JPS597715Y2 - 電磁継電器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は鉄心フレームと可動鉄片との間に遮磁板を介
装した電磁継電器に関するものである。

従来、電磁コイルに装着された鉄心フレームと可動鉄片
との間に遮磁板を介挿し、可動鉄片と鉄心との間に働ら
く残留磁気による吸引力を遮断し、電磁コイルの励磁の
際に、可動鉄片が鉄心に吸引される動作を円滑にしよう
とするものが知られている。

しかしながら、上記遮磁板は電磁コイルなどが装着され
た基台上に突設された樹脂製であるため、組立時に破損
しやすく、また、可動鉄片のヒンジばねが上記遮磁板と
は別体に形威されて組立てるため、それだけ部品点数が
多くなり、組立作業も面倒である欠点を有する。

この考案は上記欠点を解消するためになされたもので、
ばね性を有する遮磁板の一端部にこの遮磁板の板厚以上
の突出部を一体形或することにより、可動鉄片の残留磁
気を確実に遮断するとともに、上記遮磁板の他端部に可
動鉄片のヒンジばねを一体形或することにより、部品点
数の低減を図って、組立作業の容易化を達或できる電磁
継電器を提供することを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図、第２図において、１０は上部に折曲片１１をも
った鉄心フレームであり、この折曲片１１に固定された
鉄心１２には電磁コイル１３を巻装したコイルスプール
１４が套着されている。

１５は鉄心フレーム１０の外面部に対向して、鉄心フレ
ーム１０の下端部１６に矢印１７方向に回動可能に係止
された可動鉄片であり、第３図のように枠状に形或され
ている。

可動鉄片１５の下部には鉄心１２の下端面すなわち磁極
面１８に吸引される被吸引部１９がほぼ直角状に折曲形
威され、この被吸引部１９はそれ自体の重量により鉄心
１２の磁極面１８から離間している。

２０は可動鉄片１５の残留磁気を遮断する遮磁板であり
、この遮磁板２０には第４図のように上下２つの透孔２
１が形威され、この透孔２１には第２図のように鉄心フ
レーム１０の外面部に形或された上下２つの突起２２が
嵌入されている。

遮磁板２０はこのような透孔２１と突起２２とで正確に
位置決めされた後、スポット溶接により鉄心フレーム１
０に固定されている。

第４図のように、遮磁板２０の左右の上方遊端部２３に
は間隙保持用突出部２４が形或され、この突出部２４は
第２図、第５図のように可動鉄片１５の左右の上方遊端
部２５と鉄心フレーム１０との間に介挿されている。

第２図において、２６は可動鉄片１５のヒンジばねであ
り、部品点数を減少するため、上記遮磁板２０に一体に
形或されている。

第１図、第２図のように、鉄心フレーム１０およびコイ
ルスプール１４の基部２７が係着された端子台２８には
、可動接触片２９と固定接触片３０， ３１とが配置さ
れている。

これら接触片２９，３０．３１の下部近傍は側方から端
子台２８の溝３２，３３．３４に挿入係止され、かつ、
この溝３２，３３．３４に沿って嵌着されたブロック３
５．３６により端子台２８に抜出不能に係止されている
。

第２図において、３７は可動鉄片１５と可動接触片２９
との上方遊端部２５．３８間に架設されたカード、３９
は電磁コイル１３の外部端子、４０，４１．４２は各接
触片２９，３０．３１の外部端子、掘〕図における、４
３はカード嵌着孔である。

第２図において、電磁コイル１３に通電すると、可動鉄
片１５の被吸引部１９が鉄心１２の磁極面１８に吸引さ
れ、可動鉄片１５の上方遊端部２５が矢印１７方向へ回
動する。

これにより、カード３７が矢印４４方向に駆動して、可
動接触片２９の上方遊端部３８が押し戻される。

すなわち、可動接触片２９の接点４５が一方の固定接触
片３０の接点４６がら離間して、他方の固定接触片３１
の接点４７に接触する。

上記通電を断つと、可動接触片２９の弾性復帰力でカー
ド３７が押し戻され、接点４５ ．４７間が開、接点４
５ ．４６間が閉となり、また、可動鉄片１５の被吸引
部１９が鉄心１２の磁極面１８がら離間する。

ところで、上記のように可動鉄片１５の被吸引部１９が
鉄心１２の磁極面１８から離間して復帰したとき、可動
鉄片１５の上方遊端部２５が遮磁板２０の間隙保持用突
出部２４に当接する。

この突出部２４により、鉄心フレーム１０と可動鉄片１
５間の遮磁間隙が遮磁板２０の板厚以上に得られ、可動
鉄片１５の残留磁気が着実に遮断される。

すなわち、可動鉄片１５の被吸引部１９が鉄心１２の磁
極面１８に吸引される動作が機敏に行われる。

つまり、上述した電磁コイル１３の通電時に鉄心１２が
励磁され、通電を断ったのちも鉄心フレーム１０には残
留磁気が存在し、この残留磁気により、鉄心フレーム１
０と鉄心１５の上方遊端部２５は吸引作用が生じようと
するが、両者の間に介装された遮磁板２０の遮磁効果に
加え、遮磁板２０に形或した突出部２４で、鉄心フレー
ム１０と鉄心１５の間隔が増大し、遮磁効果が大きくな
るので、可動鉄片１５の被吸引部１９の磁極面１８に対
する吸引動作が行なわれ易くなる。

第６図のように、遮磁板２０の可動鉄片１５が当接する
部分、すなわち、間隙保持用突出部２４のばね部４８を
形或して、可動鉄片１５の復帰位置で、そのばね力によ
り可動鉄片１５を矢印４９方向へ付勢すべく構或すれば
、可動鉄片１５の吸引動作を速めることができる。

また、第７図のように、遮磁板２０に間隙保持用突出部
２４から延出するばね部５０を形威して、そのばね力に
より可動鉄片１５を復帰位置へ付勢すべく構或すれば、
可動鉄片１５の復帰動作を速めることができる。

以上のように、この考案によれば、ばね性を有する遮磁
板の一端部にこの遮磁板の板厚以上の突出部を一体形威
したから、可動鉄片の残留磁気を確実に遮断することが
できるとともに、上記遮磁板の他端部に可動鉄片のヒン
ジばねを一体形戊したから、部品点数の低減を図って、
組立作業の容易化が達威できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例にかかる電磁継電器の斜視図
、第２図は第１図の一部切欠側面図、第３図は可動鉄片
の斜視図、第４図は遮磁板の斜視図、第５図は第２図の
５−５線断面図、第６図および第７図はこの考案の他の
実施例を示す一部切欠側面図である。 １０・・・鉄心フレーム、１５・・・可動鉄片、２０・
・・遮磁板、２１・・・透孔、２２・・・突起、２４・
・・間隙保持用突出部、２６・・・ヒンジばね、４８・
・・ばね部、５０・・・ばね部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電磁コイルに装着された鉄心フレームと可動鉄片との間
   にばね性を有する遮磁板を介挿させ、この遮磁板を上記
   鉄心フレームに固着し、上記遮磁板の一端部に上記鉄心
   フレームに対する可動鉄片の間隙保持用突出部を一体形
   或するとともに、上記可動鉄片の折曲部に当接するヒン
   ジばねを上記遮磁板の他端部に一体形威したことを特徴
   とする電磁継電器。