JPS598509Y2 - コンバインの変速装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパワーシフトバルブの変速レバーを案内する変
速ガイド溝を穿設してなる変速力゛イド板を備えたコン
バインの変速装置に関するものである。

従来構造のコンバインにおいては負荷の増大に起因して
扱胴の回転が所定値以下になった場合でも、コンバイン
の走行速度が自動的に可変しないため、扱胴に過負荷が
付勢される欠点があった。

したがって、本考案は前記変速ガイド溝の一部と同一形
状の端面を有するレバー操作プレートと、扱胴の回転が
所定値以下になった時に検出信号を出力する負荷検出装
置と、前記のレバー操作プレートを介して変速レバーを
低速側へ変移させるソレノイドとを設けることにより、
扱胴に付勢される負荷が一定値以上になった時に、前記
検出装置を介してソレノイドを作動させ、このソレノイ
ドの駆動によって変速レバーを高速側から低速側へ変移
させてコンバインの走行速度を自動的に低速にして扱胴
に供給する穀稈の量つまり脱穀負荷を減少させ、これに
よって扱胴に過負荷が付勢されるのを防止することがで
きるコンバインの変速装置を提供しようとするものであ
る。

以下、本考案の一実施例を図面にしたがって説明すると
、第１図は本考案に係る変速装置を具備したコンバイン
の側面図、第２図はその平面図で、走行クローラ１の上
方における機台２上にエンジン３および脱穀機４を搭載
し、機体前方に分草板５および刈刃６を有する刈取装置
７と穀稈引起装置８および上部搬送装置９等を装設して
いる。

また１０は下部搬送装置、１１は縦搬送装置であって、
その終端部は穀稈挾扼移送装置１２のフイードチェーン
１３始端部にのぞませてあり、前記穀稈挾扼移送装置１
２はフイードチェーン１３と挾扼杆１４とから構威し、
脱穀機４の扱口に沿って設けたものである。

さらに、脱穀機４の後方には脱穀後の穀稈つまり排藁を
切断するための排藁切断装置１５を、また脱穀機４の右
側方には一番穀物取出部から精粒を取り出す揚穀コンベ
ア装置１６をそれぞれ装設している。

前記の脱穀機４はその内部に扱胴軸１７（第３図参照）
を介して扱胴１８を軸架したもので、該扱胴１８に植設
した多数の扱歯１９・・・・・・によって穀粒を脱穀処
理すべく構威したものである。

一方、ステップ２０上にはシートフレームを介して運転
席２１を設けると共に、該運転席２１の前部に操作コラ
ム２２を立設して運転操作部２３を形或している。

すなわち、前記操作コラム２２の内部から操作パネル面
２２ ａ上に刈取クラッチレバー２４，脱穀クラッチレ
バー２５，および左右の各サイドクラッチレバー２６，
２７を立設すると共に、前記コラム２２の左側部に変速
ガイドブラケット２８の変速ガイド溝２８ ａに沿って
適宜操作させる主変速レバー（シフトレバー）２９を立
設して運転操作部２３を構成したものである。

前記の主変速レバー２９はパワーシフトバルブ３０（第
３図参照）内の図示しないスプールを適宜軸動させて、
作動油の流動方向を切り換え、レバー変速位置に対応し
た変速出力を得るためのものであって、該レバー２９の
下端はホークシャフトおよびシフトホーク等の図示しな
い各要素を介してスプールに連動せしめた支軸３１に連
繋させている。

次に本考案の核心をなす変速装置の具体的構造を第３図
乃至第４図に基づいて詳述すると、前記扱胴軸１７には
扱胴１８の回転が所定値以下になった時に検出信号を出
力する負荷検出装置３２を装設している。

この負荷検出装置３２は扱胴軸１７に固定したリンク取
付体３３と、該取付体３３にその一端を枢着させたリン
ク３４．３５と、これら各リンク３４ ． ３５の先端
に固定した遠心ボール３６ ．３７と、扱胴軸１７に対
して軸動自在に遊嵌したスライド筒３８と、このスライ
ド筒３８と前記リンク３４．３５との間に張架したアー
ム３９ ．４０と、前記スライド筒３８の軸動に追随し
て支軸４１を中心に揺動するスイッチング部材４２から
なるガバナー（遠心ボール調速機）４３と、前記スイッ
チング部材４２が反時計方向へ回転した時にオン作動す
るマイクロスイッチ４４とから構或したものである。

また、前記変速ガイドブラケット２８の下面にはマイク
ロスイッチ４４のオン作動時に電源（十Ｂ）が印加され
るソレノイド４５を取り付けて、その作動時に該ソレノ
イド４５のプランジャ４６，連結部材４７およびレバー
操作プレート４８を介して主変速レバー２９を低速側へ
自動的に変移すべく構威している。

ここで、前記のレバー操作プレート４８は第４図からも
明らかな如く前記変速ガイド溝２８ Ｈの一部つまり前
進域における該溝２８ ａの右端部と同一形状の端面を
有する金属製のものである。

なお、第３図乃至第４図における４９はプランジャ復元
用のスプリングである。

本考案は上記の如く構或したものにして、以下作用を説
明する。

いま、第３図および第４図に示す如く主変速レバー２９
を３速位置に位置させてコンバイン作業を行っている時
、何らかの原因によって脱穀負荷が増大し、扱胴１８の
回転が所定値以下になると、遠心ボール３６ ．３７に
付勢される遠心力が扱胴１８の所定回転時におけるそれ
よりも小さくなる。

