JPS599993Y2 - クロ−ラ−型走行装置の転動輪取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクローラー型走行装置の履帯を摺動支持する複
数の転動輪を簡単かつ確実に取付けるための取付構造に
関するものである。

従来、上記転動輪をクローラー型走行装置のフレーム本
体に取付ける作業にあっては、キープレートにて転動輪
を回動支持する転動輪用軸とフレーム本体の下位に取付
けられている軸取付金具を一体に結合していた。

しかしキープレートを用いる場合は転動輪用軸の軸端を
口形状にフライス等によって切削加工する製作工程を必
要とし、又キープレートをボルトにてフレーム本体もし
くは取付金具に取付けた際、キープレートは外部に露出
しているので、砂利、小石等によって破損する恐れがあ
った。

本考案は、かかる現状をかえりみて考案されたものであ
り、その目的は上記転動輪用軸と軸取付金具をキープレ
ートにかわって頭付ピン及びスナップリングにて一体的
に連結することによって、本来の使命である転動輪用軸
のスラスト防止機能及び同軸の軸取付金具に対する回動
防止機能を充分に果し、かつ同軸の安価な製作及び容易
な取付けを可能とした転動輪の取付構造を提供せんとす
るものである。

本考案は、無限軌道枠の両端に設けた駆動輪と誘動輪と
の間で転動輪により履帯を案内支持するべく構威したク
ローラー型走行装置の転動輪取付構造において、無限軌
道粋の下縁に中央に軸孔を有する軸取付用ブラケットを
着脱自在に取付け、同ブラケットの軸孔内に転動輪を回
動自在に支持する転動輪用軸の両端を嵌着し、同ブラケ
ットの周壁に設けたピン取付孔と同転動輪用軸の軸端で
あって軸心と直角に設けたピン挿通孔とに頭付ピンを遊
嵌状態に挿入して軸取付用ブラケットと転動輪用軸を一
体的に連結し、さらに転動輪用軸のスラストを防止する
ため、転動輪用軸の両軸端をスナップリングにて軸取付
用ブラケットの外端面に止着してなることを特徴とする
クローラー型走行装置の転動輪取付構造に係わるもので
ある。

上記転動輪の取付構造を第１図から第３図を参照して詳
細に説明する。

第１図は本考案に係る取付構造を具備したクローラー型
走行装置（本考案にあってはドラッグショベルを例示し
ている）の全体図であり、同装置は大概して上部施廻体
１及び下部施廻体２よりなっており、しかして同上部施
廻体は運転席３、施回機構４、掘削用ショベル５、同シ
ョベルを駆動する第１及び第２アーム６，７より構或さ
れており、又下部駆動機溝２は履帯８、同履帯を張架状
態に駆動する駆動輪及び誘動輪９，１０及び同張架状態
を安定さす上位転動輪１１，下位転動輪１２の構或を有
している。

本考案にかかる転動輪の取付構造は専ら上記の下位転動
輪１２の取付構造に関するものであり、その構造は第２
図及び第３図に詳細に示されている。

図中、１３は履帯８及び連結ピン８′がその上部を摺動
する下位転動輪１２をフローテイング機構１４を介して
回動状態に支持する転動輪用軸、１５は走行装置のフレ
ーム本体１６の下位所要部に取付ボルト１７にて固着さ
れ、かつ転動輪用軸１３の両輪端を枢支している軸取付
用ブラケットである。

又１８は転動輪用軸１３と軸取付用ブラケット１５を一
体的に連結する頭付ピンであり、その頭部はフレーム本
体１６の底端面と当接する軸取付用ブラケット１５の取
付面に凹設された凹所１９内に載置され、その軸胴部は
軸取付金具１５の基端部、転動輪用軸１３の軸端部及び
軸取付用ブラケット１５の頂部を軸通連結しており、そ
の際、軸端部に軸心と直角に穿設されているピン挿通孔
４は頭付ピン１８の装着を容易にするため所要のガタ（
すきま）を有している。

さらに転動輪用軸１３はその両端にスナップリング２１
を装着しており、ピン挿通孔２０と頭付ピン１８との間
のガタにより転動輪用軸１３が軸方向に移動するのを確
実に防止するものである。

上記構或によって、走行装置の走行時に履帯にかかる荷
重が転動輪を介して転動輪用軸にスラストとして伝達さ
れた場合であっても実質的にスナップリング及び頭付ピ
ンにて確実に同軸の軸移動を防止でき、又頭付ピンによ
って同軸の回転も防止できる。

以上述べてきたごとく本考案にあっては下記の効果を奏
する。

（１）転動輪用軸と軸取付用ブラケットが頭付ピン及び
スナップリングによって一体的に連結できるので走行装
置の走行時に履帯から転動輪を介して転動輪用軸に伝達
されるスラストによる同軸の軸方向移動は完全に防止で
き、又頭付ピンにて同軸の回動も完全に防止できる。

（２）キープレート使用時にあっては必要であった転動
輪用軸の軸端の切削加工を省略できるので製造工程の簡
素化及び製造費の低減化が図れる。

（３）構造がキープレートを用いた場合に比較して簡単
であり、かつ頭付ピンが転動輪用軸及び取付用ブラケッ
トによって完全に囲繞されるので砂利、小石等による損
壊を減少できる。

（４）転動輪の少くとも一側に穿設される軸通孔はガタ
を有するので軸取付作業が簡素化され、又同孔を穿設す
る加工費も低減できると共に、同ガタによる転動輪用軸
の軸方向移動はスナップノングにより確実に防止され、
ガタの存在による不都合を解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る転動輪の取付構造を具備するクロ
ーラー型走行装置の全体図、第２図は同取付構造の詳細
断面図、第３図は第２図Ｉ−Ｉ線による断面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無限軌道枠の両端に設けた駆動輪と誘導輪との間で転動
   輪により履帯を案内支持するべく構或したクローラー型
   走行装置の転動輪取付構造において、無限軌道枠の下縁
   に中央に軸孔を有する軸取付用ブラケットを着脱自在に
   取付け、同ブラケットの軸孔内に転動輪を回動自在に支
   持する転動輪用軸の両端を嵌着し、同ブラケットの周壁
   に設けたピン取付孔と同転動輪用軸の軸端であって軸心
   と直角に設けたピン挿通孔とに頭付ピンを遊嵌状態に挿
   入して軸取付用ブラケット転動輪用軸を一体的に連結し
   、しかも、軸取付用ブラケットの周壁で、ピン取付孔上
   端に位置する部分に凹所を設け、同凹所に頭付ピンの頭
   部を埋設状態とし、かつピン挿通孔と頭付ピンとの間に
   は所要のガタを生起する状態とし、さらに転動輪用軸の
   スラストを防止するため、転動輪用軸の両軸端をスナッ
   ププリングにて軸取付用ブラケットの外端面に止着しピ
   ン挿通孔と頭付ピンとの間のガタによる転動輪用軸の軸
   摺動を防止しうるべく構或してなるクローラー型走行装
   置の転動輪取付構造。