も、実施
例に示された、結合用突起１７と結合用孔２６を用いて
結合固定するものに限定されず、例えば、接着・熱溶着
等により固定しても良いものである。

以上の如＜、本考案のフライバックトランスによれば、
高圧コイルが巻回装着される円筒部を有する高圧ボビン
の円筒部の端部に連続して、低圧コイルが巻回装着され
る低圧ボビンの端部に形成された端子取付部の外周を覆
う中空円筒状の脚部を一体に形成したので、フライバッ
クトランスをプリント基板に取付けた場合に、高圧ボビ
ンに形成した円筒状の脚部の端部が基板上に当接するも
のであり、基板に対する当接形状が円筒状となって当接
範囲が極めて広くなるもので、傾いたり、ガタライたり
することなく、フライバックトランスを位置的そして電
気的に安定した状態で基板上に固定することができるも
のである。

また、従来の固定具を用いる場合と比較してみると、脚
部は低圧ボビンの端子取付部の外周を覆うことができる
だけの寸法で間に合うため基板上に占める床面積が小さ
く、従来の固定板を用いる場合より小型に形成できる利
点がある。

さらに、高圧ボビンに中空円筒状の脚部を一体に形成し
たため、従来の如く別部品の固定具を使用する必要なく
、コストダウン、組立作業性の向上も威されるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来のフライバックトランスの正面図、第１
図Ｂは同じく下面図、・第２図は従来の他のフライバッ
クトランスの正面図、第３図は本考案のフライバックト
ランスの一実施例を示す斜視図、第４図は同じく分解斜
視図、第５図は同じく高圧ボビンの側面図、第６図は同
じくプリント基板に取付けた状態の正面図、第７図は本
考案フライバックトランスの他の実施例の高圧ボビンの
斜視図である。 １３：低圧ボビン、１５：高圧ボビン、１９：端子取付
部、 ２１：脚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高圧コイルが巻回装着される円筒部を有する高圧ボビン
   の前記円筒部の端部に連続して、低圧コイルが巻回装着
   される低圧ボビンの端部に形威された端子取付部の外周
   を覆う中空円筒状の脚部を一体に形威したことを特徴と
   するフライバックトランス。