このため、スライド筒３８が扱胴軸１７に沿って第３図
の矢印ａ方向へ摺動し、スイッチング部材４２を介して
マイクロスイッチ４４をオン作動させる。

該スイッチ４４がオン作動すると、ソレノイド４５に電
源（十Ｂ）が印加され、レバー操作プレート４８がその
プランジャ４６によって吸引されるので、主変速レバー
２９は第４図に示す３速位置から第５図に示す２速位置
へと自動的に切り換えられる。

このため、コンバインの走行速度が３速から２速に変化
し、扱胴１８に供給する穀稈の量を減少させて、該扱胴
１８に過負荷が付勢されるのを防止すると共に、その回
転を所定回転数にもどす。

扱胴１８の回転が所定値になると、ガバナー４３の作動
によってマイクロスイッチ４４がオフになり、ソレノイ
ド４５は復元用のスプリング４９によりそのプランジャ
４６を復元させる。

このため、レバー操作プレート４８は第５図に示す位置
から第６図に示す元の位置へ復帰する。

このようにして、コンバインが２速の変速出力によって
走行している際、再び脱穀負荷が増大して扱胴１８の回
転が所定値以下になると、前述と同様にして、マイクロ
スイッチ４４の検出信号によりソレノイド４５が再び励
磁され、レバー操作プレート４８を介して主変速レバー
２９は第６図に示す２速位置から第７図に示す１速位置
へと自動的に切り換えられた後、前記扱胴１８の回転が
所定値になった時、レバー操作プレート４８は第７図に
示す位置から第８図に示す元の位置へ復帰するものであ
る。

なお、マイクロスイッチ４４の電源回路中にもしくはマ
イクロスイッチ４４とソレノイド４５とを結ぶ回路中に
電源（十Ｂ）を手動操作によってしゃ断するセレクトス
イッチ等を設け、コンバイン始動時には該スイッチを介
して回路を開或し、脱穀クラッチレバー２５をオンにし
扱胴１８の回転が所定値に達した時にこのセレクトスイ
ッチを介して回路を閉或することが推奨される。

本考案は以上詳述したように、パワーシフトバルブ３０
の変速レバー２９を案内する変速ガイド溝２８ ａを穿
設してなる変速ガイド板２８を備えたコンバインにおい
て、前記変速ガイド溝２８ ａの一部と同一形状の端面
を有するレバー操作プレート４８と、扱胴１８の回転が
所定値以下になった時に検出信号を出力する負荷検出装
置３２と、前記のレバー操作プレート４８を介して変速
レバー２９を低速側へ変移させるソレノイド４５とを設
けたものであるから、扱胴１８に付勢される負荷が一定
値以上になった時に、前記検出装置３２を介してソレノ
イド４５を作動させ、このソレノイド４５の駆動によっ
て変速レバー２９を高速位置から低速位置或いは低速位
置から中立（ニュートラル）位置へ変移させてコンバイ
ンの走行速度を自動的に低速にし扱胴１８に供給する刈
取穀稈の量つまり脱穀負荷を減少させ、これによって扱
胴に過負荷が付勢されるのを防止することができる効果
がある。

しかも、前記のレバー操作プレート４８は変速ガイド溝
２８ ａの一部と同一形状の端面を有するものであるか
ら、変速レバー２９を３速位置から一度にニュートラル
位置へと急に変移させることなく、３速から２速，２速
から１速，１速からニュートラルへと順次段階的に変速
制御を行なうことができるものである。

なお、上記実施例においてはガバナー４３とマイクロス
イッチ４４とを組み合わせて負荷検出装置３２を構威し
たけれども、はずみ車調速機やクランク軸調速機等の他
のガバナーとマイクロスイッチ４４とを組み合わせて負
荷検出装置３２を構或してもよい。

あるいは扱胴軸１７はパルスディスク等を取り付けて回
転トランステ゛ユーサを構威し、該トランステ゛ユーサ
の出力によってスイッチング回路をオン・オフ制御し、
このスイッチング回路からの出力によって前記ソレノイ
ド４５に対する電源の通電制御を行なう負荷検出装置を
用いても前述とほぼ同様の作用効果を奏することは勿論
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る変速装置を備えたコンバインの側
面図、第２図はその平面図、第３図は変速装置を示す系
統図、第４図は同装置の要部平面図、第５図乃至第８図
は本考案の作用を説明するための平面図である。 １８・・・・・・扱胴、２９・・・・・・変速ガイド板
、２８ ａ・・・・・・変速ガイド溝、２９・・・・・
・主変速レバー（変速レバー）、３０・・・・・・パワ
ーシフトバルブ、３２・・・・・・負荷検出装置、４５
・・・・・・ソレノイド、４８・・・・・・レバー操作
プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パワーシフトバルブの変速レバーを案内する変速ガイド
   溝を穿設してなる変速ガイド板を備えたコンバインにお
   いて、前記変速ガイド溝の一部と同一形状の端面を有す
   るレバー操作プレートと、扱胴の回転が所定値以下にな
   った時に検出信号を出力する負荷検出装置と、前記のレ
   バー操作プレートを介して変速レバーを低速側へ変移さ
   せるソレノイドとを設け、脱穀負荷に応じて走行速度を
   可変すべく構或したことを特徴とするコンバインの変速
   装置。